フェアリーテイル 月の歌姫   作:thikuru

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はい!日付変わり、夜中の投稿となりました。


私少し風邪を引きまして…普段より誤字脱字への注意力が散漫になっているやも知れません………誤字脱字がありました際は申し訳ございませんが、ご指摘宜しくお願いします。

では、最後までお付き合い、お願いします!!


7話 歌姫奪還

 

 

ハッピーが懐から出したのは以前ナツとハッピー、ルーシィの3人で初めての依頼に行った際に敵が使っていた黄道十二門の鍵 “処女宮 バルゴ”のだった。

 

 

「これって…バルゴの鍵!?ダメじゃないハッピー!勝手に持ってきちゃあ…!」

「違うよ!!バルゴ本人がルーシィにって!」

 

頬を抓られながらもここにバルゴの鍵がある理由を話すハッピーの言葉に「えぇ?」と抓る力を弱めるルーシィ。

 

 

「バルゴ?…あぁ!!あのメイドゴリラか!」

バルゴが誰だったか思い出した様のナツはポンッと手を叩き、「あいつ強かったよなー!」と叫んでいる。

 

「あの時、エバルーが逮捕されて契約が解除されたんだって。それで今度はルーシィと契約したいってオイラ達の家を尋ねてきたんだ」

 

そう言い、はいっとルーシィに差し出してくるハッピー

 

「あ、あれが来たのね………」

ルーシィとしては脳裏に残る巨体の星霊メイドが黄道十二門の鍵だとしてもあまり嬉しくは思えなかった。

はぁ、と溜息をつき、ルーシィはハッピーの差し出してくる鍵を受け取らず、言う。

 

 

「あぁ…ありがたい申し込みだけど…今はそれどころじゃないでしょ?早くここから出る方法を考えないとっ…!」

ルーシィに断られるとは思っていなかったハッピーは「え…でも…」と食い下がる。

 

が、ルーシィはむぎゅぅ!!とハッピーの頬を再び抓り、怒る。

 

「うるさいわよ猫ちゃん!?今はそれどころじゃないって言ったでしょ?」

「わぁ…いたそぉ…」

むぎゅー!!と引っ張られるハッピーの頬を見て少し同情しているルージュ。

 

ハッピーはルーシィが離すと地面に倒れ、涙ながらに言った。

 

「だって…だってバルゴは地面に潜れるし…魔風壁の下を通って外に出られるかなって思ったんだ…」

ハッピーのその言葉を聞き、突然ハッピーがバルゴの鍵を思い出した理由の合点がいく。

 

「あ!そっか!!地面の下からなら抜けられるかもしれないってことね!」

 

「何!?」

「ほんとうか!?」

ハッピーとルーシィの言葉にエルザとグレイが期待の声を上げる。

 

 

「そっかぁ!やるじゃないハッピー!!もう、何でそれを早く言わないのよ!」

「ルーシィが遮ったから」

ハッピーを抱き寄せ、先ほどとはまるで違う様子を見せるルーシィ。が、ハッピーはそれで許すことは無く、じとっとした目をルーシィへ向け言う。

 

「ごめんごめん!!あとでなんか奢るから奢らせていただきますから!!だから今はその鍵を貸してぇ!!」

先ほどとは立場が逆転し、仁王立ちのハッピーにルーシィが頭を下げていた。

 

「あい、お魚でよろしくね」

「オーケー!任せて!!」

ハッピーからのリクエストに答え、鍵を受け取るとルーシィは魔力を込める。

 

 

「我、星霊界との道を繋ぐ者

 

汝、その呼びかけに答え、門をくぐれ!」

 

 

呪文を唱えると魔法陣が現れ、金色の輝きを増していく。

 

 

「開け!! 処女宮の扉 バルゴ!!」

 

魔法陣の中心から現れたのはエバルーに仕えていた時のメイドゴリラではなく、淡いピンクの髪が可愛さを増す美少女の姿だった。

 

「お呼びでしょうか?ご主人様」

「………え?」

記憶に残っている姿とは明らかに違う容姿の彼女を見て、ルーシィは空いた口が塞がらない状態。

 

