フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい、こんにちわ!!
thikuruです!!!


ちょっと無理やりかな?って言うところもあるのですが………


最後までお付き合い、お願いします!!!


18話 妖精VS幽鬼 始まり

フィオーレ王国にある、オークの街…

 

 

そこに、かのギルド…幽鬼の支配者(ファントムロード)があった。

 

 

 

そこでは、現在妖精の尻尾についての話題で持ちきりだった。

 

「だっはーーー!!サイッコーだぜ!!」

 

「妖精のケツの奴らはボロボロだってよぉ!」

 

「その上ガジルのやつァ、3人もやってきただってよぉ」

 

「ヒュゥー!!流石だぜ!」

 

酒を飲み、大騒ぎの男達。

 

 

「そういやぁ…マスターの言ってた“奴”って誰だ?」

 

「さぁ?知らねーな」

 

「手を出すなとか言ってたよな」

 

「ふん、どうでもいいさ!惨めな妖精に乾杯だぜ!」

 

「おぉーよ!!」

 

 

酒を更に注ぎ、大笑いする幽鬼の魔導士たち…

 

 

「あ!いけね、もうこんな時間だ」

と、1人の魔導士が立ち上がり、荷物を手に扉へと歩き出す。

 

「お?なんだよ、女か?」

それを見た1人の魔導士がからかう。

 

「まぁな。まぁまぁいい女だぜ?依頼人だけどな…脅したら報酬を2倍にしてくれるってよぉ」

ニヒヒと嫌な笑みを見せ言う。

 

「がっはは!俺なら3倍は行けるぜぇ」

「けっ!言ってろタコ」

 

「そういやぁ…妖精にも1人超いい女いたよなぁ………」

 

「あぁ何だっけか?たしか…………」

 

 

誰かが、そう呟いた時だったーーー

 

 

 

 

ドッゴォオオオオオオオオオンッ!!!!!

 

 

 

大きな爆発音を立て、幽鬼のギルドの扉が爆破、吹っ飛び扉を殴った拳は今まさにギルドを出ようとしていた魔導士の顔面にクリーンヒット。

 

 

 

「妖精の尻尾じゃぁああああああっ!!!!」

 

 

 

殴り込んできたのは怒りに揺れる妖精…

 

マスター・マカロフのその怒声と共に一斉に妖精の魔導士たちが幽鬼の魔導士たちを攻撃していく。

 

 

「誰でもいぃ!!かかってこいやゴラァあああああ!!!!」

 

ドォオオオオン!!!

 

「ぎゃああああああっ!!!」

「こ、こいつ!!!妖精の尻尾の火竜だぁ!」

 

ナツに続き他のメンバーも次々と襲撃していく。

 

「こ、こいつ!!!氷の造形魔導士のグレイだぁ!?」

 

「こっちはビーストアームのエルフマン!?」

 

 

「あ、あれが妖精女王、エルザっ…!!」

 

 

皆が幽鬼の魔導士たちに容赦のない攻撃をし、圧倒していく。

 

そして…シクルもまた………

 

 

 

「あんたら…………誰に手ぇ出したかわかってんの?

 

タダで済むと思うな…(月竜の眼光っ!!)」

 

ギンッ!!と幽鬼の魔導士たちを睨むとたちまち、魔法陣は消え去り、その恐怖に気絶していく…。

 

だが、シクルの怒りは収まらない…。

 

「換装 十六夜刀………伍ノ太刀 鳴雷月!!!」

 

シクルの刀が光り、それを横に薙ぎ払うとそこから月の雷が発生…相手を攻撃する。

 

「「「ぎゃああああああっ!!!」」」

 

「こ、こいつ………妖精の姫…シクル・セレーネ!?」

 

「んのやろぉおおおおお!!!」

シクルの背後から襲いかかる影…が

 

ダンッーーー!

