まだ戦闘までは行きません!!結構ナツとの絡みなどあります!!
では、最後までお付き合い、お願いします!
ロキがルーシィの星霊として契約をした数日後、ロキは妖精の尻尾の面々に挨拶と、ちょっとした用事のため人間界に来ていた。
「星霊だぁ?」
「ロキが!?」
ナツとグレイの驚きの声がギルドに響く。
「うん…まぁ…そういうこと」
ルーシィに迫りより声を上げる2人に少し引きながらも頷くルーシィ。
すると、はっとナツは後方のカウンターでミラ特製パフェを堪能していたシクルを振り返り、突然詰め寄った。
「シクルーー!!お前!!知ってただろ!?」
「ふぇ?」
いきなり駆け寄ってきたナツに目を点にし、ぱちくりと瞬きをしながら首を傾げる。
「ロキの事だ!!知ってたろ!?」
ナツのその言葉であぁ、と納得するシクル。
「あー星霊だったってこと?うん、知ってたよ?」
「ンで言わねぇんだよ!?」
「だって口止めされてたし?」
シクルはそう言ってルーシィ達の傍にいるロキへ顔を向け、ね?と合図を送る。
「の割には…ルーシィに話してたみたいなんだけど…」
苦笑を浮かべ、誰にも言わないって約束だったのに…とぶつぶつと呟くロキににゃははと笑いながらシクルは言う。
「んー?だって私、確かにロキが“星霊”だってことは黙っておくとは言ったけど………
別にロキが危ないことを誰にも話さないとは言ってないもんねー…はい、別に約束は破ってません!」
シクルはそう言うと再びパフェを食べることに集中し始めた。
「あ!なぁシクル!ちょっとくれよーそれ」
ふと、シクルが美味しそうに頬張っているパフェが気になったのか、目をキラキラと輝かせ催促してくるナツ。
シクルはえー…と少し膨れっ面になり………
目を輝かせ、まるで餌を待つ犬の様なナツを見て、プフッと笑うと………
「しょーがないなぁ…一口だけだよ?」
シクルの言葉によっしゃ!と喜びを見せるナツ。
が………
「………シ、シクル?これ…は?」
「んぇ?だって食べたいんでしょ?はい
あーーん」
ナツの目の前には首を傾げ、アイスの乗ったスプーンを自身の口へ向け、差し出してくるシクル………恐らくシクルは無自覚だろう…
だが………
「っ……///!?(つかそれ…間接キ…ス…!!)」
ナツは思い至った事実に元々赤かった顔を更に赤くさせる。
「ねー早く!腕疲れてきちゃった」
むぅと頬を膨らませるシクルにナツはほとんど、ヤケクソだ!と自身に言い聞かせ…
「あ、あーん……///」
食べた。
「ど?美味し?美味し?ミラ特製だよ!」
無邪気に笑い、感想を聞いてくるシクルに限界まで顔を赤くしながら、鼻を抑え、小さくコクコクと頷くナツ。
その様子を見ていたルーシィ達は………
「なにあの甘い空気…」
「てか、どんだけ鈍感なんだ…シクルのやつ」
「あんな笑顔でされたら…そりゃ誰でもあーなるよねぇ」
「あいぃ…」
「ま、そこも彼女のいいところではあるけどね」
上から、ルーシィ、グレイ、ハッピー、ルージュと続き、最後にロキが笑いながら、そう続いた。
ふと、グレイはロキに視線をやり、
「そういやお前…もう体調は大丈夫なのか?」
と、問いかけた。
「んー…まぁ、まだ完全じゃないんだけど…
みんなに挨拶したくてね…それに………」
と、言葉が続くとルーシィの腰を掴むロキ。
「ルーシィの顔も、早く見たかったしね」
「んなっ…///!」
ルーシィは一瞬で顔を赤くし、慌てる。
そんな様子を見て………
「「でぇきてるぅ」」
と、ハッピーとルージュがお馴染みの言葉を発する。
「うるさいっ!!巻き舌風に言うな!」
「じゃ、そーいうわけで今後のことを2人きりで話し合おう!」
どーいう訳なのか、ロキはそう言うとルーシィを横抱きにし、抱える。
「ちょちょちょっ!?もう!」
ルーシィは恥ずかしさのあまり耳まで真っ赤にしながらもロキの頬に触れ言う。
「あんたもう帰りなさい…?まだ体調も…完全じゃないんでしょ?」
眉を少し下げ、心配そうに言うルーシィを見つめ、ロキは小さく苦笑を浮かべるとルーシィを下ろし、ポケットへ手を入れる。
「分かった…でもその前に…はい、ルーシィ」
「ん?何これ?」
「あかねリゾートのチケットだよ
もう僕には必要なくなったからね…あげるよ
君たちには色々とお世話になったし…」
ロキがそう説明すると話を聞きつけたのか、パフェを食べ終えたシクルが飛んでくる。
