フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい!!予告通り投稿することが出来ました!thikuruです!


ちょっと今回は切れが悪いかな?と思う方もおられるかと思いますが…最後までお付き合い、お願いします!!


2話 列車の中で

 

マグノリア駅ーーー

 

 

昨日エルザから力を貸してほしいと頼まれたナツとグレイはエルザよりも先にマグノリア駅に到着していた。

そして、2人と共にルーシィとハッピーも集まっていた。

 

 

「たくよぉ…なんでエルザみてぇなバケモンが俺たちの力を借りてぇんだよ?」

 

 

「知るかよ…つか、助けなら俺だけで充分なんだよ」

 

 

「じゃあお前だけで行けよ!!俺は行きたくねぇ!!!」

 

 

「なら来んなよ!!後でエルザに殺されちまえ!!」

 

 

「あんた達迷惑だからやめなさい!!」

大声で喧嘩を始める2人を止めに入るルーシィ。その横ではやれやれと言った表情のハッピーがいた。

 

ルーシィが止めると2人は喧嘩をやめ、ルーシィを見つめる。

「な…なによ…」

「いやつか………なんでルーシィがいんだよ?」

 

ナツが怪訝そうな表情で問う。

「頼まれたのよ!!ミラさんに!!」

「ミラちゃんにだぁ?」

「そーよ!!!」

 

 

ルーシィの話によると昨日、ミラからナツとグレイの喧嘩を止める仲介役になって欲しい等の事で一緒に行ってとお願いされたとの事だった。

 

「はぁ…なんであたしが………」

「プフフ、頑張れルーシィ」

深いため息をつくルーシィの肩を叩くハッピー。そんなハッピーを見てはっとルーシィは気づく。

 

「てか、仲介役ならあんたがいたじゃないハッピー!!」

「オイラは猫なので」

「ただ忘れられてただけでしょ…もー、私が来た意味…」

 

がっくりと肩を落とすルーシィ。

 

そこへ、2人の女と1匹の猫が到着する。

 

「すまない、遅くなったな」

「はぁ…私行かないって言ったのに…」

 

声のした方を3人と1匹が振り返ると

 

黒いオーラを背後に纏い、ズーン効果音がつくのではないかと言うほどやる気の見えないシクルと…

 

「「「「荷物多っ!!??」」」」

 

駅の天上につくのではないかと思ってしまうほどの高さまでつまれた荷物を持ったエルザだった。

 

「ハッピーごめんねぇ遅れてぇ…エルザの準備がすっごく遅くてさぁ」

ハッピーの隣に飛んできたルージュ。

「あい…なんとなくは想像つくよ…これを見たらね」

 

「ん?君は確か…昨日妖精の尻尾にいた…」

「ふぇ…新人さん?」

エルザとシクルがルーシィを見て問う。

ルーシィははっと姿勢を正す。

「あ、はい!新人のルーシィといいます!

今日は…ミラさんから頼まれて同行することになりました…よろしくお願いします!」

 

 

丁寧に頭を下げ、挨拶するルーシィ。

 

「そうか…私はエルザだ。よろしく頼む。ギルドの連中が騒いでいた新人とは君のことか………傭兵ゴリラを倒したそうだな、頼もしい限りだな」

 

「あ、はぁ…てかそれナツだし……現実と少し違ってる……」

 

エルザの話した内容にがくっと肩を落とすルーシィ。シクルはその様子を見てクスッと小さく笑った。

「ルーシィだっけ?私はシクル。よろしくね」

「あ、はい!よろしくお願いします、シクルさん!」

 

ルーシィが敬語で言うとシクルはきょとんとした表情を浮かべてからフフッと笑い、ルーシィに言う。

 

「シクルでいいよ、それと敬語はなしね。仲間なんだから」

「は、はい…あ、うん!」

 

ルーシィとシクルの交流が一段落したところを見て、エルザが話を始めた。

 

