いろいろと忙しかったんですよ、FGOの周回とかテストとかFGOのイベントとか!
あと誤字報告いつも助かっております。ありがとうございます。
突然だが、俺は今餌付けをしている。
「美味しい~!これとっても美味しいんだよケイガン!」
その相手は、この世界の
「ねぇケイガン凄いよね。肉汁が滴るハンバーグの中にトロトロのチーズを入れるなんてこの料理を作った人はきっと天才なんだよ!」
この出会いは俺にとって、とても重要な物になると思われる。
「さっき食べたスパゲティも美味しかったし、ご馳走してくれてありがとう!」
最初に彼女━━━━インデックスと出会ったのは本当に偶然だった。
布束さんからの恐怖の電話を受けた俺は反射的に逃げた。超逃げた。それは高速でビルからビルに跳び移り、転移まで使うほどに。そして気がついたら学園都市の外まで逃げてきてしまっていたのだ。
正気に戻った俺は、無断で学園都市を出るのは確か禁止されていたはずだと思いだし、急いでも戻ろうとした時にインデックスと出会ったのだ。
一目で気づいた、彼女がこの世界のヒロインであると。
俺がこの世界について知っていること、覚えていることなどほんの僅かだが、それでも忘れない物はあった。それが、彼女の姿だ。銀髪に真っ白なシスター服のキャラクターは、現実の世界で『とある魔術の禁書目録』を視聴していなくても「なんか見たことある」と言われる位に有名だ。
彼女がインデックスであると気づいた俺は、兼ねてより考えていた計画を実行するタイミングは、今しかないと思った。
その計画と言うのが………原作キャラと仲良くなって助けてもらおう、だ!
この計画は、学園都市行きが決定した時からずっと考えていたんだ。だって学園都市なんて物語の舞台に行ってしまえば原作に関わらずにいられる可能性とか命の危険に晒されない保証なんて完全に無くなる訳じゃん。なら逆に此方から介入すればいいんじゃないかということに!
主人公と仲良くなれば俺のピンチを助けてもらうことも出来る筈だし、そうなれば最悪死ぬなんてことも無くなる。
だが問題はどうやってその主人公に出会うのかだ。ラノベ系の主人公は特殊な能力は持っていても見た目に特徴の無い、『何処にでもいる平凡な少年』、なんて書かれることも多い。そんな奴をこの学園都市から見つけ出すのは、ほぼ不可能に思われた。だが!その心配は完全に消え失せた。何故なら、俺の目の前にヒロインがいるからだ!ヒロインと一緒にいれば主人公と出会うのは必然、彼女と出会ったときも何か追われてる風だったし、彼女を助け出そうとする人物、それこそがこの世界の主人公に他ならない。
なら俺はいずれ出合う主人公との良好な関係に備えて、ヒロインであるインデックスの好感度を少しでも上げなくてはならない。
彼女からの印象が良ければ、主人公との距離も縮まる筈!
「次はね、コレとコレとコレと……あとコレも食べたいんだよ!ね、いいよねケイガン?」
いいよ~、どんどん食べてくれ!そして未来の俺を助けてくれ!ここでの善行が、いつか俺の命を繋いでくれると信じてるからねインデックスちゃん。
………でも君、大食い系ヒロインだったんだね……。
「は、はい!ご注文は!?」
あっ店員さん、ここからここまで全部で。って一度は言ってみたいけど、言えないから指を差して注文した。分かりにくくてごめんね店員さん。
「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
「………」コク
「かしこまりました。………あ、あのこの後暇ですか?良かったら連絡先を交換」
え、ナンパですか?今仕事中でしょ、そんなこと言うと
「………さっさと行け」
「は、はいぃ~!」
ほらね、口悪いでしょこの体。でもそんな悲鳴みたいな声上げて逃げなくても……いや大丈夫か、なんか喜んでやがる。
やっぱ何か顔を隠せる物がないと目立ってしょうがないなぁ。ガラス越しに何か写真撮ってる人もいるし………ハッ!そうだ……俺は今布束さんに追われてるんだった、それっぽい人影が見えたら即座に移動できるよう準備しとこう。
「それじゃあ、改めてお礼を言うんだよ。ありがとうケイガン」
俺が逃げてきた理由を思いだし、周囲を警戒していると、さっきまでの幸せそうに頬を綻ばせいた顔からキリッとした表情になったインデックスちゃんがお礼を言ってきた。
そして何故逃げていたのか、何に追われているのかなどこの世界の設定的な話を聞かせてくれた。
正直、魔術だなんだ言われてもピンとくる物がないけど彼女がヤバい人間なんだということは理解した。
要するにアレでしょ?十万三千冊の魔導書ってのは君のあんきパンもビックリな能力で全部で覚えていると。例えるならそれは秘密道具で、それを持っているインデックスちゃんはドラえもんだから捕まえたら便利で最強って訳だ。
でも彼女にはいろいろな理由があって魔術を使えないから、自分でもどうすることも出来ずに逃げていると。
「こんなにお世話になっちゃって、何かお礼が出来たらいいんだけど……」
いいよ、インデックスちゃん気持ちだけで。今はね……。
「ケイガンにかかってる呪いも私にはどうすることもできないし」
「何?」
what?
