ちょぉおおおっと!!!いえ………だいぶ端折ってる部分などあり、分かりにくいよ!!って部分もあるかと思います………
下書き消えてしまうなど思っていなかったので…次からは気をつけます………
では…第20話、最後までお付き合い、お願いします!!
ギルドの中に運び込まれたシクルはすぐに治療が始まった。
「酷い…全身傷だらけ……(この胸の青痣…肋骨にヒビが入ってるのかもしれない………)」
「シクルゥ…」
シクルの傷の具合を見て顔を歪ませるミラ。
ミラの言葉と目覚めないシクルを見下ろし、涙が溢れるルージュ。
「シクル…ごめんね……」
シクルを見下ろし、涙を流し、謝るルーシィ。
「ルーシィのせいじゃない…シクルも言ってただろう?誰も、お前を責めたりはしない」
エルザの言葉にルーシィは頷き、涙を堪える。
「ふぅ…ミラ、シクルやルーシィを頼む…」
エルザはルーシィの涙が止まると立ち上がり、ミラを見つめる。
「エルザ…分かった………」
ミラが頷くとエルザはギルドを飛び出し、戦場へと出て行った。
出て行ったエルザを見つめ、ルーシィはぐっと拳を握る。
「…ミラさん…私も戦います…!」
ルーシィのその言葉にミラは驚愕の目を向ける。
「何を言ってるの、ルーシィ!?ルーシィが出て行ってはダメよ!そんなことより、ルーシィはどこかに隠れないと………」
「でもっ…みんなが戦ってるのに!!私だけ隠れるなんて出来ません!!」
ミラの言葉に大きな声で反論するルーシィ。
「それに…レビィちゃんやマスター…シクルも傷ついて………みんな…全部私のせいなのに…私が…」
「ルーシィ!それは違うわっ…」
ふるふると震え、言うルーシィの肩を掴み、ルーシィの言葉を止めるミラ。
「ミラさ…」
「シクルも…エルザも言ってたでしょう?
これはあなたのせいじゃない…誰もそんなこと、思ってないわ…やられた仲間のため…ギルドのため…そして、あなたを守るためにみんな誇りを持って戦っているのよ……そんな悲しいこと…言わないで?ね…ルーシィ…」
ミラはルーシィにそう言うと片手をルーシィの顔の前にかざす。
「ごめんなさい…ルーシィ…あなたを守るためなの………
だから…言うことを聞いてね…ルーシィ…」
「ぁ…」
ミラの手から放たれる光に包まれたルーシィは強い眠気が襲い、耐えきれず倒れ、眠ってしまう。
倒れたルーシィの身体をミラが支える。
「リーダス、ルーシィを連れて隠れ家へ行って!」
「ウィ!」
ミラの言葉に、絵で描いた馬車を作り出し、ルーシィをそれに乗せるとギルドの隠れ家へと運ぶ。
そして、去っていく馬車を見送るとミラは戦闘の続く戦場へと出て行く。
「ミラ…どこに行くのぉ………」
「ルージュはシクルの傍にいてあげてね…私はルーシィの代わりに行くわ」
ミラにそう言われ、ルージュは頷きシクルを見下ろし、ルージュが頷くとミラはギルドの外へと出て行った。
その頃、外では魔法集束砲の発射阻止には見事成功したが次にジョゼは
巨大な魔法陣が上空に描かれていた。
「あれは…!!」
丁度、外に出て来たミラはその魔法陣を見た時、背筋に嫌な汗が伝う。
「ミラ!?あんた何で出てきて…!」
ミラが外にいるのを見つけ、驚くカナ。
「あれはまさか…!!あんな大きなの撃たれたらギルドだけじゃないわ…カルディア大聖堂辺りまで消し飛んでしまうっ…!!」
「何ですって!?」
「おいおい…冗談だろ!?」
全員が驚愕と、絶望の表情でその大きな魔法陣を見つめる。
「ミラ…あの魔法は、あとどれくらいで完成するの…?」
驚異的な力に絶望しないよう、瞳に光を宿し、ミラに聞いてくるカナ。
「恐らく約10分ってところかしら…」
「なら、入ったエルザたちに任せるしか………」
幽鬼のギルドに侵入したのはナツとハッピー、エルザの他にグレイとエルフマンもいた。
「エルフマン……」
ミラは幽鬼のギルドを不安そうに見つめる。
「(あの子も前に進もうとしている…なら…)
私も前に………」
ミラの瞳は強く輝いており、なけなしの魔力を集めると変身魔法を発動。
「ミラ…何を!?」
その光にカナが驚きの目で見つめると、光から出てきたミラの姿は………正しく、“ルーシィ”の姿になっていた。
「すぅ………もうやめて!!あなた達の狙いは私でしょ!!これ以上みんなに手を出さないで!!」
ミラがルーシィになりきり、ジョゼや幽鬼の奴らを騙そうとした。
が………
『………去れ、偽者が…』
ミラの変装はいとも容易くジョゼにバレてしまい、ミラの作戦は失敗してしまう。
「そんな…」
力無い自身に悔しく、惨めな気持ちがミラの胸の内に広がる…。
ジョゼにミラの変装がバレていた頃…ギルド内では………
ーーーーー
シクルはどこか分からない空間で目が覚める。
………ここは…どこ………?
