フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい!どうも、thikuruです!!

自身の思った以上に皆様に読んでいただけているようで少し…結構驚いてます!!


こんな駄作者ですが、今後もお願いします!

では、第3話………最後までお付き合い、お願いします!!


3話 列車に揺られ火竜は逝く…

 

エルザの話によると、内容はこうだ…

 

 

仕事帰りに偶然立ち寄ったオニバスにある魔導士が集まる酒場で4人組の男達が集まり、封印されていると言われる“ララバイ”という魔法について話していた。

 

そして、男達の口からは“エリゴール”という人物の名も出ていたという。

 

「ララバイ………“子守唄”?」

シクルが首を傾げその単語を呟く。

その横ではルーシィが「ララバイ…どこかで聞いたことがあるような…」と呟き、考え込んでいる。

 

「眠りの魔法か何かか?」

グレイがエルザに問うがエルザは首を横に振り、言う。

「分からない……ララバイ…それも気になるが、私が気にしているのはその“エリゴール”という名の男だ」

 

「エリゴール………もしかして…」

シクルの脳裏にある人物が浮かび、エルザを見る。その様子を見てエルザは頷く。

 

「あぁ…恐らく、シクルの考えていることで間違いはないだろう…エリゴール…恐らく、魔導士ギルド 鉄の森(アイゼンヴァルト)のエース…“死神 エリゴール”で間違いないはずだ…」

 

 

「し、死神………!?」

エルザの出した言葉に震え上がるルーシィ。

「鉄の森ってぇ…確か、本来は禁止されている暗殺系の依頼をこなして、評議会から追放されたギルドだよねぇ?」

自分の記憶が間違っていないか確認をしながらシクルに問うルージュ。

 

シクルはこくりと頷く。

「うん…本来暗殺系の依頼は評議会の意向で禁止されている…でも彼らはお金を選んだ…」

 

「そして、死神とはその際、暗殺系の依頼ばかりを遂行していた為につけられた通り名だ」

シクルの言葉に付け加えるように続くエルザ。

 

「結果、6年前に連盟を追放され………ギルドマスターは評議会に逮捕されたが………奴らは闇ギルドとし、今も活動をしている…」

 

「闇ギルドぉ!?」

「ひぃ…!」

 

エルザの言葉に恐怖するルーシィとルージュは汗をだらだらと流す。

そんな2人、いや…ルーシィを指差しハッピーはからかう。

 

 

「ルーシィ、汁いっぱい出てるよ!!」

 

「汗よ!!!」

 

 

「なるほどなぁ…」

 

「不覚だった…あの時、エリゴールの名に気づいていれば…!全員血祭りにしてやれたものを…!!」

 

ゴッ!!

「ぐもっ!」

 

エルザは悔しそうな表情を浮かべ、拳を握りナツの頭に拳をおろす。

その様子に再び顔をひきつらせるシクル達。

 

 

「まぁ……確かに、その場にいた連中だけならエルザ一人で何とかなったかもしれねぇ…が、ギルド一つ相手となると……」

再び訪れた沈黙を終わらせる為、グレイが一つ咳払いをしエルザを見て言う。

 

「あぁ…流石に私1人だと分が悪いのでな」

エルザがグレイの言葉に頷き、同意をした時、丁度列車が目的地に着いたため一行は列車を降りる。

 

 

「奴らは“ララバイ”なる魔法を入手し…何かを企んでいる………私は、この事実を看過することは出来ないと判断したのだ…」

 

エルザはそこで言葉を途切らせると、シクル達を振り返り、告げる。

 

「鉄の森へ乗り込むぞ」

 

「面白そうだな…!」

エルザの言葉にグレイだけは賛成し、ルーシィとシクルは…

 

 

「来るんじゃなかった…」

「はぁ…やっぱめんどくさいじゃん…」

2人とも深いため息をつき、肩を落とす。

 

 

「汁出しすぎだって」

 

「だから汁じゃないっての」

 

 

「でぇ?鉄の森のアジトは知ってるのぉ?エルザ…」

シクルの頭に乗り、エルザに問うルージュ。

「いや、それをこの街で調べるんだ」

「へぇ…」

 

 

 

………たー……けー……ぇ…

 

 

 

「ん?」

 

…今なにか………

 

 

シクルは耳に入った、か細い叫び声を疑問に思いふと、周りを見回す。そして、ある重大な事実に気がつく。

 

「あ…え?………ね、ねぇ?」

「「「「「ん?」」」」」

シクルの呼びかけに首を傾げる一行。

 

 

「私の…見間違いならいいんだけど…さ?………ナツ、いなくない?」

シクルの言葉に一同は徐々に顔を青ざめさせる。

 

 

「………ナツ、忘れてたね」

「「…あい」」

シクルの呟きに頷くハッピーとルージュ。

 

 

鉄の森へ乗り込む前に重大な問題が発生してしまった一行であった…。

 

 

「くそっ!!なんという事だ!!

話に夢中になるあまり、ナツを列車に、置いてきてしまった!!

あいつは乗り物に弱いというのに!!私の失態だ!!

