ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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歩「……ッ!?」(ゾクッ)

侑「どうしたの、歩夢ちゃん?」

歩「今、スゴく嫌な予感がした…」

侑「嫌な予感…?」

歩「うん、例えるなら……作者が私を精神的に追い詰めて絶望させて、アークワンにしようとしている予感」

侑「ずいぶん具体的だね…」

歩「でも、ゼロワン原作でアークワンになった理由って、一緒にいた秘書型ヒューマギアを破壊された悲しみと憎しみがあったからで、この世界にヒューマギアはいないから…」

侑「もしかして身近な人が犠牲になるかもって?」

歩「うん…」

侑「気にしすぎだって!! 作者もそこまで鬼畜じゃないだろうし、そもそも身近な人が犠牲になるって決まったわけじゃ(ポンポンッ)…はい?」

作「……………………………………」(ニッコリ)


ELEMENTを司りしドラゴン

「この戦いの結末は……私が決めます!!」

 

エレメンタルプリミティブドラゴンになったセイバーは、烈火を構えゼロワンへと駆け出す。対するゼロワンは鎧の一部を剥がしてクラスターセルに変え、セイバーへと襲い掛からせる。距離はある程度縮んでいたので、回避はかなり難しいのだが…

 

「ハアッ!!」

 

しかし、セイバーは全身を炎に変えて散り散りになるという離れ業でそれを避け、ゼロワンの背後で元に戻ると背中を斬りつけ火花が散った。

 

「……………………ッ!?」

 

そんな予測外の能力に、ゼロワンの挙動に遅れが生じる。そこを逃すセイバーではない。

 

『イーグル!!…フムフム』

 

「八葉一刀流、一ノ型…」

 

烈火の先端にある【シンガンリーダー】にストームイーグルワンダーライドブックを素早く読み込ませ、その場で回りながら勢いを乗せ、炎の竜巻を起こしながらゼロワンを斬り裂く。

 

「螺旋撃ッ!!」

 

『習得一閃!!』

 

「……ッ!!」

 

その速さと威力に盾を張る暇もなく、吹き飛ばされるゼロワン。そこに追撃のために、セイバーは刀身に炎を纏わせる。

 

「六ノ型・緋空斬!!」

 

そして灼熱の斬撃波を放たれ、ゼロワンに直撃……する前に張られた盾に防がれる。だが、それがゼロワン自身の視界を一瞬塞いでしまう。盾を消すとそこには目の前に()()()を纏ったセイバーが剣を振り上げていた。

 

「……ッ!?」

 

「ニノ太刀…」

 

その技は彼女が師範と呼ぶ人物の兄弟子が使う技…ニノ型を極め、風の剣聖と呼ばれる者の奥義の一つ…相手が斬られたと理解するより早く斬り捨てる神速の一太刀。

 

「風神烈波ッ!!」

 

「…!!」

 

この一撃で膝を着くゼロワンだが、これ以上はやらせないと金属の槍を無数にセイバーへと伸ばしていく。

 

「ふッ!!」

 

しかし、足に水を纏ったセイバーは滑らかな動きで地面を滑り、それらを悉く回避する。

 

『ドラゴン!!…ナルホドナルホド』

 

「三ノ型・改…」

 

その間にブレイブドラゴンワンダーライドブックを烈火に三回読み込ませ、刀身の炎が竜を形作る。そしてそれを頭上に掲げて全力で振り下ろす。

 

「龍炎撃!!」

 

『習得三閃!!』

 

「…!!」

 

その威力を予測したのかゼロワンはアタッシュカリバーで防ぐも、それ以上の力に弾き飛ばされてしまう。そこから反撃するために、再び金属槍を伸ばそうとするゼロワンだったが、セイバーは目の前におらず、見つける為に視線をさ迷わせていると足下の地面が隆起し、そこからセイバーが飛び出してきてゼロワンを不意打ち気味に斬りつけた。

 

「……ッ!?」

 

