おいでよ獣狩りの町 あの田舎町ヤーナムがオバロ世界にインしました   作:溶けない氷

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『パーク暫定園長ニ成人の”モモンガ”ヲ登録スルヨ』
『私がジャパリ園長のモモンガだ!』
「すごーい!かっこいー」

『ふふふ、モモンガ様の偉大さを理解するとは、なかなか見込みのある幼子ですね』
「イダイってなにー?」
「なんなんでしょうね?」
『・・・モモンガ様は”すごい”ということです』
「知ってるよー、ももんちゃんはすごいもん。ねー」
「ねー」

『サモン!デスナイト』(しかしセルリアンに死体はない)
「かっこいー!」
『グラスブハート!』(しかしセルリアンに心臓はない)
「すごーい!」

ナザリック は 優しい世界 世界に移転した。

タブラさん、脳みそ吸うのやめちくりー(啓蒙down
えっ、別人?じゃぁ殺してもいいね。動くやつは誰でも殺しにいくけどな!(正にヤーナム野郎!


Hunt 32 デュラ

昔、私は戦士だった。武器を取り、正義を信じ…悪を倒していった。

 

だが世界は企業のため、権力者のため、利益のためにと戦争を続けた。

その結果がこれだ。

 

 まるで世紀末だ

 

  地球は荒廃した

 

環境は汚染され、水や食料は枯渇した。

 

 人類は緑色の粒子や放射線、有機物質に汚染された

  寿命は半分になった

 

少数の権力者は自らが撒いた結果を皆に押し付けてアーコロジーという砦に引き篭もった

 水を巡っての争いが今日も続く

  水をよこせ!殺してやる!

  

 

人類の遺伝子は汚染され肉塊のような赤子しか産まれなくなった

 

世界は壊れ、そして…人々も壊れていった。

 

 

誰か・・・教えて…

イかれちまったのは…

 

私か…

 

 

世界か…?

 

背後にあるAC、だが光り輝く騎士を思わせた5m程の巨人は

酸性雨と乾いた大地から捲き上る放射性物質を含んだ土に晒され錆び汚れくすんでいる。

 武器もなく装甲も欠落した部分が多い、センサーに至っては完全にお釈迦だ…

  私はこれで逃げ続ける…

   まただ…あの声だ…頭の中を虫みたいにはい回ってる。

 

だが奴らは私に手出しはできない…ただの亡霊だ…

 

”希望に満ち溢れたリアル世界についての乏しい記憶の断片”

 

 

「あっ、目が覚めた」

「おい、大丈夫かアンジェ?とりあえずポーションで回復したみたいだがひどい怪我だったぞ」

 

アンゲリカは昔のことを考えてこう言った。

「ねぇ、やっぱラキュースは30前にサッキュバスかディラハンにクラスチェンジしておくべきだと思うのよねー

淫乱堕ちとか若いうちにアンデッド化とか萌えない?

イビルアイはメイド服で吸血鬼、最高の組み合わせだと思うんだけど」

ギターに火炎放射、可愛い女の子にメイド服は嗜好の…至高の組み合わせだと言ったのは誰だったか。

目覚めるなり頭のおかしい事を言い出す神に蒼の薔薇の面々はいつものことだと呆れ返った。

 

『あ、まだ痛い。いたいー。痛いよー。というわけでラキュ、チューで移して。口移し』

 

と、寝言を抜かしたアンジェをラキュースはゴンとはたいた。

傷口はえぐり取られた次の瞬間にブラドーの心臓を抉って浴びた血で回復している。

 

『いたっ!イタタタた!なんて乱暴な・・・くそう、全快したら宿屋で寝てるところを夜這いしてあーんなことやこーんなことでまた一晩中アンアン言わしてやる』

 

「はいはい、お脳の方は相変わらずピンク色で安心したわ」

 

 

灰狼の古狩人デュラ

言動も装備もかっこいい

話し合って和解できるというフロム世界では稀な人

元は人である獣を狩ることはできないという

落下死が多い かっこ悪い

 

 

 

彼が目覚めたのは何処かの森の中だった。

右手を見る、パイルハンマーはある。

左手を見る、獣狩りの散弾銃はある。

『そうか、彼女か・・・あるいは彼が遂にやったんだな』

 

悪夢の世界は遂に終わりを告げたのだろう、自らがヤーナムではないかの場所で目覚めたのは死んでは必ず目覚めるあの時計塔の上でないことがそれを証明している。

『どの狩人だろうか?』

彼は多くの狩人をそのガトリング砲で撃ち殺してきた。

何万?何億?もはや数えるのも馬鹿馬鹿しいほどの狩人を数えるのも馬鹿馬鹿しいほど繰り返される悪夢の中で狩ってきた。

今、唐突に悪夢は終わりを告げた。

澄み渡る空気と温かな日差しは夜明けの世界であることを示している。

『ここでこうしていても仕方あるまい』

 

狩人は歩き出す、森の中を夜明けの世界を

そしてやがて気がつくのだ

『血臭、そして獣の匂いか』 

無限の悪夢は空けた、だがその先に待つのが天国とは限らない。

悪夢を抜けた狩人達を待っていたのは、また悪夢だった。

悪夢は終わらない、ただ形を変えて繰り返すだけだ。

夢はもう見ることなくとも悪夢は終わらない、終わらないのだ。

 

やがて老いた狩人は懐かしい慣れ親しんだ匂いの元へと足を運んでいた。

そこはかつては竜王国と呼ばれるだろう土地、今はビーストマンの狩場。

今は打ち捨てられた村々を通りかかると、その陰惨な光景には彼も顔をしかめる。

焼け落ちた家々に、薪として使われた家。そしてなぜ薪が必要なのかも獣の食い残しでわかった。ヤーナムでは別に珍しい光景ではなかったが。

ああ、竜王国。現在絶賛滅亡中

『獣の足跡か、獣の癖に火を恐れぬとは。くくっ、人の方がよほど獣らしいな』

ディラハまた歩き出すと、今度はこれこそ彼が求めていた本当の獣に出会う。

「人間だ!まだいやがったか」

「なんだ、老いぼれじゃないか。まずそうだな」

猫顔の獣がディラを遠くから見つけると口々にがっかりしたような言い方で揶揄する。

ビーストマンで斥候の後に前衛を務められるほどの”高貴”な生まれの方々に対し、

ここにいるのは山猫種族。

人間から見れば、山猫種もライオン種も同じようなものだがビーストマン種族の国家では個人の白兵戦の強さがそのまま地位に直結する。

ゆえに大柄なライオン種や虎種が生まれながらの支配者階級として君臨し、特権階級を形成している。

生まれで階級が決まるのは人間社会も同じだが、生まれが戦闘力に直結するこの国では身分の壁は人間社会以上に固定化されている。

後から続いておこぼれを預かる連中には到底珍味である人間の若いメスなどは回って来ず

まずくて硬い老人の肉などで我慢するしかない。

 

『ウワァァァッァ!助けてくれ!』

『いやぁぁぁぁ!』

『ママーッ!助けて!』

今もビーストマンの後ろの方では捕らえられた人々が腹ごなしに生きたまま捌かれていた。

 

それを目の当たりにし、怒りの表情を出したディラはこう呟いた。

『獣ども、いいだろう。ディラの狩りを知るがいい』

 

・・・・・・

 

ちなみにニグン=サンは・・・・

『Agghhhhh』

きみもっ!せいしょくしゃのけものなんだね!

聖職者なので案の定、聖職者の獣になりカッツェ平原で暴れまわっていた。

 


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