おいでよ獣狩りの町 あの田舎町ヤーナムがオバロ世界にインしました   作:溶けない氷

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アンゲリカ
くだらんなあ~~競い合いなんて
このアンゲリカの目的はあくまでレア素材!あくまで攻略! 
どんな手をつかおうが……最終的に…勝てばよかろうなのだァァァァッ!
ほしーもの 叡者の赤石 石仮面

ヤーナム 悪夢の狩人達
上位者の幼子の悪夢の中で生きる獣の狩人達
ヤーナムの過去・現在・未来の記憶から再現された存在
殺すことはできても死ぬことはなく、また悪夢より現れる
上位者が夢を見るたびに現れてはまた夢のごとく消えるという

ユグドラシルでの効果
ユグドラシルのMAP上にランダムに敵対NPCの狩人がポップします
”初めまして!君のこと(解剖して)知りたいな!!”
”狩りごっこだね!たーの死ーねー!”
”やっと見つけたのだ!この儀式素材め!”
”はっぴー、うれぴー、よろぴくねー!”
殺しにかかって来るので
ヤーナムアイサツと共に殺しましょう
倒すとレアアイテムドロップ&大量の経験値&大量の金
Lv100ガチビルドプレイヤーでも死闘になる程度には強い

現実での効果
アンゲリカが眠るたびに狩人が現れ24時間経過か倒すと消える
わかりやすくいうと日本のどこかに毎日核爆弾がランダムポップするようなもの
デュラさんは24時間で2万程度のビーストマンを一匹一匹殴り潰した
それは銃でウシガエルを撃つようなものに似てめんどい



34 法国

陽光聖典のニグン隊長が発見された、状態は以下の通り

『肉の穢れ肉の穢れ肉の穢れ肉の穢れ肉の穢れ肉の穢れ肉の穢れ肉の穢れ肉の穢れ肉の穢れ肉の穢れ、イーひヒッヒッヒ!ああ、なんと悍ましき冒涜。我々こそは皆生きながらに腐り腐臭を放つ悍ましき者 救済を救済を救済を救済を!

偉大なるゴースよお導きをぉぉぉぉ!あああああああああぁぁぁぁぁ!ghgxfgndirsanguines!』

などと訳のわからない言動を見せており、スレイン法国の中でも最高級の第4位階の精神治療ポーションを投与しても回復の見込みなし。

更に常に自分の手で体をかきむしり、皮はそげ、肉が露出し、骨に達するまで掻き毟ってもなお掻くのをやめないため止む無く鎖で拘束し縛り上げている。

監視していた巫女が発見したカッツェ平原からスレイン法国まで護送してきた最中には回収チームに殴りかかったためやむなく殴打して両手両足を折らざるを得なかった。

それほどまでの暴れぶりだった。

その他の隊員の残骸を回収したものの、蘇生はいかなる理由か第6位階の蘇生第魔法を持ってしても蘇生が不十分だったためか虚ろな表情で呻き声を出し、見たものを嚙み殺そうとする

まるで亡者のようになってしまったため幽閉している。

陽光聖典の主要戦力の大打撃に伴い計画中だったガゼフ暗殺計画は無期限延期となっている。

とはいえ、永遠に発狂したまま不老不死になったニグンはいくら叩いても潰しても瞬時に再生するためこのおぞましい再生を繰り返すかつての隊長を法国は開錠不可能な地下牢に閉じ込めて監視するしかなくなった。

ニグンは未来永劫に発狂したまま不滅の存在となった。

ゲームフレーバーテキストが現実化した結果、蘇生しても発狂だけで死ぬことができる隊員の方が遥かに幸福だと言えるだろう。

 

「しかしニグンにかけられた謎の呪い…一体どのような系統の魔法によるものか…見当はついたのか?」

 

神官長が蘇生を行なった水の神殿の神官に問いかけるが

 

「今までに例のない呪いということだけしか分かっておりません…

治癒に当たった信仰系スペルキャスターによると、まるで底の見えない泥沼にも終わりのない空のようだとも理解しにくい呪いだと…」

 

「それは…」

 

深宇宙の神秘、深き叡智の一端に触れてしまった人間は幸福である。

だが準備なしに触れてしまった者は…もはや死んでも死にきれない

医療協会の鎮静剤の助けなしには彼らが正気へと戻ることはない。

 

「分かった、研究は続けよう。

しかし”100年”のタイミングで謎の呪いか…まさかとは思うが”破滅の竜王”か?」

 

「状況から考えて十分に考えられるかと、これが監視の<次元の目>及び彼らの記憶から抽出した”敵”の姿です」

 