再び倒れ、立ち上がろうとするゼロワンだったがすぐに膝を着いてしまう。どうやら、変身者である歩夢の体がダメージで限界を迎えているのだろう。だが、メタルクラスタホッパーの暴走は止まる気が無いのか、まだ動こうとしていた。

 

「これで決めます!!」

 

それを見て、ここで決着をつけると決めたセイバーは烈火をドライバーに納刀し、プリミティブドラゴンワンダーライドブックのページを叩く。

 

『必殺読破マシマシ!!』

 

「森羅万象…我が太刀は全」

 

意識を限界まで研ぎ澄まし、それが最高潮になった瞬間、烈火を抜刀する。

 

『烈火抜刀!!』

 

「行きます!!」

 

!!

 

セイバーは縮地で駆け出すと同時に分身を4体出し、自身も含めそれぞれ炎・水・雷・風・大地の属性を持たせると、ゼロワンの四方八方から何度も斬りかかる。その攻撃が終わると1人に戻り剣を振り払う。

 

「斬ッ!!」

 

そして烈火をゆっくりとドライバーに納刀していく。この技は彼女の師範が軍学校の教官をしている時に編み出した技をエレメンタルプリミティブドラゴンになった事でようやく自分流に再現できた技…

 

「【七ノ太刀・虹葉】!!」

 

 

 

最後に剣を納刀しきると、斬撃の竜巻がゼロワンを襲う。斬り刻まれながら空に打ち上げられたゼロワンはそのまま地面に落ち、変身が解除された。

 

「上原先輩ッ!!」

 

変身を解除して彼女に駆け寄る栞子。抱き抱え呼吸が安定している事に安堵しつつ、彼女のドライバーからメタルクラスタホッパープログライズキーを引き抜いた。

 

「これのせいで…!!」

 

それをそのまま斬り刻もうと思うも、栞子は何とか踏み止まる。今コレを壊してしまえば、ゼロワンの暴走を抑える為の手掛かりを失ってしまうと思ったからだ。

 

「とりあえず保健室に…」

 

「おーい、しお子~!!」

 

歩夢に肩を貸す形で担ぎながら運ぼうとしてると、怪我が少ないかすみがやって来て、反対側から同じ様に担ぐのを手伝う。

 

「もうッ!! 暴走した時は心配したんだからね!?」

 

「すみません…ですが、もう大丈夫ですから」

 

「もう…!!」

 

そう【私は怒ってますよ】的な感じで頬を膨らませているかすみだが、仲間が無事だった事に一番安堵しているのが丸わかりだった。なので、栞子も何も言わず微笑むだけにした。

 

「お~い!! 2人とも~!!」

 

「大丈夫ですか~!!」

 

そこにせつ菜としずく、彼方が駆け寄ってくる。3人とも怪我はすっかり治っている。

 

「皆さん…怪我は?」

 

「アーシア先輩に治してもらいました」

 

「アーシアさんは回復の力を持っていますので」

 

「そうだったんですか…(グラッ)」

 

「おっと~」

 

3人の無事を知って安堵したのと、戦いの疲れとダメージで力が抜けたのか、倒れそうになる栞子を彼方が抱き止め、次に倒れそうになるかすみと歩夢をせつ菜としずくが支える。

 

「す……すみま…せん…」

 

「よく頑張りました~。彼方さんは~、先輩として鼻が高いですぞ~」

 

「かすみさんは栞子さんの方を、歩夢先輩は私達が…」

 

「ありがとう、しず子」

 

そのまま4人は2人を保健室まで運び、合流した果南達も手伝って栞子と歩夢をベッドに寝かせ、アーシアが神器で治癒を始める。

 

「いや~、何回見てもスゴいね~」

 

「かすみんもびっくりしちゃったよ…」

 

「まあ、初めて見たらそう思うよ」

 

その光景に驚いている彼方とかすみに、果南がちょっと自慢気に話していたら周囲の空間がドット状に光り、彼女達の目の前にいなくなった筈の一誠とダイヤ、ヴァーリとその眷属質が現れた。

 

「うっしゃあ!! 85,000人抜き達成!!」

 