ちょっと待って呪いって何?もしかしてこの貌のこと言ってんの、これ呪いなの!?
ビックリし過ぎて思わず素が出てきたぞ!
「やっぱり、気づいてないんだね。ケイガンには何らかの呪いがかかってるんだよ。その効力はよく分からないけど、恐らく魅了、チャームに近いものだと思う」
や、やっぱり輝く貌のことだ……。じゃ、じゃあ呪いなら解くことできたりしない?あ、この子魔術使えないんだった。いやでも!それなら何で効いてないの!?え、服が特別だから効かないって何だよそれ。
マジでふざけんなよ、俺のこれまでの不幸の連続は大体がこの顔のせいだってのに、呪いでおまけに誰かが良かれと思って与えただ?善意が空回りしすぎだろ!
もういいや、何か一気に疲れた。難しいこと考えんのは止めて、黙って布束さんがいないかどうかだけ注意しとこ。
「そんなに警戒しなくても大丈夫だよ。ケイガンのお蔭でかなり距離が稼げたと思うから」
それは君を追っている魔術師の事でしょ。俺が警戒してるのはヤンデレストーカーみたいな電話をしてきた人の方だからね。
ほら、もういいから君は御飯でも食べてなよ。
あっでも、もうその辺でいいんじゃないかなぁ~。腹八分目って言うしさぁ、どうだろ?
「ねぇねぇケイガン!今度はコレが食べたいんだよ!」
手持ち足りっかな………。
∞
あの後、満腹になるまで食べたインデックスちゃんはスヤスヤと眠りについた。起きるの待ってたんだけど、結局閉店になっても起きなかったからおんぶして店を後にした。にしてもファミレスで諭吉が三枚も飛ぶなんて初めての経験だったよ。
完全下校時間も過ぎて俺も早く家に帰らないと警備員に補導されちゃうな。
かといって、この子をその辺に置き去りにしたら折角稼いだ好感度が全部にパーになっちゃうし。
と言うか、夜中に眠ってる美少女をおんぶして徘徊してるって補導どころか逮捕されそうなんだけど。頼むから早く起きてくれよ。
「ん…うぅん……あれ?ここ」
そんな俺の必死の祈りが通じたのか、身動ぎだしたインデックスちゃんは漸く目を覚ました。
ふぅ、取り敢えずはこれで逮捕だけはされなさそうだ。
てっあれ?おかしいな……………降ろせないぞ。
「私はもう大丈夫だから。此処で降ろして」
「………」
いやそれはわかってるんだけどね、か、体が言うこと効かなくてですね!?な、何じゃあこりゃあ!おかしい、おかしいよ、どうしてもインデックスちゃんを下ろすという動作だけが出来ない!こんなこと今までに一度も無かったのに、どう言うことなんだよ!?
「ケイガン、貴方の気持ちは嬉しいよ。でも大丈夫だから」
「………」
いや大丈夫じゃないから、全然俺の気持ち理解してないよね!?
「……分かったよケイガン。それじゃあ私と一緒に地獄の底まで着いてきてくれる?」
何が?ちょっと待ってくれコッチはいま突然の事態に頭がパンクしそうになってんだって。第一そんな事言われて、着いてくなんて言うわけ無いじゃん!
「いいぞ、着いていってやる」
おいぃぃぃ!!こんな時になんて事言っちゃてんのこの体!?言動とかがおかしくなるのは今までにもあったけど、動きが制限されるなんてどんな縛りプレイ!俺はドMプレイヤーじゃないんだぞ!
