フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

45 / 75
はい!! いやぁついに始まったニルヴァーナ篇!!

そしてついにあの子が出せる!!
私め、天竜ちゃんが大好きなのです……もしも主人公が男だったら……ヒロインはウェンディになってただろうほどに……


どうでもいいですかね……では、41話!最後までお付き合い、お願いします!


第6章 ニルヴァーナ篇
41話 連合軍 結成!


 

ファンタジアから1ヵ月……

 

ギルドの者達はいつも通り、依頼をこなし、ギルドではバカ騒ぎをし過ごしていた。

そして、今しがた来たばかりのシクルはその光景に苦笑を浮かべ、ルージュは楽しそうに笑っていた。

 

「はぁ……変わらないねぇ皆」

「変わらず元気なのはいい事だよぉ」

ニコニコと微笑みながら言うルージュに「そうだけどねぇ……」と返した。

 

 

「ん?」

ふと、シクルはギルドのカウンター前が異様にザワザワとざわついており、人が集まっていることに気づいた。

そこにはナツやルーシィたちもいた。

 

「……なんだろ」

「さぁ?」

シクルとルージュは顔を見合わせ、首を傾げ集まっている輪の中に入っていった。

集まるメンバーの中央では空中に光筆で描いた闇ギルドの組織図が描かれていた。

 

「お? よー! シクル!!」

 

「おはよ、ナツ……今、何やってるの?」

 

「あ、シクル! これからね、ミラさんが闇ギルドについて教えてくれるのよ」

シクルの問いかけに答えたルーシィのその言葉にシクルとルージュはへぇーと空中に描かれるその図を見上げる。

 

そして……

「あ、ミラ。そことそこ……あとあそことそれとあっち……あーあ、あとそこの列全部……もう無いよ、私が潰したから」

 

 

「「「はぁあああああああっ!?」」」

 

「あらあら、そうなの? じゃあ書き換えないとね」

 

シクルの言った発言にルーシィとハッピー、グレイは声を上げ驚愕し、ミラは何でもないかのようにシクルの指していったギルドを消していった。

「て、ちょっと待って!? それまさか全部一人でやったの!?」

 

「んー? あーまぁ大体は? 評議会からの依頼だったから……基本は一人で行ったよ時折エルの力を借りたりはしたけど……」

ルーシィの問いかけにのほほんと笑みを浮かべ、そう語るシクル。

 

そんなシクルに「そ、そう……」と苦笑を浮かべ、返すしかできなかったルーシィ。

 

 

「そ、それより!! その組織図の3つにくぎられた大きな枠組みは何なんですか?」

話題を変えるようにルーシィは組織図を指差し問う。

 

「あぁ、それはね……」

 

「闇ギルド最大勢力バラム同盟……でしょ?」

ミラの言葉を遮り言ったシクルに視線が集まる。

 

「そうそう。バラム同盟は、3つのギルドから

構成されている闇ギルドの最大勢力でね?

それぞれが直属のギルドを持っていて、闇世界を動かしているのよ」

 

シクルの言葉に頷き詳細を説明するミラに、へぇ……と興味あり気に組織図を眺めるルーシィ。その視界にあるギルドが目に入る。

 

「あ……! 鉄の森って……!?」

「あぁ……以前ララバイの力を悪用しようとしたギルドだな……六魔将軍(オラシオンセイス)の傘下だったのか」

 

「気にするこたァねェさ、噂じゃこいつら……たった6人しかいねぇらしーしな」

グレイの言葉に1度は納得するメンバーもいたが……

「あのねぇ……ようはその、たった6人でこの闇ギルドの最大勢力の一角を担ってるってことでしょーが」

 

と、シクルがミラから光筆を受け取り、組織図を訂正しながら言った。

「それに……噂だとこの6人は全員、たった1人で一つのギルドを潰せる力を持ってるって話よ? 多分相手にするなら……一筋縄では行かない」

シクルのその言葉にゴクッと誰かが息を呑む。

 

全員が、緊張した表情でその場に突っ立っていると……キィ、と重い音を立て、ギルドの扉が開き……

 

「……その、六魔将軍じゃがな……我等が討つこととなった」

と、今戻ったマカロフが神妙な表情で告げた。

 

「「「「「は…はぁあああああああっ!?」」」」」

 

「あら、マスターお帰りなさい」

 

「つえぇやつと戦うのか!?」

 

「ちょ、ミラ? 今それどころじゃない言葉が出たと思うんですけど? あとナツは嬉しがらない」

 

