フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい!!なんとか出来ました、22話です…!


ほんのりと、番外編どうしようかなぁ…と考えている今日この頃でございます………では、


今回も最後までお付き合い、お願いします!


22話 妖精VS幽鬼 妖精の法律

 

「私はあなたを……許さない!!!」

 

「クククッ…待っていましたぞ…歌姫…」

 

互いに睨み合う両者…そして………

「喰らえ!デッドウェイブ!!」

 

シクルへ向け、ジョゼが魔法を放つ。

 

そしてシクルも瞬時に魔力を練り、高めると

 

 

「光竜の息吹!!!」

光竜の息吹でジョゼの魔法はかき消される。

 

 

「ふむ…やはり、聖十大魔道 筆頭候補のだけある…素晴らしい力だ………だが、私には勝てんよ…」

 

ニヤッと笑うジョゼを見て、シクルは更に険しい表情を浮かべる。

 

 

「あなた…私に魔法消されてる癖に何でそんな強気になれるのよ?」

 

「クハハハッ!それはもう…まだ私が本気を出していないからに決まっているでしょう…小娘が………」

 

 

ジョゼが手をかざすとシクルの足元が怪しく光り出す。

「っ!」

 

「吹き飛べ…歌姫!」

 

 

ドォオオオン!!!

 

「シクル!!!」

大きな音と共に、シクルの姿が煙で見えなくなり、エルザが叫び、立ち上がろうとする。

 

 

「エルザ待ってぇ!」

「っ!ルージュ!?お前もここに…」

 

立ち上がろうとしたエルザを止めたのはシクルの相棒、ルージュだった。

 

「ここはシクルを信じてぇ!お願い!」

ルージュの顔を暫くみつめていると…

 

 

「…で?これで終わり?」

シクルの声が聞こえる…。

 

「なに…!?」

 

エルザがはっとシクルの声がした方を向くと…

 

煙の中から現れたシクルは無傷…ジョゼは目を見張る。

「貴様何故…!?」

 

「当たってないからに決まってるでしょ?

 

………さて…それじゃあ………」

 

 

反撃………開始ね?

 

 

ニッと笑みを浮かべるとシュッとジョゼの目の前から消えるシクル。

 

「なっどこに!?」

ジョゼがシクルの姿を見失う…

 

シクルは………

 

 

フッーーー

ジョゼの背後に現れ…

 

「月竜の…鉄拳!!!」

 

ドゴォオオ!!

 

その背に拳を入れる。

 

「ぐはぁああっ!?」

 

悲鳴を上げるジョゼに更に攻撃を仕掛けるシクル。

 

身体を翻し、足に魔力を集める。

「月竜の鉤爪!」

 

ズドッ!!

 

「ぐふっ!!」

蹴りあげた勢いにのり、空中に1度飛び上がると口に魔力を集め…

 

「月竜の…咆哮っ!!!!」

 

ジョゼに向かい咆哮を放つ。

吹き飛び、壁に叩きつけられるジョゼ。

 

地に着地し、吹き飛んだジョゼを睨むシクル。

 

その光景にエルザは驚く。

 

「シクル………(こんなに…強かったの、か?)」

 

「…シクルゥ」

 

エルザを止めたルージュだが、ルージュも本当はシクルを止めたかった…だが、約束してしまった為、破る訳にはいかないと自身に言い聞かせていた。

 

 

 

「ぐ…ぐぐ……グクハハハ………やはり強いなぁ…歌姫………」

 

立ち上がり、シクルを睨むジョゼ…

 

 

「クククッ…後悔せよ、歌姫………私に力を使わせることになるとは…ネェ!!!」

 

ゴォオオ!!!

 

「っ!」

 

ジョゼの身体から魔力が爆発的に高まる。

その風圧はエルザやルージュの方まで届く。

 

 

「ぐっ!この魔力は…!」

 

「ひぃ…!?」

 

 

「…地獄ヲ見ルガイイ…歌姫!」

 

ドォオオオ!

 

 

邪悪なエネルギーが再びシクルに放たれる。

 

「光竜の…息吹!!!」

 

シクルの魔法がジョゼの魔法を消し飛ばす。

 

が………

 

 

ガシッ!!

 

シクルの右腕をジョゼが掴む。

 

「っ!!!しまっ…(攻撃の後に近づいて…!)」

 

「シネェ…小娘ェ!!!」

 

バチバチバチッ!!!

