フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい!!ギリギリ投稿です!!

映画見てきました!!!もう凄かったの一言です……


また見に行く予定です!

……では、こんな話はさておき……本編に行きましょうか……

最後までお付き合い、お願いします!


43話 天空の巫女 ウェンディ

 

 

「ルージュ、ナツたちのところに行って」

「あい!」

シクルの指示に、ルージュはナツの隣に降り立ち、避難する。

それを見届け、シクルは戦闘態勢を構える。

 

構えるシクルを見つめ、ニヤリと笑うブレイン。

「まさか……標的の方から捕まりに来るとはな……」

 

「はァ? 標的……どういう事?」

その言葉に疑問を抱くシクル。だが、ブレインは……

「フン……レーサー、行け」

レーサーに指示を出す。

 

指示を受け、レーサーはシクルへと飛び出す。

 

「シクル……っ!」

ナツが思わず体を起こし、声を上げる。

だが、シクルは目を瞑り、深呼吸を一つする。

 

そして……

「……大丈夫」

と呟き目を見開くと……反撃開始。

 

光の魔力を体に纏い、レーサーの動きを横に飛び避けると口に魔力を込める。

「光竜の咆哮!!」

 

「!? (早い……! ) ぐっ!!!」

威力より速さを取った魔法はレーサーを襲う。吹っ飛ぶレーサーそして、砂埃が舞い散る中……

 

「後ろがガラ空き……デスネ!!」

シクルの背後、地面がうねり動き、ホットアイの指の動きに合わせ、背後から襲いかかるそれを、シクルはぐっと両手に魔力を込め、振り返りざまに

 

「月竜の翼撃っ!!」

身体を捻り、魔力の翼で地面を薙ぎ払う。

 

そして、次に上空からコブラからの拳と毒蛇の猛攻が降り注ぐそれを、シクルは2.3回バク転をし避け、グイッ!と足に魔力を纏いコブラに蹴りあげる。

「月竜の鉤爪!!」

「フンッ」

 

だがそれは難なく避けられる。

 

「月竜の砕牙っ!!」

再び身体を捻り、バク転をしながら指先に魔力を込め、振り上げるが……

 

「っ……当たらない?」

「聞こえるぞ……お前の声……心の声が」

ニヤッと笑い、言うコブラの言葉を脳裏で反復し、考える。

 

「声……心の、声……心……」

「っ!? てめぇ……」

 

シクルは意図的に何も考えることをやめる。それにより、コブラはシクルの心の声が聞こえなくなる。

 

「心の声が聞こえなきゃ……不安?」

ニッと笑うシクル。

「くそ……舐めんじゃねぇ!!」

シクルの笑みを挑発と受け取ったコブラはシクルに猛攻をかける。その動きに合わせ、大蛇も毒牙を剥き出し、襲いかかってくる。

 

だが、その動きはどこか余裕が無く、隙のある動き……

 

「そんな動きじゃ……」

 

2.3歩後ろに下がり、距離をあけ……一気に腰を屈めコブラの懐に入り込む。

「っーーー!?」

 

「あたしは……倒せない! 月竜の鉄拳!!」

ドゴォ!!

「ぐはっ!!」

腹に拳をくらい、吹き飛ぶコブラに変わり、シクルの目の前に飛び込むは……

 

「エル!? いや……またジェミニか」

「行くぞォ!!」

エルザに変身したジェミニの剣技がシクルに襲いかかる。

 

「天輪 繚乱の剣(ブルーメンブラット)!!」

 

「換装 十六夜刀!!!」

刀を握ると魔力を込めながら、飛び交う剣たちを薙ぎ払い、走る。

 

そして……

「ごめんね!! 九ノ太刀 不殺の刃!!」

逆刃でジェミニを斬り、星霊界へ還す。

 

「ダークカプリチオ!!」

「っ!!」

視界の隅から向かってくるレーザーに気づき身体を逸らすが一瞬遅れ、脇腹を掠る。

 

「シクル……!!」

 

「ちっ……光竜の咆哮!!」

咆哮を使い、後方へ跳び、一度距離を取るが……

「貰った!!」

「かかったなぁ!」

飛んだ先にレーサーとコブラが立ち、魔法を放つ寸前ーーー

 

「……! 月竜の剛拳!!」

鉄拳よりも威力の強い拳を地面目掛け振り下ろす。

ズドォオオオン!!

