おいでよ獣狩りの町 あの田舎町ヤーナムがオバロ世界にインしました 作:溶けない氷
でも、大抵の人がそれに気づかないだけ
唐突に思った事
連邦軍のやられメカ61式戦車
■制式名称:M61A5 MBT
■全長:11.6m ■車体長:9.2m ■全幅:4.9m ■全高:3.9m
■乗員:2名
■主砲:連装式155mm滑腔砲
M1A2はおろか マウスよりでかいぞこれ
戦前の連邦は一体どんな化け物と戦うつもりだったんだ
現実でもアーコロジーそのもののバイオスフィア2という計画があってな。
150億円を費やして百年がかりの実験の予定が・・・
結果はお察しください。
アーコロジーは電気・水道が内蔵された恐ろしく複雑で繊細な建築
おまけに汚染環境のせいで劣化が早く、浄化装置も想定以上の稼働が常態化
こんなもんメンテしろとか言われたら過労死続出ですよー
鷹木
「だいたい、無理なんだよ・・・・もう俺もあんたもギルメンいないのに
せめてアタッカーがもう一人いればな・・」
桃
「ですよねぇ・・・あ、またみんな亡者になってますよ」
「別にいいよ、どうせみんなすぐ亡者になる」
今日も心折れた亡者達が屯ろする
ダークソウル3のスケルトンって合体してボールになったり、起動時も頭がついてるか確かめたり、車輪でぐるぐるしたりと愛嬌がありますよね
うわぁぁぁぁ!と骨玉に巻き込まれてぐるぐる回る某オーバーロードさんの絵が容易に浮かぶ
個人的には重戦士装束も好みなんですよ
聖戦士ダンバインとか魔装機神サイバスターとか白騎士物語とか
え?もう鎧じゃ無い?
シフならば半日とせずに到着するところをわざわざ馬で移動しなければならないとは、とこぼしたがどうもライダーでも高レベルでも無い蒼の薔薇のメンバーにとって巨大な狼は乗り心地が悪かったらしい。
これでも彼女たちは早馬を宿場町で乗り継いで駆けてきたのだが文字通り疲れ知らずのアンジェにしてみればちょっとした散歩にしかならない。
アンデッドゆえ、疲れないイビルアイ以外はやつれた面々をよそにリ・エスティーゼの街並みを見て物珍しそうにうろうろしていた。
「へぇ、これが王都
可愛い街ね、気に入りそう」
ヤーナムの陰鬱で巨大な影を落とす尖塔群に比べれば、
背伸びしていない玩具のような街並みを可愛いと表現するアンジェ。
アメンドーズも張り付いていないようだし、街からは血と臓物の香りもしない。
亡者や獣ががうろついているわけでもなく、人々にも生気が見られる。
ヤーナムと比較すること自体が間違いだが。
まともな人が住んでいるまともな街というものはリアルではもはや見られないだけにお上りさんのようにキョロキョロしていた。
あまりにも巨大な狼は街の外の厩舎に預けるとしても、アンジェはこの街を見て回りたいと言い出した。
「ああ、それなら私が案内しよう。同じ”疲れ知らず”だしな。
どの道リーダーはこれから王宮に行くから今日は他のものは羽を伸ばす予定だったしな」
「ねぇ、私の仕事量だけおかしくない!?」
これから王宮に赴くために特徴的な鎧を脱いで、ドレスに着替えて形式張った通過儀礼を受けてようやくラナー姫と会うことができる。
それを思うと、
「それがリーダというもの」「ボスがんば」
旅で疲労した体を宿に引きずって行く四人を見送るアンジェとイビルアイ。
これからラキュースだけは宿で着替えて王宮行きという
更に疲労が溜まりそうな任務をこなさなければならないのだ。
アンジェは姫様の友達使いが荒いような気がしたし
疲労・睡眠無効の指輪でもあげればよかったかな?と思った。
いわゆる基本的なバッドステータス緩和のアイテムなのだが
現実ではどうかと思う、いわゆる戦闘薬や疲労回復剤のようにどのような副作用が影響するかわからないので使用は控えておいた。
ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ
リ・エスティーゼ王国の第三王女であり、知性と美貌を兼ね備え民衆からは黄金の二つ名で知られている。
なぜ、彼女が第一子ではなかったかと悔しがる者も多い。
天はなぜ兄弟にかくも違う才を与えたのかと。
バルブロ王子に彼女の知性と民を思いやる心の1割でもあったらというのがもっぱらの嘆きであった。
(あーあ、こんなとこにいたら息が詰まっちゃうわよ)
ここは王都の中で間違いなく警戒厳重なヴァランシア宮殿の王族の居住区。
目には鮮やかな白に金地の清楚な印象を与えるドレスに身を包んだ
ラキュースが王の近衛兵のチェックを受け
ラナー姫の部屋へと案内されるところであった。
(ラナーはよくこんな所で我慢できてるわよね
こんな動きにくいドレスより、アンジェの騎士装束でも借りてくればよかったかしら?)
