たいっっっっっへん!!!
お待たせしましたっ!!!やっと落ち着きが見え、投稿にありつけました!!
期間空いてしまいほんとにすいません!!
期間空いた割に少し文章短いのですが……、最後までお付き合い、お願いします!!
ホテルで一時の休息が終え、ついに城への侵入を決行に移したシクルたち……
現在シクルたちはシャルルの道案内で城の地下へと続く坑道を松明で照らしながら歩いていた。
「シクル、ここ……壊せる?」
「ん? ここ? おっけ、任せて」
シャルルの示した岩場を前に立ち、拳を握ると一振りで岩を砕く。すると、砕かれた岩場の奥から新たな道が繋がる。
再びシャルルを先頭に坑道を進む。
先頭を歩くシャルルを見つめ、ふとシクルは疑問に感じていたことを思い浮かべる。
「……(シャルルの話……信じていない訳では無いけど……何かおかしい……本当に……本当にルージュたちは……私たちの抹殺任務を与えられていた……の?)」
そうじゃなければ……或いは……
「もう!! いーかげんやめなさいっ!!」
「んんんっー!!!」
考え込んでいた思考の端で大声で怒鳴るルーシィの声と何かを唸るナツの声が聞こえ、そちらを振り返ると……
「……何やってんの?」
ルーシィが松明をナツの口に突っ込み、ナツはそれを全力で抵抗していた。
「ナツがふざけるのよっ!!」
全く……と、眉を寄せぷくぅと頬を膨らませるルーシィを見て、ぷふっと笑ってしまうシクル。
「まぁまぁ、そー怒らないのルーシィ……シワ寄ってるよ? それとナツはこんな時にふざけない……分かった?」
「「はーい/おう……」」
暫く歩き続けるとシクルたちは狭い道から広い空間へと出た。
「ここから城の地下に続いているはずよ」
「にしてもすっげぇな……その情報ってのはよぉ」
「ほんとねぇ……シャルルがいてくれて助かったわ」
先頭を進むシャルルを見て、笑みを浮かべ、そう呟くナツとルーシィ。
だが、その後ろでは……
険しい表情を浮かべるシクルがぼんやりと、考え事をしていた。
「っ……(やっぱり、何か……ひっかかる)」
「……シクルぅ?」
難しい表情を浮かべるシクルを不安そうに見上げるルージュに気づき、安心させようとシクルが笑みを浮かべた時……
「っーーー!! 皆、避けてッ!!!!」
切迫したシクルの叫び声。驚くナツたち。
その次に響くのは……
「え……きゃぁあっ!!!」
「っ……ルーシィ!!!」
ルーシィの悲鳴が聞こえ、そちらを振り返ると粘着質のなにかに身体を拘束され、動けないルーシィ。
何かに捕まってしまったルーシィに続き、ナツとウェンディもそれに縛られ、拘束されてしまう。
「きゃあ!!」
「ンだこりゃぁ!?」
「ウェンディ!!」
「ナツ!! ルーシィ!!」
「っ……皆!!」
ただ1人、謎の粘着物から回避出来たシクルは空中で一回転し、地へと足をつくと抱いていたルージュをその場に降ろす。
そして、身動きの取れないナツたちを救出すべく、すぐに行動を起こす。
ダンッ!! と地を蹴り、一番近くにいたルーシィの拘束を解こうとするも……
「っ!!」
シクルの先を1本の槍が投げられる。
咄嗟に飛び退き、避けるが……次の瞬間、ドォオオンッ!! と、音を立て槍の刺さった地が爆発。
「う、わぁ!!」
「「「「「「シクルっ!!」」」」」」
ダメージ自体、負っていないものの爆風により態勢を崩され……その隙に、シクルの首と手首、そして、左足に粘着物が絡まり、動きを封じられてしまう。
「! ちぃっ……!(油断したっ……!)」
いつの間にかシクルたちの周りは軍が囲っており、逃げ場は塞がれている……。
それでも、何とか拘束から逃れようと、粘着物を何とかしようとしていると……
コツッコツッ……という足音と共に、少し違うがシクルにとって、とても馴染みの深い匂いがその嗅覚に届き、動きを止める。
そして、足音の発信他をじっと驚愕の瞳で見つめる……。
「ほぉ……今のを完全とは言わずとも避け……ダメージはなし……か、なかなかやるようだな」
暗闇から響く声にナツたちも目を見開く。
「……え」
「お、おい……」
「う、うそ……」
「まさ、か……」
「あんた……」
「そんなぁ……」
「っ……エル……エドラスの……エルザ」
王国軍に仕える、こちらの世界のエルザが目の前に現れた。
「そして……こいつらが、例のアースランドの魔導士か……確かに、そっくりだな……
ナツ・ドラギオン、ルーシィ・アッシュレイ……そして、貴様が……」
エドラスのエルザはそこで一度言葉をきると、コツッと地に膝をつき、ずっとエルザをキッと睨みつけていたシクルに近づき……
ガシッ!