辺りを見回し、首を傾げるシクル。
確か…ギルドに幽鬼の奴らが攻めてきて…
魔法集束砲を撃とうとしたから………
私が受け止めて…?それから………
“………ソレは私のモノだ…”
…っ!?
今まで起きたことを頭の中で整理していたシクルの耳に声が響く…
それは、2度と聞きたくない男の声………
シクルにとって悪魔のような男………
黒い光がシクルの目の前に指すと何者かのシルエットが見えるようになる。
傍目だとよく分からない霞んだシルエット…だが、シクルには一目で分かった………
あいつだ………と…
“お前は今日から私の道具だ………その力………
私に寄越せ……その力を私に…!”
怪しげな魔法具を持つ男シルエットがシクルの目の前に現れる。
“いや………いや………来ないで………来ないで………
来るなぁあああああっ!!!”
叫び声も虚しく、シクルの身体色々なコードや機械が取り付けられる。
“あぁあああ゛あああ゛ああ゛あっ!!!!”
なんで………なんで………私は………もぅ………
助けて………私………こんなところ………いたくないっ!!
誰か………誰か………助けてっ…!
悲鳴を上げるシクル…その目には涙が溢れ、頬を濡らす…。
次第にシクルの悲鳴は小さくなっていき、瞳からは光が霞み始めていた………その時………
光が差すーーー。
………あ………
シクルーーーーー!!!!
それは…大切な相棒の声………
………ルー、ジュ………泣いてる…?
あぁ………泣いてる………待ってて………
今………いくよ…相棒………
そして、シクルは光射す場所へ、手を伸ばし………夢から覚める。
「シクル………シクルっ!!!」
「………ルー、ジュ…」
目を覚ましたシクルの視界には顔を涙で濡らし、必死に自身の名を呼び叫ぶルージュの姿が映った。
ルージュは目を覚ましたシクルに嬉しさのあまり飛びつく。
「わああ!!シクルゥ!!良かったァ!良かったよぉ!」
「ルージュ…なんで泣いてんの?」
シクルは痛む身体に気付かぬフリをし、体を起こしルージュの頭を撫で、問いかける。
「なんで…て…シクルの呻き声…聞こえたから…」
「…私の?」
「うん…助けてって…言ってたよぉ…?」
ルージュのその言葉を聞き、あぁ…てシクルは納得した。
「ごめんね、心配かけて…ちょっと、夢見の悪いの見ちゃって…もう、大丈夫だよ………」
シクルはルージュにそう言い、一層ルージュの頭を撫でる。
そして、ルージュを傍に下ろすと、傍らに置いてあった白いジャケットに腕を通し、立ち上がる。
「ちょ!?シ、シクル!?何やってるのぉ!?」
「何って…私も皆のところに行こうかなと…」
あっけらかんと言うシクルはそのまま足を進め、ギルドの外へ出ようとする。
その足取りはどこか覚束無い様子で、慌ててルージュが引き止める。
「ダ、ダメだよシクルゥ!!身体中傷だらけで…肋骨にもヒビが入ってるって!」
「あぁ…だからちょっと胸が痛かったんだ…どおりで…そりゃ痛いわけね」
シクルは自身の身体のことなのに何でもないかのように呟くとルージュを見つめ、小さく微笑みを見せる。
「ルージュ…心配してくれてるのは分かるよ…でも………私行かないと…みんなが戦ってるのに…私だけ、休んでる訳にはいかない………」
「で、でも………」
「…それに…………私にはやらなきゃいけない事があるんだ…」
シクルはそう言うと目を伏せ、脳裏に黒髪の男を思い浮かべる。
………約束…したんだ………守るって…
約束の日まで………守るって…みんなと、約束……したんだ…
目を伏せるシクルを見つめ、何かを感じとるルージュ。
「…分かった………でも、危なくなったら止めるからね…?」
