フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい!今回はちょぉっと戦闘あります!あと血の表現あります!!


苦手な方は回れ右でお願いします………



戦闘シーンはすごく苦手なのですが!!
最後までお付き合い、お願いします!!!


11話 VSデーモン・リバイブ

 

ギルドを出て1時間ーーー

 

 

 

シクルは文書に記されていた場所…

 

森の奥地にある闇ギルド、“悪魔の復活(デーモン・リバイブ)”の本拠点前に立っていた。

 

 

「ここか………はぁ…長かった」

 

 

シクルの目の前にはそれなりに立派な建物が立っていた。

 

が………

 

 

「…変な魔力を感じるのは地下から…実験は地下か…」

 

地面に手をつき魔力を感知する。

そして、建物の中にある魔力体を確認する。

 

 

「………うわぁ…200はあるなぁ………」

 

 

めんどくさ…と考えながらため息をつき、立ち上がる。

 

「調査とか潜入なら派手な行動は抑えるけど…今回は殲滅………やっちゃうか」

 

 

シクルはスゥと深呼吸をすると、右手に魔力を込める。

 

 

 

「…いくよ………月竜の…鉄拳っ!!!!」

 

 

ドガァアアアアアンッ!!!!!

 

 

シクルの拳が扉を木っ端微塵に吹き飛ばす。

 

 

「なんだ!?」

「襲撃だぁ!!」

「敵は…女1人!?」

「何者だ!?」

 

 

シクルが扉を吹き飛ばすと闇ギルド内はざわつき、煩くなる。

 

「…デーモン・リバイブ………殲滅始めます」

 

シクルは静かにそう呟くと魔力を高める。

 

「月竜の…咆哮ぉおおおおおお!!!!」

ズゴォオオオオオオ!!!!!

 

シクルのブレスがデーモン・リバイブのメンバー数十人を一気に吹き飛ばす。

 

 

「「「ぎゃああああああっ!!!!」」」

 

「なんだあいつ!?」

「構わねぇ!!殺っちまうぞぉ!!」

「「「うぉおおおおっ!!!」」」

 

 

「月竜の…翼撃ぃいいいい!!!!」

 

「「「ぐぎゃあああああ!!!」」」

 

「月竜の…鉤爪ぇええええ!!!!」

 

「「「ぐぉおおおおおお!!?」」」

 

 

シクルは襲い掛かってくる敵を何度もなぎ払い、吹き飛ばし、倒す。

 

が………

 

 

「…はぁ………もー数だけ多いんだから…めんどくさ」

 

シクルはまだまだ大量に残る敵を前にため息をつき、目を瞑る。

 

そして………

 

 

「めんどうだ……終わらせるよ?」

 

ギロッーーー!!!

 

グォオオオオオオオオオオッ!!!!!!

 

 

目を見開いた瞬間、デーモン・リバイブの面々の目には銀色に輝き雄叫びを上げる竜が映り、一瞬で戦意は喪失し、倒れる。

 

「………ふぅ…疲れる………」

倒れふす面々を見て深い溜息をつきシクルは顔にかかる髪を払い除ける。

 

 

「…さて………地下に続く階段でも探しに………ッ!?」

 

そう呟いた瞬間、強い殺気を感じその場を飛び避ける。

 

シクルが飛んだ瞬間シクルの立っていた場所は砕け散り、大きな窪みが出来ていた。

 

スタッーーー

 

「あっぶな………誰?(月竜の眼光が効かない…手練か…?)」

 

殺気のした方を向くと顔を白いマスクで隠した1人の男が立っていた。

 

「ほぅ………今のを避けるか…さすが………月の歌姫と言ったところか?」

 

男の右手には刀身の大きな刀が握られていた。

 

「あなたは………」

 

「俺か?俺はアルビス…」

 

「アルビス………血染め刀のアルビス…そう、デーモン・リバイブにいたのね………」

 

1人で数百もの人間を殺し、返り血を浴び、血に濡れた刀を持つ姿からその通り名が広まった…だが、彼の所属ギルドは誰も知らなかった。

 

 

「俺のことを知っていたか…光栄だな、月の歌姫……貴様なら…楽しめるか…な…?」

刀を構えシクルに嫌な笑みを向けるアルビス。

 

シクルははぁとため息をつき、睨む。

「生憎…私は戦いは好きじゃないのよ…めんどうだし………」

そう言うとシクルは右手を胸の前に掲げ…

 

 

唱える。

 

「換装………【十六夜刀】」

 

シクルの右手に現れたのは刀身の長い銀色に輝く刀。シクルの愛刀の一つ。

 

 

「…ほぉ………それが、月の歌姫の刀…十六夜刀か…面白い…」

シクルの握る刀を見てニヤリと笑みを浮かべる。

 

「めんどうだ………一瞬で終わらせます」

 

 

両者、一歩も動かずじっとただ相手を見つめ、次の動きを待つ………

 

数分か………それとも数時間か………

 

 

感覚が分からなくなるほどの集中と殺気がその場に流れる。

そして…

 

ダッーーー!

