フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい!!昨日なんとUAが20000を超えました!!!

本当にありがとうございます!!まさかここまで伸びるとは……

皆様に感謝です!本当にありがとうございます!!
今後もまだまだお話は続いていく予定ですのでよろしくお願いします!

では、47話 最後までお付き合い、お願いします!!


47話 ブレイン 撃破

 

 

 

ルージュにお願いしてニルヴァーナへと向かい始めて数分……

 

「ねぇ? 本当にこれがニルヴァーナなのぉ……?」

 

ルージュからの問いかけに1度ルージュに視線を向け、ニルヴァーナを見つめるシクル。

 

「多分……そうだと思う。実際に見たことはないけど……ニルヴァーナがこういうものだっていうのを、昔何かでみた気がするから……」

 

シクルがそう言うと「そっかぁ」とルージュは頷いた。

 

「あ……(そういえば……ラディティ、いなかったなぁ……大丈夫……だったの、かな?

……後遺症とかなければいいけど……)」

 

目が覚めた時には既にいなかった敵のラディティを少し心配するが、丈夫そうだし大丈夫だろうと自身に言い聞かせることで無理やり納得した。

 

その後、ニルヴァーナの上空に到着し、一応酔い止めの薬を飲んでからニルヴァーナの地に足をついた。

 

「皆の居場所は分かりそぉ……?」

 

「んー……匂いが充満してる……特定は難しいか……」

 

竜の嗅覚を使ってもすぐに特定は無理……そう、思った時だ……

 

 

 

グォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!

 

「っ!? うっさ……!!」

 

「ひゃあ!? な、なになになにぃ!?」

 

まるで竜が吼えるかのような叫び……ルージュは完全に怯え、シクルに抱きつき震える。

その叫びは1分ほど続き……

 

抱きついてくるルージュを撫で、慰めながら叫びの聞こえた方を見つめるシクル。

 

 

「今の……(叫び……ナツ?)」

 

 

震えるルージュを慰めながら声のした方へ足を進める。すると次第に何人か知っている人の匂いに気づく。

 

流れてくる匂いを辿り、進むと……

 

グレイとルーシィ、ジュラもおり、そして地面に倒れるハッピーと何故か敵の司令塔であるブレインに引きずられるナツの姿があった。

 

「グレイ!! ルーシィ!!」

 

「シクルっ……!?」

 

「おぉ! シクル殿! ご無事だったか……!」

 

「シクル! 無事だったのね!! てか、さっきのは本当に死ぬかと思ったんだからね!?」

 

「あ、あれはごめんね。急遽だったからつい……」

 

苦笑を浮かべながら、怒るルーシィを受け流し……目の前のブレインへと視線をやった。

 

 

「で? ……これは、どういう状況かしら?」

 

なんでナツがあいつに捕まってんのさ……

 

「どうやら、ナツの力をあいつが気に入ったみたいでよ……新たな六魔将軍を作るとかなんとかで……ナツをその1人にするってよ」

 

「へぇ……つまり、闇ギルドに勧誘されたってこと?」

 

シクルの問いかけに苦笑を浮かべながら、グレイとルーシィは頷く。

 

「でも、それにしちゃあ……ナツってば大人しすぎない? いつもなら……」

 

抵抗もせずただ引きずられるナツを見つめ、不思議そうな表情をするシクル。

 

「ほら……これ、動くから……」

 

「あぁ……なるほど」

ルーシィからの説明で大体は把握出来た……と、呟くと……ルージュをルーシィに預け、ブレインを見据え微笑んだ。

 

 

「さて……と、悪いんだけど……ナツを返してくれないかな? 彼、私たちの仲間だから……さ? 連れてかれちゃ困るんだよ……」

 

「それは出来ん話だな……この男は、ニルヴァーナの力を使い闇に染めるのだ……そして、私の手足となるのだ」

 

ブレインがそう、笑いながら言うと……

 

「なるかッ!!!」

 

ガブッ!! と勢いをつけナツがブレインの腕に噛み付いた。

 

「っ! 貴様、まだそれだけの力が!!」

だが、抵抗虚しくナツはブレインの殴りで地面に叩きつけられ、力なくぐったりする。

 

「ぐはっ! ぐほ……ぅ、うぷ……」

 

「あれは本当に……大丈夫なのか?」

ナツの悲惨な様子にジュラがシクルたちに問いかけるが……シクルたちは苦笑を浮かべ……

 

 

「あいつは極端に乗り物に弱いんだ」

 

「ついでにシクルもね」

 

「ちょ、それは今関係なくない!? まさか、さっきのまだ根に持ってるの? ルーシィ」

 

てへっと微笑むルーシィにはぁとシクルはため息をつく。

 

