ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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どうも、疾風の警備員です。

今回は、ヴァーリの暴走からです。

暴走したヴァーリをほっとくのは勝手だ。でもその場合、誰がアイツを止めると思う?

答えは本編で、ではどうぞ。


Firstコラボsix

ガシャットの効果で自我を失い、暴走するブレイブ。その攻撃は先程の荒々しさは無く、的確に…躊躇い無く人体の急所を狙っている。まるで確実に相手を(こわ)すためのマシンの様に………

 

「ちょッ!?あれ、止めないとマズイでしょ‼」

 

「うんッ‼いそ「来なくていいわ。」え…?」

 

キバの救援とブレイブを正気に戻すためにフィールドに飛び込もうとした眷属達だったが、それは対戦中のキバによって止められた。

 

「どうしてッ!?」

 

「頼まれただけ…よッ‼」

 

そう告げて、キバはブレイブに斬りかかる。しかし、それは転移で避けられる。

 

「そこよッ‼」

 

だが転移場所を読んだキバは、その場所にガルルセイバーから遠吠えに似た音波【ハウリングショック】を放つ。それと同時にブレイブが放たれた先に現れる。普通ならかわす事も防ぐ事もできない完璧なタイミングだったのだが…

 

「………………………」

 

ブレイブは無言のまま、全身から波動を放ち音波を相殺してしまった。

 

「………………本当…意味わかんない…」

 

その光景に呆然とするキバ。絶対の自信があった攻撃が防がれたのだから仕方ないが…

 

そんな隙を逃さずブレイブは剣を振るってくる。応戦するキバだが、今は完全に相手が有利な状況だ。

 

「この…‼」

 

再び2人の剣がぶつかり合い火花を散らす。両者とも譲らず剣閃の帯を残しながら斬り合っていく。

 

『おい真姫‼‼このままだとヤバいぞッ!?』

 

「問題ないわ。」

 

『どこが…(ガシッ‼)ええッ!?』

 

不利を感じて注意を促すキバットだったが、その後にキバのした行動に更に驚かされる事となった。

 

「だって、負ける気は無いもの。」

 

「………………」

 

キバがやったのは、下段からの攻撃を1歩前に出てその腕を脇で受け止める事だった。

 

『マジかッ!?』

 

『マジでッ!?』

 

「本当よ。」

 

『『そこはマジだ(だろ/でしょ)ッ!?』』

 

「知らないわよ…」

 

キバットとタツロットのツッコミに呆れながら、このチャンスを逃さない様に攻撃をしようとしたが…

 

「………」

 

「キャッ‼」

 

先程と同じ様に全身波動を放ち、ゼロ距離な上ブレイブの腕を抑えていたのでまともに喰らい、キバは吹き飛んだ。

 

『おい真姫ッ‼しっかりしろ‼』

 

「ちゃんと意識はあるわ…‼」

 

すぐに起き上がるキバだったが、余裕はなかった。

 

(面倒な約束したものね…)

 

――――俺が暴走したら、しばらく戦ってデータ収集に付き合ってくれ。

 

暴走する直前、ブレイブからの頼みを受けた自分を悔やむ。まさかここまで厄介な事になるとは思わなかったのだ。

 

「仕方ないわね…必殺技で終わらせるわよ。」

 

そうと決めたらザンバットバットの顔にあるフエッスルを外し、キバットにそれを吹かせる。

 

『ウェイクアップ‼』

 

そしてザンバットバットをスライドさせながら刀身に深紅の魔皇力を込め、続けてタツロットの角を引いて背中のルーレットを青い狼の剣の絵を揃える。

 

『Galulu FEVER!!』

 

左腕から外れたタツロットは、ガルルセイバーの柄尻に自ら接続する。

 

『カシャ‼』

 

口から炎を勢いよく吹き出すタツロット。それを地面に向け、炎の勢いのままに飛び上がるとそこから剣を振り上げ、落下と共に剣を振り下ろす。

 

『キメワザ‼BOUSOU!! CRITICAL CRASHER!!』

 

それに合わせてブレイブはスロットのボタンを2度押し、双剣に黒いオーラを纏わせていきキバの攻撃が当たる直前、姿を消す。

 

「なッ!?」

 

『上だッ‼』

 

キバットの言葉に顔を上げると、すぐ上に剣を全力で振り下ろしているブレイブがおり、キバは回避や防御をする間もなく直撃を喰らって地面に落ち、変身が解けた。

 

「イタタ…」

 

『キバ、戦闘続行不能。よって勝者・ブレイブ』

 

