前回登場したゲムデウスクロノス。今回、奴が色々とやってくれます。
そして今回から援軍の第一陣が来ます。
それが誰かは本編をどうぞ。
「ゲムデウスクロノスだと…?」
突然現れたクロノス似の敵に尋常じゃない程の脅えを見せるパラドクス。ドラゴネスもクロノスの纏う雰囲気から、警戒レベルを一気に上げた。過去とはいえ二人で一度クロノスを倒しているのに、その時には見せなかったパラドクスの脅え……相当にヤバイと思うのは不思議でもなんでもない。
「ふむ…上級バグスター達を送り込んだが、簡単には倒されないか…」
『申し訳ありません!!クロノス様!!』
「何、構わんさ。」
ブロックが謝罪の言葉を口にするも、片手を上げてそれを許容した。
「これ程の援軍がいたのは、私も予想外だったからな。」
『しかし…!!』
「よい、お前達は戻れ。」
なおも謝罪の言葉を告げようとするブロックだったが、それはクロノスの一言…それも圧倒的な強さを思わせる雰囲気の一言で黙らせ、この場から粒子となって消えた。
「おいテメェ!!一体何モンだッ!!」
だけど、その迫力に物怖じしないモモタロスが言葉を口にした。すると、クロノスはその顔を電王へゆっくりと向けた。
「私かね?私は【ゲムデウスクロノス】……仮面ライダークロニクルの運営にして…真のラスボス…」
「ラスボスだぁ!?そんなんが、序盤から何しに出てきやがった!!」
「なに、君達に挨拶と…………ラスボスたるこの私が、
「新しい…ゲーム?」
今でさえこの時間は仮面ライダークロニクルで手一杯なのに、その上クロノスは何を始めようというのか…全員が固唾を飲むが…クロノスは言葉よりも先に手に持つ武器を構えた。
この時、ドラゴネス達からは死角となって見えて無かったが、クロノスは背後からブレイブが剣を持って近づいていたのだ。だが、彼から溢れる殺意にクロノスは初めから気づいていた。
「その前に……些か煩い蝿が飛んでいるようだ。」
そして後ろを振り向きながら剣を振るい、背後のブレイブを切り裂き、一撃で変身解除させ、倒れた彼を踏みつける。
「うわああああああああああッ!?」
「桜馬ッ!?」
「ちッ!!あのバカ…!?」
このブレイブの行動にドラゴネスは舌打ちする。このまま時間を引き伸ばして、クロノスから情報を手に入れようと考えていたが、これで完全に警戒された上に人質になってしまって、こちらが不利な状況になってしまったのだ。
「不意討ちのつもりだろうが、気配が完全に消えて無かったのでね…」
「このォッ!!」
「美桜さん!?お待ちなさい!!」
たった1人の兄妹がやられるのを見て頭に血が上ったスナイプはコンバットゲーマーの力で飛びながらクロノスに迫る…
「フゥ……頭が高いぞ。」
が、クロノスはデウスランパートの先端から鞭の様なものを伸ばし、スナイプの体に巻きつけ地面へと叩きつけた。
「キャアアアアアアアアッ!?」
その一撃でスナイプも変身解除させられる。
「やれやれ…こういった蝿は早めに駆除せねばな…」
「ウゴァッ!?」
ゲムデウスクロノスは倒れる桜馬の胸を再度踏みつけ、その首に剣を突き付ける。
「タドルクエスト……君はここで絶版だ…」
「させるかッ!!」
そして振り下ろされる剣をブレイブに当たる前に、ドラゴネスが受け止めた。
「邪魔をしないでもらえないかね、セイヴァー・サバイバル?私は不意討ちされた仕返しをしているだけなのだが…?」
「はッ!!最初っから気づいてる時点で不意討ちも何もねぇだろうが!!」
「ククク…確かにな。」
「ッ!?」
クロノスはドラゴネスを弾き飛ばし、距離が離れた所を桜馬を蹴り飛ばして、ドラゴネスがそれを受け止める。ここで人質を手放すのは愚の骨頂であるが、ゲムデウスクロノスはそれを毛ほども気にしてはいない。
「それにまだ役者が揃ってないのでね……まずは君達を抵抗できない様にしておこうか。」
そう言うと再び剣を構え、ドラゴネス達へと振るった。
果南side
「ちかおねぇちゃんたち…だいじょうぶかな?」
「大丈夫だよ。皆がきっと何とかしてくれるから。」
一誠達が戦っている間に私はルビィちゃん達と子供達を連れて、視聴覚室に避難するために向かっていた。
あそこなら広いし、校庭からも離れてるから被害もそれほど来ない筈…
(でもなんだろう…この嫌な感覚…)
でも、私はさっきから変な感覚が心に住み着いていた。これが起きる時は大抵嫌な事が起きる前兆でもある。事実、中学時代に曜ちゃんが襲われそうになった時も、この感覚がしていた。
(お願い…何も起きないで…!!)