「は、早く……こいつ、倒……し、て……コレ、止めて、く……れ、うぷ……」

 

吐き気を堪えながら告げるナツに視線を向け、ため息をつきながらグレイが告げる。

 

「お前のためじゃねーけどな! しゃーねぇ、止めてやんよ!」

 

そんなグレイの言葉を聞き、ブレインははっ!と笑い出す。

 

「止める? ニルヴァーナを? ふん、出来るものか……この都市は間もなく第一の目的地

 

化猫の宿へと到着する」

 

ブレインのその言葉にシクルたちは驚き、目を見開く。

 

 

「ウェンディとシャルルのギルドだ……」

 

「な、何でぇ……?」

 

ハッピーとルージュの言葉にブレインはただ笑うだけ。

 

「貴様……目的を言え。 何故、ウェンディ殿とシャルル殿のギルドを狙う?」

 

殺気を当てながらブレインに問いただすジュラ。だが、ブレインは気にした風もなく、ニヤリと笑い……

 

「超反転魔法だ……一瞬にして、光のギルドを闇に染める……楽しみだなァ、地獄が見れるぞ?」

 

と、ブレインが語った時……

 

強い魔力の波動を感じ、グレイやルーシィたちはゾクッ! と背筋を凍らせた。

 

「聞こえなかったか……? 目的を言えと言ったのだ」

魔力の発信源はジュラだ。彼は、体内に宿る魔力を放出し、ブレインへ威圧を放っていた。

 

だが、その威圧にも慄く様子はなく……

 

「ウヌのような雑魚に興味はない!! 闇の審判なり……ひれ伏せぇ!!」

と、叫んだ。

 

それに、ジュラは溜息をつく。

 

「困った男だ……まともに会話も出来んとはな……」

ジュラはそう告げ、ブレインへと手をかざし、指を差した……その時

 

「待って……ジュラ」

ジュラを止める声が響いた。ブレインへとかざすジュラの手に重なる手……

 

「む?」

 

ジュラを止めたのはシクルだった。

 

「どういうつもりだ? シクル殿」

 

「別に深い意味は無いよ? ただ……こんな三下にジュラが手を煩わせることもないと思ってね……」

にっこりと微笑み、ジュラを見つめ告げるシクルを見て、ジュラは何かを感じ取る……。

 

「……うむ、そうか……ではここはシクル殿に任せよう」

 

ジュラはそう言うと後ろへと下り、それを見てシクルも「ありがとう」と笑い言った。

 

ジュラから目を離すとふぅと一つ息を大きく吐き出し……すぅっと、ブレインへと視線を向けた。

 

「……一つ、質問するわ」

 

「……なんだ」

 

「あなた言ったわね? 地獄を見るのが楽しみだ……と」

 

「あぁ、そうだ……楽しみだろう? 苦しむ人間を見るのは……なぁ?」

そう語り、ニヤリと笑うブレインにグレイやルーシィ、ルージュも怒りを募らせていた。

 

そんな中……問いかけた張本人であるシクルはというと……

 

彼女は顔を俯き、その表情はグレイたちにも見えなかった……。

 

 

俯き言葉を発さなくなるシクルにブレインの笑みが深まる……。

 

すると……

 

 

「……るな」

 

「あァ?」

シクルの口が小さく動く……そして、それを怪訝そうに少し表情を歪め、見つめるブレイン。

 

 

「ふざけるなって言ってんのよっ……!」

 

そう叫んだその瞬間……

 

シクルから放たれる殺気……それは、凄まじいもので味方のグレイやルーシィですら足がすくんだ。

 

「地獄を見るのが楽しみ? 苦しむ人を見るのが楽しみ? そんな奴に……この世界を闇になんか染めさせやしないっ!!」

 

ズドォオオンッ!! と、音を立て大地がシクルの殺気の威力により揺れる……。

 

「んなっ!?」

 

「ひぃいいい!? これまさかシクルがやってんのぉ!?」

 

「魔力なしでこの威圧……流石じゃの」

 

「シクルゥ……」

 

 

「……それと……その手……ナツを掴んでるその手……離してくれないかしら?」

そう言い、シクルはナツを掴むブレインの手を指す。

 

「離せだと? この男は新たな六魔将軍の仲間となるのだ……離すわけがないだろう!!」

 

シクルの言葉に高笑いをしながらそう告げるブレイン。

 

その言葉を聞いた瞬間……怒りの表情を浮かべていたシクルが……ふっと、表情を消した……。そして……

 

 

「聞こえなかった……?