「マスター……それは一体? どういう事ですか?」

 

エルザからの投げかけに、はぁとため息をつき、顔を上げるマカロフ。

「今言った通りじゃ……先日の定例会で、六魔将軍が何やら動きを見せていると報告があってのぉ……六魔将軍を討つことになったのじゃ」

「じーさん……あんた、ビンボーくじ引いたな……」

 

グレイからの指摘にうむ……と俯くマカロフ。

「ま、まさか……私たちだけで!?」

そんなの怖すぎるぅ!! と悲鳴を上げるルーシィ。だが、マカロフは首を横に振り告げる。

 

「いや……今回は相手があのバラム同盟、最大勢力の一角じゃ……一つのギルドで戦って勝利したとしてもその後、闇ギルドの連中から逆恨みを受けないとも限らん……

 

その為……我々は、連合を組むこととなった」

「連合……?複数のギルドが結成して討つってこと?」

シクルの疑問に頷くマカロフ。

 

「連合軍は、我等妖精の尻尾(フェアリーテイル)青い天馬(ブルーペガサス)蛇姫の鱗(ラミアスケイル)、そして……化猫の宿(ケットシェルター)、この4つのギルドで各々精鋭を数名だし、力を合わせ討つのじゃ!」

 

 

マカロフからの衝撃告白から1夜明け……

 

 

妖精の尻尾からは最強チームが選出され、現在馬車で指定の場所に向かっているところだった。

 

「なんで私まで討伐メンバーに入ってるのよ……めんどくさいなぁ」

 

「……シクルはいいじゃない……強いんだし……それよりも、なんであたしがこの作戦に参加するわけー!?」

 

シクルのため息とルーシィのいやぁああっ!! という悲鳴が響く。

それを聞き鬱陶しそうに眉を歪めるグレイ。

「うっせぇなぁ……俺だってめんどくせぇんだ、ぶーぶーいうなっての」

 

「マスターの人選なのだ。私たちは、その期待に応えるべきではないか?」

エルザのご最もな言葉に再びはぁ、とため息をつきながら膝の上に頭を乗せ既にグロッキーなナツを見下ろす。

 

「……う、ぅぷ……き、もち……わ、りぃ」

「はいはい……もーちょっとで着くから……お願いだからキラキラ出さないでよ」

そう言い、小さく微笑みナツの髪を撫でるシクル。その様子を見つめ、ふとルーシィは首を傾げる。

 

「……ねぇ、シクル?」

「んー? なぁに?」

ルーシィからの投げかけに返事は返すもナツを見下ろしたままのシクル。

 

「……なんか、変わった?」

「え?」

その言葉にやっとルーシィを見つめるシクル。

「何が?」

「いや……なんか、前に比べてナツを見る目が……暖かくなったなぁって思って……」

 

ルーシィの言葉が脳裏でリピートされる。

 

 

ナツを……見る、目……

 

その意味を次第に理解すると……顔を赤らめていくシクル。

「ん、なっ!? 何、言って!? んなわけないでしょ!?」

そう叫び、ナツの頭を勢いで落としてしまう。そんな様子にニヤニヤと笑いながらからかい続けるルーシィ。

 

「やっぱり、あのファンタジアの日に何かあったんじゃないのー?」

「あーもう/////!! そ、そんなことよりっ……ほら、目的地見えてきたよ!!」

無理やり話題を逸らし、外を見つめるシクル。その脳裏では……

 

 

ないない! 絶対……認めないからっ!

だって……これは彼等との約束を守る為……そして仲間を失わない為……

 

それ以外の気持ちなんて……

 

 

「……ない……と、思うんだけどなぁ」

 

ぼぅっと外を見つめると馬車は止まり、目的地へと到着したようだ。

 

今回の集まりの場は青い天馬が持つ別荘の一つであったが……

 

 

「……おい、ほんとにここで合ってんのか?」

 

「あ、あぁ……ここで間違いはないと……思うが」

 

「け、結構……個性的な、建物……ね(てかこれはないわ)」

 

その建物はピンクの大きなハートが外見につけられたどこか乙女チックだが……あまり中へは入りたいと思えない外見だった。

 

「う、ぷ……まだ……つかねぇ……の、か?」

 

「ナツー、もう馬車じゃないよ」

 

「ナツー? もう着いたよぉ?」

 

シクルに支えられ吐き気を堪えるナツにハッピーとルージュが頬を叩きながら声かける。

「大丈夫よ……そのうち治るから」

 

