ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

台風被害にあわれた方々や北海道の地震で被災した皆様、大変かもしれませんが困難にめげずに頑張ってください。皆様の無事を祈ります。

今回はキセキゲーマーが大暴れします。それはもうチートな感じに…

では、本編をどうぞ。


最強のTEAM

キセキゲーマーとなったドラゴネスは、エナジーウィングを広げてクロノスへと突撃していく。

 

「ナメられたものだ…!!」

 

クロノスはそれを真っ向から迎え撃ち、間合いに入った瞬間にデウスラッシャーを振り下ろす。

 

-ブゥン!!

 

「ッ!?」

 

しかし、その一撃に手応えは無く、ドラゴネスの姿も視界から消えていた。

 

「いったいど…「後ろだよ…!!」グアッ!?」

 

視線をさまよわせていると後ろから声が聞こえ、振り返り姿を見る前に背中を強烈な一撃が襲い、クロノスは吹き飛んでいった。

 

「まだまだ行くぞ!!」

 

『ステージ・セレクト!!ガシャコンガントレット!!』

 

ドラゴネスは周囲を駅前広場のような風景に変えると、ガントレットを装着して吹き飛んでいくクロノスを一瞬で追い抜き、拳を構える。

 

「パラドッ!!」

 

「ああ、【タドルレガシー】に【ゲキトツロボッツ】、おまけに【カイザードラグーンダブルナイツ】も加えてやる…!!」

 

パラドがそう告げると、キセキゲーマーのある能力が発動してガントレットが輝き出し、その拳をクロノスの鳩尾に正確に抉りこませた。

 

「ゼリャアッ!!」

 

「グボァッ!?」

 

その一撃に体をくの字に曲げながら反対に吹き飛ばされ、近くに止めてあった車にぶつかり、それを巻き込みながら数件のビルに激突・貫通していった。

 

「ゴハッ!?な…なんだ…!?この威力は…!!」

 

激痛に呻き、仮面の中で血を吐きながらも起き上がるクロノスの前までドラゴネスが歩いて来て、その能力の説明を始める。

 

「これがコラボドライバーを使ったキセキゲーマーの能力……あらゆるゲームの武器や能力を自在にコラボレーション出来る…【アビリティセレクト】だ。」

 

「ちなみに今のはガントレットにタドルレガシーの【武器威力10倍】とゲキトツロボッツのスマッシャーにある【パンチ力10倍】の能力…さらにカイザードラグーンダブルナイツの【透過】をプラスさせて殴った威力だ。」

 

基本スペックがハイパームテキに匹敵するキセキゲーマーの力を、他のガシャットの力で更に強化させた一撃……普通ならそれで1発K,O,だが、ゲムデウスを2体も取り込んだクロノスの耐久力も高く、一撃必殺とまではいかなかった。

 

「ふざけた真似を…!!」

 

「ちなみに…」

 

怒りを露にするクロノスだったが、その言葉を紡ぐ前にドラゴネスは再び視界から消える。

 

「また…「おらよッ!!」ぐほッ!?」

 

いつの間に移動したのか、ドラゴネスはクロノスの右側に立っていて、その脇腹を蹴り飛ばす。

 

「これは【雷走ライトニング】の雷速移動だ。本当は短距離転移なんてのもありだったが、速攻の奇襲にはこっちが向いてるからな。」

 

「だが…これならどうだッ!!」

 

怒りをバネに立ち上がったクロノスは、即座にドライバーのボタンを同時押しした。

 

『PAUSE』

 

その力によりクロノス以外の全てのものが停止する。

 

「さすがの君でも、これには対処出来「るんだな、コレが。」…なッ!?」

 

だが、その予想に反してドラゴネスは止まる事なく、悠然と歩を進めていた。

 

「何故だ……何故ポーズの中で動けるッ!?」

 

「そんなもん、とっくに対策してるに決まってんだろ?」

 

「しかも、コラボじゃなくてキセキゲーマーの初期アビリティとしてな。」

 

キセキゲーマーはムテキゲーマーと同じくゲームエリアを遮断する能力を保持しているので、ポーズが通じる事はない。普段のクロノスならポーズは効かないと判断して立ち回っていただろうが、ドラゴネスの予想もつかない攻撃にいつもの冷静さを完全に失っていたのだ。