「あかねリゾート?へぇ…楽しそぉ!!」
「シクルの分もちゃんとあるよ
エルザにも、さっき渡しておいたから…皆で楽しんでおいで」
ロキからチケットを貰ったシクルは喜んだ。
「やったー!一度行ってみたかったんだー!」
シクルを中心にナツたちもリゾートの話で盛り上がっていると………
「貴様ら、何をモタモタしている?置いていかれたいのか?」
既に準備万端のエルザがいた。
「「気ぃ早えよ!?」」
「また凄い荷物だねぇエル…それと今日は時間的に行けないから明日の早朝出発にしよ?」
シクルの言葉にエルザは「そうか…」と頷き、納得したようで結果、チケットを受け取った次の日、早朝にマグノリア駅に集合となった。
そして、翌日………集合時間きっかりに全員集合し、あかねリゾートへと出発。
いつも通り、シクルは特性の酔い止め薬を飲み、ナツは乗り物酔いに苦しみ、シクルの膝で目的地につくまで眠っていた。
当たり前のようにナツへ膝枕をしているシクルを見て、ルーシィはふと疑問に思う事があった。
「ねぇ、シクル…シクルっていつから乗り物乗る時ナツに膝枕をしてたの?」
「ふぇ?んー…いつだろ?………気づいたらこれが定着してたかな?あぁ、でも始まりはナツが大怪我した時かも?」
「ナツが?」
ルーシィのオウム返しにシクルは頷き、ナツを見下ろし語り出す。
「昔ね……まだ私が妖精の尻尾に入ったばかりの時、当時私はまだ魔力を上手く制御できなくて…ちょっとした事で感情が高まって魔力の暴走が起きてしまったの………
その時、ナツがね…私を止めてくれたんだけど……
暴走する魔力の中に入ってきちゃったから身体中ボロボロになっちゃって…傷は治したけど、暫く気絶しちゃってたから…傷つけちゃったお詫びと助けてくれたお礼も兼ねて…
が初めてだったかな?」
「へぇ…そうだったんだ………」
ナツらしいな…と呟くルーシィに微笑みながらシクルはナツの髪を研ぐ。
暫く列車が走ると目的地、あかねリゾートへと到着。
まだフラフラとしているナツを介抱しながらホテルへ一度行き、荷物を置いてから海へと向かうシクル達。
その間にナツも復活。皆で束の間の休息を楽しむ。
ナツとグレイはどちらが早く泳げるか競ったり、ハッピーとルージュはシンプルに水のかけっこをして遊んだり、シクルはルーシィとエルザと共に日光浴等をし楽しんだ。
(ちなみに、シクルの水着姿を見てナツやグレイは顔を赤くしたとかなんとか…)
海水浴を始めてから暫く経った頃、エルザの「少し休憩にしよう」の言葉に全員集まり、日陰で休んでいた。
「はー!こんなに遊んだの久しぶりだなぁ!」
んー!と、背伸びをしながら言うルーシィ。
「最近はギルドの再建とかで慌ただしかったしな」
ルーシィの言葉に頷き、続くグレイ。
「んー…ねぇ、シクルゥ…喉乾いたァ」
「ルージュ?」
かいた汗をタオルで拭っていると隣で寝転んでいたルージュのボソリとした呟きを聞き取り、首を傾げるシクル。
「何か買ってこよっか?」
シクルの問いかけに「あいぃ…」と頷くルージュを見て、クスッと笑うと立ち上がる。
「ナツたちもなんか買ってこよっか?」
「んァ?あー…売店行くなら俺も行くぞ?」
シクル1人だと心配だ…と、小さく呟くナツの声はシクルに届かず、シクルはフフッと笑うと手を振り、断る。
「大丈夫だって!飲み物買うだけだもん!1人でいいよ!じゃ、いってきまーす!!」
そう言い、売店へと走っていくシクルの後ろ姿をナツたちは見送るが………
「て!!シクル!!何か羽織っていかんか!」
エルザの叫びが響くがシクルには届かず…
「だァ!たくっ、俺ちょっと行ってくる!」
「お願いね、ナツー!」
「シクルのやつ…ちょっとは自覚しろっての…」
「しょうがないよ…」
「シクルだもんねぇ…」
シクルの後をナツが追い、ルーシィやグレイは苦笑を浮かべた。
売店で目当ての飲み物を人数分買えたシクルは、袋に飲み物を入れてもらいナツたちの下へと戻る途中だった。
「ふぅー…こんなゆっくりするの久しぶりだなぁ………」
最近はファントムとのゴタゴタとか…色々あったからなぁ…
こんな日もたまにはいいな…と、心の中で呟きをしていると、シクルの目の前に影が差した。
「よォ、嬢ちゃん…1人か?」
「…?」
知らない男の声に、疑問を持ちながらも前を見ると…