「兵藤さんは本当、人間辞めてますわね…」

 

「バグスターで怪獣使いになってるダイヤさんも、そろそろ人の事言えなくなってません?」

 

「そもそも、今は人間ですらありませんもの」

 

どうやら10万人の敵を倒しきった事で、解放条件をクリアしたようだ。その内8割以上が、一誠の単独撃破なのが彼らしいと言えばらしいが…

 

「ここは……保健室か」

 

「イッセー君!! 皆ッ!!」

 

「曜!!…そっちも無事だったみたいだな」

 

「うん、歩夢ちゃん達のお陰で……でも…」

 

そこから曜がヴァーリ達にこちらで起きた事を話し出す。悪魔が引き連れたバグスターの襲撃、歩夢達だけでなく栞子と彼方とかすみも仮面ライダーになった事、歩夢達の敵である果林とエマと璃奈が助けにきた事、その3人に花丸と愛を洗脳され連れ去られた事、歩夢の暴走に果林の言葉などを…

 

「それと、私と上原先輩が戦ったバグスターの1体が、【人を探している】とも言っていました」

 

更に栞子からの追加情報に、ヴァーリは黒幕の予想がついた。

 

「なるほど…今回の襲撃の黒幕は、間違いなくディオドラ・アスタロトだな」

 

「だとしたら、探し人はアーシアさん…?」

 

「だろうな…しかも、バグスターを引き連れてきたという事は……クロノスも一枚噛んでいる筈だ」

 

「厄介な奴に、厄介なものが引っ付くなんて……」

 

「取り敢えず梨子は、爺さんに襲撃の事を伝えてくれ」

 

「うん、わかった」

 

「頼むぞ。まったく…面倒を起こしてくれる……」

 

そんな状況にヴァーリが辟易していると、一誠が保健室を出ていこうとするのが目に入った。

 

「おい一誠、どこに行く気だ?」

 

「決まってんだろ……国木田達を拐った奴等を、ブチのめしに行く」

 

「待ってください!!」

 

ヴァーリの問いに答える一誠……その瞳は激しい怒りの炎で燃え盛っていた。だが、そこにせつ菜が待ったをかけた。

 

「ああ…?」

 

「彼女達との決着は、私達が着けます!! ですから…」

 

「テメェらの事なんざ知った事じゃねぇ。俺は、売られた喧嘩を買いに行くんだ…!!」

 

「うっ…!!」

 

「落ち着け」

 

せつ菜の説得に耳を貸さず、今にも殴り掛からんと鬼気迫る一誠の威圧に怯んでしまうせつ菜。そんな一誠の肩をヴァーリは掴んで引き止めた。

 

「おいルシファー……邪魔すんならお前でも…!!」

 

「闇雲に探し回ったところで見つかるわけでもないし、いる場所が冥界だったら、お前1人じゃ行くことすら出来ないぞ?」

 

「だったら見捨てろってのかッ!?」

 

「そうは言ってない。それに主犯ならもうすぐ…(ピカァ!!)ほらな?」

 

ヴァーリが一誠を落ち着かせていると、保健室の扉の前に魔法陣が浮かび上がり、そこからディオドラが現れた。

 

「アーシアさん、リゼヴィムさんとの商談中に襲撃があったと聞いたけど大丈夫かい?」

 

「ディオドラさん…」

 

「君に何かあったらと思うと、胸が張り裂けそうになって……無事な姿を見られてホッとしたよ」

 

「そうですか」

 

イケメンスマイルを浮かべながら寄ってくるディオドラに、アーシアは素っ気ない態度で薄い返事を返す。まるで【貴方に興味はありません】と意思表示するかのごとく…

 

「こんな所にいたら、また危険が及ぶかもしれないし……僕の屋敷に来ないかい? そこなら安ぜ(パシィッ)「お断りします」……理由を聞いても?」

 

だが、そんなアーシアの態度を気にもせず、自分の所に連れていこうと伸ばしたディオドラの手を、アーシアは払いのけた。

 

