フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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……|ω' ) スッ

こんばんわ、こんな真夜中に失礼します

3年ぶりでございますね、約……お待たせしました!(待っててくれた人いるかなぁ……ドキドキ)



続きが気になるとのお声を頂き時間がある時に細々と作成していました

正直……文章能力落ちてると思うので読みにくいところがあるかもしれませんが……

70話、よろしくお願いします


70話 今……行くから!

 

 

エクシードの夫婦から元気を貰い魔法が使えるようになったハッピー達は王都へ向け翼を広げ飛び続ける。

 

「んー!飛べるっていいね〜気持ちいいよぉ」

 

「だねー!やっぱりこれでこそオイラ達!って感じだね!」

 

「あんた達……そんな呑気な事言ってる場合なのかしら……?」

 

久しぶりに空を飛ぶ感覚を楽しむハッピーとルージュに呆れ顔ではあるが満更でもない様子のシャルルも(エーラ)を羽ばたかせる。

 

そんな3匹の目線の先には既に城の様子が見え始めていた。

 

 

ルージュ達が城へと向かっている頃……城の塔の開けた窓からルーシィがエドラスのエルザによって外へと吊るされていた。

 

「ちょ……!?ちょっとぉ!!」

 

「お前はここで死ぬんだ」

 

冷徹な表情でルーシィに告げるエドラスのエルザを見てルーシィはキッと睨むと

 

「エルザは無抵抗な人にそんな事しない!!

エルザは優しいんだ!!そんな事……するもんか!!」

と叫ぶ。

 

だがエドエルザはそれを聞いても冷たく笑う。

「フッ……おめでたい奴だな貴様は……私は、人の不幸等は大好物だ

妖精狩りの異名の通り、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士を何人も殺してやった……」

 

そう淡々と告げるエドエルザにルーシィは涙を溜め

「エルザの顔で……エルザの声で……そんな事、言うなっ……!」

先ほどより強く睨みつける。

 

ククッとエドエルザは笑うと

「じゃあな……ルーシィ」

そう告げ、ルーシィを城の窓から突き落とした。

 

「きゃあああああっ!!!」

 

ルーシィは恐怖でギュッと目を瞑る。

 

 

 

 

「ルーシィーーー!!」

 

「!?」

 

大きな声が自分の名を叫ぶのが聞こえ目を開けると……

 

「ハッピー!ルージュ!シャルル!」

 

ハッピー達がいた。彼らを見てルーシィは笑顔を浮かべる。

 

「エクシード……」

 

 

「もう大丈夫!オイラが助けに来たから!!」

 

そう言いながらルーシィをキャッチしようとしたハッピーは勢い余りルーシィを通り過ぎ……

 

「にぴゃぁ!?」

壁に激突した。

 

 

「ハッピー……大丈夫ぅ?」

「ありがとー!……てか、あれ?あんた達羽が……」

 

ハッピーがキャッチしそこなったルーシィはルージュとシャルルが無事掴み上げていた。

 

こちらに来てから1度も使えなかった翼を広げて飛んでいるハッピー達を見て首を傾げるルーシィにシャルルが照れたような表情で

 

「心の問題だったみたい」

と説明した。

 

「久しぶりで勢いつけすぎちゃったぁ」

「ハッピーらしいねぇ」

 

ハッピーも加わりルーシィを掴みエドエルザの元まで上昇する。

 

 

「こ……これは一体……その女は女王様の命令で抹殺せよと……」

困惑した様子でエドエルザはエクシードとルーシィを見る。

 

「命令撤回よ」

エドエルザを見下ろすシャルルが告げる。

 

「し……しかし、いくらエクシードの直命でも女王様の命令……覆す権限はないはずでは?」

 

そう言うとシャルルをギロッと睨むエドエルザは

「その女をコチラにお渡し下さい」

と命令するように告げる。

 

その眼光にハッピーやルージュは少し体を強ばらせる。

だがシャルルは冷静な表情でエドエルザを見下ろすと

 

「頭が高いぞ、人間」

 

 

 

 

「私を誰と心得る?私は女王(クイーン)シャゴットの娘、“エクスタリア王女”シャルルであるぞ」

と威厳あるオーラを出し告げた。

 

「「えぇ!?」」

 

「シャルルが……王女様?」

 

「なっ……」

 

シャルルの突然の告白にルーシィとハッピーは驚きの声を上げルージュはシャルルを見つめ目を見開く。

 

そしてエドエルザは驚愕に目を丸くすると……

ザッ!と素早くシャルルの前で膝をつく。

 

「はっ!申し訳ありません!!」

 

 

「答えなさい、ウェン……3人の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)はどこ?」

危うくウェンディの名前を言いかけたシャルルは呼び方を言い直しエドエルザに問う。

 

「はっ……2人は西塔の地下に、1人は……歌姫は恐らく北塔の拷問部屋に……」

 

「拷問部屋!?なんでそんなところに!?」

 

歌姫の単語にシャルル達の脳裏に浮かぶのは綺麗な歌声で皆を癒す力を持つシクルだ……

 

「はい……牢獄を脱獄した為地下にある拷問部屋に連行されました……」

 

「今すぐ全員を解放しなさい」

 

 

「そ、それだけは……私だけの権限ではなんともなりません」

 

