ジュエルス・ストラトス~宝石の海に浮かぶ無限の願い   作:カオスサイン

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EPⅦ「願いの守護者と入学、クラス代表決定戦 中編PARTⅢ」

Side狐夜音

さてとやってきましたよ。

一夏さんを今迄やりたい放題にないがしろにしてきた屑をこの手でシメル事が出来る日が。

「狐夜音、くれぐれも人工緋赤眼の力だけは使うなよ?」

「分かってるてば!」

「それなら良いんだ…」

「それじゃあ、来て!神腕雷侍!」

私は自身の所持する「ブルー・ルビー」、「イェロー・ルビー」で召喚し使役するかなり珍しい類の妖刀・ガントレット型という二対揃って初めて能力がフルに発揮される武器型ジュエルガイストである「ブルーレイジング・スライサー」、「トール・ガントレッター」の力を再現した機体である神腕雷侍を呼び出し装着し空高く舞い上がりバトルの場へと舞い降りた。

「来たねふふ…」

「…(・_・;」

降り立つと織斑依秋が自身の専用機である白式を纏い仁王立ちで待ち構えていた。

なんだろう…絶対碌な事考えていないであろうその気持ち悪い顔でそれは非常に似合わない。

私は思わず退いた。

ある意味あのアゲイル以上に不気味でしかない。

「ふふ…この僕の力に恐れをなしたのかい?」

「どの口が言っているんですかね?…その力はそのISがある事で保たれる力でしょう?貴方自身の力なんかじゃないわ!」

「フン!おとなしくしていれば痛い目に遭わずに済んだのにね…そっちがその気なら僕も容赦は出来ないよ?」

「や、加減なんかして貰わなくて結構ですから」

「馬鹿にしやがって!」

私が力の根本を告げると彼には全く意味が通じていないようで逆切レの様な言葉をぶつけてきたので此方も挑発し返すと更に逆上したようだ。

馬鹿で最低な屑ですね…こんな奴が愛しの一夏を傷付けていたのかと思うと更に怒りが高まりそうになるがこれ以上はいけないと思いなんとか抑える。

 

~推奨戦闘BGM「Shocking Blue」~

「ははは!コレがISの…俺の力かー!」

屑はそんな事を言いながら刀を振るってくる。

だが愚直に真っ直ぐ振るうだけのそんな刀撃とも呼べない攻撃に当たる程私は未熟ではない。

「遅いよ!」

「何ィッ!?…」

己の攻撃が受け止められるとは思わなかったのか彼は驚愕の表情をしていた。

「すぅーー…奥義、【魔弾】!」

左片手で妖刀を振るって屑の刀を受け止めて弾き返し、空いている右手にはガントレットをコールし小さく呼吸し力を蓄えた後、技を屑の懐へと撃ち込む。

「がっ!?…」

蓄えた力を一気に平手打ちで叩き込む魔弾を受けた屑は大きく仰け反った。

私は一旦距離を取ってすぐに刀を構える。

「可愛そうなので教えて差し上げますよ?これが刀撃というものです!せや!」

「なっ!?…ガッ!?ゴッ!?…」

私は多方向からの斬撃を仕掛ける。

「ISは本来力を象徴する為の物ではないの!

その程度の事すらも理解しようとしない貴方なんかにはやっぱり扱う資格なんてものは無いわ!」

『WINER!弓花 狐夜音!』

屑はまるで対応出来ないのかモロに喰らい続け遂には単一仕様能力を使う事も無くSEをエンプティーにした。

「奴はどうだったお前から見て?」

「正直やっぱ期待外れでしかないわね…もう少しぐらい耐久あると思っていたんだけどな…」

「はは…」

正直あまりの力の差に落胆して思わず本来の力を使いそうになったけどなんとか抑えた。

元よりあんな屑如きに緋赤眼の力を使ったら末代までの恥になってしまうわね…。

さて次戦のマッチングはオルコットさんVS屑か…その戦いでオルコットさんはまだ一夏とのバトルで立ち直れていなかったのか屑に軍配を上げてしまい白式の【零落百夜】によって敗北してしまった。

これは一夏にも予想外だったようだ。

 

Sideセシリア

「…一体私に何が劣っているというのですの!?…」

私は見下していた男性操縦者相手に二連敗してしまい落ち込んでいた。

織斑依秋は私の古傷を抉った上での単一仕様能力を叩き込んできただけだが…これは己のせいでもあるのである意味仕方が無いといえるのかもしれない。

だが一方の鈹岸 一夏には圧倒的な力の差を見せられた上での完膚無き敗北…こんな無様を晒してしまった私はこれからイギリス代表候補としてやっていけるのか分からなくなってしまっていた。

いっその事この敗北を帳消しに出来てしまえたら良いのに…。

「その願い叶えてしんぜよう」

「キャ!?」

そんな事を思っているといつの間にか目の前に見るからに怪しいローブを着た男性がいた。

「むむ?…ほほう、お主は既に石を持っている様であるな…ならば願うが良い」

「石?あの何の事やらさっぱり…っていない!?…」

可笑しな事を告げいつの間にか消えていたローブの男性の言葉が私は気にかかって仕方無かった。

「…もしかしてお母様の形見のあの宝石に何か…」

でもなんであの男性は私がソレを持っている事を知っていたのだろうか。

「…」

私は急いで寮に戻り、件の宝石を持って再び外に飛び出し握り締めながら願ってしまった。

それが後に起こる大参事の幕開けになるとは露とも知らずに…。

 

 

 




次回、「な、なんだよあの化物は!?…」
謎の男に諭され歪んだ願いで自身は囚われ、封印されていたジュエルガイストを解き放ち暴走させてしまう。
「私は…」
「それがお前の本当の願いなんだな?」
願いの守護者として一夏は必死に彼女に呼びかけ手を伸ばす。
その先に視えたものとは?
「願いの守護者と入学、クラス代表決定戦 後編」

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