いかにも、ナンパです!と言った様子の男が5.6人シクルの目の前にいた。
「(うっわ…めんどくさ…)いえ…連れがいるんで」
シクルは男達を見ると嫌そうな表情をし、断り、すぐに立ち去ろうとする。
が………
ガシッーーー
「っ!」
シクルの腕をリーダー格であろう男が掴んた。
「まぁ待ってよ…俺たち暇なんだよ…遊んでくんね?」
「私は暇じゃないんで…離してくれませんか?」
てか触んないでよ…
心中、毒づきながら柔らかに断りを入れるも…他の男が次はシクルの肩を掴んだ。
「そう言うなってーなぁ?どうせ暇でしょ?遊ぼーよ」
「だからっ…(一般人だから大人しくしてんのに…ぶっ飛ばしてやろうかクソ共…)」
シクルのイライラが次第に募っていき、それに気づかず、シクルの肩や腰にも男達の手が回り、逃げ道が見た目無くなってしまったシクルははぁ…とため息をつき………
魔力を右手に集め、威嚇のために地面を殴ろうとした…その時ーーー
「おい、てめぇら………俺のシクルに何してんだ…?あァ?」
シクルにとって…聞き覚えのありすぎる声が届く。
「あ?誰だテメェ…」
リーダー格が動いた拍子に見えたその桜色の頭………
「…ナツ」
シクルは無意識にその顔を見た時、ほんわりと笑みが表情に浮かんだ。
ナツはシクルに群がる男達の手を険悪な表情で睨むと…
「シクルに触ってんじゃねぇよ…シクルは俺んだ………さっさとどっか行けや」
「ちょ…///(いつ私がナツのものになったのよ!?)」
ナツの言葉に頬を赤くしながらも俯き、恥ずかしさが取り除けないシクル。
が、男達はナツのその言葉に逆上し、ナツへといきなり殴り掛かる。
その拍子にシクルは解放され…男達から離れたのをナツは確認すると、ものの数秒で男達をのした。
「へっ…俺に勝とうなんざ、100年早えんだよ」
ナツは地面に倒れ伏し、目を回す男達にそう吐き捨てると、シクルに持ってきたパーカーをかける。
「んえ?ナツ…?」
「たく…自覚なさすぎんだよ、シクルは…
1人でンなとこ歩いてりゃ声かけられんに決まってんだろ…ましてや水着姿でなんか…」
ナツの言葉に意味がわからないと首を傾げるシクルにナツははぁとため息をつき、「分かんねぇならもーいいや」と言った。
ナツの言った真意は分からない…が………
「ナツ!」
「んァ?」
シクルは振り返ったナツに満面の笑みを見せ………
「ありがと!」
と言った。
ナツは暫く放心し、そしてボンッ!!!と大きな音を立て、耳まで顔を真っ赤にして、「ぉおお…おぅ…」と壊れたロボットのように頷いた。
ナツは気を紛らわすように、シクルの持つ飲み物が入った袋をシクルの手から奪うと、代わりに持ち始める。
「え?ナツ?」
「俺が持つ」
「え?いいよ…そんなに重くないし、持てるよ?私」
シクルがそう言うも、ナツは袋をシクルに渡すことはなく…
「いいだろ…俺が持ちてぇんだ」
「ふぅん……まぁいっか…ありがとね!」
なんで持ちたいんだかは分からないけど、と言った様子でナツの隣を着いて歩くシクル。
ふっとナツは気づかれないように隣を歩くシクルをちらっと見る。
そして、ふいっと目を逸らすと頬を赤くする。
「っ…(しゃーねぇだろ…シクルだって女なんだから…持たせる訳にもいかねぇだろ…)」
んな事言ったらキレられそうだから言わねぇけど…と、心中でぶつぶつと呟きながらもエルザ達の下へと戻るナツとシクルであった。
そして、結局エルザ達の下へと戻った時、エルザからの逆鱗をくらい、シクルは暫く正座で説教を受けた。
エルザ曰く、自覚が無さすぎる!!との事だった…
「そんなにないかなぁ?」
青い青い空を見上げ、呟くシクル。
あの、説教のあと、休憩も終わり、ホテルに戻るまで海でめいっぱい遊んだシクル達……
そして、この後………まさか、あんな大事件に巻き込まれるなど………
この時、シクル達は思いもしなかった………
「時は来た……エルザ…君を…迎えに行くよ…」
ククク…と、暗闇に響く怪しげな笑い声……
「そして………月の歌姫………その魔力、必ずや………」
はい!25話、無事投稿にありつけました!!ありがとうございます!!
今回は、ほんのりと過去のナツとシクルの出来事も出ましたね…
この出来事も今後少し、重要になるかと思います!!
では、次回は明日!投稿致します!!
最後までお付き合い、ありがとうございます!!