法国の情報機関は既にこの悍ましい攻撃を仕掛けた者の姿形を魔法の写し絵に捉えていた。

「これは…獣人なのか?」

「いえ、獣人の皮を剥いで被った人間のようなのですが…」

ブラドーの異様な姿は見るものに原始的な恐怖を引き起こす。

狩人でありながら獣に近いその姿はあえて外面は獣を模倣することによって

内なる本当の獣の病を誤魔化しているようにも見える。

だがスレイン法国がそのことについて理解することはない。

啓蒙低きものたちに冒涜的に悍ましいヤーナムの神秘が理解できようはずもない。

「人間だと?バカな、陽光聖典の精鋭部隊を一瞬きの間に全滅させるなど人間業であろうはずがない。

アダマンタイト級の冒険者チームにすら勝利しうる連中だぞ!?」

 

陽光聖典、それは表向きの仕事をこなせる精鋭部隊。

国を滅ぼすことすら容易な強大な人類の敵とすら戦えるまさに人類の守り手。

それがあっさりと全滅させられるなどあり得ない、相手が神人でもない限り…

「いいや、違うな。人間らしいというだけで亜人ではないとは言い切れん…

だが、これだけの事をやってのけたとなると難度は120…いや140はあると覚悟したほうがいいだろう」

 

神官長の判断はかなり甘いとはいえ、妥当な者だった。

通常のドラゴンですら80程度のこの世界では140はまさに神話級の魔人!

実際には300オーバーがそこらへんの街角で殺し合っているのがヤーナムなのだが、そんな大魔境を想像しろというのがおかしい。

 

「とにかく周辺への警戒は怠るな、漆黒聖典に”遺産”を装備させることも…事と次第によっては番外席次の出番すらあるやもしれん」

 

「それは盟約違反では?」

 

「最悪の状況は、”獣の魔人”と忌々しい竜王が手を組む事だ。

人間種と亜人の軍事バランスが完全に崩れる。

それを防ぐためなら盟約違反にこだわっている場合では無い。無いに越したことはないが」

 

水の神官は予想異様の状況の悪さに顔色を悪くする。

だが、次の火の神官の報告はまだ救いのある者だった。

 

「こちらが、例の”灰の老人”に関する報告です。

未だに混乱の続く竜王国からの報告なので信頼性にはかけるのですが、ええ信じられないことはわかります。

ですが、少なくともビーストマンの軍団を”単独”で退けたという男がいるということだけは事実のようです」

 

そこには”デュラ”と名乗る奇怪なハンマー?のような武器と轟音を発射する筒?のような武器を持った男が竜王国に侵攻してきた推定2万のビーストマンを”殴り殺した”という到底信じられない報告があった。

男の似姿、破壊されたビーストマンの残骸などの写し絵が届くが

正直、誰も信じてはいなかった。だが、例の獣の魔人がいるのならばそれに対抗する灰の老人がいてもおかしくはないという希望から調査された。

「2万以上のビーストマンを単独で撃破して、何の見返りも求めずまた何処かへと立ち去ったか…」

この大損害によりビーストマンは一時撤退、女王セラブレイドは彼を召し抱えて竜王国の守りのかなめにしようとしただけに大いに落胆したという。

この時の自棄酒でまた酒臭くなったが、それはこの際追求しないで欲しい。

 

「神人だと?」

「間違いなく、ですがこの年までどこにも現れずに突然現れたなど…まるで“ぷれいやぁ”」

 

「そうであれば良いのだがな」

 

そして最後に現時点で確認が取れている有力候補の一人の報告

 

「アンゲリカ・ブリューティヒ・ド・カインハースト か

奇妙な名前のビーストテイマー、なるほど獣の魔人を蒼の薔薇とで協力して戦って退けたのもそのモンスターの力か」

 

冒険者組合にはシフと共同でブラドーを撃退したと報告してある。

実際には単独でやり合って相打ちになってしまったが。

法国では蒼の薔薇のモンスターとも分かり合えるなら共存したいという考え方は受け入れられていない。

当然だろう、共存とは要するに必要な資源を平等に分かち合うということ。

繁殖力に劣る人間とゴブリンとではそもそも”平等”にの前提が違う。

とはいえ、それを説明してもあの近視眼的なお嬢様がたは理解しないしできないだろう。

人類の事を問題があるとはいえ大局的に考えられる唯一の存在の法国の上層部と所詮は一介の冒険者では価値観が違うのが当然。

「その点では、こちらのカインハースト嬢はまだ見込みはあるな」

 

アンゲリカの言動は冒険者組合や諜報員の耳目に嫌でも入る。

彼女の性格は直接的で直情型だが、モンスターを容赦なく”狩る”という点ではむしろ法国の陽光聖典に近いということも。

蒼の薔薇と行動を共にすることが多くとも、それは彼女がレズビアンだからということも。

それらを考えれば法国側に引き込むことは不可能ではない…

そう思っていた、彼が知らないことだが

アンゲリカは制御不能な核爆弾のようなものだという事実を除けば


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