だから私は願う。この感覚が気のせいであってほしいと…
「皆、もうすぐ視聴覚室だよ!!」
そこに先頭を歩いていた曜ちゃんが視聴覚室がある場所を指差す。
良かった…これで子供達は避難できる……
そう思ってホッと息をつく…その一瞬での出来事だった。
『失礼つかまつる。』
「え…?」
曜ちゃんの背後に、忍者のような姿をしたバグスターが現れ、左手で曜ちゃんの腕を背後で固定し右腕で首を締める様にして拘束した。
「曜ちゃんッ!?」
「「「「「うわああああああああああ!?」」」」」
「「「「「きゃああああああああああ!!」」」」」
突然現れたバグスターに子供達はパニックになってしまい、泣きわめく。そんな子供達をルビィちゃんと花丸ちゃんに任せて、私はそのバグスターの前に立った。
「曜ちゃんを離しなさいッ!!」
『断る、これが拙者の任務でござるからな。』
「か、果南ちゃ…!!」
『では失敬。』
「待ちなさ…!!」
何とか手を伸ばす私だったけど、その手は届く事なくバグスターは曜ちゃんと共に消えていった。
「……!!」(ギリッ!!)
届かなかった手を強く握りしめ、私は来た道を引き返していく。
「果南ちゃん!?どこ行くの!!」
「外の一誠達に知らせてくる!!」
「待って!!私も…!!」
後ろからコハナちゃんが追いかけてくるが、私はそれを振り返りもせずに全速力で走っていく。
一誠なら…一誠ならきっと曜ちゃんを…!!
「一誠ッ!!曜ちゃんが……………………え?」
そう思い、走って走って……ようやく校庭に出た私の視界に入ったものは…
「フム、思っていたよりも弱かったな…」
クロノスに似た存在1人と……ライダーになれる人達全員が生身で倒れ伏している光景だった。
「そんな…」
レベル99の一誠やパラド君、特殊なガシャットを使うダイヤに別の時間から来たライダーの良太郎さんとその仲間の怪人達が束になってかかっても勝てなかったって事…?そんなのが相手なんて…
『クロノス様、お待たせしました。』
そこに先程の忍者のバグスターが現れた。
「ご苦労だったな、【サスケ】。」
『ありがたきお言葉。』
そしてクロノスに曜ちゃんを渡して1歩下がり、その場に控えた。
「まさか……5体目の上級バグスター!?」
『いかにも。某の名はサスケ。【ハリケーンニンジャ】のバグスターでござる。』
「5体目って……他にもいたの!?」
クロノスに加えてそんなのが相手だったら、皆が倒れるのも解るけど…
「皆を倒したのはクロノスだよ……それも、ポーズを使わずたった一撃で…!!」
でも、現実は私の想像よりも酷かった。この時間のクロノスは私達が知っているクロノスよりも遥かに強かったのだ。
「グ…!!曜を……離せ…!!」
「さて、役者が揃ったので……ゲームのナビゲートを始めようか。」
クロノスの言う役者というのが誰を指すのか解らなかったけど、奴はそんな私や一誠の言葉を無視して語り始める。
「ルールは簡単…期限までにこの私を倒すだけ。手段は問わない。援軍も好きなだけ使うがいい。条件はただ1つ……セイヴァー・サバイバル、【君が私を倒す事】だ。」
「なに…!!」
「期限は明日の正午まで。それまでに私を倒せなければ…」
そう言うクロノスの言葉に合わせて、サスケが曜ちゃんの首に苦内を突きつける。
「ひッ!?」
「「曜(ちゃん)ッ!?」」
「彼女は絶版だ。そうさせないように頑張ってみたまえ……ただし…」
サスケが苦内を曜ちゃんから離し、安堵したところでクロノスは剣を振るい、斬撃を飛ばしてみんなのガシャットを残してゲーマドライバーだけを破壊した。(電王のベルトはモモタロスが引き剥がす事で外れた)
「君が仮面ライダーに変身出来れば…だがね?ハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」
「イッセーく…!!」
そして笑いながら、クロノスはノイズとなって消えた。曜ちゃんと一緒に…
「曜…!!」
『これは拙者からの置き土産でござる。』
更に残っていたサスケバグスターが、忍装束を着たバグスター兵達を大量に召喚した。その場に数はおよそ100…!!
『では、さらば!!』
サスケバグスターもその場から去り、残ったバグスター兵達がこちらへと襲い掛かり始める。
マズイ…!!今は怪我で誰も変身出来ないのに!!