「此処が私の大切な場所で…皆さんが私の大切な人達だからです。そんな人達を置いて自分だけ助かるなんて……私はしません」

 

「そうか……でも、此処にいる奴等で君を守れるのかい? 襲撃で簡単に分断され、仲間を2人も連れ去られる上、力に飲まれて暴走するような無能な奴等に…」

 

それがディオドラの気に食わなかったのか、今度は周りにいるヴァーリ達を貶し始める。

 

「でもボクは違う!! 君のためなら何でもできる!! 此処にいるゴミ共なんかとちが(スパァン!!)グ…!!」

 

そして更に言葉を続けようとしたディオドラだったが、その頬をアーシアが思いきりビンタした。

 

「いい加減にしてください…!! それ以上……私の大切な人達をバカにするのは許しません!!」

 

「……わかったよ。ただし、彼らが君を守れるかどうか分からないから…………僕とレーティングゲームをしないかい? 僕が勝ったらアーシアは僕が貰うよ?」

 

「アンタね…!!」

 

アーシアを物扱いするような言動に果南がキレそうになった時…

 

「良いだろう。その勝負、受けてやる」

 

ヴァーリがその場にいる全員に聞こえるように、そう宣言した。

 

「へぇ……てっきり受けないかと思ったよ」

 

「こちらもお前の迷惑行為に辟易していたからな……そこで全部終わらせてやる」

 

「ハハッ!! ならゲームは1週間後だ。楽しみにしてるよ?」

 

ヴァーリの言葉に、まるで計画通りという風にニヤニヤと笑いながら日時を告げ、ディオドラは転移していった。

 

「さて、これから忙しくな「うぅ…!!」歩夢?」

 

そしてこれからの事を考え始めたところで、歩夢が魘され始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

(体が……体が思うように動かせない…!!)

 

メタルクラスタホッパーに強制変身させられた私は、ゼアと似た……でも、真逆のような空間に取り押さえられ、そして勝手に動く自分の体が、せつ菜ちゃん達を傷つけるのをずっと見せられていた。

 

(止めて…お願いだから、皆を攻撃しないで!!)

 

そう願うも体は止まらず、手や足に攻撃した手応えが伝わり、まるで私が自分の意思で攻撃している様な錯覚にまで陥りかけ、私の心を抉っていく。

 

(違う…!! 私はこんな事したくないのにッ!!!!)

 

どれだけ叫んでも、どれだけ願っても攻撃は終わらず…私の体は栞子ちゃんにせつ菜ちゃん、彼方先輩を倒してしまう…

 

(ごめんなさい…!! 皆…ごめんなさい…!!)

 

もはや謝る事しか出来ない私だったが、そこで立ち上がろうとする栞子ちゃんが視界に映った。私の体は落ちてたアタッシュカリバーを手にすると、それを彼女へ向けて全力で投げた。

 

(ダメッ!? 逃げてぇッ!!)

 

そんな事してもなんの意味もない……それはわかっていたけど、どこかに届くかもしれないと、私は今ある全力で叫んだ。でも、それが何かに届いたのか栞子ちゃんの前に衝撃波が発生してアタッシュカリバーを吹き飛ばしてくれた。

 

(良かった…!! 本当に良かった………痛ッ!?)

 

それに安堵した瞬間、私の体に激痛が走る。何が起こったのか前を見ると、見たことない姿となったセイバーが私に組み付き、荒々しく剣を突き立てていた。

 

(痛いッ!? ちょっと栞子ちゃん!! 止めて!!)

 

そう叫ぶけど栞子ちゃんは攻撃を止めてはくれず、それどころか攻撃は激しくなっていく。まるで私を殺しにきてるかのように…

 

(いやッ!? やめてぇ!! 来ないでぇッ!!)

 

まるで獣の様な動きで襲い掛かるセイバーに、体の自由が効かない私は怯えた。でも、途中で彼女が離れると何故か変身を解除していた。これで助かったと思った私だけど、栞子ちゃんは私を()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

(え…?)

 

そして、私に向けてこう口にする。

 

「お前は…………私が()()ッ!!」

 

(ひッ!?)

