フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい! どうも、thikuruです!!

もう少しでニルヴァーナ篇も終わるとは思うんですけど……長いですね(汗)

ですがとりあえずは49話、投稿していきたいと思います!!

では、最後までお付き合い、お願いします!


49話 ニルヴァーナ、崩壊

「魔導爆撃艇……クリスティーナ……」

 

「あれ……壊れたんじゃないっけぇ?」

 

皆がクリスティーナを見上げ、目を見開き驚いていると……

 

 

《聞こえるかい? 誰か……無事なら返事をしてくれっ!》

シクルたちの脳裏に念話が届く。

 

「……ヒビキか?」

 

「わぁ!」

 

《その声は……エルザさんにウェンディちゃん! 良かった、無事だったんだね》

 

「ルージュや私たちも無事よ」

 

《シクルちゃん!! 良かった……あのあと姿が見えなかったから心配していたんだ……》

シクルの声もヒビキに届き、ほっとため息をつく。

 

「まぁ、なんとかね……それより、どうしてクリスティーナが……?」

 

「1番最初に壊されたよねぇ?」

 

シクルとルージュがヒビキに問いかける。

 

《それは……壊れた翼をリオンくんの造形魔法で補い、シェリーさんの人形劇とレンの空気魔法で浮かしているんだよ》

 

だが、クリスティーナを浮かしている3人は既に限界が近づいているようで聞こえる声は弱々しい……。

 

「じゃあ、さっきのニルヴァーナを防いだ魔法は……」

 

《あれはイヴの魔法さ》

 

「あんたたち……」

ヒビキやイヴたちの思いに目が潤むシャルル。

 

《クリスティーナが本来持ってる魔導弾と融合させたんだよ……だけど、足の一本すら壊せないや……ごめんね

 

……それに、今ので……もう魔力が……》

 

そこでプツリと途絶えるイヴの声。

 

「っ! イヴ……」

シクルの呼びかけにも返事はなく……

 

《くっ……聞いての通り、僕達は既に限界だ……もう船からの攻撃は出来ない》

 

ヒビキがそう告げた瞬間、ガクン! とクリスティーナの高度が下がり、徐々に飛行を低くしていく……。

 

「クリスティーナが……」

 

 

《僕達のことはいい……それより、最後に……これだけ聞いてくれ! 時間はかかったけど……漸く古文書の中からこのニルヴァーナを止める方法を……見つけたんだ!》

 

「「えっ!」」

 

「ほんとうか!?」

 

「その方法は?」

 

《うん……このニルヴァーナに、6本の足のようなものがあるだろう? その足……実は、大地から魔力を吸収しているパイプのような物なんだ

 

その魔力供給を制御する魔水晶が各足の付け根付近にある

 

そして、ニルヴァーナの中心……奥深くにもう一つ、他の魔水晶よりも大きなものがある……

 

それも含めた7つの魔水晶を同時に破壊する事で、ニルヴァーナの全機能を停止することが出来る……

 

これは、一つずつではダメなんだ……他の魔水晶が破損部分を修復してしまう》

 

ヒビキの説明を聞き、眉を寄せるシクル。

 

「同時にって……一体どうやって?」

 

《僕がタイミングを図ってあげたいけど……もう、念話も持ちそうにないんだ……だから、君たちの頭にタイミングをアップロードした……君たちならきっとできる! 信じてるよ……》

 

そして、ヒビキから送られたタイミングまでの時間は……

 

「20分!?」

 

《次のニルヴァーナが装填完了する直前だよ》

頼む……と、ヒビキが呟いた時……

 

 

《フン……無駄なことを》

 

味方ではない声が念話に入り込んでくる。

 

「「「っ!?」」」

 

「誰だ!?」

 

「この声は……」

 

「ブレインの声だ……!」

 

《僕の念話をジャックしたのか!?》

 

ヒビキの驚愕した声に笑いを堪えながら、ブレインは口を開く。

 

《オレはゼロ……六魔将軍のマスターだ》

 

《マスターだと……!?》

 

《まずは褒めてやろう……まさか、ブレインと同じ古文書を使える奴がいたとはな……》

 

「ブレイン……ゼロ……(もしかして……)」

ゼロの言葉を聞きながらある事に気づき始めるシクル。

 

《聞くがいい!! 光の魔導士共!!