 

 

シクルの身体を高圧な電流が流れるような激痛が走る。

 

「づぁああああああああっ!!!!!」

 

「「シクル!!!」」

 

絶叫を上げながら、ジョゼをギッ…!と睨み、左手に十六夜刀を換装させる。

 

「ぐ………ぁ…!こんのっ…!!」

 

ブンッ!と刀を振り上げ、右腕を掴むその手を離させると一気に跳躍し、ジョゼとの距離を取る。

 

だが、距離を取り、床に足をついた時、膝から崩れ落ちてしまい、息が上がるシクル。

 

ガクッー

 

「くっ……はっ!はぁ…はぁ……」

 

「シクルっ!!」

 

エルザの心配する声に「大丈夫っ!!」と、答えるとゆっくりと立ち上がり…

 

「まだ…やれるよ………」

と、ニッと笑い言った。

 

 

「そうか…貴様は…魔法集束砲を止めたのだったなぁ…クククッ…まだそのダメージが残っていると見た………」

 

息の上がるシクルを見て、ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべるジョゼにシクルは怪訝な表情で睨む。

 

「………何がおかしい?」

 

刀を向けられるもジョゼは再び余裕の笑みを浮かべる。

 

 

「その様子では…もう満足に動けまい小娘…」

 

手をシクルへとかざすジョゼ…身構えるシクル…

 

 

「その身体で………仲間を守れるかァ!?」

 

「っ!!!」

ジョゼはその叫びと共に…シクルへ向けていた手をエルザとルージュへと向けた…

 

「なっ!」

「え………」

 

ジョゼの手からは邪悪な波動の刃が放たれる

 

「!エル!!ルージュ!!」

 

 

ルージュは恐怖で目を瞑り、エルザは咄嗟にルージュを抱え、庇う。

 

エルザは衝撃に備え、身構える…

 

 

 

「………?」

 

どんなに待っても痛みは襲っては来ない…

 

エルザが不思議に思い顔を上げると………

 

 

「ぐ………ぅ…!」

 

右肩を抑え、膝をつき、真っ赤な血を流すシクルがいた…

 

「っ…シクルっ!!!!!」

「あ…!?」

 

「っ…エ、ル…ルージュ………無事、だね…良かった………」

 

怪我のない2人を振り返り、柔らかく微笑むシクル。

 

その顔には大量の汗が溢れ、激痛に耐えてる様子が見えた。

 

その様子にジョゼは拍手を始め…

 

「これはこれは…流石は…仲間を大切にする歌姫様だ………だが、これでもう終わりですね?」

 

そう告げた瞬間…シクルの目の前に現れ…

 

 

ガッ!とその首を掴みあげる。

 

 

「うぁっ!ぐっ…かっ…は!」

 

「シクルゥ!!」

 

「貴様っ!!!」

 

ジョゼに斬りかかろうとするエルザ…だが、その身体はジョゼから発せられる波動により吹き飛び、柱へと叩きつけられ、再び地に伏せる。

 

「がは!!ぐっ!」

 

「エ…ルっ…!」

咳き込むエルザを悲痛な面持ちで見つめ、首にあるジョゼの手を強く握り、離れようと暴れるシクル。

 

だが…

 

 

グッ…バチッバチチチチチチィ!!!

 

「ぁあああああああああああっ!!!!!」

 

首から体内へジョゼの魔力が流れ始めるとシクルの悲鳴が響く。

 

「やめろぉおおおおお!!!!」

 

「だめぇええええええ!!!!」

 

エルザとルージュの叫びが響くがジョゼはその手を緩めず…

 

「ふ…そこで歌姫の最後を見ていろ………」

更に魔力を高める。

 

 

 

「うぐ…!ぁ…ぁああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!」

 

 

 

シクルの絶叫を聞き、ジョゼは高笑い、愉快そうに苦しむ姿を眺める…。

 

「ぐぅうううっ!!あっ!がぁ…!(こ…んの!)」

 

そして、シクルは激痛の走る中、必死に体を動かし………

 

「お前はあたしを………怒らせたんだ………

 

 

未来はないと思え………」

 

 

右耳に触れる………そして………

 

 

 

パチッーーー

 

右耳に着けられたピアスを…外した…。

 

 

その瞬間ーーー

 

ドッゴォォオオオオオオオン!!!!

