年下に甘いお兄ちゃんと雪の国から来た年下の女の子 作:ボルゾイ
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本当にありがとうございます。
と言うわけで、感謝の第三話目です。
よし、これで完了だ。さっさと帰るか……
「待ってください、あの……、お礼がしたいです」
「礼はいい、勝手にしたことだからな」
「駄目です! ちゃんとお礼がしたいです。私だけだったらきっと、取れませんでしたから……パンさん」
そう言いながら少女は――パンさんを抱き締め、真剣な面持ちで言ってくる。
「とは言ってもな……女の子に頼み事なんて……」
「うう……」
だから、泣きそうになるなよ……謎の罪悪感が半端なく凄いんだから…………。あ、そう言えば――
「…………ん、ない訳でもないな」
「ホントですか!」
俺の一言に花の様な笑顔を浮かべる少女。うーん……、日本人だからか、異国の少女の笑顔がやたらと眩しく見える。
「それで私は何をすればいいんでしょうか?」
「――ああ、それなんだがな――――」
「ここのお店のケーキが良いと思います! どれもとっても美味しいんですよ♪」
異国の少女にお願いしたのは……そう、小町の頼み事についてだった。元々俺は今日、のんびりだらだらする予定だった……が。小町の我が儘が原因で出掛ける事になり、次いでにと買い逃した本と新刊を買う為に秋葉原まで来たのだった。
そして買い逃した本を買えてほくほくし、帰るまでどうしようかと思っている時にゲームセンター前のUFOキャッチャーの景品を見て〜……今こんな感じになっているのだ。
端的に言えば――――忘れてました、小町のお願いと言う名の我が儘を。(白目) 少女がいなかったら、当然忘れたまま帰っていたわけだから……文句を言われまくって気分が最悪になるところだった。だから少女には感謝しかない。
「ありがとうな、本当に助かった」
頭を下げてお礼を言う。
「い、いえ! 頭を上げてください!」
「いや、本当の本当に助かったんだ。……実は今日、秋葉原に来たのは俺の買い物と妹に頼まれ事をされたからなんだが……恥ずかしながら、前に買い逃した本を見付けて買えて、少し有頂天になっていた……その所為で、妹の頼み事をすっかりと忘れてしまっていたんだ」
「そうだったんですか、妹さんがいるって事は……本当にお兄さんなんですね」
「ああ、妹を怒らせたら晩飯が悲惨なことになっていただろうからな。だから助かった……」
「なるほど〜……ふふっ♪、お兄さんは妹さん思いなんですね♪」
「まあ、頼まれたからな(強制だが)……んじゃ、すまんがオススメも次いでに教えてもらっていいか?」
「はい♪」
少女はケーキの入っているショーケースを楽しそうに見ながら、俺にオススメを指差してちょっした感想を述べながら教えてくれる。上から下まで見ていくうちに、オススメしてくれた物を四つ持ち帰りで頼む事にして――。
そして、少女の案内により無事に"小町のお願い"を達成する事が出来た。後は帰るだけ、偶然に出会っただけなのだから……もう会うことも無いだろう。帰る前にもう一度改めてお礼を言っておこうと彼女の方に振り向くと――
「あ、あのっ!」
そこには緊張からか、頬を赤くし、もじもじとしている少女の姿があった。 何度も口を開いては閉じてを繰り返している……じっと待っていると"覚悟が決まった"のか、少女の顔付きが変わり、こう言ってきた。
「よ、よかったら私と一緒に……ケーキ、食べていきませんか?」
「…………え?」
続く。
読んで頂きありがとうございました。
2017年4月22日、22時過ぎに三話の最後の方の部分を変更しました。
先に読まれた読者様、すみませんでした。