 

両者共に動く。

 

「黒重牙斬刀!!」

 

「弐ノ太刀 三日月」

 

 

アルビスの黒く輝く刀がシクルに振り下ろされる瞬間、シクルの刀から光の刃が放たれる。

 

ザンッーーー

 

ブシューーー

 

 

互いに、腹部と左肩から血を吹き出す。

 

 

「………見事」

 

腹部から血が吹き出したアルビスはその一言を呟いたあと倒れ、気絶する。

 

シクルは暫し刀を振り切った形で動かず、少しすると深呼吸をして、姿勢を正し、刀を消す。

 

 

「はぁ…(疲れた…もう帰りたい……)…とっととこれ終わらせて帰りますか…」

 

 

ここまでやってもここのギルドマスターは姿を現さない。

 

 

「相当自信があるのかな…」

 

シクルは左肩の止血を行ってから地下への道を探した。

 

 

建物内の捜索を始めてから数分…

 

シクルは大きな棚の裏に隠された通路を見つけ、歩いていた。

 

「だいぶ長いな…どこまで続くんだろ」

随分と歩いてきた通路を眺め、目を細めるシクル。

 

そして…

 

 

目の前に扉が見えてくる。

 

「…あそこかな?」

シクルは足音を立てないようゆっくりと扉に近づき、仕掛けが無いことを確認し、扉をゆっくりと開ける。

 

扉の奥では………

 

 

「………なに…これ?」

 

いくつものカプセルとその中に入っている人間…否………

 

 

「………悪魔?」

 

カプセルの中に入っているものを見て嫌なものを感じ取るシクル。

 

「(これは…誰がこんなことを?目的は…分からない………)…兎に角、ここを何とかしないと…「これが狙いか…?歌姫殿」!?」

 

突如、耳元から響く声にシクルはばっと振り返る。

が、振り返ったその瞬間何者かからの魔法がシクルに襲いかかる。

 

「ぐっ…!!」

扉を壊し吹き飛ぶシクル。

 

1度手を床につき、体勢を立て直し魔法を飛ばした者を見つめる。

 

…気配を感じなかった………

 

 

「………あなたが、マスター…」

 

「いかにも………我はディア…デーモン・リバイブのマスターだ」

 

暗闇から現れたのは黒いマントとフードを被った大柄の男。

 

シクルは瞬時に十六夜刀を換装し、構える。

「ディア………これは何?何が目的なの?」

 

 

「目的………我の目的…それは………

 

最恐悪魔 イブリスの復活………」

 

 

「イブリス………?」

シクルの表情は更に険しくなる。

 

「そう…イブリス………絶望を与える最恐の悪魔…」

 

この力を使い、この魔法界を滅ぼす…そう言ったディアを睨みつけ、殺気をぶつけるシクル。

 

 

「そんな事、私がさせると思う?…阻止してみせる、絶対」

 

シクルの言葉を聞き、殺気に当てられながらも笑みを更に深めるディアに怪訝な表情を浮かべるシクル。

 

「…何がおかしいの?」

 

「ククク………いやいや…何故我がこうも容易く真相を話したか…分からぬか?

 

阻止する?………貴様が?…ククッ!

 

貴様には無理だ………なんせ………

 

我に殺されるのだからな…」

 

ディアがそう告げた瞬間、シクルの視界から消える。

 

「!?消えっ…!」

「どこを見ている………?」

 

シクルが気づいた時…ディアはシクルの真横に立っていた…。

 

「っーーー!?」

 

ディアの右手から黒い光がシクルに放たれる。

 

それは、シクルを巻き込み、弾けた。

 

 

ズドォオオオオオンッ!!!!

 

「づぁああああ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」

 

 

シクルは吹き飛び、壁に衝突する。

 

「がっはっ!!げほ…!」

シクルはダメージの強かった腹部を左手で抑え、ディアを睨む。

 

「ほう………今ので動けるか…流石だな、歌姫殿………」

 

 

地に膝をつくシクルにゆっくりと近づくディアを見上げ、立ち上がるシクル。

 

「っ…はっくぅ…!!(今の攻撃………あと少しガードが遅れていたらヤバかった…)」

 

シクルは黒い光が弾ける瞬間、十六夜刀で防御の構えをとり、自身に襲いかかるダメージを抑えていた。

 

「…ダメージを抑えてコレか………(めんどくさいなんか言ってられないか…)はぁ…仕方ない………ちょっと本気を出すか…」

 

シクルは痛みに耐え、再び構える。

その姿を見て、ディアは更に笑う…。

 

 

「ククク…実に素晴らしい……殺すには惜しい人材だ………なぁ?“生贄のお姫様”………」

 

 

「ッ!?お前………どこでそれをっ!?」

 

“生贄のお姫様”…その一言で動揺を見せたシクルの隙を、ディアは見逃さず………

 

 

ズブッーーー!

 

 

「………づ…ぁ…!」

 

シクルの腹に剣を突き刺した。

 

 

 

「………終わりだな…」

 

剣を引き抜かれ、血を噴き出し倒れるシクルを見下ろし不気味な笑みを作り出すディア。

 

 

ディアは剣を振り上げ………

 

 

「………死ね、歌姫…」

 

 

シクルの心臓目掛け、振り下ろした………。

 

 

ザンッーーー

 

 

そして………その場に真っ赤な血が散る………

 

 




はい…如何でしょうか?

ちょっと短めでしたかね?


まぁ早めに悪魔の島に入りたいので………恐らく次でこのオリジナルストーリーは終わるかなと思います。



では、最後までお付き合い、ありがとうございます!!

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