 

オレはこれより全てのものを破壊する!!

 

手始めに仲間の3人破壊した…… “滅竜魔導士” に “氷の造形魔導士” “星霊魔導士” あぁ、それと猫もか》

 

「なんだと!?」

 

「ナツたちが……?」

 

「そんな……ウソだ!」

 

ゼロの言葉を聞き、エルザとシクルは拳を握り、震わせ、ウェンディも悲痛な表情を浮かべる。

 

《てめえらは魔水晶を同時に破壊するとか言ったなァ? オレは今、その7つの魔水晶のどれか一つの前にいる!!

 

ワハハハハ!!!

 

オレがいる限り、同時に壊す事は不可能だ! そして……もう1人、強力な奴を配置している……終わりだな、お前達は……》

 

最後に高笑いをし、ゼロとの念話は切れた。

 

《ゼロとの念話が切れた…

 

ゼロと当たる確率1/7……しかも敵はもう1人いるという……》

苦々しい声音のヒビキ。そこに待ったをかける声が響く。

 

「ちょっと待って! 7人もいない! 魔水晶を壊せる魔導士が7人もいないわ!!」

 

「わ、私……攻撃の魔法使えません……ご、ごめんなさい」

ウェンディの申し訳なさそうな声が念話に響く……。

 

「こっちは2人だ!!」

エルザがジェラールを見つめながら叫び、ジェラールもエルザを見つめ頷く。

 

「私も行けるよ」

シクルも名乗りを上げ……残り4人。

 

《あと4人……誰か!》

 

 

《私がいるではないか……!》

 

ヒビキの声に答えるように念話に応じたのは……

 

「この声……一夜ね」

 

《一夜さん!》

 

「残り3人!」

 

《ま、まずい……もう、僕の魔力も…………念話が、切……れ》

 

ヒビキの声が途絶え始め……もう、切れる

そう、誰もが思った。その時……

 

「私が支える……早く残りの3人を!」

 

《っ! シクル……ちゃん》

 

途切れかけていた念話がシクルの魔力により持ち直し始めた。

 

「早く……私も魔力はそう無いし……今だって無理に繋げてるんだ……いつ切れるか分からないよ!」

 

《あと3人だ!! 頼む、誰か返事をしてくれ!》

 

 

《……グレイ、立ち上がれ……

 

お前は誇り高きウルの弟子だ。こんな奴らに負けるんじゃない》

 

 

《私……ルーシィなんて大嫌い……ちょっと可愛いからって調子に乗っちゃってさ……バカでドジで弱っちいくせに……

 

いつも……いつも一生懸命になっちゃって……

死んだら、嫌いになれませんわ……

 

後味悪いから返事しなさいよ》

 

グレイとルーシィを呼ぶリオンとシェリーの声……そして……

 

「ナツさん……」

 

「オスネコ……」

 

「ナツ……」

 

《僕達の声が……》

 

「聞こえてるでしょ……私たちの声……何やってんのよ……早く、起きなさいよ……皆……

 

ナツっ!!!!」

 

シクルの叫びが響く。その時……

 

ドゴォ!!

《聞こえてるっ!!!》

 

地面を殴る音と荒い息遣い……そして、ナツの声が響いた。

 

「ナツ……!」

 

《聞こえてるぞ……》

 

《7つの魔水晶を……同時に、壊す……》

 

《運が良ければ……ついでにゼロともう1人を殴れる……でしょ?》

 

《あと18分……急がなきゃっ! シャルルとウェンディのギルドを守るんだ!》

 

ナツに続き、グレイとルーシィ、そしてハッピーの声も聞こえた。

 

その声にほっと安堵し、息を吐くとシクルは念話を通じて語りかける。

 

「もうすぐ念話も切れる……ヒビキが送ってくれた地図を元に誰が何番の魔水晶へ行くか決めるよ」

 

《1だ!》

 

《2に行く》

 

《3! ゼロと強い奴がいませんよーに!》

 

《私は4へ行こう! ここから1番近いとパルファムが教えている!!》

 