 

「アビリティセレクト…【イマージュ・ミラージュ】【カイザードラグーンダブルナイツ】【バンバンフォートレス】。」

 

その隙を逃さず、パラドは3つのゲームをコラボ相手に選択、クロノスの周囲に鏡を展開さて複雑な動きをさせながら囲っていき、両手と背中に6つあるバンバンフォートレスの武装【ハイブリッドキャノン】を装備する。

 

「チャージ完了。」

 

「ブッ放すぜッ!!」

 

エネルギーチャージが終わると同時に、一誠の言葉でビームが次々と放たれていく。

 

「そんな攻撃…当たりはしない!!」

 

それを最小限の動きで回避するクロノス…だが、ドラゴネスの狙いはそれではなかった。放たれたビームは真っ直ぐに突き進んで行くかと思われたが、それがクロノスを囲む様に動き回る鏡に当たるとその方向を曲げたのだ。

 

「ぬあッ!?」

 

その内の1発がクロノスの背中に直撃して動きを止められ、残りの5発が更に動きを曲げられ全方位からクロノスに襲い掛かり直撃した。

 

「ガハッ!?ビームを曲げるだと…!?」

 

「イマージュ・ミラージュの特殊アイテムである鏡……それに【反射】の力をコラボさせ、そこにバンバンフォートレスのハイブリッドキャノンを撃って反射。これでビームを曲げたのさ。後はちょっとでも隙を見せたらそこに撃ち込むだけ…それと…」

 

ふらつくクロノスを見ながらドラゴネスは背後に鏡を出し、バックステップで鏡に向かい、その中の水に入る様に飛び込んだ。そして、クロノスの周囲にある鏡の1つ…正面にあるものから飛び出し、先ほどのパンチングコラボに【反射】を混ぜて発動してから右掌を押し当て…

 

「グラファイト直伝・改、【紅蓮爆龍掌】…!!」

 

「ゴボァッ!?」

 

ゼロ距離で体に衝撃を叩き込み、更に反射の効果で衝撃をクロノスの体内で何度も反射させる事で、最大級のダメージを与えた。

 

「こんな奇襲も出来るんだぜ?」

 

「ハァ…!!ハァ…!!ありえん…この私が負けるなど…!!」

 

「いい加減に諦めろ、俺達の勝ちだ。」

 

その場に踞るクロノスにドラゴネスは勝利を宣言するが、クロノスはバグルドライバーⅡをベルトから外し…

 

「この私が負ける事など……あってはならないのだァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」

 

周囲にバグスターウィルスを散布しだした。

 

「ッ!?イッセー下がれッ!!ゲムデウスウィルスにお前の体質は効かないぞッ!!」

 

「ちッ!!」

 

パラドの言葉にドラゴネスはバックステップで散布領域からすぐに離脱する。

 

(ちょっと吸っちまったが…今のところは問題ねぇな。)

 

ウィルス散布領域から脱出したドラゴネスはそこを睨み続ける。その中からクロノスの気配を感じるからだ。だけど、驚くのはこれからだった。散らばったウイルスは徐々に3つに集まり、人型となるとそこには青、黄、緑の3体のゲムデウスが立っていたのだ。

 

「へ…ラスボスのバーゲンセールってか?」

 

「まだ作っていたのか…!?」

 

しかし、その3体のゲムデウスは少し苦しむような動きの後、再び粒子に変わり中央に集まり、そこに現れたクロノスへと吸い込まれていった。

 

「ヌゥゥゥゥゥゥゥゥゥォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!」

 

「マジかよ…」

 

「ゲムデウスを合計5体も吸収するなんて…!?」

 

吸収が終わるとクロノスの姿は更に変化し、肩アーマーはゲムデウスのものに変わり、背中にはゲムデウスの翼が生え、瞳は血走るよりも真っ赤に染まっていた。

 

「ありゃあ…ゲムデウスを吸収したクロノスってより…」

 

「むしろ、クロノスを吸収したゲムデウスだな…」

 

「さあ…大人しく絶版にされろォッ!!」

 