「さて…自己紹介はすんだな。今回は少々危険な橋を渡るかもしれないんだが…その活躍ぶりなら問題なさそうだな」

エルザの一言にビクッと体を揺らすルーシィ。

 

「き、危険…!?」

「うへぇ…なんかめんどくさい事になりそう…」

体を震わせるルーシィの横で深いため息をつくシクル。そんなシクルの頭に乗り、「まぁ頑張ってぇ」と言うルージュ。

 

 

「エルザ…何の用事かは知らねぇが…今回はついて行ってやる………条件付きでな!」

 

「条件?」

 

今までエルザの手前、喧嘩をしないようじっと静かにしていたナツが突然、真剣な眼差しでエルザを見据え言う。

 

 

「エルザ…帰ったら俺と勝負しろ!!」

 

 

「へぇ?」

「お、おいバカ!お前何言ってんだよ!?」

シクルが少し興味あり気に笑みを浮かべ、反対にグレイは慌てた様子でナツを止める。

が、既にナツは啖呵をきっている。

 

「ふむ…そうだな…私はいささか自信はないが…いいだろう。受けて立つ」

 

「よっしゃぁああっ!!燃えてきたァ!!あ、それと、シクルも帰ったら俺と勝負しろよな!」

エルザに承諾を貰えた勢いか、シクルにも決闘を申し込むナツ。が、シクルは面倒くさそうな表情を浮かべる。

 

「え゛、やだよ、めんどくさい」

「ぬわにぃ!?」

「まずエルに勝ってからでしょーよ」

多分“まだ”無理だろうけど…と、心の中では思いながらOKを出すシクル。

 

 

「じゃあ、エルザに勝ったらやってくれんだな!?」

「あーはいはい、勝ったらね」

 

「うぉおおおお!!やってやんよぉおおおお!!!」

シクルの答えにやる気に燃えるナツ。

そして、目的の列車が到着し、乗り込む一行。

 

 

その数分後ーーー

 

 

「う…うっぷ………ぎもぢわりぃ……」

「…はあ………大丈夫?ナツ」

 

乗り物に極端に弱いナツは乗り込み列車が動き出した瞬間に乗り物酔いを起こし、先程までの威勢はどこへやら…あっさりダウンしてしまっていた。

 

 

「たくっ!なっさけねぇなあ…ナツさんはよぉ…鬱陶しいから別の席行けよ。つか、列車に乗るな!!走れ!!んでもって何どさくさに紛れてシクルに膝枕されてんだよ!?」

ナツに怒鳴り、シクルの膝の上で悶えるナツの頭を蹴るグレイ。

 

「はぁ…まぁいつもの事だし…てか、走れってちょっと無理があると思うんだけど?」

ナツに怒鳴るグレイを静かに抑えながらナツの髪を撫でるシクル。

 

 

………意外と柔らか…

 

見た目より柔らかみのあるナツの髪質を堪能しながらシクルはクスッと微笑む。

 

ちなみに、現在の席順は………

 

ナツとシクル その目の前にはルーシィとエルザ

通路を挟み、隣にはグレイとハッピー、ルージュの順で座っている。

 

ナツの様子に少々呆れている様子のエルザはため息をつき、ナツに言う。

「はぁ…まったく、仕方ない……私の隣に来い、ナツ」

「それってあたしにどけって意味かしら…」

 

エルザの発言に口角を引くつかせ、少しショックを受けるルーシィ。

が、当の本人、ナツは酔っている中力を振り絞り、首を横に振る。

 

「どうした?早く来い」

「い、や…だ………」

 

エルザの言葉に再度断るナツはシクルの腰に腕を回し、ぎゅぅっとシクルに顔を寄せる。そんなナツに苦笑いを浮かべるシクル。

「ナツ…私はエルの言葉に従った方がいいと思うけど……」

 

 

「………シクルって、鈍感?」

 

「あい、相当のね」

 

「正直あの鈍感さには尊敬しちゃうよねぇ…」

 

「まぁ、そんなとこも可愛いんだがな…」

 

ルーシィ、ハッピー、ルージュとグレイが小さな声で会話をしていると、ルーシィの横から小さな殺気が湧く。

 

「つべこべ言うな…来いと言っているんだ、ナツ…」

ビックぅ!!!