 

「月竜の鉤爪!!」

シクルはバク転をし、その際足に魔力を集め、影の人物を蹴り上げる。

「ぐがっ!?」

 

「ちぃ!!マスターだ!!マスターを狙えぇ!!」

 

やけを起こした数人が突っ立っているマカロフに魔法を展開するも…

 

「………カァーーーーーー!!!」

 

一瞬で巨人化するマカロフ。その拳で幽鬼のヤツらを殴り潰す。

 

「ひ、ひぃ…!?ば…化け物………」

 

 

「貴様らはそのバケモンのガキに手ェだしたんだ…人間の法律で自分を守れるなど…夢々思うなよ…あァ?」

 

「ひ…ひぎっ…」

 

マカロフの威圧に幽鬼の魔導士たちは腰を抜かす。

 

 

「つ…つえぇ…」

 

「兵隊共もハンパじゃねぇぞ!!」

 

「こいつらメチャクチャだろ…!?」

 

 

圧倒していく妖精に幽鬼の奴らも徐々に引き下がっていく。

 

 

「ジョゼぇーーー!!出てこんかぁっ!!」

 

「どこだ!?ガジルとエレメント4はどこにいるぅっ!!!」

 

マカロフとエルザの叫び声が響く。

 

 

それを、上の方で鑑賞している影が1つ………

 

 

「けっ…あれがマスターマカロフに妖精女王のエルザに…月の歌姫シクルか………凄まじいな……どの兵隊よりも頭1つ2つ抜けてんなぁ…」

 

ギヒッと不思議な笑い方をする黒髪の男

 

「ギルダーツにラクサス…ミストガンは参戦せず…か…舐めやがって」

 

男は腰を上げ、立ち上がり更に笑みを深める。

 

「ギヒッ…しかし、これほどまでマスタージョゼの計画通りに事が進むとはなぁ……せいぜい暴れ回れや…クズどもが…」

 

 

シクルたちが幽鬼を襲撃している頃………

 

 

1人、置いていかれたルーシィはレビィたちの見舞い品を買い、3人の眠る病室に戻るところだった。

 

「もぉ…皆、あたしを置いて行っちゃうんだから………」

 

あたしってそんな弱く見えるかなぁ?と1人ぶつぶつ呟きながら裏道を歩いていると…

 

ぽつり、とルーシィの頬に水が落ちる。

 

そして、ザァーと数分で雨が降り始めた。

 

 

「ん?何?…通り雨?」

 

「………しんしんと」

 

雨空を見上げるルーシィの耳に誰かの声が届く。

 

「え…?」

 

ルーシィの目の前に傘をさした女が歩いてくる。そして、ルーシィと目が合うとその女は足を止め、瞬き一つせず、見つめる。

 

「な…なに?」

 

「………それでは、ご機嫌よう…しんしんと」

 

「はぁ!?(な…なんなのこの人)」

 

訳の分からないことを言い、隣を通り過ぎていく女。ルーシィは呆然とその様子を見つめる。

 

すると…

 

「ノンノンノン。ノンノンノン。ノンノンノンノンノンノンノン。3・3・7のNOでボンジュール?」

 

次は女の後ろ、地面から帽子とメガネを掛けた男が現れる。

 

「ま、また変なのが出た!!」

 

 

「ジュビア様…ダメですなぁ仕事放棄は…」

 

「………ムッシュ・ソル」

 

女は“ジュビア”…男は“ソル”という名のようだ。

 

「私の眼鏡がささやいておりますぞぉ…

そのマドモアゼルこそが愛しのシブルだとねぇえ…」

 

「え………(シブル…標的………?)」

 

「あら……この娘だったの?」

 

「え…?」

 

ルーシィには2人が何を言ってるのかわからなかった。

 

「申し遅れました…私の名はソル。ムッシュ・ソルとお呼びください。

偉大なる幽鬼の支配者より…お呼びにあがりました」

 

「ジュビアはエレメント4の1人にして…雨女」

 

 

「ファントム!? あ……あんたたちがレビィちゃんたちを!!」

 

目の前の2人がファントムの魔導士だと知ると身構えるルーシィ。

 

「ノンノンノン。3つのNOで誤解を解きたい…ギルドを壊したのも…レビィ様を襲ったのも…全てはガジル様」

 

ソルがそう言い、目を細めた瞬間…ルーシィは突然現れた水に包まれ、その拍子に鍵を落としてしまった。

 

「!しまっ…!!」

 

「まぁ、我々のギルドの総意である事にはかわりありませんがね」

 

水はルーシィを包み、遂には水の球の中に閉じ込められてしまうルーシィ。

 

「んっ!?ふ…ぷ、はっ! な……な、に……これっ!?(息がっ…!)」

 

ルーシィはどうにかして水面から顔を出すが水は意志を持ったかのように動き、ルーシィを逃さない。

 

「ジュビアの“水流拘束(ウォーターロック)”は決して破れない」

 

 

ジュビアが手を動かすと水球は大きさを増し、ルーシィを拘束………

 

そして、ついにルーシィは息が出来ず、気絶し…ファントムに囚われてしまった…

 

「大丈夫……ジュビアはあなたを殺さない…

 

あなたを連れて帰る事がジュビアの任務だから………ルーシィ・“ハートフィリア”様」

 

 

場面を戻し、シクルたちの方では………

 

 

 

「エルザァ!!シクルゥ!!