姿が変わったクロノス……いや、【クロノスゲムデウス】はデウスラッシャーから高速の斬撃を放ってきた。あまりの速さに回避が間に合わないと判断したドラゴネスは、腕をクロスして受け止める。

 

「この…!!力が上がりすぎだろ!!」

 

後ろに下げられながらも何とかそれを弾き、構える。

 

「こりゃ、キセキゲーマーでもちと厳しいな…」

 

「…どうやら、俺の才能が必要になったか?」

 

そう言いながら、ドラゴネスの隣にヴァーリが立った。

 

「ああ?元はと言えばテメェがあんなゲーム作ったのが原因だろうが。後で詫びの1つでもしやがれ。」

 

「フッ、許しを請う気など…無ァい…!!」

 

「そーかよ…」

 

反省する素振りさえ見せないヴァーリにドラゴネスは呆れる。そんなドラゴネスを無視しながらヴァーリはゲーマドライバーを装着し、2本のガシャットを手に持つ。1つは【暴走サーキット】…もう1つはドラゴネスが見たこと無いガシャットだった。

 

『ALL SAFETY CRASH!!』

 

「っておいッ!?最初っから暴走する気かッ!?」

 

「神であるこの俺が…同じ失敗をするものかァッ!!」

 

『ガシャット!!』

 

それをキメワザスロットホルダーに装填したら、もう1つのガシャット【タドルパラディン】を起動させる。

 

『タドルパラディン!!』

 

それをゲーマドライバーに装填する。

 

『ダブルガシャット!!』

 

「術式レベルビリオンッ!!変身!!」

 

『ガッチャーン!! OVER LOAD!!』

 

ドライバーのレバーを開き、ゲートを潜ってヴァーリは黒いブレイブ・レガシーゲーマーになるが次の瞬間、レガシーゲーマがブレイブのボディから弾け飛び、背後に正に等身大の西洋甲冑ともいえる銀色のゲーマ【パラディンゲーマ】が現れ、その身をバラバラにすると空中でパーツごとにその場で制止する。そこにブレイブが向かっていき、ゲーマを両腕に両足と次々装着していき、胸部の鎧を纏うと背中に裏が赤で表が白のマントが出てくる。最後に頭部の甲冑を纏ったら、新しいブレイブ【パラディンゲーマー】となった。

 

『平和守り!!不滅の騎士!!タドォルパラディーン!!スゲェーイ!!カッケェーイ!!』

 

ガシャンと音を立てて着地するブレイブ、その重そうな見た目の割りに動きは軽快だ。

 

「お、新しい姿か…!!」

 

「勇者と魔王…そして神の力を手に入れた主人公が、宇宙を滅ぼそうとする破滅招来体を倒すために立ち上がるRPG……それがこのタドルパラディンだ。そして暴走サーキットの制御すらも可能にした…!!」

 

『ガシャコンガードナー!!』

 

左手に武器アイコンから作り出した大型の盾にガシャコンソードが収まっているガシャコンガードナーを呼び出し、ソードをそこから抜剣する。

 

「さて…ここからは俺も混ぜてもらうぞ?」

 

「いや…アイツは俺が倒さねぇと…」

 

「大丈夫だよ。」

 

ブレイブの言葉にドラゴネスは反論しようとするが、それは隣にやって来た未来のエグゼイドによって遮られた。

 

「ああ?なんでそう言えんだよ。」

 

「ようは【兵藤君がトドメをさせばいい】んでしょ?だったらそこまで弱らせる手伝いをするのは、何も問題ないんだよ。」

 

「え?あ、な~るへそ…」

 

確かに最初、クロノスが言ったのは【兵藤一誠がクロノスを倒す事】だった。だが、それはつまり倒さなければ他のライダーがボコっても問題ないと解釈もできるのだ。

 

「でしたら、私も参戦させてもらいますわよ!!」

 

ブレイブの隣にジュエルブラッドリィが立つと、エグゼイドの横に電王も並ぶ。

 

「なら、皆でやろうよ。」

 

『モモ・ウラ・キン・リュウ』

 

彼はケータロスをベルトから外してボタンを押していき、イマジン達も呼び出す。

 