ナツの様子にため息をつきながらも、建物の中へと入っていくグレイたちを追い、シクルも中へと入る。

 

 

すると、出迎えたのは……

 

 

「ようこそ、妖精の尻尾の皆さん。お待ちしておりました」

 

「我ら、青い天馬より選出されしトライメンズ」

 

3人のスーツを着た男が出迎えた。

 

「……げ」

彼らを見て、シクルはあからさまに嫌な表情を浮かべる。

そんなシクルに気づく様子もなく……

 

「百夜のヒビキ」

 

「聖夜のイブ」

 

「空夜のレン」

 

シクルの周りに3人の男は集まると……シクルに寄りかかるナツを放り投げ、シクルをいつ用意したのかわからないソファへと座らせる。

 

「いつ見ても変わらぬ美しさと可愛らしさ……」

 

「さ、歌姫さん……こちらへ」

 

「ほ、惚れ直してなんか……ねぇからな」

 

「……はぁ」

 

シクルの周りでは青い天馬の面々がすでに囲み、お茶やらお菓子やらをだしもてなしていた……

 

「な、何……こいつら」

 

「トライメンズ……それなりに実力のある面々だ」

 

ルーシィとエルザにも目がいき、結局トライメンズの3人はシクル、ルーシィ、エルザをソファへと座らせ、同時にもてなす。

 

「あーもう……だから来たくなかったんだ」

こいつらホント苦手なんだって……

と、まだ戦いも始まっていないのにすでに5割ほど疲れを感じているシクル。

 

すると……

 

 

「君達、その辺にしておきたまえ」

 

また新たな声が1つ……その瞬間

 

ゾクゥッ!!

 

「ヒッ!? こ、この……こ、声、は……」

 

「まさか……」

 

シクルとエルザが震え上がる。

 

その視線の先には……

 

 

マカロフと同じくらいの身長のとてもイケメンとは思えない……男が1人……

彼にトライメンズの面々は膝をつき、頭を下げる。

 

「「「一夜様」」」

 

「……一夜?」

その名を聞いたことのないルーシィや、グレイ、ハッピーは首を傾げるが……

 

「あわわわわ……ハ、ハッピー!! シ、シクルこっちに連れ戻さないとっ!!」

とてつもなく慌てた様子のルージュ。

「え? どうして?」

その様子に疑問を持つハッピーだが……それはすぐに分かることとなる。

 

「ま、さか……あ、あんたも……こ、ここ……この、作戦……に?」

拳を握り、ブルブルと震えるシクル。

 

「やぁ、久しぶりだね……シクルさん。会いたかったよ」

キラーンとキメ顔で告げる一夜だが……

「出来れば私は一生会いたくなどなかったです!!」

ルーシィの影に隠れ、声を荒らげるシクル。

 

「ちょ、どーしたの!? シクル……」

「ご、ごめ……あ、あいつだけはどーしてもっ!」

「すまん……ルーシィ、シクル……私もあいつだけは……」

シクルに標準がいっている間に、エルザは静かに後ろへ下がっていく……

 

「エル!? 私置いてくの!?」

「すまんっ!!」

エルザを止めようとルーシィから離れ、手を伸ばすシクル……その時……

 

「会いたかったよ……! マイハニー!!」

と、言いながらシクルに向かい走ってくる一夜の姿が……

そして、その手がシクルの腕に触れた……その瞬間……

 

プチッーーー

 

 

「あたしに……触るなァッ!!!」

ゴォ!!

 

勢いあまり、殴り飛ばすシクルであった……。

 

「マイハニー!?」

「なんと……一夜様の彼女でしたか!」

「これはご無礼を!!」

吹っ飛ぶ一夜に気にもせず言葉を告げるトライメンズの面々。

 

「断じて拒否するわ!!! 絶対ないから!!」

ビシィ! と指差し否定するシクル。

そして飛ばされた一夜の先には……逃げようとしたエルザの姿……

 

「む!? この香りは……あぁ! 貴女は……愛しのエルザさん!!」

一夜はシクルから一転、エルザへと意識を向けた。

 

「ヒィ!? こっちに来るなぁ!!!」

ボガァ!!