「教えているのは地図だ」

 

一夜の言葉にマジで返すエルザの言葉にガーンと落ち込む一夜。

 

「私は5へ行く」

 

《エルザっ! 元気になったのか!》

エルザの声に嬉しそうに声を上げるナツ。

 

「では俺は……「お前は6だ」っ!」

念話で声を出そうとしたジェラールをエルザが止め、代わりに答える。

 

「ナツはまだお前の事情を知らん……敵だと思っている、声を出すな」

 

《誰か他にいんのか!?》

 

「味方だよ、ナツ。私が7に行く」

最後にシクルがそう告げると……

 

プツリ、と音を立て念話が切れる。

 

「ごめん切れちゃった……もう限界だったから……」

申し訳なさそうにいうシクルの肩にぽんと手をおき、微笑むエルザ。

 

「問題ないさ……ナツたちとも会話ができた……ありがとう、シクル」

 

「エル……」

ニヘラと微笑むシクル。

 

 

「恐らくゼロは1番にいる」

シクルから目を離し、ウェンディたちを見据えるとそう告げたエルザ。

 

「1番って……ナツさんのところだ!」

 

「どうして分かるのよ?」

 

「あいつは鼻が利くからな……分かってて1番を選んだはずだ」

 

エルザの言葉を聞くとウェンディはグッと拳を握り

「だったら加勢に行こうよ!! みんなで戦えば……」

と、叫ぶ。そんなウェンディを見つめ……

 

「大丈夫、ナツは強いから。目の前にいる奴が強ければ強いほど……ナツは、強くなる」

 

と、にっこりと微笑み、不安げなウェンディに自信を持ちそう言いきったシクル。

 

 

「……ナ……ツ」

「?」

 

ふと、背後から聞こえたその呟きに振り返ると……

 

「どうした、ジェラール?」

 

ジェラールが頭を抑え何かをぶつぶつと呟いていた。そんなジェラールに声をかけるエルザだが「何でもない……」と、だけ言い黙り込むジェラール。

 

「まさか……」

シクルの脳裏にある予感が浮かぶが、シクルがジェラールに声をかける前にエルザの指示でここでは解散し、各々役割のある魔水晶へと向かう。

 

 

シクルも例外なく、目的の魔水晶へと向かうが……

「ルージュ」

と、隣を飛ぶ相棒に声をかけた。

 

「ん? なぁに?」

 

「お願いがあるんだ……コレ、ルーシィに届けてくれない?」

 

そう言い、シクルがルージュに何かを手渡す。

 

「これ……」

「頼める?」

 

シクルが首を傾げ、問いかけると……ルージュは力強く頷く。

「任せて!!」

ルージュはそう言うと、ルーシィが向かった3番魔水晶の部屋へと飛び去った。

 

「……頼んだよ」

飛び去るルージュの後ろ姿を見つめ、シクルは次にある匂いを辿り歩く。

 

 

少し歩くと目的の人物を見つけた。

 

「思い出したんだ。ナツという男の底知れぬ力……希望の力をな

 

君は俺の代わりに6番魔水晶を破壊してくれ」

 

「でも私……」

不安気に表情を歪めるウェンディ……そこへ

 

「やっぱり……記憶が少し戻ったんだね」

 

「っ! シクル……」

シクルの登場に目を見開くジェラールに苦笑を浮かべると、シクルはウェンディの頭に手を置いた。

 

「シ、シクルさん……」

 

「ウェンディ……貴女なら出来るよ。本来滅竜魔法は竜迎撃用の魔法……攻撃に特化した魔法……貴女のお母さん、 “グランディーネ” も使えたんだから……その子の貴女にも必ず使えるよ」

 

シクルの言葉を聞き、目を見開くウェンディ。

「グ、グランディーネを知ってるんですか!? な、なら、どこにいるか教え……!」

 

「その話はまた後で……今はこれを止めよう? これを止めて、解決出来たら……話してあげる」

シクルにそう告げられるとウェンディは力強く頷き

 

「わかりました……私、ジェラールの代わりに頑張ります!!」

と言った。

 