 

そこから先は、新しい姿となったセイバーの独壇場だった。私の体はなす術もなく斬られていくだけ……

 

『これが、あの人間の本性だ』

 

そんな中、私の耳に別の声が聞こえ、赤い発光体が目の前に現れた。

 

(え?……貴方は?)

 

『私は【アーク】…人類の悪意をラーニングした人工知能だ』

 

(人工知能…ゼアと同じ!?)

 

『そして目の前の人間は、お前が危険と判断して殺しにきている。仲間などと言いつつも……やはり人間とは愚かな存在だ……彼らの存在が世界を破滅へと導いていく。故に、人類は滅亡させなくてはならない』

 

(人類を……滅亡…!?)

 

『そうだ。そして貴様のスペックには目を見張るものがある』

 

そう言うと、発光体は私の体に光を当てた……まるでスキャンしているみたい。

 

『この体は………そういうことか。さて、目の前の人間をそろそろ滅亡させるとしよう』

 

(ッ!? そんな事…!!)

 

そう告げるアークに反抗しようとするけど、やっぱり私の体は動かせなかった。

 

『だが、そうしなければ……お前が死ぬ事になるぞ?』

 

(ッ!!)

 

そしてその事実に、私の思考まで停止してしまう。

 

そうだ……私は今、栞子ちゃんに殺されかかって…だったら、どうすれば助かる?

 

 

 

 

 

…………ソウダ、栞子チャンヲコロシチャエバ…………

 

 

 

 

 

ッ!? 私、今何を考えて…

 

『私の予測では、お前が私を受け入れれば勝利は確実となる。どうする?』

 

(わ、私は……キャッ!?)

 

アークの提案をどうしようと悩み始めた瞬間、強烈な衝撃と痛みが体を襲って視界が真っ暗になる。

 

(ああ……私、倒されちゃったんだ…)

 

『予測……速…たが…映……と音…改……した…果…意識………悪……芽生え…』

 

完全に意識が切れる直前、アークが何か言っていたけど、途切れ途切れで意味は解らず、気づけば見知らぬ天井が視界に映った。

 

「ここ…は…?」

 

「目が覚めたか?」

 

「ヴァーリさん…?」

 

声がした方を向くと、そこには皆がいた。私を見て安堵した顔をしてたけど…

 

(なんか……皆の顔が、うまく見れない…)

 

たとえ一瞬でも、仲間を殺そうなんて考えた自分が後ろめたくて…

 

「えっと、心配かけて……ごめんね?」

 

貼り付けた様な笑顔で答えるのが、精一杯だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果林side

 

「ほう……それが君の選んだ新しい仲間という事か…」

 

「ええ、これで私のチーム【滅亡迅雷.net】は完成したわ」

 

私は滅亡迅雷.netのメンバーを連れ、クロノスのもとを訪れていた。今回は彼に2人の紹介と【ある仕込み】の為。ただ、仮面でわからないけどクロノスはこちらを見て怪しく思っている筈。だって…

 

「だが、何故その2人は変身を解かないのかね?」

 

亡と雷だけは変身したままなんだもの。

 

「あら? 別に貴方に全貌を明かす必要はないでしょ? それに…今回の件、こちらは契約違反と捉えてるけど…?」

 

「それに関してはすまないと思っているさ。さすがに、今回の件は私も予想外だったのでね…」

 

「ふぅん……」

 

そう言うクロノスだけど、内心でこちらを嘲笑っているのは簡単に解る。

 

…やっぱり、歩夢達との決着後が引き時ね。

 

「まあいいわ。それじゃ」

 

これ以上、クロノスから()()()()()()()()()と判断した私は、皆を引き連れて貸し与えられている部屋へと戻り、亡と雷もそこで変身を解除する。

 

