おいでよ獣狩りの町 あの田舎町ヤーナムがオバロ世界にインしました   作:溶けない氷

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お前もフレンズだ
貴公の啓蒙も限界と見える

魔術礼装
ヤーナムの狩人シリーズ
獣狩りの斧
獣狩りの散弾銃

リ・ヨグ・ダコ
百戦錬磨のプレイヤー マスター達の化身 
カルマがバグって表示されない
見かけたら逃げるか殺せ
ヤーナムの名状しがたき狩人100選


新たなる廃人プレイヤー

「さーて、今日も死ぬ程度に殺してジャックちゃんをお迎えするかぁ」

 

ヤーナムでも悪名高きガチャ廃人狩人、リ・ヨグ・ダコのヤーナムの夜は早い。

“それ”は名状するも悍ましき存在、肉の穢れを穢れとも思わぬほどに凝縮された人類悪。

狂気と強欲とうどん生地を混ぜあわされた結果存在するようになった概念。

星すら喰い潰す人の欲望の権化であった。

まこと、人の権化ほど悍ましき物なし。

PKで上位ランキングを取ると星6限定鯖が貰えますと宣伝したところ、あっちこっちから物欲しそうなプレイヤーがやってきて常に殺し合いを繰り広げる修羅場となった。

つまり何時もと全く変わらないから問題はない。

やっぱ運営はクソだということが証明されたな、クソが。

「おっ、ソロだな。殺しておくか」

地下室で獣人だか人間だかをぶちぶちと斧で解体していたら外に気配を感じる。

よくガチャに酔った人間は素材の匂いに敏感になる、あれである。

バンと勢いよく地下室から壁を突き破って奇襲する

「すいませーん、ちょっと殺されてくださーい!」

「えっ!?」

おお何というマッポー世界!アスク・ロード感覚で殺人が横行する!

哀れ!アンデッドのネクロマンサーは奇襲で一撃死してしまった。

今日も無謀にも一人で入り込んできた他のプレイヤーを殺して回っている。

 

「チッ、キングハサンみてぇな面しやがってるのにショボいドロップだな。

まぁ冒涜聖杯の呼び腑がわりにはなるだろ」

呼び符ではなく呼び腑、聖者の遺体や腐った目玉でもガチャは回る。回るのだ。

らんらんるーと殺した相手のドロップを漁り、ガチャのある冒涜聖杯までやってくる道すがら

ついでに色々な世界観からやってきた他のプレイヤーも殺して回る。

遺体は切り刻んで隅から隅まで冒涜の限りを尽くして冒涜素材になるように殺す。

「うひょー!今日こそ引くぞージャックちゃん!

こんだけありゃ確実にお迎えできるのぉ!」

そこには大勢のプレイヤーを殺して奪った内臓がたんまりとあった、何人の腑を抜いたのか。

「お前は今までにガチャ爆死した回数を覚えているのか?」

誰かこいつを殺してくれ、無駄だけど。

「マスターは鯖をprprして絆を高める、常識だよなぁ」

 

今日もヤーナムの獣狩の夜は更けていく。

そして…

「くそったれ、何が運営の都合だ。課金返せコラァ!」

 

『えーお集まりの皆様、今日はユグドラシル運営最後の日。

後腐れのないように不屍人、狩人、レイブンといったふろむ野郎ども。

ユグドラシルの嫌われ者のみなさま。

今日はもう最後の日ということでちょっと談笑ついでに殺し合いしましょう』

 

 

「お、お久死ぶり」

「や、どうも死んでください」

 

集まった数少ないフロム民はを挨拶を殺りながら和やかに殺し合います。

『じゃっぱり♪Japari♪じゃっぱりふれんず♪』

斧で挨殺しながらストレスを解消しているんのがヨグでしたが、楽死い時間はすぐに過ぎてしまいます。

「せっかくジャックちゃんをお迎えできたのに終了とか、クソだなクソ」

 

カンストプレイヤーを200人ほど殺し続けるとあっという間に終了間際の24時になってしまいました。

「あーくそ、これからどうすっかなー」

「せめてprprしたかった」

「リア充殺す」

「みなさーん、この子がうちの子のジャックちゃんでーす。

ジャックちゃん、みんな殺してあげなさい」(親切)

「わーい!“解体”が得意なフレンズなんて!解体してほしーなー!」

 

そして迎えるのは多くの人が最後の時だと思った瞬間。

「ランランランラーん、ラーんララーン」

人がいなくなった聖杯ダンジョンの奥深くで一人、トゥメルの女王を殺し続けていたヨグはこれで終わりかとしみじみとする。

そして24時を迎えたその瞬間にそれは起こった

“鐘の音に誘われて、異世界に侵入しています”

「おかーさん、また沢山狩ができるね♪」

何だろう?ついに幻聴が聞こえるようになったか…

それを最後にヨグ・そ…ではなくてヨグ・ダコは仮想世界から永遠に姿を消した。

『お前も、フレンズだ』

 

数日後、ビーストマンの侵攻軍は一匹も残さずに狩り尽くされた。

デュラによって弱ったところに先の狩人以上の敵が現れたために。

『石だ、石をよこせ。一つや二つじゃない、全部だ…』

竜王国の兵士は戦場から響いてくる悍ましい声が城壁の外から聞こえたという。

『ガチャ、ガチャ。くそ、また爆死かよ。まぁいい、素材はまだまだあるんだ。

お前らがガチャ素材になるんだよぉぉぉ!』

 

『GachariFrieeeeends!』


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