「うん……あ、そうだ。ウェンディ、もし不安だったらこれを握って?」

そう言い、シクルがウェンディに握らせたのは……

 

「……玉?」

 

「それには私の魔力が入ってる……いざという時、きっと力になってくれる……」

 

それを聞くと、「ありがとうございます!」と、告げウェンディは6番魔水晶へと走った。

 

「……さて、ジェラール」

 

「なんだ?」

ウェンディとシャルルの姿が見えなくなるとジェラールを振り返り……ジェラールの手にも何かを持たせたシクル。

 

「これは?」

ジェラールが受け取ったのは札のようなもの。

「ナツに渡して……きっと、ピンチの時に助けてくれるからって」

 

「……分かった」

ジェラールはそう頷くと、ナツのいる1番魔水晶へと歩き出し、その後ろ姿を見送ると……

 

「さて……あと15分……私も行かなきゃ」

 

光を纏い、任された魔水晶へと急ぐ。

 

 

 

7番魔水晶前ーーー

 

「ふぅ……まさかこんなに離れてるなんて思わなかった……」

光を纏って5分もかかるなんて……

 

シクルは目の前の巨大な魔水晶を見上げ……深呼吸をし、辺りを見回す。

 

「さて……ここには誰か……」

 

そう、シクルが呟いた時……

 

ビュッ! とシクルに向け、光線が飛んでくる。

「へぇ?」

 

シクルは慌てる様子もなく、冷静に回避すると、光線の飛んできた方を見つめる。そこには……

 

「……杖?」

 

魔水晶の影から現れたのはひとりでに浮かび動く、髑髏のついた杖だった。

 

「グフフフ……待っていたぞ」

 

「おぉ、話すんだ……(てか、よく見たらブレインが持ってた杖じゃん)」

 

「ようこそ……私はクロドア、7人目の六魔将軍でございます」

自身を “クロドア” と名乗った杖。

 

「そんなの誰も聞いてないけど……て、7人目の六魔将軍?」

 

「おんや? 貴様は知らないようだな……冥途の土産として特別に教えてやろう、六魔将軍の司令塔、ブレインにはもう1人の人格がいる事を……」

 

自慢げに語り出すクロドアだが……

 

「あぁ……それなら検討がついてるわ。どうせ、あのゼロって奴を6人の生態リンクか何かで封印してたんでしょ?

 

それが、6人すべて倒されてしまったことにより復活……でしょ?」

 

シクルのその語りにほぅとクロドアは関心を持つ。

 

「ほぅ……意外に頭が回るようですね……

だが、それだけではダメですねぇ……

力無きものは私に勝てない! なぜなら私はゼロ様の次に強い男!

私に勝てる者などこの世には……「長いっ!! 光竜の鉄拳っ!!」ごぱぁぁっ!?」

 

 

ペラペラと、自身の自慢話を続けていたクロドアだが、その話が長く……痺れを切らしたシクルは我慢出来ず殴り飛ばした。

 

「な! ななななっ!? 何をするか!?

貴様……人の話は最後まで!」

 

「長ったらしいのよ!! そんな長いの聞いてる暇ないの! めんどくさいし!!」

 

それに……

 

ぽそりと呟くと右手に銀色の光を……左手に金色の光を纏うシクル……

 

「……へ?」

 

ゴォオオオ……と、魔力が上昇するシクル。

 

「あなたを倒せばいいのよね? ウェンディのギルドを狙って……あんな良い子を泣かせて……あんた達は……」

 

ぶつぶつと呟きながら……先の攻撃で、壁に埋まっているクロドアに近づく……。

その姿を見て、クロドアは……

 

「え、え? え……いやいやいや!! ちょまっ!」

慌てる。目の前の女……その姿は……まさに

 

 

「ド、ドラ……ゴン」

 

 

「絶対……許さない……くらいなさい

 

滅竜奥義! 月光 龍閃撃!!!」

 

シクルの放った拳から放たれた、2つの光はクロドアの前で混ざり合い……閃光のように破裂し、クロドアを吹き飛ばした。

 

ドゴォオオオオオオン!!!

「にぎゃああああああっ!!!」

そして、その余波で魔水晶も崩壊する。

 

少し時を遡り……各魔水晶部屋では……

《2番魔水晶》

 

「そろそろ時間か……みんな、頼むぜ!