『おうよ!!俺達も混ぜろッ!!』

 

『仲間はずれはないんじゃない?』

 

『オレもまだまだ暴れ足りん!!』

 

『またてんこ盛り~♪』

 

『では、この私も力を貸そうではないか。』

 

『『『え?』』』『CLIMAX FORM』

 

そこに何故か五人目の声が聞こえたかと思うと、電王がクライマックスフォームになるが、前に見たのとは違い、背中には水色の羽根が付いた【超クライマックスフォーム】となっていた。

 

「この手羽野郎ッ!!なんでお前まで入ってきてんだよッ!!」

 

「ハッハッハッ!!我が力を使えるのは光栄であろう?」

 

「だから邪魔だって言ってんだよ!!とっとと…「わ~い!!また鳥さんもくっついた~♪」おわッ!?」

 

「ちょッ!?リュウタ!!そんなに暴れたらアカンッ!?」

 

「落ちちゃう!?落ちちゃうって!?」

 

「家臣ども、遠慮する事はないぞ?」

 

「テメェが遠慮しろォッ!!!!」

 

「……本当に仲がよろしいのかしら…」

 

なにやら1人コミカルな動きをしながら喋りまくる電王もといイマジン達。それを見てジュエルは呆れるしかなかった。

 

「もう皆、遊ばないの!!」

 

「…なーんか不安が残るが、まぁいいか。」

 

とりあえず揃った5人の仮面ライダー達…クロノスゲムデウスはそれをじっと見つつ、電王を指差す。

 

「貴様が来たのはちょうどいイ…お前が持っている電車、この私が貰おうカ。」

 

「ああッ!?何でテメェに渡さなきゃなんねぇんだよッ!!」

 

「決まっているだろウ?それを使い全ての時間をッ!!命をッ!!私が管理すルッ!!!!」

 

自分の目的を叫ぶクロノスゲムデウスに、ドラゴネス達は呆れ返るしかなかった。全ての時間と命を1人で管理しようなど、神の所業に等しい。そんな事は不可能としか言いようがない。だが、今のクロノスゲムデウスにそれを言っても手遅れだろう…

 

「とうとうトチ狂いやがったか…」

 

「そんなのは元からだよ。」

 

「確かに…トチ狂ってなければこんな事は出来ませんものね。」

 

「んじゃ、とっとと倒そうぜ…!!」

 

「それがいい。」

 

電王の意見にブレイブが賛成し、ソードをクロノスへと突きつけた。

 

「これより、クロノスとゲムデウスの同時切除手術を開始する。」

 

「悪夢の中でお眠りなさい!!」

 

「俺は既にクライマックスだぜ!!」

 

「ノーコンティニューで…クリアしてあげる!!」

 

次々に決め台詞を言い、己が気持ちを向上させていく中でドラゴネスはいつもと違う気持ちに、仮面の下で笑う。

 

(今まで1人で戦う事が多かったが、こうやって色んな奴等と一緒に同じ敵に立ち向かうのも悪かねぇ…)

 

だからこそ、その想いを胸に彼は叫ぶ。彼らが同じ目的の為に共に戦う仲間であると感じながら…

 

「こっからは…超共闘プレーと洒落こもうぜッ!!」

 

 




いかがでしたか?

うん、たぶん次回で劇場版は最後ですね。

とりあえずキセキゲーマーの超簡単な解説を…


仮面ライダードラゴネス・キセキゲーマー

・基本的なスペックはエグゼイド・ムテキゲーマーと同じ。

・ゲームエリア遮断能力でポーズも無効化できる。

・特殊能力として全てのゲームや武器の能力を自由自在にコラボレーションできる【アビリティセレクト】がある。(例:ガシャコンガントレットにガシャコンソードの冷気能力をプラス。自身に雷走ライトニングの雷速移動を付与など)組み合わせを考えれば、幹部クラスですら一撃で葬り去る性能を持てる、正に最強フォームである。


こんな感じですね。

それでは次回、劇場版最終回でお会いしましょう。

曜と果南、花丸も変身して戦う

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  • 反対
  • 我が魔王…存分に書かれよ
  • 止めて!!変身なんかしないで!!

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