 

「「ぐぁあ!?」」

 

音を立て地面が割れ、盛り上がりレーサーとコブラを吹き飛ばす。

 

 

シクル1人で六魔将軍を相手に奮闘する姿を見つめ……

 

「す、すごい……」

「1人で……」

「六魔将軍を……圧倒している……」

 

「で、でも……!」

 

全員が目を見張る中、ルーシィは静かにシクルを見つめ、不安そうに表情を歪める。

 

「っ……はぁ……はぁ……」

 

 

「ふ……流石の貴様も、この人数を1人で相手は消耗が激しいか?」

息の上がるシクルに不敵な笑みを浮かべるブレイン。それに返す様に不敵に笑い返すシクル。

 

「まさか……まだ、準備運動にもならないっての……」

ぐっと拳を握るシクル……その頬を一筋の汗が伝う。

 

 

その時……

 

 

「きゃあっ!?」

 

「「「「「「「「っ!?」」」」」」」」

 

離れた岩陰に隠れていたウェンディの突然の悲鳴。

全員が振り返ると……

 

 

「! ウェンディっ!!!」

 

 

ブレインの魔法に絡まれ、捕まっているウェンディの姿。咄嗟にシクルを始め、少し動ける様になった者が助けに、動き出すが……

 

 

「油断したなぁっ!!」

ガブッ!

「っーーー!! くっ……!」

大蛇に首筋を噛まれるシクル。

 

「「「シクルっ!!!」」」

 

シクルの身体を即効性の毒が回る……

 

 

あ……か、らだが……痺れっ……!?

 

ドサッと倒れるシクル。その身体をコブラが抱き上げる。

 

「てめっ……シクルをどーすんだ!?」

ナツの怒声が響くが……コブラはニヤッと笑い……

 

「さぁな?」

とだけ言い、空間の裂け目に消える……。

「シクルゥー!!!」

そして……

 

「ウェンディっ!!」

「シャルルー!!」

ウェンディもブレインの魔法により、連れ去られる……。声を上げ、シャルルがその手を掴もうと飛ぶ。

 

ウェンディも手を伸ばすが……

 

パシッとウェンディが掴んだのはハッピーの手だった。

 

「「え…!?」」

 

「ちょ、ちょっとあんた!?」

 

ハッピーと共に、ウェンディも空間の裂け目に消えていき……

 

「ハッピー!!シクル!!!」

「ウェンディ!!!」

 

ナツとシャルル、グレイとルーシィも裂け目へと走り、追おうとするが……

 

「ふん……月の歌姫と天空の巫女は頂くぞ!

 

うぬらにもう用は無い! ダークロンド!!」

 

ブレインの魔法がナツたちに襲いかかる……。

 

 

「岩鉄壁!!!」

 

ドォオオオオオオオオンッ!!!!!

 

「……っ!」

ものすごい爆風と音に、目を瞑っていた一同……爆風が止み、目を開けると……

 

 

「……間、一髪っ」

「ジュラ様っ!!」

 

ジュラが岩の壁を作り、ナツたちを守っていた。

砂埃が晴れ、ジュラにお礼を言いながらも辺りを見回す一同。

 

「いねぇ……あいつらも……シクルたちもいねぇ!!」

「ウェンディっ……!」

 

戸惑い、慌てる一同だがジュラの言葉で、一度落ち着き、一夜の魔法で傷を癒す。

そして、あらかた傷もなくなり、痛みもなくなると……

 