「うん…ごめんね…ありがと」
ルージュからの許可が下りるとシクルはギルドの外へと出る。
そして、その瞬間ーーー
「きゃああっ!!!」
「ミラっ!!!」
ミラの悲鳴とカナの叫びが、シクルの耳に響いた…
「っ!ミラっ!?」
シクルの視界に入ったのは幽鬼のギルドに生えた大きな拳に握られ、連れ去られるミラの姿。
シクルは痛みなど忘れ、その場を駆け出す。
「ミラぁー!!!」
「っ…!シクル………!」
シクルの声を聞き、その手が伸ばされていることに気づき、ミラも手を伸ばす。
が……シクルの手はほんの僅かに、ミラには届かず………
ミラは、連れ去られてしまった。
「っ………!!ルージュ!!!」
シクルはギッ!と幽鬼のギルドを睨みつけ、ルージュを呼び、飛んで幽鬼のギルドへ行こうとした。
そこを、カナが気づき引き止める。
「待って、シクル!!あんた…そんな身体で行く気!?」
「カナ…うん、分かってるでしょ?私に何言っても引かないってこと…それに、少し休んだから体力も魔力も回復してるよ!大丈夫!!」
ニッ!と笑い、言うシクルを見つめ、カナは深いため息をつく。
「はぁ…分かったよ………でも、ほんとに…無茶だけはしないでね………絶対、帰ってくるんだよ?」
「………うん、約束ね!」
カナの最後の言葉に力強く頷くシクル。
そして、飛び立とうとした時………
「あーと…その前にやらないといけない事あるじゃん?」
ルージュちょっと待ってねーと言い、シクルは魔力を高める。
その様子に妖精の仲間達は首を傾げ、疑問に思う。
そして………
「光竜の息吹!!!」
コォオオオオオオオオオッ!!!!
シクルの口から出た透明度のある金色の光は幽鬼の兵を襲い、包み込み…そして、光が消えた時、幽鬼の兵は消えていた…。
『………え?』
「ふぅー…これで暫くはこっちも大丈夫だよね?」
シクルは一瞬、後ろに立つ仲間を振り返ると、今度こそ、幽鬼のギルドへと向かい、飛び立った。
ちなみに“光竜の息吹”とは………
闇から出来た物質を分解し、浄化する魔法。
ただし、人間には効かない。又、幽霊やこの世の者でない力を浄化(成仏)させることも出来る。
これを浴びた幽鬼の兵は………一体残らず消えていた。
それでも、一瞬しか消せなかったようで、再び幽鬼の兵が集まる。
が、それらを目の前に妖精達も怖気付いてはいなかった。
むしろ………最強の女が復活したことにより、仲間内での士気は格段に上がっていた…。
「シクルが頑張ってるんだ!!ナツやエルザも…エルフマンやグレイもあっちで頑張ってる…私達も私たちの家を守るよっ!!!」
カナの喝と共に、幽鬼の兵を迎え撃つ妖精たち…
「っ…シクル………(ミラを…頼むよ………)」
幽鬼の兵との戦闘が再開された頃…
シクルは………
「………今、行くから…みんな………もう少しだけ…耐えてね………」
戦いの中にいるナツたちを思い、拳を強く握り、戦場へと赴いていた…。
いざ…戦いの渦へと………月の歌姫 参らん…
そして、その力の片鱗が………
解放される時は近し………
封印されし力の片鱗に触れた時………
闇は崩れる………。
「…月の名の下に………私が、悪を滅する…」
はい!!どうにか20話、投稿にありつけました!!
ありがとうございます!!!
今回はほんのちょっと主人公の闇に触れてみました。
そしてその闇から助けたのは今回はルージュでしたね…はい
ナツでも良かったかな?と思ったのですが傍にいたのはルージュでしたのでルージュの声で目を覚ます感じにしました!
では、第20話、最後までお付き合い、ありがとうございます!!
次回は明日!投稿致します!!