「いっ……!!」
いきなりシクルの前髪をわし掴み、少し俯いていた顔を無理に上げさせる。
「シクルっ! てめ……!」
「ちょ……離してっ! (これで禿げたらエルを恨むっ!!)」
緊迫した状況のはずが、シクルの心中は目の前のエルザではなく、今ここにはいないエルザを思い浮かべ、愚痴をはなっていた。
「……貴様が、アースランドのシクル……歌姫か……なるほど、確かに同じだな……顔も……声も……そしてその、反抗的な瞳もな……」
「はぁ……? 何言ってんの……つか、いーかげん離してくんない!? 本気で禿げちゃうっての!!」
拘束され、動けない今も反抗的な態度が崩れないシクルに、ふんっとエドエルザは鼻で笑うと(今鼻で笑った!? 笑ったわよね!? はっ倒す!! by.シクル )シクルから手を離す。
「わっ!」
いきなり掴みあげていた手から解放され、身体のバランスが保てず、額から地面にぶつかるシクル。
そして、地味に痛む額を抑えながら、恨めしそうに顔を上げ、エドエルザを睨みつけると……
「……え?」
シクルの見た先ではなんと、エドエルザはシャルル、ハッピーそしてルージュを前に、膝をつき、頭を下げていた……。
「……エクシード」
「……エク、シー……ド?」
エドエルザの呟きの後に後方に控えていた王国軍の兵士達もシャルルたちに頭を下げ始める。
そして……
『お帰りなさいませ、エクシード』
一斉に声を揃え、告げられるその言葉に……
シクルやナツたちはもちろん……声をかけられるシャルルたちも驚愕で目を見開き、身動きが取れないでいた。
「エクシード……?」
「っ!?」
「シャルル……ハッピー、ルージュ……あなた達、いったい……」
「っ……ルージュ!」
「侵入者の連行、ご苦労さまでした」
エドエルザのその言葉に震えを強くし、呆然と立ち尽くすシャルル。
「っ……」
「……シャル、ル?」
「なん……でぇ?(分からない……分からないよぉ……)」
明らかに混乱しているルージュたちと、ナツたちに声をかけようとするシクルだが……途中でぷつり、と意識は途絶え……気絶してしまった。
……? ……の……ぶ、で……か?
「(……だ、れ……?)」
暗い意識の中、誰かの声が聞こえ、ゆっくりと沈んでいた意識が浮上する。
重たい瞼を押し上げ、目を開くと……目の前には心配そうに顔を覗き込む1人の女……
「……え?」
その姿にシクルは目を見開き、ぼうっとした意識も一瞬で覚醒……
「良かった、目が覚めましたね……」
にっこりと微笑む目の前の女を驚愕の眼差しで見つめる……
「初めまして……私はシクル……この世界の、貴女です」
「貴女も……私?」
シクルがこちらの自分と出会っていた頃、ナツとウェンディは別の地下牢に入れられた。
その中にシャルルとハッピー、ルージュそしてルーシィの姿はなかった……。
「ほーいっ」
「んぎゃ!」
「きゃ!」
王国軍の1人、“ヒューズ” という奴に牢への放り投げられ、ナツは1度柱へと頭突きをするも牢はびくともせず……
「ンのやろっ……皆は何処だァ!!!」
「あぁ? 皆?」
ナツの言葉に意味がわからないと言った様子で首を傾げるヒューズ。
「シャルルやハッピー、ルージュ……ルーシィさんやシクルさんのことです!!」
ウェンディの声でようやっと理解の出来たヒューズはケラケラと笑うとと言った。
「あぁー、あの女か……悪ぃけど、ルーシィって女には用はないんだ……処刑されるんじゃね?」
「そんなっ!」
「てめぇ!! ルーシィに少しでも傷をつけてみろ……許さねぇかんな!!」
ナツの怒声を受けても笑みを絶やさないヒューズ。
「おお! スッゲェ怖ぇな、アースランドの魔導士は皆こんな凶暴なのかよ」
「なんでルーシィさんだけ……シャルルとハッピーとルージュは!?」
ウェンディのその声にヒューズは、ふっとウェンディに視線を向けるとニヤッと笑い、
「エクシードの事か?」
と、言う。
「ハッピーはそんな名前じゃねぇ!!」
「任務を完遂したエクシードは母国へお連れしたよ……今頃、褒美でももらっていいモン食ってんじゃねーの?」
「任務を……完遂?」
ヒューズの言ったその言葉に、ウェンディは疑問を感じる……確かに、シャルルたちには任務を与えられていたが……それは、“放棄する” と、シャルル自身が言っていたのだ。