ナツを離しなさい……離さないのなら……

 

あたしの光が、あなたを滅する」

 

「……出来るものなら、な」

ニヤッと笑うブレインを前に、殺気を高めていくシクル……。

 

大地を揺らし、小石が浮かび、砕ける……そんな現象が起き始めていた……

 

すると、不意に……ふっとシクルから殺気が消える。

 

そして、不気味な程に静かな静寂が流れる……。ブレインも怪訝そうに、警戒を強めながらシクルを見つめる。

 

 

ゆっくりと……シクルが、顔を上げる……

 

その瞳が、ブレインを捉え……目が合う……

 

その瞬間……

 

ブレインの目の前からシクルの姿が消え……驚愕した次の瞬間にはブレインは、シクルの拳により、吹き飛ばされた。

 

ゴッーーー!!! ズゴォオオオンッ!!!

 

「っ!? ぐはぁあっ!!!」

 

吹き飛び、壁をいくつも突き破るブレイン。

 

 

「……え……い、今……何が?」

目を見開くルーシィ。

 

「……動きが、見えなかった……」

グレイも目の前で起きたことが目で追えず、呆然としている。

 

「ほぉ……(このワシですら……初動が見えなかった……)」

感心するようにシクルを見つめるジュラ。

 

「っ……シクルっ!」

大怪我を負っていたとは思わせない動きにルージュはほんの少しの誇らしさ、嬉しさの他に僅かな不安を抱きながら、身体が動かないように必死に堪えていた。

 

 

そんな、仲間の視線を受けながら……シクルは目の前のブレインを見据え……その左手には……

 

「……確かに、返してもらったわよ……」

 

「う、ぅぷ……は、やく……これ、とめ……て、くっれ……」

 

若干乗り物酔いを悪化させたナツを掴んでいた。

 

「ぐっ……き、貴様ァっ!!!」

 

崩れた瓦礫の中からシクルへと飛び出してくるブレイン。

 

だが、シクルは身動き一つとろうとはしない……その理由は……

 

 

「岩鉄壁!!!」

 

「む!?」

 

シクルとブレインの間にジュラの魔法が割り込んだ。

 

「先程はあぁ言ったが……此奴からはわし個人として聞き出したいこともある……譲っていただけるか?」

 

背後にいるシクルにちらりと視線を向けるジュラ。

シクルはふっと小さく笑みを浮かべ、

 

「どうぞ……ナツは取り返したし……私の目的は果たしたわ」

 

任せたと言ったシクルに、頷きジュラはブレインと戦った。

 

そして、最後は……

 

 

ブレインの魔法により1度は砕かれた岩壁の破片に魔力を込め……

 

「覇王岩砕!!!」

 

「うぐぁあああああああっ!!!!」

 

ブレインを圧迫し、倒した。

 

倒れたブレインを見つめ、目を見開くグレイとルーシィ。

 

「や、やりやがった……!こいつ、六魔将軍のボスだろ!?」

 

「うそ! 私たち勝っちゃったの!?」

 

「すごぉい!!」

 

「流石ね……」

 

 

ジュラは倒れたブレインに迫り……

 

「さぁ、吐け。ウェンディ殿のギルドを狙う理由をいえ」

と告げた。

 

 

だか、ブレインがその質問に答えることはなく……

 

「ま、まさか……この、私がやられる……と、は……ミッドナイトよ、後は頼む……

 

六魔は決して倒れてはならぬ……

 

もし、六つの祈りが消える時……あの、方が……」

ブレインはそこで意識を手放し、倒れた。

 

 

「……あの方?」

 

「……誰のことだろぉ?」

 

シクルとルージュは顔を見合わせ、首を傾げる。

 

「つか今こいつの顔……模様が一つ、消えてなかったか?」

グレイがそう言うとブルッ!と体を震わせるルーシィ。

 

「ぶ、不気味な事言わないでよぉ!?」

 

「はぁ……グレイ、ルーシィを脅かすのやめて」

慰めるの私なんだから……と、愚痴りながらナツの隣に膝をつき、歌魔法であらかたの傷を回復する。

 

 

それでもナツの身体は動かず、辛そうな表情を浮かべている。そんなナツを見つめ、少し心配そうにシクルが見つめていると……

 

 

「……ん?」

覚えのある匂いが近づいてくることに気づく。

 

 

「みなさぁーん!!!」

 

匂いのするほうを振り返ると、そこには……青く長い髪を揺らす少女……

 

「ウェンディっ!!!」

 

ウェンディが現れた……

 

 

天竜、合流ーーー

 

しかしまだ……

 

この時は想像もしていなかった……

 

暗黒の鎖が……解かれるのも、あと僅かだという事を……

 

その時、シクルは……一体……

 

ナツたちの運命は……?

 

 





はい!!47話、何だかんだ今日も投稿できました!

1日1話投稿は普通に出来そうです(笑)

あとは、スランプに陥らなければいいなと思います……

では、最後までお付き合い、ありがとうございます!!

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