「おー!なんか痩せたな」

「いやいや、痩せたというより別人でしょ!?」

呑気に「久しぶりだなー」と会話をするナツを他所にルーシィは未だにバルゴの姿に呆然としている。

 

「私はご主人様の望まれた姿になり、仕えさせて頂くのです」

ルーシィの疑問に答えたバルゴ。その説明でなんとなくだがルーシィも納得した。

「へぇ…」と、ルーシィがバルゴを観察していると横からナツが…

 

 

「でも前の方が強そうだったぞー?」

と、口を出してきた。

 

すると…

 

「そうですか?」

と、反応を見せたバルゴが体格を変えようとする。その事態に瞬時に反応したルーシィは慌てて止める。

 

 

「待って待って待って!!いい!いい!そのままでいーから!!」

「そうですか?分かりました、ではこのままで」

 

「兎に角、今は時間が無いのよ!契約後回しでもいい!?」

「分かりました、ご主人様」

ルーシィの頼みに快く応じるバルゴ。だが、ルーシィは少し頬を赤くし…

 

「てか、その“ご主人様”って…やめてよ…」

ルーシィにそう言われたバルゴの目に入ったのはルーシィの腰にある鞭…

 

「では女王様と」

「なんでよっ!?」

 

女王様も却下されたバルゴはでは、と続き

「では、姫と」

「うん、まぁ…そんなところかしら?」

と、納得する。

 

 

「………そんなところなのか?」

「…さぁ?」

「…分からないねぇ」

「どうでもいいから早くしろよ…」

 

 

「では、行きます!」

やや目的がズレていたがやっと本題に戻り、早速バルゴが地面に穴をあけ、地下を掘っていく。そして、数分も経たぬうちに魔風壁の向こう側へ穴が開通。

 

 

穴を通り、エルザ達が開通した先に出るとそこは丁度魔風壁の外側だった。

「よし、なんとか脱出には成功したな」

「あぁ…ん?」

エルザの言葉に頷いたグレイは横に寝かせていたカゲヤマが意識を取り戻したことに気づく。

 

「う…ここは…?」

「よぉ、目ェ覚めたか?」

グレイに声をかけられ、辺りを見回し状況を理解するとフッと小さく笑う。

 

「ふん…今更魔風壁から出ても意味がない…

今から出発してもエリゴールさんには追いつけないさ……僕たちの勝ちだ…」

「うるせぇよ兎に角今はクローバーの街に急ぐぞ!」

 

「て、あれ?ナツは!?」

いざクローバーの街へ向かおうと行動を起こそうとした時、ナツがいないことに気づいたルーシィの声にグレイとエルザは周りを見る。

 

「ハッピーもいねぇぞ!」

「あれぇ?ホントだぁ」

「あいつら…恐らく、先に行ったのだろう…私達も早く追おう!」

「あぁ!」

「うん!」

エルザの指示でカゲヤマも連れ、魔導四輪車に乗り込む一行。

 

(ふん………どうせ今頃急いで向かったって無駄さ…)

カゲヤマはフッと怪しげな笑みを浮かべていた…。

 

 

 

場面変わり、エリゴールに未だ捕まっているシクルは…

 

「ぅー…おにーさぁん、ちょっと休もー?」

完全に酔っていた…。

 

「黙れと言っているだろ、小娘…(それにしても、もう少しで定例会場につくな…)もう少し飛ばすか!」

 

「ちょっとー!?私は休もうって言ってるんですけどー!?飛ばすって何!?鬼!?おにーさん鬼ですかぁああああっ!?」

 

シクルの叫びは虚しく、ギュンッ!と速度の上がるエリゴール。

あ…もうだめだ…と、シクルが思った…

 

 

その時………

 

 

ぉぉおお……………!!!

 

 

「っ!!」

 

声が…聞こえた…。

シクルは抱えられている状態でふっと顔を背後へと向ける。すると…

 

 

「待ててめぇええええ!!!これがぁ!!

 

 

ハッピーのぉ…MAXスピードじゃぁあああああっ!!!!」

「あいっさぁああああああっ!!!!」

 

「なにィ!?」

ドゴォ!!「ぐぁっ!!!」

猛スピードでエリゴールに激突する、ナツ。

あまりに突然のことで反応のできなかったエリゴールはまともにナツの体当たりを喰らい、その拍子にシクルを離してしまう。

 

 

「わちょ!?きゃあ!?」

「シクル!」

ガシッ!