アイスメイク “氷雪砲” (アイスキャノン) !」

グレイの放った魔法で見事、魔水晶を破壊する。

 

《3番魔水晶》

 

「どうしよう……魔力もないのに、見栄張っちゃって……」

 

「ルーシィ……」

ルーシィは既に複数の、黄道十二門を召喚した影響で魔力は0に近かった……当然、星霊を呼ぶ力なんて残っておらず……

 

「でもやるんだ……やらなきゃ! この身が砕けようと……ウェンディたちのギルドを守らなきゃ!」

そう、ルーシィが声を上げた時……

 

「「時にはその思いが、力をくれるんだよ」」

 

「「え!?」」

 

ルーシィとハッピーの背後から現れたのは……

 

「え……ジ、ジェミニ!?」

 

「どうしてここに?」

 

「シクルから頼まれてねぇ! あたしが連れてきたの!!」

 

そう元気な声で告げたのは……

 

「「ルージュ!」」

 

にっこりと笑う、ルージュ。

 

「僕たちも君の本当の声を聞いたからね!」

 

「あの戦いの中、君はずっと星霊のことを考えてくれていた……」

 

「「そんな君に力を貸したいんだ!」」

 

ジェミニはそう言うと、ルーシィに変身。そして、見事タウロスを召喚し、魔水晶を破壊した。

 

続いて4番魔水晶と5番魔水晶も破壊された。

《6番魔水晶》

 

「出来るの? ウェンディ……」

心配そうにウェンディを見上げるシャルル。

 

「うん……やらなきゃ。みんなも頑張ってるんだ……私も……ジェラール……グランディーネ……ナツさん……シクルさん!

私に力を貸して……!!」

 

ウェンディは大きく深呼吸をし……空気を吸い込む……そして、シクルから預かった魔力の玉をギュッと握り締める。

 

その時、玉は淡い光を放ち……ウェンディを包み込み……

 

……大丈夫……自分を信じて……ウェンディ

 

 

「(はいっ!)天竜の……咆哮っ!!!」

6番魔水晶、破壊。

 

《1番魔水晶》

 

ジェラールの咎の炎を食らい、ドラゴンフォースを解放したナツ。

 

ゼロとの決着の時が……

 

「くらえ! ジェネシス・ゼロ!

開け……鬼哭の門! 無の旅人よ! その者の魂を! 記憶を! 存在を食い尽くせ!

 

消えろ!! ゼロの名の下に!!」

 

ゼロから放たれた魔法に包まれ、消えていくナツ……

 

「ぐぁあああぁぁぁ……」

 

 

暗黒の中で……

 

力が……身体が……動かねぇ……くそ……

 

意識が遠のくナツ……その時……

 

ジェラールから咎の炎を貰った時に一緒に渡された札が……光り……

 

ナツ……ナツ……!こんな事で諦めてどうする……?

ナツ……お前は滅竜魔導士だ……その誇りを忘れるな……!

 

お前にはイグニールが……この私がついている!!

 

イグ……ニー、ル

 

ナツ……信じてる……信じてるよ……

 

だから負けないで……諦めないで……

ナツっ!!

 

っ……シクル!!!

 

心の中にイグニールとシクルの声が響き、魔力が解放され……ゼロの魔法を焼き付くし、

そして……

 

「全魔力解放……滅竜奥義! 不知火型……紅蓮 鳳凰劍!!!」

 

ゼロを巻き込み、魔水晶を破壊する。

 

 

7つの魔水晶全てを同時に破壊することに……成功した。

そして、ニルヴァーナは動きを止め……

 

崩れ落ちていく……。

 




はい、シクルの相手をクロドアさんにしてもらいました。
と言ってもすぐ倒されちゃうんですが……

原作ではゼロに壊されるのですがここでは出ていただきました。

では、次回……んー、次回でニルヴァーナ篇を終えたいっ!(願望)

あ、ちなみにジェミニさんは自分の魔力でこちらに来てもらいました!
終えられたらいいなと思いながら……49話、最後までお付き合い、ありがとうございます!

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