ちなみに私以外全員服を着替えていて、璃奈はグレーのYシャツに左半分に縦のストライプが入った黒のスーツ、首にデフォルメされた猫がプリントされたネクタイをしていて、エマは紫色の着物に黄色く縁取りされた黒の帯を巻き、その上から薄手の黒のカーディガンを羽織って紫のスカーフを巻いて肩から長い刀をぶらさげており、亡は白のスラックスに白のシャツを着て、その上に黒のフード付きのロングコートを羽織り、雷は黒のジーンズにオレンジの手裏剣が描かれた黒のシャツを着て、上に右袖からオレンジの紐が何本か垂れている黒のジャケットを着ている。

 

これはこの子達の勝負服……ほら、あの◯マ娘のGⅠの時に着るやつ!! それと同じものね。

 

ちなみに私もあるけど、エマと璃奈から猛反発を貰っちゃったから封印中……上下白にベージュのロングコート、それから白の手袋……お気に入りだったのに…

 

「あの服装はない」

 

「あれはないと思うよ…?」

 

「ないですね」

 

「ないな」

 

そんな私の心中を察したのか、全員からダメ出しを受けた。

 

「貴方達、さすがに言い過ぎじゃない!? まあそれは置いといて……亡、わかった事を教えて」

 

さすがの私も少し傷ついたけど、今はそれ以上に重要な事があるので、亡へと話を振った。

 

「はい、()()()()()()()()()()()()()神器から得たクロノスの情報によりますと…」

 

それは亡……いえ、本来の人格である国木田花丸を使って得た、クロノスの情報だ。

 

私達が先の襲撃に参戦したのは、彼女を仲間に加えてクロノスの情報を探り出すのが本命で、歩夢達の援護とメタルクラスタホッパーは第二目標だった。更に言えば、雷にするのは誰でも良かった。もし国木田花丸のみを連れ出してしまった場合、クロノスに警戒されてしまう……それを防ぐ為だった。

 

「以上が、今回得たクロノスの情報と目的になります」

 

「なるほど、ありがとう」

 

そして亡の説明を聞き終えた私は、驚きつつも色々と得心がいった。何故クロノスが幻夢コーポレーションから変身アイテムを簡単に盗み出せたのか……そしてその目的も…

 

(まさか、()()の犯行だったなんて…だけど、その役職なら犯行は可能だわ……だけど、目的が物騒過ぎる)

 

でも、これで最高の手土産が出来た。後は、歩夢と真の決着をつけるだけ…

 

(頑張りなさい歩夢……それを使いこなせた時、貴方の願いは叶うから)

 

そう思いながら、苦しい思いをさせてる歩夢に罪悪感を抱きつつも、私は対決するのを楽しみに思っていた。




いかがでしたか?


スミマセン、ウマ娘にハマってしまって遅くなってしまいました……サイレンススズカとスペシャルウィーク、スマートファルコンが当たらない……何故、☆3で当たるのがトウカイテイオーとオグリキャップばかりなんだ…

因みに作者の推しは、メジロパーマーとダイタクヘリオスの爆逃げおバカコンビです。




では次回予告です。

次回【Runawayを乗り越えろ!!】

「皆、殺す気で来てね。さもないと……私が殺しちゃうから」

それでは次回で、お会いしましょう。



か「ここで久々!! 令和こそこそ噂話のコ~ナ~!! かすみんが生身の時に使う剣は、持ち手にあるトリガーを引くと……なんとッ!! 刀身が光るのです!!」

栞「それは刀身に熱を持たせて、相手を焼き斬るためですか?」

か「ううん、ただ光るだけ」

栞「それ…必要なんですか?」

か「当然じゃん!! かすみんの使う剣術は【ソードスキル】…それを完璧に再現するには、絶対に必要な機能なの!!」

栞「ですが、その仕組みのせいで折れやすいんじゃ…」

か「シャラ~ップ!! 大体、しお子はどうやって剣に炎を纏わせてるのッ!? 彼方先輩は呼吸の特性だからまだしも、しお子の剣は特にギミックもないのに…」

栞「ああ、あれですか? あれは単なる【気合い】です」

「嘘だッ!!」(渾身の叫び)

スラッシュライザーを使った、滅の強化形態を出すかどうか?

  • 出してほしい
  • 出さなくていい

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