だからこそ、目の前のヒューズの言葉を信じられなかった。
「そんな事ありえない……その任務、シャルルたちは放棄したはず!」
「いいや、見事に完遂したよ……」
ウェンディの言葉に尚もニヤつくヒューズはそう言った。
「……な、何なの? シャルル達の任務って……」
「ん? まだ気がつかねえのか?」
そして、ナツとウェンディに語られた内容は……衝撃的な話だった。
まず、ルージュたち “エクシード” はその種の女王の命令により、6年前アースランドへと100のエクシードの卵が送られたこと。
卵から孵ると滅竜魔導士を捜索し “抹殺” するように情報を持たせているという。
だが、それはアニマの登場で “抹殺” ではなく、 “利用” という形に任務内容が変わり、エクシードたちの情報は滅竜魔導士の抹殺から滅竜魔導士を “連行” せよに変わったということらしい。
「そ……んな……そんなっ!」
「うそだ……ハッピーたちがそんな!!」
「カカカッ、つまり……俺たちが本当に欲しかったのは竜の魔力……そして、エクシードは見事に任務を果たした……という事だよ」
そして……
「エクシードにはその更に上の任務が与えられていたのさ……」
「は?」
「更に……う、え?」
呆然とするナツとウェンディを見て、カカカッと笑うと……
「そーさ……更に上級の任務……それは、もう1人の歌姫をこちらの世界に連行……そして、俺たち王国に引き渡すことだ」
「「っ!?」」
「歌姫の魔力は強大なのさ……そして、その歌声は傷や疲労、体力を回復させることが出来ると言うんだろ?
その力を持つ奴が2人……こいつらは半永久的に俺達の奴隷とすんのさ、カハッ!」
ヒューズの語ったその内容に……ウェンディは顔を顰め、ナツも額に青筋をいくつも作り、ガァンッ!! とナツたちを閉じ込める柱を殴り……ギリッと歯を食いしばる。
「おーおー、ほんっとにこえぇなぁ……カカカッ!」
「黙れッ!!! てめぇ……許さねぇ!!
シクルになんかしてみろ……俺が、ただじゃ置かねぇぞ!! このやろおっ!!」
ナツの怒声が響き、ヒューズを睨むその目にもさらに強い怒りが現れるが……ヒューズはものともせず、笑いながら立ち去っていった。
「くそ! 待ててめぇ!! おい!!」
「っ……シクルさん、ルーシィさん……シャルルっ……!」
「くそ……っ!! シクルっ」
ヒューズの去った後、その場には悔しそうに顔を歪めるナツとウェンディだけが残っていた。
その頃……ナツたちに語られたその話をまた、シクルも告げられ、目を見開き驚きを隠せずにいた。
「そんな……まさか、奴らの1番の狙いは……わた、し?」
「正確には私、“達” です。奴らは私たちの持つ歌の魔法、その不思議な力を利用しこの国を治めようとしているのです……」
顔を伏せ、告げるエドシクルにシクルはギリッ……と、拳を握り……
「どうして……そんな、私の……私の力は……この力は、そんな為の力じゃないのに!!」
何故……皆……あいつも、この国の王も……
脳裏に浮かぶのは忌々しい男の嫌な笑顔……それを振り払うかのように頭を横に振るとキッと目の前のエドシクルを見つめる。
「とにかく……私たちの力を利用なんてそんな事させない! だから……ここを抜け出そう?」
シクルの言葉に、はっと顔を上げるエドシクル。
「で、ですが……ここから抜け出すなんて……第一、この牢の鍵が……」
鍵がない……そう、エドシクルが言おうとした時……ニヤッとシクルの表情に笑みが浮かぶ。
そして、シクルはおもむろに懐から何かを取り出し……
「これで……この牢を脱出しちゃおっ!」
シクルの取り出したものとは……そして、ナツとウェンディの運命は……シャルル、ハッピー、ルージュとは無事合流出来るのか……
そして、魔水晶にされたマグノリアの街人は……一体どうなってしまうのか……
(次回に続きます)
はい、いかがだったでしょうか? 次回はエクシード組のお話のみかと思われます!!
……そして、わたくし……実はやりたいシリーズが今脳裏で渦をまいているのですが……本格的に小説を上げていっていいか、悩み中です。
とりあえず、次のお話は明日の夜までには上げられるかと思います。
期間が空いてしまいほんとにすいませんでした!!
最後までお付き合い、ありがとうございます!!