アナウンスがブレイブの勝利を宣言するが、暴走した時点でこれは明らかにヴァーリの負けである。更にブレイブは振り返ると倒れている真姫の首を掴んで持ち上げた。

 

「ヴァーリ君ッ‼ダメッ‼」

 

彼の行動に叫ぶ梨子。しかしブレイブはゆっくりと剣を振り上げていく。

 

「アカンッ‼はよ止めな‼」

 

「凛ちゃん‼行くよッ‼」

 

「うんッ‼」

 

「俺も行きます‼」

 

穂乃果と凛と一誠(D)がフィールドに向かおうと動き出すが、既にブレイブの剣は振り下ろされ始めている。このままでは間に合わず真姫の体は真っ二つに切り裂かれるだろう。

 

「「真姫ちゃんッ‼‼」」

 

それでも彼女を助けようと走り出す穂乃果と凛に一誠(D)。

 

「それ以上はダメぇッ‼‼ヴァーリ君ッ‼‼」

 

涙を流しながら叫ぶ梨子の声も、今のブレイブには届かず剣が真姫を断ち切る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシッ‼‼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく…こういうのは本来、役割逆だろうが………ルシファー。」

 

事はなく、ドラゴネス・レベル99になった一誠が剣を掴んで受け止めていた。

 

「…………兵藤君…‼」

 

「え?………もしかして、あのライダーってこの世界の俺!?」

 

「………………………………」

 

ブレイブは真姫を離すと標的をドラゴネスに変え、剣を振るってくる。

 

「温ィんだよッ‼‼」

 

右側の剣を左腕で受け止めながら抱え込む様にして押さえ込み、顔面に拳を1発入れて反対の腕も同じ様に受け止め、身動きの取れないブレイブは全身波動を放とうとするが、その前にドラゴネスは頭突きを叩き込んで発動を阻止する。

 

「お前の考えてる事は分かる………けど、それでテメェの大事な奴ら泣かしてたら意味ねぇだろうがッ‼‼」

 

『ガシャコンガントレット‼』

 

籠手を装着し、腕を離しながらドロップキックを喰らわせてブレイブを吹き飛ばす。

 

それを追い掛ける様にドラゴネスも走り出すが、転移を使い背後に回られ横凪ぎにカリバーがドラゴネスへと迫る…

 

「知ってんだよ‼」『ガ・キーン‼』

 

のだが、ドラゴネスは左手のAボタンを叩きながら一気に振り返り、シールドモードにした左腕のガントレットでそれを受け止めた。

 

「んな本能任せの攻撃なんざ………俺に効くか‼」

 

そし右手でカリバーを叩き落とすが、それで左手が空いたブレイブの拳がドラゴネスを捉える。

 

「グ…‼どうした…‼いつものお前の方がまだ強えぞ‼」

 

それに少し怯むも、右足でガシャコンソードを蹴り飛ばす。そこから二人の殴り合いとなる。ドラゴネスの拳がブレイブの顔を捉えれば、ブレイブは膝蹴りをドラゴネスの鳩尾へとめり込ませる。それで前のめりになったところで頭を抑えて更に顔面に膝蹴りを何度も打ち込んでいく。

 

「嘗めんなッ‼‼」

 

押さえ込みを無理矢理外し、アッパーをブレイブの顎へと決め、体が浮いた所を追撃で2度殴り地面に落ちたと同時に右足で蹴り飛ばす。

 

「凄い…真姫ちゃんを倒した相手に押している…」

 

「いつまで寝惚けてやがんだッ‼‼」

 

ドラゴネスのストレートがブレイブを下げさせ、その隙にバックルのレバーを閉じる。

 

『ガッチョーン、ウラワザ‼』

 

「いい加減に目ぇ覚ませや、ゴラァッ‼‼」

 

『ガッチャーン‼ SAVIOR SURVIVAL!! CRITICAL DESTROY!!』

 

『キメワザ‼ BOUSOU!! CRITICAL CRASHER!!』

 

互いの拳にエネルギーを纏わせ、2人同時に走り出し中央で激突するが、ドラゴネスの方が力が強かったのかブレイブの拳を弾き、胸の中心にめり込んだ。爆発が起き煙が視界を覆うが、変身を解いた一誠が同じく変身が解け気絶したヴァーリに肩を貸しながら出てきた。

 

「ッ!?ヴァーリ君‼」

 

それを見た梨子は2人のもとへ駆けつけ、一誠からヴァーリを受け取った。

 

「ありがとう、兵藤君…‼本当に、ありがとう‼」

 