「っ……くっそぉ!!!」

シクルたちを探そうと、飛び出そうとするナツ。

「待ちなさいっ!!」

そんなナツをマフラーを引っ張り止めたシャルル。

 

「ぐえっ!? ンだよ!?」

「まずは落ち着きなさいって言ってるでしょ! それに……」

そう言い、シャルルが振り返った先には……

 

 

ただ1人、一夜の魔法が効かずに大蛇の毒に侵され、苦しむエルザの姿が……

「「「エルザっ……!!」」」

 

流石の一夜の痛み止めの魔法でも、毒は癒せないようで……エルザは力の入らない身体に鞭を打ち、身体を起こすと……

 

「すまない……ベルトを借りるぞ、ルーシィ」

と、ルーシィの腰に巻かれたベルトを取り外す。その瞬間スカートが落ちる。

 

「きゃぁああああっ///!?」

 

「「「おぉー!!」」」

 

「見るなぁ!!!」

鼻の下を伸ばし、魅入るトライメンズの3人に顔を真っ赤にしながら声を荒らげるルーシィ。

 

エルザはルーシィから取ったベルトで肩口をきつく縛り……

「な、何してるの……エルザ!?」

 

「すまん……このままでは戦えん……

 

 

切り落とせ」

 

 

エルザの言ったその言葉に一同は驚愕し、目を見開く。

「な、バカなこと言ってんじゃねぇよ!!」

「頼む……誰か……」

顔色を更に悪くさせながら言うエルザに……

 

「分かった……俺がやろう」

と、剣を構え、リオンが前に出る。

 

「な…リオン!? やめろ!!」

エルザとリオンの間に入り、リオンを止めるグレイ。だが、リオンは冷たくグレイを見据え……

 

「どけ、グレイ……今その女を失う訳には行かない……」

「だが……他にも方法があるはずだろ!?」

 

「早く……やれぇ!!」

 

エルザの叫びにグレイを押しのけ、剣を振り上げるリオン……そしてーーー

 

 

「やめてぇ!!」

「おい!?」

 

キィイイン!!!

 

 

「……どういうつもりだ、グレイ」

 

リオンの振り下ろした剣は、グレイの作り出した氷の剣に遮られ、エルザに当たることは無かった。

「言ったろ……他にも方法があるはずだと……」

 

リオンとグレイの間で冷たい空気が流れる……。

そこに……

 

「ぐっ……ぁ」

ドサッ……

 

エルザが耐えきれず、倒れてしまった。

 

「「「エルザっ!!!」」」

 

既に気絶しており、ナツたちの声に目が覚めることはなく……

 

「ま、まずいわよ……このままじゃ毒が全身に回って……!!」

 

「……ウェンディなら、助けられるわよ」

 

「「「「っ!?」」」」

 

冷静にナツたちを見つめていたシャルルからの言葉に全員が振り返る……。

 

「それって……ウェンディなら……解毒が出来るの……?」

ルーシィが戸惑いながら、問いかける。

 

「解毒だけじゃないわ……解熱や痛み止め……傷の治癒も出来るわ」

 

「そ、それならシクルも……っ!」

「でもあいつは解毒は出来ねぇだろ?」

 

「……ううん、出来るよ……シクルも」

 

グレイの言葉を静かに否定した声……ルージュの声。

 

「え……そーなの?」

「うん……でも、あまり使わないのは確かだよぉ……」

ルージュの言葉にへぇと声を上げるルーシィたち。

 

「でも……治癒魔法は失われた魔法のはずでは……?」

シェリーからの問いにシャルルははぁとため息をつき……

 

 

「ウェンディ……あの子は天空の滅竜魔導士……天竜のウェンディよ」

 

「滅竜魔導士……!?」

 

「あの子が……!?」

 

「マジか……!?」

 

「とにかく……今私たちに必要なのはウェンディよ……「シクルもだっ!!」……はぁ、ウェンディとオスネコ……それからシクルってのも助けに行くわよ!」

 