「ごふぅ!?」

飛んでくる一夜に即座に反応、回し蹴りを決めるエルザ。

 

そして、蹴り飛ばされた一夜は扉の方へと飛び、丁度建物に入ってきた何者かがその頭をわし掴んだ。

 

 

「こりゃあ……随分ご丁寧な挨拶だな」

 

「……あ」

 

扉から入ってきた人物を見て、シクルはへぇと興味を示す。

 

その人物は……

 

「貴様らは、蛇姫の鱗に上等か?」

 

「リ、リオンっ!?」

まさか連合軍のメンバーに兄弟子が来るとは思わなかったグレイは目を見開き驚く。

そして、相手も弟弟子のグレイがいるとは思わず、「グレイ!?」と声を上げる。

 

「……ギルド、入ったんだね」

フフッと微笑みながら言うシクルにこちらも小さく笑みを浮かべあぁ、と答えるリオン。

「やり直すためにな……」

「そっか……」

 

前に進めているようでよかった……

 

どこか晴れ晴れとした表情のリオンを見て、ほっと安心するシクル。

 

「つかうちの大将に何しやがるっ!!」

レンの言葉でやっと一夜がリオンの魔法により、凍らされているのに気づく。

 

「ありゃ(ナイス、リオン! )」

凍った一夜を見て心の中でガッツポーズをするシクル。

 

「酷いや!!」

 

「男は全員帰ってくれないかな?」

 

作戦前から雲行きの怪しい空気がその場に流れる。そこに……

 

「あら? 女性もいますのよ?」

新たな声が……

 

「え?」

声の方を振り返ると……

 

「人形劇 カーペットドール!!」

「て、うそ!? ちょ、きゃあっ!?」

ルーシィに向けて魔法が襲いかかる。

それも、いつか見たことのある魔法……

 

「こ、この魔法って……まさか?」

ルーシィはふるふると震えながら振り返る……。

振り返った先にいたのは……

「あ……シェリー!!」

 

「……ふん、お久しぶりですわ」

「なんで!?」

シェリーのルーシィを見る目は少し険しく、睨みつけている。

 

そしてリオンとグレイは変わらず睨み合いを続け、トライメンズの3人もリオンを険しい目で睨んでいた。

そんな一同を見つめ、はぁとため息をつく1人と2匹……

 

「……どーすんのぉ?シクルゥ」

 

「これいつ終わるの?」

 

「はぁ……仕方ない…………スゥ あんたたちいい加減……」

 

「やめぇい!!!」

 

シクルが怒声を上げ、止めようとした瞬間、先に大きな声がその場に響く。

その声に、一同はピタリと動きを止める。

 

「あ……」

 

建物に入ってきたのは……聖十の称号を持つ1人……

 

「ワシらは連合を組み、六魔将軍を倒すのだ……仲間割れしている場合か?」

 

 

「ジュラ!!」

建物に入ってきたジュラを見つめ、パァと笑顔が輝くシクル。

「久方ぶりだの、シクル殿……元気であったか?」

ジュラの問いかけに間を開けることなく頷くシクル。

「もっちろん!! いつでも私は元気よー」

 

ニシシ! と微笑むシクルにそうか、と満足気に微笑むジュラ。

 

そして……

 

 

「さて……これで、3つのギルドが揃った……後は、化猫の宿の連中のみだ」

冷静にメンバーを見回しそう言うジュラに氷漬けから開放された一夜が口を開く。

 

「連中というか……化猫の宿は1人と、聞いているが……」

 

「「「なっ!?」」」

「1人!? こんな危険な作戦に!?」

「ちょっとちょっと!! どんだけヤバい奴が来んのよー!?」

 

怖いぃ!!! と声を荒らげるルーシィに苦笑を浮かべるシクル。

 

すると……

 

 

「きゃうっ!!!」 ビタンッ!!

 

 

…………え?

 

 

扉を通り過ぎた瞬間、何も無いところで躓き、転ぶ音と悲鳴。

一同が振り返ると……

 

「いったた……えっと……お、遅れてごめんなさい!! け、化猫の宿から来ました……ウェンディです! よろしくお願いします!」

 

 

 

青く長い髪を揺らす少女が照れくさそうに自己紹介をしていた。

 

「こ、ども……!?」

 

「お、女!?」

 

グレイとリオンが驚きの声をあげ、その他のメンバーも驚きを隠せずにいる。

 

 

 

「「…………ウェンディ?」」

 

 

 

その少女を見つめ、ナツとシクルの小さな小さな呟きが静かに流れ、響いた……。

 

 




はい!!如何だったでしょうか……さて、話は変わりますが……


FAIRY TAIL、映画公開まで残り3日ですね!!
皆さんは行かれますか?私は2日連続で見に行きます!!

楽しみですねぇ……ワクワクです!

では、次は明日になるかと思われます。最後までお付き合い、ありがとうございます!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。