「やらせるか…!!」
唯一ベルト無しでも変身できるパラド君が立ち上がるも、その体は既にボロボロで戦えたものではない。
「おい、そこの女!!良太郎を頼んだ!!」
「へ?わ、私!?」
突然モモタロスにそう言われて焦る私に、彼らイマジン達がそれぞれベルトを巻こうとした…
『♪~♪~♪~♪~』
その時、彼等が乗るデンライナーのメロディーが流れ、私達とバグスター達の間を走り抜けた。
デンライナーが通りすぎた後、そこには幸太郎とテディに7人の男女が立っていた。
「幸太郎ッ!?テメェ、なにやってたんだ!!」
「悪い、遅くなった!!でも援軍の第一陣を連れてきた。」
「援軍?」
幸太郎の言葉にコハナはバグスター達の前に立っている7人を見る。
「皆は怪我人達を連れて下がってて、あれは私が相手するわ。」
「「「「はい、部長!!」」」」
その内の1人、赤い髪の少女の言葉に5人の男女が散らばり、倒れているメンバーに駆け寄っていく。
「え…アーシアちゃん?それに姫島さんも…」
「あの人から話を聞いて、援軍に来ましたわ。」
「怪我をしてる人の治療はお任せください!!」
5人の男女の内2人…姫島朱乃とアーシア・アルジェントは倒れている一誠を担ぎ、神器の力で治療を始める。他のメンバーも残りの男女、木場裕斗に塔城小猫、ギャスパー・ヴラディによってアーシアの元へと連れて来られた。
「貴方達は…?」
「僕達は部長…リアス様の下僕悪魔ですよ。」
「私とゼノヴィアさんは違いますけどね…」
裕斗の言葉にアーシアが補足しながら、コハナに自分達の事を説明していく。
「つまり…貴方達が増援…」
「でも、バグスター相手じゃ…!!」
「…それなら部長達を見てれば大丈夫です。」
小猫の言葉に全員が視線をリアスと、その隣に立っているゼノヴィアへと向ける。
「ゼノヴィアさん、準備は良いかしら?」
「無論だ。この程度の相手に負ける気などせん。」
「なら、いきましょうか。」
簡単な会話をすると2人は同じものを取り出す。それは黒を基調に赤色が印象的で、2つの窪みに3つの歯車と右側にレバーが付いた物だった。それを腰に当てると黄色いベルトが伸びて装着された。
「あれは…ベルトなの?」
『ギャオオオ!!』
そこに何かの鳴き声とオレンジの翼に青い体のメカニカルなドラゴンが現れ、ゼノヴィアの左手に首と尾を上に畳んで収まった。
「あれは?」
「…ゼノヴィアさんが使うアイテムで、新しい相棒さんです。」
それに果南達が首を傾げていたら、ゼノヴィアは右手にドラゴンが描かれた紺色の…リアスは左手に兎が描かれた赤、右手に戦車の描かれた青いボトルの様な物を取り出し、シャカシャカと音を鳴らしながら振り、蓋を正面に向けてからゼノヴィアはドラゴンの背中に入れてベルトに、リアスはベルトの右側に赤、左に青いボトルをそのまま装填する。
『Wake Up!!』『CROSS-Z DRAGON!!』
『ラビット!!タンク!!ベストマッチ!!』
そうベルトから音声が鳴り、2人はベルトのレバーを掴むと思いっきり回し始め、それぞれの周りにプラモデルでいうランナー【スナップライドビルダー】が形成されていき、前後に半身ずつ作られていく。
『Are you Ready?』
そこでベルトが問いかけてくる。準備はいいかと…そこで2人は戦う理由を思い出す。
(一度は刃を向けた私を友と呼んでくれるアーシアを守るため…そしてイリナをクロノスから助け出す為に!!)
(自分のやるべき事を見失わずにやる……そして自分が、あの子達が誇れる【王】になるために!!)
その決意を胸に叫ぶ。自分自身を生まれ変わらせる…あの言葉を。
「「変身ッ!!」」
リアスは顔の横で指をパチンと鳴らし、ゼノヴィアはファイティングポーズを取って叫び、前後のランナーが2人を挟んで変身が完了する。
『Wake Up BURNING!! Get CROSS-Z DRAGON!!Yeah!!』
『鋼のムーンサルト!!ラビットタンク!!イェーイ!!』
リアスは顔の左側と右腕に左足が赤色、顔の右側と左腕に右足が青で複眼の左目が兎、右目が戦車の形をした姿に、ゼノヴィアは全身が紺色のスーツに向かい合うドラゴンの複眼の姿に左腕と右足には炎の模様が走り、胸部を覆うドラゴンの翼のような装甲に顔の中心を龍の正面の顔のパーツが付いた姿になった。
「あれは…仮面ライダー!?」
「今の私はビルド…【仮面ライダービルド】。創る・形成するって意味のビルドよ?以後、お見知りおきを♥️」
「私は…【仮面ライダークローズ】だ。」
そう名乗り、ベルトから新たに伸びたパイプが作り上げた武器を手にする。
『ドリルクラッシャー!!』
『ビートクローザー!!』
リアスは刀身がドリル状の武器【ドリルクラッシャー】を、ゼノヴィアを刀身の中にイコライザーの様なメーターが付いた剣【ビートクローザー】を持つ。
「さあ、私達の実験に付き合ってちょうだい!!」
いかがでしたか?
リアスとゼノヴィア、変身完了!!しかしゲーマドライバーが破壊された一誠達はクロノスのゲームをどうするのか?
では、次回でお会いしましょう。
曜と果南、花丸も変身して戦う
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賛成
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反対
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我が魔王…存分に書かれよ
-
止めて!!変身なんかしないで!!