 

宙に飛ばされたシクルをしっかりと掴まえ、抱き寄せるナツ。

 

「ナイスキャッチ!!ありがとナツ!!」

「じゃねぇよ!!何捕まってんだよお前!?怪我は!?何もされてねぇか!?」

二ヘラと微笑むシクルに物凄い形相で問いただしてくるナツの気迫に少し引き気味になるシクル。

 

「う、うん…大丈夫だよ…何もされてないし怪我もしてないよ………あ、出来ればこれ壊してほしいかも」

シクルはそう言って首に付いてる首輪を指差す。

「コレか?よっしゃ!」

 

ナツの魔力で首輪は一瞬で粉々に。

「わーありがとー」

ナツに礼を言いながら首元をさするシクルの膝の上にハッピーが落ちてくる。

 

「お、オイラも…とべな…い」

「ありゃりゃ、ここまでMAXスピードで来てくれたんだもんね…そりゃ魔力切れにもなるか…ありがとね、ハッピー」

膝の上でヘロヘロになっているハッピーを撫でるシクル。

 

「き、きさまぁ………!!」

「ん?」

「あ?」

先ほどナツに吹き飛ばされたエリゴールが立ち上がる。

 

 

「このくそがきがァ…何故ここにいる!?どうやってあれを抜け出してきた!?カゲたちはどうしたァ!?」

「んな事気にしなくたっていいだろ…なんせてめぇはこれから…俺に負けるんだからよぉ!」

 

そう叫び、ナツはエリゴールへと攻撃を繰り出す。

 

が………

 

 

ヒュンッー

 

「んなっ!?」

ナツの炎はエリゴールに当たる前に消える。

「んなぁ!?なんだぁ今の!!」

「クククッ、火が風に勝てるわけねぇだろ…」

「んのやろぉ!!舐めんなぁ!!」

 

そう叫びナツは再びエリゴールへと行動繰り返す。

 

 

が、エリゴールはびくともせず…

 

 

「ナツ………変わる?」

その光景を見ていたシクルが首をコテンと傾げ、ナツに聞く。が、ナツは………

 

 

「いい!!!こいつは俺が殴る!!シクルはそこで見てろ!!」

「んー?りょーかい」

 

どう見ても分が悪く押され気味のナツだが、ナツから見てろと言われたシクルは動くことはせず、目の前の戦闘を眺めることにした。

 

 

「へへっ…燃えてきたァ…!」

 

ニヤッと楽しげに笑を浮かべるナツ。

 

「クククッ、火が風に勝てるかよ…貴様は俺に攻撃することなく倒れるのさ…」

 

怪しげに笑いながらいうエリゴール。

その周りには風が生きているように動いており、ナツの炎だけを綺麗に消していく。

 

が、ナツは瞬間的に魔力を高めた瞬間…

 

 

ボゴォオオオオ!!!

 

「何!?ぐぁあ!!!」

ナツの炎が瞬間的に強く燃え上がり、エリゴールの身体を炎が包んだ。

 

「火は風に勝てねぇだァ?舐めんな、俺の炎は特別だ!んな、そよ風程度に負けるわきゃねぇだろ!!」

 

 

「クックックッ…どうやら俺は貴様の力を少し見誤っていたようだな…」

そう言ったエリゴールの表情は徐々に歪み、嫌な笑みをしていた。

 

 

 

「小僧………こっからは本気の殺りあいだ….

手加減しねぇぞ、糞ガキ………」

 

 

「俺だってなぁ!!シクル連れていきやがって腹立ってんだよてめぇに!!俺がズタボロにしてやらァああ!!!」

 

 

 

ここに…火竜VS死神の戦いが今…始まる。

 

 





はい、第7話10日中に投稿出来ませんでした………むむむ


一応誤字脱字には注意をしているのですが…それでも見落としてしまう時も多々あるのでその際はご指摘宜しくお願いします


では、最後までお付き合い、ありがとうございます!!

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