 

ここはお前達に任せる…わしは、ジョゼの息の根を止めてくる…!!」

 

マカロフが戦闘を続けるエルザとシクルに叫ぶ。

 

「マスター…!お気をつけて…」

 

「………(また…嫌な予感が…)」

 

ジョゼがいるであろう最上階へ消えていくマカロフのその背を見て、シクルは顔を歪める。

 

「………気をつけて…マスター…」

 

 

 

そして、マカロフがいなくなったのを見て、動く1つの影…………

 

「ギヒッ!厄介なのがようやくいなくなった……こっから暴れるぜぇ………」

 

 

そう呟くと、乱闘する場へ飛び降りる男………

 

 

「ギッヒィ!!来いや!クズどもぉ!!」

 

「あ?」

「あいつは…!黒鉄のガジル!!」

 

その男、幽鬼の支配者に所属する鉄の滅竜魔導士…“ガジル”その者だった。

 

 

「鉄竜棍!!」

 

ガジルの狙いは完全に背を向けていたシクルだった。

 

 

が…

 

シクルはフッ!と後ろ手で飛び上がり、ガジルの攻撃を避け振り返ると息をすぅ!と吸う。

 

 

「月竜の………咆哮!!」

 

シクルの放つ咆哮はガジルに向かうがガジルもそれを避け、嫌な笑みをシクルに向ける。

 

 

「ギヒヒッ!いいなぁ…月の歌姫…殺りあおうや…」

 

「黒鉄のガジル………お前が、ギルドを………レビィたちを………」

 

ブワッ!と吹き荒れる殺気を浴び、涼しい顔をするガジル。

 

「ギヒヒ!だからどぉした?俺とやってくれんのかぁ?最強さんよぉ…」

シクルを挑発するガジル。

 

シクルはギッと睨む。が…不意に、ふっと笑みを浮かべると………

 

 

「確かにお前は許せない………でも、残念…あなたの相手は私じゃないわ」

 

「ガジルゥウウウウウウウウウ!!!!!!」

 

 

「へ!!火竜がやるってかぁ!?」

シクルの背後から飛び上がったナツの拳を拳で受け止めるガジル。

 

そこから幾度か2人の攻防が続くと………

 

 

ゴゴゴゴゴォ!!

 

ギルドが揺れた。

 

「な、なんだ!?地震か!?」

 

 

「やべぇな、こりゃあ…」

 

「これはマスターの…マスターマカロフの怒りだよ!」

 

「マスターがいる限りお前達に勝ち目はない!!!」

 

 

妖精の魔導士たちは誇らしげに、らんらんと瞳が輝きその振動と魔力に士気が上がり、逆に幽鬼の魔導士たちは恐怖に震え始める。

 

妖精の総攻撃が再び開始される…誰もがそう思った時ーーー

 

 

「っ………!!(何か…降ってくる!?)」

シクルの五感が異変を察知………上を見上げたその瞬間………

 

 

ズッドォオオオン!!!

 

 

何かが…落ちてきた…。

 

 

煙が巻き上がり、晴れると………

 

 

魔力が全く無くなってしまったマカロフが倒れていた…。

 

「っ!!!マスターっ!!!」

 

シクルが駆け寄り、その身体を抱え上げる。

 

「わ、わしの…魔力が……」

 

 

「マスター!!」

 

「じっちゃん!!」

 

「おいおい…何が起きたんだ!?じーさんから魔力を全然感じねぇぞ!?」

 

「マスター!!しっかりして!!」

必死にシクルが呼びかけるがその声は聞こえていないのか、苦しげに呻く事しか出来ないマカロフ。

 

マカロフがやられたことにより、妖精の士気は下がり始め……

 

 

 

「ちぇ…お楽しみはもう終わりか………」

 

優勢に攻めていた妖精が劣勢になり始める…。

 

 

「(このままではまずい…!)撤退だー!!