あ~あ、泣き出しちゃったじゃん。これ絶対俺の言葉に感動して嬉し泣きしちゃってるパターンじゃん。どうすんのさ、確かに好感度を稼ごうとは思ったけど、あんまやり過ぎると向こうから厄介ごと持ってこられるんじゃないの?それじゃあ本末転倒でしょうが!俺は助けられたいのであって、助けたいわけじゃないんだからさ!
背中で啜り泣く声を聞いて同じように泣きそうになるも、深いため息をつくことで何とか我慢する。本当に泣きたいのはコッチの方だと声を大にして叫びたくなった。
そんなこんなで時間は過ぎていき、深夜の時刻となった。
暫くして泣き止んだインデックスは、先程の言葉を真に受けてしまい、俺と一緒に教会に行くという話になった。引くに引けなくなった俺は、こうなったらとことんやって返せないぐらいの恩を売り付けようと思う。それと何故か彼女が泣き止むと同時に背中から下ろすことが出来た。ほんと謎。
そしていざ教会に着いたのはいいんだが、そこでとんでもない格好をした美女と出会った。
ヘソだしTシャツ、片方だけ生足剥き出しのジーパンに腰に刀を差した随分とマニアックな格好をした女性がスッゲー俺を睨んでいる。もし視線で人を殺せるなら俺を十回は殺してそうな目だ。ぶっちゃけ、めっさ怖い。俺なんか悪いことしたかな?
だがどうやら彼女を見てビビっているのは俺だけでは無かったらしく、インデックスちゃんも慌てたように袖を引っ張り逃げようと言う。
「逃がすと思いますか?」
そして当然のようにそれを阻止しようとする痴女の彼女は、腰に差した刀で俺をぶん殴ろうと高速で接近してきた。そのスピードは俺が本気で走ったときと同じくらい早く、思わず目を瞑ってしまった。
迫り来る暴力に恐怖し、グッと歯を食い縛る。だが来るであろう衝撃は来ず。恐る恐る目を開けると、俺とインデックスちゃんは、自分のマンションの一室の中にいた。
どうやら、無意識の内にここに転移したようだった。そもそもすり抜けんだから殴られる心配もないんだが、それはそれ、条件反射というものだろう。実際怖かったわけだし。
アッ!そういや家には布束さんがいる可能性が!?いや、流石に無いかこんな真夜中にいるわけ無いし、いたら不法侵入だしね。
でも緊張したからか、喉が乾いたな何か飲もうかな?
「ケイガン、私は喉が乾いたんだよ、美味しいくて冷たいのものが飲みたいかも」
飲み物を取りに行こうとしたら、奇遇にもインデックスちゃんも喉が乾いてたらしい。俺が連れてきたようなもんだけどちょっと図々しくないかい?まぁ、別にいいけどさ。
飲み物を取りに行こうと冷蔵庫がある部屋の扉を開ける、暗くてよく見えないが場所は大体わかるので部屋に踏みいると体に何かが当たった。
何だ?と目を凝らすが暗くてよく見えない。だが何かが俺の手を掴んだ。
ひゃ!と変な悲鳴が心で響く。
これは、人だ。誰かが俺の手を掴んでいる。俺はまさかと思った。言ってから数分もしない内にフラグ回収とか早すぎないかと、冷や汗が頬を伝う。
そしてこの状況に文字通り光が差し込んだ。雲に隠れた月の光が窓から部屋を照らしたのだ。
そして俺の手を掴んでいたのは……………
「動かないでって、言ったわよね?」
最早妖怪にしか見えない布束さんだった。
い、い、インデックスちゃぁぁぁぁん!!助けてくれぇぇ!!
今こそ、今こそ恩を返すときだよ!頼むから、俺を助け出してくださいぃ!
てか何で触れんの!?ご都合主義ですか!
「何で私の言うことが聞けないのかしら、先輩の言うことには素直に聞くものでしょ。何?私の事が嫌いになったの?そんなの駄目よ………駄目!ダメ!だめ!!貴方は私の後輩で私は先輩、
嫌ぁぁぁあああああ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!
主人公の謎体質に関してはツッコミNGで、設定はありますが、ご都合主義以外の何物でも無いので。
それと久々に書いたから布束さんの喋り方に違和感があるかも。え?そもそも原型が無い?………ヤンデレだから仕方ないね!
最後に久々に評価の方見たら、この小説好き嫌い別れるなぁーと思いました。
感想お待ちしております。