 

とりあえず誰か、私を殴ってくれないか?」

 

「えぇ!?ちょ、エルザ!?何いってんの!?」

エルザの暴走に驚くルーシィ。

 

「殴ればいいの?じゃ、殴ろっか?」

「ちょ、待て待て待て!!!何本気で殴ろうとしてんだよシクル!?」

にっこりと微笑み、本気で殴ろうと拳を握るシクルを大慌てで止めるグレイ。

 

「え?だって殴ればいいんじゃないの?本人が言ってるんだし?」

 

「何でそこで天然発揮するのさ!?」

「というか、いつもの面倒くさがりはどこいったんだろぉねぇ…」

きょとりと首を傾げるシクルにハッピーは慌て、ルージュはぼぅっとその様子を眺める。

 

「兎に角、急いで列車を追うぞ!!」

グレイが他のメンバーにそう呼びかける。

 

「あっと…じゃあ私はルージュと一緒に先に列車を追うから…!エル達は後から来て!ルージュ、お願い!」

「あい!!」

シクルはそう言うとルージュを連れ先に駅を飛び出し、列車を追う。

「頼んだぞ、シクル!」

 

飛び去っていくシクルとルージュの後姿にそう叫んだあと、エルザはハッピーと共に列車の緊急停止レバーを下ろし、列車を止めるという行動を起こすのだった…。

 

 

そして、時間を列車が止まる少し前まで遡り…

 

 

「うぅ………たす…け…うっぷ………」

 

1人取り残されたナツはひたすら助けを求め、声をだす…が、生憎と聞き取ってくれる仲間は今この場にはおらず………

 

 

そんなナツに近づく一つの影………

 

 

 

「お兄さん、ここ…空いてる?」

乗り物酔いで苦しむナツに声をかけた男。

だが生憎ナツは乗り物酔いのせいで返事は出来ず…男はナツの返事を待たず目の前に座る。

 

 

荒い息遣いで、苦しげな様子のナツ

「あらら、辛そうだね…大丈夫?」

そんなナツに声をかけてくる男はふと、ナツの右腕のギルドマークに目がいく。

 

 

「…へぇ………妖精の尻尾…正規ギルドかぁ…羨ましいなぁ………」

 

そう言って男は怪しく笑う。

 

 

「妖精の尻尾って言えばさぁ…ミラジェーンとか有名だよね?」

 

乗り物酔いで返事のできないナツを無視し、一方的に話を始める男。

 

「たまに雑誌とか載ってるし…すごく綺麗だよねぇ…なんで現役やめちゃったのかな?まだ若いのにね…

 

あとさぁ名前は知らないんだけど、新しく入った女の子が可愛いんだって、君知ってる?」

 

 

「…ぅ……ぷ……」

 

男が話し続けている中、尚苦しげな様子のナツ。

そんなナツを見て、男は更に笑みを深める。

 

 

「正規ギルドはカワイイ子も多いのかァ…

うらやましいなぁ…うちのギルド全く女っ気なくてさぁ…ね?少しわけてよ」

 

そう言うと男は突然、話していた言葉を切り、ナツへと片足をあげた。

 

そして

 

「なーんつって キーク…ひゃは」

 

ナツの顔面へと足をめり込ませた。

男はニヤニヤと笑う。

 

「シカトはやだなあ…闇ギルド差別だよ?

 

あ、そういえばさぁ…妖精の尻尾に“歌姫”っているよね……“月の歌姫”だっけ?

 

 

………俺達が貰っちゃおうかなぁ…」

 

ピクッーーー

 

“歌姫”…その言葉にナツが反応を見せた事に男は怪しげに笑う。

 

 

「すっごく可愛いんだよねぇ?確か……あぁ、“シクル・セレーネ”だっけ?

 

鉄の森でもすごく有名でさぁ…そんな有名な人が妖精の尻尾にいるなんて許せないからさ………

 

俺達が貰っちゃってもいいよねぇ?」

 

 

「あ……?」

男の一言で昇天しそうであったナツの意識が踏みとどまり、小さく声を出す。

 

 

「お!やっとしゃべってくれた、ヒャハハ」

 

 

「なに…を………て、め………シクルを………なん、だ…?」

 

「はい?よく聞こえないなぁ…」

ナツは苦しそうにしているも男は尚、楽しそうに笑い挑発する。

 

 

「妖精の尻尾っていやぁ…随分目立ってるらしいじゃない?正規ギルドだからってハバきかせてる奴って…ムカつくんだよね

 

うちら妖精の尻尾の事なんて呼んでるか知ってる?

妖精(ハエ)だよ妖精(ハエ)…」

 

男は「ハエたたきー ヒャハ」と、笑いながらナツの頭にチョップをおとす。

 

「てめ………っ!」

 

「お?やるのかい?」

 

ナツは力の入らない体に鞭を入れ、立ち上がり手に炎を纏う。

 

が、それも長くは続かずすぐに消えてしまう。更には乗り物酔いの影響で再び列車の床に膝をつくナツ。

 

そんな彼に男は影を使った魔法で攻撃する。

 

ドガッ!

 

「ぐがっ…」

 

男の攻撃で再び床に転がるナツ。

床を転がるナツに愉快そうな笑いを見せ、再び攻撃をする男。

 

 

ナツへ攻撃があたる…と、男が笑みを深めた時だった…

 

 

 

パリィイイイイン!!!

 

 

「ナツに………何してんのよぉ!」

 

ドガンッ!!

 

「ぐぁっ!?」

 

 

列車の窓を蹴破り入ってきた影…

 

その長い金の髪を揺らす女を見てナツは小さく笑い、女の名を叫ぶ。

 

 

「シクルっ!!!」

 

 

列車の床で蹴られた痛みに起き上がれない様子の男を見下ろし、睨むシクル。

「誰がハエだって?調子乗らないでよ、おにーさん?」

 

シクルの眼に宿るは静かなる怒り…

 

月の歌姫の怒りに触れた男…

 

 

歌姫からの慈悲は…ない…

 




はい!第3話…無事、投稿することが出来ました!


どうでしょうか…少し話の区切りが悪いかな?と自身では思っているのですが………文字数や今後のことを考えるとここらが区切りかな?と思うのですが………大丈夫ですかね?


現在4話を思考中です。早めに投稿出来ればなと思います

では、最後までお付き合い、ありがとうございます!

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