「「「「「おぉー!!!」」」」」

 

 

ナツたちがシクル、ウェンディ、ハッピーの救出に動き出した頃……

 

 

六魔将軍、仮説拠点にてーーー

 

「きゃあ!」

「っ……う!」

「うわ! お、女の子には優しくするんだぞ!」

 

シクルたちは、仮説拠点に着いた途端、放り投げられる。

 

「う……!」

「っ……シクルさん!」

「シクルっ! っ……安心して、シクルもウェンディもオイラが守るよ! 絶対……ここから逃がしてあげるからね!!」

 

毒に侵され始め、苦しむシクルを抱き上げるウェンディとその2人を守るように前に立つハッピー。

 

 

「ブレイン……此奴等は何なのだ?」

「ニルヴァーナに関係あるのか?」

レーサーとコブラからの問いかけにブレインはシクルとウェンディを見つめ……

 

「此奴は天空魔法……治癒の魔法を使う

そしてこの女は……彼の歌魔法を使う姫だ……」

と言った。その言葉にコブラたちは目を見開き驚く。

 

「治癒魔法っ!? この娘が!?」

 

「この女が歌姫なのは知ってたが……」

 

「これは、金の匂いがしますね……」

 

「もしかしてこいつらに……」

コブラたちの視線を受け、ブレインは頷く。

 

「あぁ……奴を復活させる」

 

「っ……や、つ……?」

「奴って誰だ!?」

「よく分かりませんけど……私、悪い人たちになんか……手は貸しません!!」

 

シクルを抱え、身体を少し震えさせながらブレインを睨みあげるウェンディ。

だが、そんな睨みに怯む訳もなく……ブレインはニヤッと笑う。

 

「貸すさ……必ず。うぬは必ず手を貸す……そして、奴を復活させる……」

 

その笑みに恐怖を抱くウェンディ。

「ひ……ぃっ」

身体の震えが強くなる……その時ーーー

 

 

「怖がらないで……ウェンディ」

「え……」

腕に抱いていたシクルが目を開き、にっこりとウェンディに笑みを浮かべていた。

 

「シクル……さ、ん」

「大丈夫……貴女は私が……守る」

ぐっと、身体を起こし、ブレインを睨みつけるシクル……

 

「てめぇ……キュベリオスの毒にやられた……」

 

「私を甘く見ないで……あれくらい、私にだって……解毒出来るっての」

ニッと微笑むシクル。

 

そこに……

 

大きな棺桶を運んできたレーサーが帰ってくる……。

 

 

「「「っ!?」」」

 

「参ったぜ……思ったより時間かかっちまった……こんなに重けりゃ、スピードも出せねえよ」

汗だくになり、呟くレーサーの肩を叩くブレイン。

 

「何を言うか……主より速い男など存在せぬよ」

「……あ、れは」

 

その棺桶を見つめ……シクルは嫌なものを感じ取る。

 

「寒気……(この禍々しい魔力……普通じゃない)」

警戒を高めるシクル。

 

「ウェンディ……そして、シクル

 

貴様らにはこの男を治してもらう」

 

「男……? (中身をわかってる……) やるわけないでしょ」

「わ、私も……! 絶対、やりません!!」

その2人の言葉に……クククと笑うブレイン。

 

「いや……お主は必ず治す……治さねばならぬのだ」

 

 

そう言い、ブレインが魔力を棺桶に送ると……その蓋が溶けていく……。

 

 

「……え?」

 

「……な」

 

「な……に?」

 

 

棺桶の中から出てきたのは……

 

 

「……ジ、ジェラー……ル?」

 

 

眠りにつく、ジェラールその者だった……。

 

 




如何だったでしょうか?

所々端折ったり、うろ覚えで飛んでるところが多々あるかと思うのですが……まだまだ続くので、最後までお付き合い、お願いします!!

では、43話、最後までお付き合い、ありがとうございます!!!

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