 

全員、ギルドへ戻れー!!!」

 

エルザの号令にグレイやエルフマンたちが反論する。

 

「何!?俺はまだやれるぞ!」

「ここで逃げてちゃ漢じゃねぇ!!」

 

 

「ギヒッ!もう終わりか…つまんねぇなぁ…」

撤退する姿を再び上から見下ろすガジル。

 

その背後に現れる巨体の男がーーー

 

 

「…アリアか………」

 

「全てはマスタージョゼの計画通り…素晴らしい!!」

そう叫び泣き始める男…“アリア”。

 

 

「いちいち泣くんじゃねぇよ…うぜぇな…で?………ルーシィとやらは捕まえたのか?」

 

 

「「っ!?」」

ガジルのその一言を聞き取ったシクルとナツ。

 

 

「計画通り…今は本部に幽閉している…」

 

「なん…だと!?」

 

「…ルーシィ…が?」

 

シクルとナツの声が聞こえたのか、ガジルは2人を見下ろし、ニヤッと笑う。

 

「ガッ…ガジル!!!どういうことだァ!?」

 

「待ちなさいっ!!!ルーシィを…ルーシィをどこにっ!?」

 

2人の止める声に聞くことなく、ガジルはアリアと共に姿が消える。

 

 

「くそ!!ルーシィが捕まっちまった…?」

 

「…ナツ、ルーシィの方任せていい?」

 

「あ?あ、あぁ………」

 

ナツの頷く姿を見て、シクルはニッと微笑み、「頼むよ…」と、呟くと………

 

 

撤退する妖精の魔導士たちを攻めようと魔法陣を展開する幽鬼の前に立ち塞がる。

 

 

「っ!?シクル!!何を…!」

 

「ルーシィはナツに任せる!!私は………

 

 

みんなの逃げる時間を稼ぐ!!」

 

 

シクルの言葉にエルザはその足を止める。

 

「よせ!!無茶だ、シクル!!!」

 

「シクル…!」

隣にいたナツも不安げにシクルを見つめる。

 

 

「大丈夫!!皆が行ったら私も行くから!!

 

ナツも………早く行って!」

 

「………おう!!」

シクルの声でナツは1人の魔導士を引っ捕まえ、ルーシィを助けるため出ていく。

 

 

そして、エルザも苦々しい表情を浮かべ、シクルに背を向ける。

 

「…すまん、シクル………」

 

 

「………さて………と………」

エルザも走り去っていく姿を確認し、シクルは幽鬼の魔導士を前にニヤッと笑う。

 

 

そして………

 

「調子乗るなよ………三下共………」

 

 

「滅竜奥義…月華炎乱舞!!!」

 

シクルの構えた両手から月の魔力を纏った蒼銀色の炎が乱れ、舞い………幽鬼の者を包み込んでいく。

 

 

「「「ぎゃああああああああ!!!?」」」

 

「何だこりゃぁあああ!?き、消えねぇぞぉおおお!?」

 

「ぐああああああっ!!!」

 

 

悲鳴を上げる幽鬼の魔導士たち。

その炎から逃れた者はシクルに走り、突っ込む。

 

 

 

「てめぇえええええ!!!」

 

「調子乗るなよアマぁあああああああ!!!」

 

 

「私にあんたたちの魔法は効かない…」

 

飛んでくる魔法を睨み、殺気で消し飛ばすシクル。

 

 

そして………

 

「さて………ほんとは暴れ足りないけど…

 

みんなも行ったし………そろそろあとを追わないとエルに怒られちゃうから………」

 

 

 

ここまでね?

 

シクルはそう言うと、両手を合わせ光を集める。

 

 

 

「…………次は必ず…私があんたたちの悪を…滅してやる……… 光竜の閃光!!!」

 

 

カッーーーーーーー!!!!

 

 

シクルの身体から放たれる眩い光に幽鬼の魔導士は目を潰され、その間にシクルの姿は消えた………

 

 

 

そして、シクルが幽鬼のギルドを去り、妖精の尻尾ギルドへ帰還中…

 

 

ナツもまた、ルーシィの救出に成功した…。

 

 

 

始まりの戦争は一時、妖精の撤退により休戦………

 

 

 

が………これは始まり………

 

 

まだ………序盤に過ぎなかった………。

 

 




はい!!如何だったでしょうか…ほんとにこれでいいのか?という感じでやっているのですが………

不安すぎて禿げてしまいそうです(´;Д;`)!!


それでも最後まで続けるつもりです…どうか暖かいお心でお願いします!
では!!
最後までお付き合い、ありがとうございます!!!

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