年下に甘いお兄ちゃんと雪の国から来た年下の女の子 作:ボルゾイ
初めまして!ラブライブのSSは初めて投稿します。
よければ気軽に読んでください。
あらすじで、ダメと思われた方。
その場合はそっと閉じてください。
今は春休みの真っただ中、受験も終わり、本来は寝て過ごしていたはずなんだが……小町に「甘いものが食べたい、でも近場は飽きたから遠くで買ってきて。その間に掃除するから帰りはおやつタイムにね♪」そんな事を言われながら少し遅めの朝食を食べさせられた後に家を追い出された……。
「俺の扱いひどくね?」
そんな言葉を呟きながら考える……"近場は飽きた"マジかよ。小町ちゃんちょこっと食べすぎじゃないですか?太りますよ?もちろん間違っても本人には絶対に言えない台詞を胸にしまい、携帯で色々と検索して見る。
あ、欲しい小説の新刊が出る。そう言えば設定資料集も買い逃していたっけな……家に帰れるのは15時過ぎ、まだまだまだ時間がある。 と言うわけで、欲しいものなら大体売っていて手にはいる秋葉原まで来ましたよっと。
目的の本を○○○○ズで買い、俺の方の予定が思いの外早く済んでしまった。その為、通り沿いを歩きもう一つの頼み事について考えているとゲームセンターの入り口に設置されているUFOキャッチャーが目に入った。気になり景品を見てみると……。
「「パンさん」だぁ♪」
俺の小さな呟きと誰かの大きめな呟きが重なり、慌てて聞こえた方を見てみると――白に近い金髪のプラチナブロンドに青空のように澄んでいる青い瞳の少女がUFOキャッチャーの中の景品であるパンさんをキラキラとした瞳で一心不乱に見ていた。
どうするのだろうと観察していると、サイフを取り出し中身を見て唸っている。足りないのか、はたまた連コインは出来ないのか?と考えていると決意に満ちた表情でお金を取り出しUFOキャッチャーに投入した。
「絶対に取ってみせるんだから!」
凄い気合いの入れようだ、が。力み過ぎじゃないですかね? 少女はボタンを操作してアームをパンさんの真上に正確にとめた。
(アームの力が強ければこれで成功なんだが――)
アームはゆっくりと下りてきてパンさんの首を挟む。そして、ゆっくりと持ち上がっていくと――パンさんの重みでアームは広がりそのままパンさんを落としてアームはそのまま上がりきってしまった。
「あう……」
悲しげな呟きをした少女の横顔をちらりと見ると、涙を浮かべていた。 見なきゃよかった……謎の罪悪感が涌いてきて居心地の悪さが半端じゃない。俺は内心で溜め息をつきつつ、頭を少し掻いてから動き出した。
UFOキャッチャーの前で依然パンさんを見詰めている少女の横に静に移動して、UFOキャッチャー内のパンさんの位置を確認してから硬貨を入れる。最早アームでまともに挟んで取ることが出来る所なんて今はもう無いだろう。何故ならアームの強さを調節するバネをお店側に抜かれているからだ。だから俺が取る為に狙うのはタグに引っ掛けて取るやり方。
一のボタン、二のボタンと操作をして下ろす場所を見極めてボタンを離す。運よくタグのある位置の真上で止める事が出来た、アームはタグの輪を通り抜けて挟み持ち上がる。アームが広がるがタグの輪っかの紐に引っ掛かり上手く持ち上がって穴にどんどん近付いていき、やがて穴の真上でアームが動くとタグが滑って外れパンさんは見事に穴の中に落ちた。取り出し口から取り出して、今日は一発で取れて幸先が良いと思った。
――が。取ったはいいものの、これを、どうやって少女に渡したらいいの? 事ここに至って一番の難問にぶち当たってしまった。まさか、直接渡そうとしたらナンパと思われるだろうし……もしかしたら、濁った目を見て気持ち悪いとか言われてしまうかもしれない。
一人で内心酷くヘコんでいると、妙な視線を感じた。
続く。
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