はい!お昼前投稿にありつけました、thikuruです!!
そして、遅れながら…UA10000越え!!!お気に入り登録者数100件を超えました!!!
とても感謝しております!!ありがとうございました!!
では、前回も宣言した通り、今回と次は番外篇で行きたいと思います!
最後までお付き合い、お願いします!
番外篇 その1お見舞い
楽園の塔の事件が終わり、シクルが目覚めてから3日………
現在、シクルはルージュと共にスーパーで買い物をしていた。
「えっと…お米と卵と…お塩におだしの素…それからお魚と…あと………何がいいかな?」
カゴの中身を確認し、頭に乗るルージュへと問いかけるシクル。
「果物はどうぅ?リンゴとか…?」
「果物…そうね、じゃあルージュの言ったリンゴにしよっか」
そう言い、果物売り場へ行くとリンゴを1つカゴに入れる。
「これくらいでいいかな?」
「いいと思うよぉ?」
再びカゴの中身を確認してから、「よし、じゃあお会計に行こう!」と笑顔でルージュに告げ、レジへと向かう。
「合計で1070Jになります」
「はーいえっと…あ、はい、これで」
「1070J、丁度ですね。ありがとうございましたー」
お会計を終え、買ったものを袋に詰めるとスーパーを出て、さぁーてと…とルージュを見上げる。
「行こっか…寝込んでる彼のところに」
「あい!!」
ルージュの返事に、クスリと微笑みながら“彼”の家へと歩き出す。
街を抜け、森の奥へとやって来たシクル。
森の奥にある開けた土地に立つ少し変わった家の前に立つと、その扉をノックする。
「ハッピー?私、シクルだよー。開けれる?」
シクルの来た場所、ここはナツの家だった。
普段ならば、この家主のナツを呼ぶが今現在、彼が動けないことを知っているシクルはその相棒のハッピーを呼びかけた。
ノックしてから十数秒、扉がガチャと音を出し、開く。
「いらっしゃい、シクル!!ルージュ!!」
中からは、満面の笑みを見せるハッピーが出てきた。
「ハッピーこんにちわぁ!」
「ハッピー、こんにちわ!…ナツは?」
シクルの問いかけに笑顔を見せていた顔が暗くなる。
「ナツは…まだ寝てるよ」
ハッピーのその様子にまだ調子が良くないのだな…と、そう思い「入るよ?」とハッピーに告げ、家の中へと入る。
買い物袋を台所に置き、奥の寝室へと入る。
コンコンッ
「ナツー?私、シクルだよ。………入るよ?」
返事は来ないがまぁいいか…と中へ入ると…予想と違わず、やはりナツはベッドの上で、寝込み、小さな呻き声をあげていた。
「ありゃ…やっぱ、副作用かー…大丈夫ー?」
寝込むナツの横へと腰掛けその顔を覗き込み声を掛けるもナツは呻くだけで目は開かない。
「んー…辛そうだな」
少し汗の滲んでいる額を持っていたハンカチで拭う。
「………あなたも…大概無茶するね…」
呆れの混じるため息をつきながらナツを見下ろすシクル。
「たまに目が覚めるんだよー」
「今は寝てるねぇ」
いつの間にか寝室へと入ってきたハッピーとルージュを少し振り返り、再びナツへと視線を向ける。
「………ナツ…」
ぽそりとナツの名を呼び、その頭をゆっくりと撫でるシクル。
すると………
「…ん………シ…クル?」
ナツが目を覚ました。
「あ…ごめんね?起こしちゃった?」
頭を撫でていた手を引っ込め、首を傾げ問いかけるシクルにいあ…と口にするナツ。
「大丈夫だ…それより、なんで…ここに?」
今度はナツからの質問がありシクルはクスッと微笑み言う。
「お見舞いだよ。それと、最近寝込んでてご飯が食べれてないってハッピーから知らせがあってね…」
シクルは最後に、ナツの頭を撫でると立ち上がり…
「じゃ……私、ちょっと向こうで色々作ってるから…何かあったら呼んでね?」
と、ハッピーとルージュに告げた。
シクルのその言葉に「「あーい!」」と、元気な声で返事をする2匹に、元気いいなぁとシクルは笑みを浮かべながら、台所へと向かった。
「さてと…じゃあ早速やりますか!」
持参したエプロンを着用し、調理開始するシクル。
と言っても、寝込みあまり食事も最近まともに取れていなかったナツとお魚大好きなハッピーに作る料理なのであまり手間のかかるものではないが………と、シクルは考えながら鍋に水を入れる。
シクルが作ったのは卵の入ったフワフワなお粥と、ハッピーには本人(猫)希望で生の魚そのまま。