活動的でありながら、気品のある彼女の騎士装束は
ただの服の見た目に反して強力な魔法効果が付与されている。
実際には店売りだとしても、力ある物がこの世界で無意識に
美しいと認識されるらしく、誰もがこれに身を包んだアンジェに振り向いた。
部屋に入ると、黄金姫ラナーが彼女を迎え入れた。
その美しさは誰もが認めるもので、お付きの侍女が部屋に紅茶と茶菓子を持ってきた部屋の一箇所だけがまるで輝いているかのように見えた。
「ラキュース、ごめんないね。まだ帰ってきたばかりなのに早速呼び出したりして」
親友との久方ぶりの再会を喜ぶラナー。
彼女達二人は親友、単なる冒険者では幾らアダマンタイト級といえども王家への出入りなどできるはずもない。
二人の少女が香り高い紅茶のカップを片手にお喋りを始める。
ラキュースの興味あるラナーのお気に入り
「それでラキュース、例の依頼の件はどうだったの?」
ラナーは
「ええ、聞いて。まぁ何ていうか信じられないだろうけど・・」
ラキュースはヤーナムとそこで出会った獣狩りの狩人の事を話した。
「へぇ・・・ぷれいやぁ、神様ね。でも彼女は自分を人間だって言ってたんでしょ」ラナーは神と崇められていた存在が自らを人間だと言うのは意外だという風に首を傾げた。
「そうね、王侯貴族が自分も人間だっていうのとはワケが違うわよね
でもラナーも会ってみれば意外と気さくだから仲良くなれるわよ」
一通り、今までに会った大冒険の事をラキュースがラナーに語りかける。
「ふふっ、やっぱり冒険譚を語ってる時の貴女が一番活き活きしてるわ
羨ましい、私は籠の鳥だから」
そう言いながらもラナーは早々に今の状況を説明した。
「聞いて、例の八本指の大規模な黒粉生産地が売り手を辿って見つかったの」
ラナーは王都を侵食する麻薬生産拠点を数少ない良心的な衛兵がルートを辿って発見した事、それを壊滅させるための支援を蒼の薔薇のラキュースに依頼したい事を告げた。
「問題は、その黒粉農場が暗に六大貴族の後援で運営されてるって事
もちろん、公にじゃない。けど連中のことだから小規模ならもみ消すか、追い返す。
大規模な摘発をしようものなら農民を口封じに皆殺しにして、証拠隠滅。
だから、少数精鋭で素早く、かつ向こうの耳に入らないルートでこれを抑える必要があるの」
ラナーはアダマンタイトチームに秘密捜査まがいの事をやってくれと依頼していた。
「任せて!そういう事なら戻り次第早速取り掛かるわ」
「ありがとう!それと、今度来るときはそのアンジェと一緒に来てね。
ラキュースだけ、そんな凄い冒険譚を独占するなんてずるいから」
と、目の前のおてんばお嬢に影響されたかに頰を膨らませて無邪気にコロコロと笑うのだった。
王都に蔓延る悪を討つ、正義の味方の自分の姿にはしゃぐリーダーだった。
だが彼女は気づかない、親友と信じた王女が自分が退出した後に見せる冷たい目の事には。
(ぷれいやぁ・・・神の力を得たただの人・・)
だが、ただの人であれば何を望んでいるかは話さえすればわかる。
(迷い込んだイレギュラー、でも計算の内に組み込んでしまえば御するのは容易)
拾ったクライムという少年にのみ妄執のような執着を見せる少女は腐った王国を安楽死させるためならば八本指と手を組むことすら辞さない。
問題は、帝国。
王国が帝国にすんなりと組み込まれるには帝国が勝つには勝つでも王国を完全制圧するほどに勝ってはいけない。
王国の勢力を100とするなら、帝国は120
八本指は麻薬によって王国に-10の被害を与えているとするなら、
帝国にはたった-2程度の被害しか与えいない。
これではバランスを程よく崩してくれない。
帝国150:王国80程度の比率が理想的にあのハゲ皇帝がラナーと書類の上で婚姻して王国の鉄くず同様の王冠を取っていくのにちょうど良い比率。
このペースでいけば間違いなく五年でそうなる。
彼女が八本指を排除するのは自分の都合の為、民のためでも国のためでもない。
(ラキュース、ありがとう。貴女は最高の駒の一つだわ。
アンジェ・・・貴女は私の駒になってくれるかしら?)