「………………………気にすんな。」

 

お礼を言う梨子に軽く手を振って歩いていく一誠だったが、途中で立ち止まり…

 

「それと、怒んなら程々にしといてやれ。そいつはお前達に危険なガシャットを危ないまま、テストさせたくなかったんだろうからな。」

 

そう付け足したら今度こそ、彼は去り観客席へと戻ろうとしていたが………

 

「イッセー君。」

 

「ん?………曜か…ほら、戻るぞ。」

 

客席の近くで曜と会い、彼女と共に席に戻ろうとしたが…

 

「ちょっと待って。」(パシッ)

 

「ッ‼‼………なんだよ、人の手を掴んで…」

 

隣を通り過ぎようとした一誠の手をいきなり掴んだ曜。それにいつもよりほんの少しだけ過剰に反応したのを、彼女は見逃さなかった。

 

「やっぱり…」

 

その手を自身の顔の前に盛ってくると、横切るように太めの赤い一筋の傷と、血が少し滴っていた。

 

「さっき剣を受け止めた時に出来たやつでしょ?」

 

「別に………こんなん、唾付けときゃ治る。」

 

「そんな訳無いでしょ‼いいから此方来て‼」

 

そのまま彼女に腕を引かれ、一誠は彼女から治療を施される事となった。

 

「………ねぇ、何時からフィールドに向かってたの?」

 

「ん?………アイツが暴走を始めそうになった時からだ。」

 

「やっぱり、ルシファー君を助けるため?」

 

「ルシファーにはでけぇ借りがあるからな……それを少し返しただけだ。」

 

「そっか…」

 

曜に包帯を巻かれながらそう一誠は答える。一方ヴァーリは気絶したままなので、お説教は起きてからという事となり、現在は梨子の膝枕で寝ていて、千歌はそれを羨ましそうに見ている。

 

「む~…梨子ちゃん、ズルいなぁ…」

 

『仕方ないでしょ、次はワタシ達の番なんだから。』

 

「そうだけど~‼」

 

『な~んだ、やっぱりヴァーリが好きなんじゃない?』

 

「だから解んないってば~‼」

 

「………………何、独り言を言ってるの?」

 

「『あ』」

 

因みに彼女がいるのはフィールドで相手の穂乃果もいる。そんな中で独り言(実際は彼女の中にいる美歌と会話)をしていたら、怪しく思われない訳がない。

 

「ア、アハハ………すみません…」

 

「心配なのは解るけど、真姫ちゃんはお医者さんだから何かあっても大丈夫だよ。」

 

「はい。」

 

「それじゃ、始めようか‼」

 

『それでは両者、変身してください』

 

穂乃果は両手を腰の前に持ってくると、そこに赤い霊石【アマダム】が埋め込まれたベルト【アークル】が装着される。対する千歌もゲーマドライバーを付けて、ガシャットを起動させる。

 

『『マイティシスターズ‼ミラクルエーックス‼』』

 

「「変身‼」」

 

『『ガシャット‼ガッチャーン‼レベルアップ‼マイティシスターズ‼二人の願い‼マイティシスターズ‼二人のミラクール‼エーックス‼』』

 

千歌がエグゼイド・レベルテンになると同時に穂乃果も人体を模したような赤い鎧に額には金色の角、赤い瞳の戦士【仮面ライダークウガ】となった。

 

「それって………エグゼイド?」

 

「はい、そうですけど?」

 

「ゴメン、私が知ってるのとずいぶん違う姿だったから…」

 

「ああ…まあ、これは私が書き換えた事で生まれたやつですから。」

 

「ええッ!?千歌ちゃんってそんなに頭良いのッ!?」

 

「少なくともバカじゃないですぅッ‼‼」

 

『なら、今度のテストは一人で頑張りなさい。』

 

「ごめんなさい、やっぱりバカです。」

 

「覆すの早ッ!?」

 

そんなコントをしつつも、互いの間合いを図りながらゆっくりと動く2人…そして、時は来た。

 

『試合開始です』

 

「皆の笑顔は、私が守る‼」

 

「ノーコンティニューで‼」『クリアしてあげる。』

 

合図と同時に走り出し、空中で飛び蹴り同士がぶつかり合った。




いかがでしたか?

ある意味やりたかった対決が、やっと出来る‼次は更に気合い入れて書くぞおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ‼‼
(更新が早くなるとは言ってない)

次回【Firstコラボ seven】

「ハイパー大…‼」

「超…‼」

「「変身ッ‼」」


では次回で、お会いしましょう。

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