シャルルの命令にエドエルザは冷や汗を浮かべそう伝えた。

思った通りの返答がないことにシャルルはギュッと手を強く握り

 

「言うことが聞けないの?いいから今すぐ!解放しなさい!!」

と怒声を上げる。

 

「はっ!しかし……」

 

 

「エルザ!!!」

 

あと少しでエドエルザは完全にシャルルの威圧に負け命令に従う……その瞬間だった。

 

 

体の大きいエクシード……王国軍所属部隊長であるリリーがエドエルザに駆け寄る。

 

「その3匹のエクシード達は堕天だ!!エクスタリアを追放された者共だ!!」

 

「何!?」

 

 

「何あいつ!!あんた達の仲間!?」

リリーの姿を見てハッピー達に問いかけるルーシィだが

 

「えぇ!?よ、よく分かんないけど……多分違うと思う!あんなゴツイエクシードにいなかった!!」

「絶対いなかったよぉ!」

 

首を振り見たことないことを強調させるハッピーとルージュに悔しそうに表情を歪め

「早く逃げるわよ!!」

とルーシィを掴みながらその場を逃げる。

 

 

暫くして王国軍の目から隠れられる様な場所を見つけ身を潜めていると

「ありがとう……3人共」

とルーシィが言った。

 

「……怒ってないの?」

お礼を言われたシャルルがそう聞くと

「え……何を?」

と首を傾げるルーシィ。

 

「だって……捕まっちゃったのは私達の、せいだし……」

耳を垂らしそう言うシャルルに苦笑を浮かべながらも優しい表情で

 

「でもこうやって助けに来てくれたじゃない……ね?ハッピー、シャルル、ルージュも」

とルーシィは笑う。

 

そんなルーシィを見てもハッピーとルージュの表情も晴れる様子はなく

「ごめんね、ルーシィ……」

「ごめんなさい……」

と謝る。

 

「だからそんなに怒ってないってば!ね?」

とルーシィは言ったところでシャルルを見ると

 

「それよりあんた……女王様の娘って事の方が驚きなんですけど……」

と言った。

 

「オイラもーびっくりしたよ」

とハッピーが同調していると

 

「え?気づいてなかったのぉ?あれ、シャルルのはったりだよぉ、ねー?」

とにっこりと笑いシャルルを見てそう言ったルージュにシャルルはふんっとそっぽを向くと

 

「当たり前でしょ」

と言った。

 

「「えぇ!?」」

ルーシィとハッピーはさらに驚きの声を上げる。

そしてハッピーもルージュと同じ様ににこーっと笑顔を見せる。

 

「何よその顔は?ハッピー」

「いやぁいつものシャルルだなぁって、思ってね」

「さすがシャルルって感じだねぇ」

 

ハッピーに便乗してシャルルにそう言うルージュ

 

「ちょっと何よ、ルージュまでそんな顔で……変なの」

「……(あれ?今……)」

 

仲良さげに会話をするハッピー達の言葉の中で何かが引っかかったルーシィは首を傾げた後……

 

(名前……ハッピーとルージュって……)

シャルルの変化に気づき、3匹に気づかれないようにっこりと笑顔を浮かべた。

 

「そんなことより早くウェンディ達を助けに行った方がいいんじゃないかしら?」

 

気を引き締めるように言ったシャルルの言葉にルーシィ達も真剣な表情を浮かべる。

 

「1人は拷問部屋にいるって言ってたわね……それって」

エドエルザの言葉を思い出すルーシィ。

 

「多分シクルの事だよ……歌姫って言ってたよあのエルザ」

ハッピーの言葉にルーシィとシャルルが頷く。

すると……

 

 

「……あたし、助けに行ってくるよ」

とルージュが言った。

 

「まさか……ルージュ一人で行く気!?危ないわ!」

ルージュの言葉に驚き止めるルーシィ。

そしてハッピーもまた

「そうだよ!何があるかわからないんだよ!?みんなで行ったほうがいいよ!」

とルージュを止める。

 

だが……

「ううん……あたし一人で行くよ、その方が隠密に動けると思うの

それに……」

ルージュはそう言うとシクルがいるであろう方向を見つめ……

 

「シクルが呼んでる気がするんだ……」

と呟いた。

 

ルージュはそう言うと「ナツ達の方は任せたよ!」と言って2人が止めるのも聞かず飛び立ってしまった。

 

「ルージュ待って!!……もう!」

「1人じゃ心配だよ……」

ルーシィとハッピーが不安そうにルージュを見つめる。

 

そんな2人に

「大丈夫よ……ルージュは」

と、ただ1人止めなかったシャルルが言った。

 

「あの子……語尾が伸びてなかった……きっと大丈夫」

シャルルは自分にも言い聞かせるようにハッピーとルーシィにそう言う。

 

「私達も早くウェンディとナツの所へ行きましょ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー ……大丈夫……大丈夫だよね?……シクル……

 

 

 

……待っててね、今……行くから!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー …………ルージュ……

 

 

ーー ……ナツ……

 

 

助けて……

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか……?


何分構成とか色々抜け落ちた部分もあるんですが……しかも久しぶりなのにそこまで長くない……


これからもゆっくりとにはなると思いますが細々と余裕がある時に更新をしていくと思いますので読んでいただけたら嬉しいです。


では……また次回
(誤字脱字ある際は申し訳ございません!)

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