 

シクルを中心に魔力による物凄い風が吹き荒れる…

 

それはジョゼの手をも振り払い…

 

 

「っ!?な、なんだ…!?」

ジョゼは驚愕し、目を見開く。

 

 

吹き荒れる魔力の中………立っているシクルの姿が………

 

 

 

「………ふぅ…まさか…これを外すことになるなんて………」

 

「シクル…まさか………制御装置外しちゃったのぉ!?」

 

シクルの呟きにルージュは慌てて、声を上げ立ち上がるが…シクルは安心させるように微笑みをルージュへと向ける。

 

 

「大丈夫…ほんのちょっと…使うだけだよ…」

 

 

シクルはそう言うとジョゼに視線をやる…

 

 

「貴様…その姿は………」

 

今、ジョゼの目の前に立つシクルは…それは、金の長い髪ではなく……銀色に輝く長い髪を揺らしていた…。

 

 

「………ジョゼ…一つ警告してあげる」

 

シクルはそう言い、人差し指を立てると…

 

「この姿を見て…立っていたものは、いないよ?」

と、言い放つ。

 

 

「小娘が…調子に乗るなよォ!!!」

シクルの言葉を挑発と取ったのか、ジョゼも魔力を高め、ぶつかり合う。

 

が…シクルは冷静に両手を胸の前で構えた。

 

 

 

「………ジョゼ…あなたに、3つ数えるまでの猶予を与えましょう………」

 

「はァ?」

 

「…3つ…数えきる前に………ひれ伏しなさい」

 

シクルの言葉を聞き、尚ジョゼは高笑った。

 

 

「ククククッ!!!いきなり何を言い出すかと思えば…!」

 

「…一つ」

 

「私にお前達へひれ伏せと!?」

 

「…二つ」

 

「ふざけるな!貴様になど負けぬぞぉ!!」

 

「…三つ」

 

「ひれ伏すのは貴様の方だぁ!歌姫ぇ!!」

 

ジョゼの魔法がシクルに放たれる…その時…

 

シクルの魔法も解放される…

 

 

「そこまで………“妖精の法律(フェアリーロウ) 発動”」

 

 

シクルから放たれる光はジョゼやエルザ、ルージュ…そして幽鬼のギルドや妖精の尻尾の仲間達も包み込んだ…。

 

 

「これは…!!シクル…この魔法が使えて…!(だがこれは相当の魔力を…シクルっ!)」

光で目が開けれず、瞑っている中魔法の発動者であるシクルを心配するエルザ…

 

 

そして、光が消え、エルザが目を開けると…

 

 

真っ白になったジョゼと肩で息をしているシクルの姿があった…。

 

「ゼッ……は………はァ……はっ…」

 

「シクルっ!」

 

「やった…やったよぉ!シクル!!」

 

 

倒れ、白目を向くジョゼを前にエルザとルージュは嬉しさのあまりシクルへと駆け寄る。

 

シクルは既に膝をつき、限界が来ていた…

 

その髪は既に金髪へと戻っている。

 

 

すると…シクルの目の前が揺らぐ…

 

その姿をエルザが捉えた時………背筋に嫌な寒気が再び走る…

 

 

「っ!!!シクルーーーー!!!!」

 

 

シクルの目の前に現れたのは倒したはずのエレメント4の1人、アリア…

 

シクルは既に動けず、虚ろな目でアリアを弱々しく睨む…

 

 

「悲しいなぁ…マスターマカロフに続き…月の歌姫まで私の手によって……!!」

 

涙を流し、シクルへ魔法を放つアリア…

 

 

シクルにアリアの魔法があたる…そう、思った………が………

 

 

 

ドゴォオオオ!!!

 

 

「ぐぱぁっ!?」

 

アリアを巨大な手が殴り飛ばした。

 

 

「………もう終わったんじゃ、ギルド同士のケジメはつけた。これ以上を望むのなら………貴様らを跡形も無く消すぞ

 

ジョゼを連れて去れ………」

 

シクルたちにとって懐かしく感じる親の声…

 

 

「マスター!!」

 

「マスター!おかえりぃ!」

 

「…マ…ス、ター…?」

 

 

朦朧とする意識の中、シクルはマカロフの魔力を感じ取る。

そして、フワッと頭を撫でられる感覚がシクルを包み込む。

 

 

「………よく、やったの………シクル…お疲れ様じゃ」

 

 

優しく温かい…その言葉を最後にシクルの意識は途絶えた…。

 

 

 

次回ーーー 幽鬼の支配者篇 完結

 

 




はい!!主人公に妖精の法律使わせました、はい…


元々使ってほしいなぁと思っていたので…マカロフさんには悪いのですが、いい所を主人公にやってもらっちゃいました!


では、最後までお付き合い、ありがとうございます!!

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