「あ、あ゛い!!!」

「こ…こわ…」

 

エルザの殺気にやられ、素早くエルザの隣に座るナツ。必然的にルーシィはシクルの隣へと腰を下ろす。

 

ナツが隣に来たことを確認すると、エルザは「よし…楽にしていろ」と言い…

 

次の瞬間…

 

 

ドスッ!!!

 

「ごぶっ!?」

 

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

何の躊躇いもなく、ナツへ腹パンを食らわせ、気絶させた。

シクル達は目の前で起きたことに一瞬唖然とし、次の瞬間、各々顔を逸らし、見て見ぬフリを決め込んだ。

 

「これで少しは楽になるだろう…」

唯一、エルザだけが事態に気づいていなかった。

 

この重く沈黙とした空気を変えようとルーシィが話題を引っ張り出す。

 

「そ、そう言えば私!!ナツ以外の魔法を見たことがないんですけど…エルザさんはどんな魔法を使うんですか?」

「私もエルザでいい…それに敬語も必要ない」

ルーシィの敬語とさん付けに笑みを浮かべ、指摘をするエルザ。

 

「エルザの魔法は綺麗だよぉ」

ルーシィの問いにはルージュが答え、更にルージュに続き…

「血がいっぱい出るんだ。相手の」

と、ハッピーが自慢そうに告げた。

 

「…それって綺麗なの?」

 

「大したことは無いさ…それより私は、グレイの魔法の方が綺麗だと思うがな」

エルザはそういい、隣に座るグレイを見て言う。

 

「そうか?」

グレイはエルザの言葉に首を傾げながらも魔力を作り、両手を合わせ

 

シュゥウウン!

 

氷でできた手のひらサイズの妖精の尻尾マークを作り出した。

「わぁ!!」

ルーシィは感嘆の声を上げる。

「氷の魔法さ」

 

「氷…火…あ!だからあんた達仲が悪いわけね!」

「うっせぇよ…!それより、俺はシクルの魔法が1番綺麗だと思うがな」

ルーシィに言われた言葉に少し頬を赤くするグレイは話題を他に移そうとまだ話の上がっていなかったシクルにふった。

 

「え?私?」

自分に回ってこないと思っていたシクルはきょとんと首を傾げる。そんなシクルに期待の眼差しを向けるルーシィ。

「そーいえば!シクルの魔法ってどんなのなの?」

 

「ん?私?私のはナツと同じだよ」

「へぇ!ナツと同じなんだぁ………て、え?ナツと…同じって………まさか!?」

シクルの何気ない発言に危うくスルーしてしまうところだったルーシィだが…

 

ニコッと微笑み、シクルはしてやったりとした様子で言った。

 

「私は月と光の滅竜魔法を使うの…月と光の滅竜魔導士だよ」

「ぇええええええっ!?シ、シクルも滅竜魔導士って………ナツ以外にもいたの!?」

 

しかも2つの属性を持ってるの!?と、興奮気味のルーシィをまぁまぁと落ち着かせるシクル。

「機会があれば見せてあげるね」

「うん!!」

 

ルーシィの興奮が落ち着いたところで、グレイが本題を切り出す。

 

「ところで…そろそろ説明してくれねぇか?エルザ…一体何事なんだ?お前ほどの奴が人の力を借りたいなんてよぉ…」

 

「あぁ…そうだったな……話しておこうか…」

 

 

エルザの口から告げられることとは…

 

 

そして、この先に待ち受けているものとは…

 

 




はい!!如何だったでしょうか?

誤字脱字には気を付けているつもりですが…もしありましたら指摘お願いします!!


では、最後までお付き合い、ありがとうございます!!

続きは明日になるかと思います…また、よろしくお願いします!

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