ただ、何か菌がついてると危ないと思い、しっかり下ごしらえはしてある。
そしてシクルは自宅から持ってきた茶葉とレモンを取り出す。
茶葉の種類は“アールグレイ”だ。
ベルガモット風味のアールグレイにアクセントとして、また疲労した身体を癒す効果もあるレモンを少し入れる。
「よし!あとは…ウサギさんにしよっと」
最後に、ルージュの希望で選んだリンゴを可愛いウサギの形に切るとお盆に乗せ、寝室へと戻る。
寝室へと入ると出る前は横になっていた身体を起こしているナツがいた。
「あれ?寝てて良かったのに…もしかして、ずっと起きてたの?」
「いあ…さっきまで寝てた………いい匂い、したからよ…」
ナツの答えに「そっか……」と笑みを浮かべ、頷くとベッド横のテーブルにお盆を置くと、そっと腰掛けるシクル。
そして、一緒に持ってきた魚をハッピーに渡し、多めに作っておいた卵粥を少し取り分け、ルージュへと渡すと………
「………おい?シクル…」
目の前にあるものを見つめ困惑するナツ。
「んー?なぁに?」
だが、シクルは気にした様子もなく首を傾げる。そんなシクルを見て、ナツはため息が思わず零れそうになるも堪え、目の前のそれを見つめる。
「シクル………まさか…」
ナツの目の前に差し出されているもの…それは、卵粥の一部だった…シクルはナツにはいあーん、と卵粥の乗ったスプーンを口元へと持っていき、「食べて?」と言う。
首を傾げながらそう言うシクルにゴクッと息を呑むナツ。
「い、いあいあ…俺、自分で食べれ…」
「だーめっ!まだ副作用残ってるでしょ?はい、あーん!」
拒否を少し見せるもやはりシクルには勝つことなど出来なく…大人しく、食べさせてもらうことにしたナツ。
そんな2人を見ていた2匹はニヤッと含み笑いを浮かべ…
「「…でぇきてるぅ」」
と、からかう。
「う、うるせぇえええ////!!」
結局、最後までシクルにより、ウサギのりんごまで全部食べさせてもらったナツは、耳まで真っ赤にし照れていた。
「ご…ごちそう、さま…」
「はい!お粗末様です!美味しかった?」
シクルの問いかけにコクコクと頷くナツに満足気な表情を浮かべ、洗い物に行こうとシクルが立ち上がろうとした時だ…
「洗い物はオイラたちがやるよー」
「シクルは休んでてぇ?」
ハッピーとルージュが翼を出しそう言った。
「そう?でも悪いよ……」
「いーのいーの!美味しいものも食べさせてもらったし!!」
ハッピーの言葉に「なら…甘えちゃおっかな」と笑みを見せ言ったシクルは寝室を出ていく2匹を見つめ、可愛いなぁと思っていると………
「………シクル」
と、ナツの声が聞こえる。
「んー?なぁに………」
呼びかけられ、振り返ると…グイッ!とナツに腕を引っ張られ、一緒にベッドへと倒れ込んだ。
「きゃあ!?ちょ…な、なに…///?」
突然の事に顔を赤くし、ナツを見上げるシクル。
「………シクル…お前もまだ…本調子じゃねぇだろ?」
ナツの言葉を聞き目を少し見張るシクル。
ナツの瞳は殆ど確信づいている色を見せ、有無を言わせない雰囲気を持っていた。
「………うん…まだ少し…だるい、かな?」
シクルの答えにはぁ…とため息をつくと、その頭に手を回し、抱きしめる。
「………ナツ?」
「シクル…………もう、ぜってぇ…あんなこと、すんなよ………」
ナツのその言葉にシクルは目を見開き、そして少し悲しげな表情を浮かべる。
「ナツ………うん、もう…しないよ」
「………約束だぞ…」
「………うん、約束…」
結局この後、満足したナツがシクルを抱きしめたまま眠るように意識を手放してしまったことによりシクルはナツの上から抜け出せなくなってしまう。
更には、洗い物の終わった2匹が戻ってき、抱きしめられる光景を見られ………
「「でぇぇぇきてるぅぅぅぅ!!!」」
と、普段の倍は巻舌でからかう2匹にシクルは顔を真っ赤にさせ………
「巻舌風に言うなばかぁああああ/////!!!」
と、叫んだとさ………
この日は、ファンタジア開催まで残り3日であった…
この時、まだシクルもナツも気づかなかった…ファンタジアで起きる………事件を…
番外篇 その1 END
はい!如何だったでしょうか………番外篇ということもあり、少し短めです!
では次もまた、お願いします!
最後までお付き合い、ありがとうございます!!