ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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花「喧嘩好きな高校生、兵藤一誠……彼には喧嘩の王にして、人類最強の戦士【ドラゴネス】となる未来が待っていた。上原歩夢達が転入してきた昼休み、突如クロノス陣営による学園襲撃を受け、主要な戦力達はゲームエリアへと閉じ込められてしまう。残った歩夢・せつ菜・しずくの3人は学園を守る為に、聖剣で変身するライダー達や敵である朝香果林達と共闘を始める…」

ル「どうしたの花丸ちゃん? なんか何時もと雰囲気が…」

花(?)「気のせいd…ズラよ?」

ル「んん~…?」

花(?)「それでは、本編をご覧下さい」

ル(やっぱり、何時もの花丸ちゃんと違うような~…?)


囚われのGIRL

「「「ヤアァァァァァァァァァァッ!!」」」

 

「ぬわぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

共同戦線を張る事にした歩夢達と果林達。

 

先に突出したスピード型のバルキリー・エスパーダ・迅は、ソルティへと狙いを定めて飛び蹴り、剣での刺突、翼で斬撃と次々決めて吹き飛ばす。

 

「2人とも、ちょっと時間稼いで!!」

 

「何するんですか!?」

 

「かすみんの本気を見せてあげる!!」

 

「わかった」「わかりました!!」

 

エスパーダの頼みに応える為、バルキリーはショットライザーを、迅はアタッシュショットガンを持って撃ちまくりソルティの動きを止め、その間にエスパーダは雷鳴剣黄雷をドライバーに納刀し、新たな黄色のライドブックを手にして開く。

 

『トライケルベロス!!』『かつて冥界の入り口に、3つの頭を持つ恐ろしい番犬がいた…』

 

『ニードルヘッジホッグ!!』『この弱肉強食の大自然で、幾千もの針を纏い生き抜く獣がいる…』

 

その音声が終わると、ドライバーにあるランプ・ド・アランジーナを閉じ、トライケルベロスを右の、ニードルヘッジホッグを中央のスロットに装填して黄雷を抜刀し、全てのライドブックを開く。

 

『黄雷抜刀!!』

 

すると、背後に現れた巨大な三冊のライドブックも開き、その中に描かれたエスパーダの絵が1つになる。

 

『ランプの魔人が、真の力を発揮する!!』『ゴールデン・アランジィ~ナァッ!!』『黄雷三冊!! 稲妻の剣が光り輝き、雷鳴が轟く!!』

 

そしてエスパーダの姿もそれに合わせ、胸にはハリネズミの顔を模した鎧に爪先には鋭い棘が生え、右腕にはケルベロスの頭を模した籠手が装着された金色の姿【仮面ライダーエスパーダ・ゴールデンアランジーナ】へと変わる。

 

「お~、金ぴか」

 

「スッゴい派手だね…」

 

「かすみん、いっきま~す!!」

 

その姿に驚くバルキリーと迅。そしてエスパーダは一番得意な技【ヴォーパル・ストライク】の構えを取り、一気に加速。落雷のごとき速度で黄雷をソルティに突き立て、同時にトライケルベロスの効果で更に2回…計3回分の攻撃が加えられる。

 

「ぐはぁッ!? く…!! しょっぱい真似を!!」

 

「相手はかすみさんだけではありませんよ!!」

 

その攻撃で意識がエスパーダに向いたソルティだが、彼が戦っているのは1人ではない。マークが外れた事で、バルキリーが一気に近づき、空中回し蹴りを喰らわせる。

 

「ぬおッ!? その程度で…!!」

 

「読めてます!!」

 

その蹴りに耐えたソルティは左腕を凪ぎ払うように振るうが、それを脳波で察知していたバルキリーは左腕で受け止め、更にその腕の下から右腕をくぐらせ、下からソルティの顎へと至近距離でショットライザーを放つ。

 

「あいたぁッ!?(ズンッ)……ん?」

 

「お邪魔します」(ジャキッ)

 

それで顔が上を向いたところで、ソルティの両肩を足場にして迅が降り立ち、顔面にアタッシュショットガンを突きつける。

 

「お、おい待てッ!? 話せば…話せばわか「ばぁん」べぶらァッ!? 「ばぁん」ぶぼらぁッ!? 「ばぁん」ひでぶぅッ!?」

 

さすがに恐怖したのか命乞いするソルティだったが、迅は容赦なくアタッシュショットガンの引き金を何度も引いていく。

 

「うわぁ……かすみん、ちょっぴり敵に同情しちゃう…」

 

「天王寺さん、人間じゃない敵には容赦しないから…」

 

その容赦ない非情な攻撃に、バルキリーとエスパーダは少し引いていた。

 

その頃、別の場所ではバルカンとブレイズ、滅がガットンと戦っていた。

 

「デリァアッ!!」

 

「ピガッ!?」

 

バルカンは身体強化した踵落としでガットンの頭を下げ…

 

「えい♪」

 

「ピブッ!?」

 

続けて、滅の蹴りで頭を上に向けられ…

 

「全集中、水の呼吸・漆の型…雫波紋突き~」

 

最後に隙だらけになった首目掛けて、彼方の突きが放たれる…

 

―ガキィン!!―

 

「おっとっと…」

 

が、その装甲の固さに弾かれてしまった。

 

「大丈夫ですかッ!?」

 

「問題ないよ~」

 

心配そうなバルカンに、軽く手を振って応えるブレイズだが、自身の攻撃が効かない事に頭を悩ませる。

 

(でも、攻撃が通らないのは厄介かな~? それなら、あれをするしかないか~)

 

そうと決断したブレイズは、ライオン戦記を閉じて流水を納刀し青いライドブックを2つ取り出した。

 

「ここからは、彼方さんも本気でいくよ~…!!」

 

『天空のペガサス!!』『かつて蒼白の翼を持つ神獣が、天より輝き舞い降りた…』

 

『ピーターファンタジスタ!!』『とある大人にならない少年が繰り広げる、夢と希望のストーリー…』

 

音声を流し終えると、天空のペガサスを右の、ピーターファンタジスタを左のスロットに装填して流水を引き抜き、背後の巨大な三冊のライドブックの絵が1つに重なる。

 

『流水抜刀!!』『蒼き野獣の鬣が、空に靡く~!!』『ファンタスティ~ク~・ラ~イオ~ン!!』『流水三冊!! 紺碧の剣が牙を剥き、銀河を征す!!』

 

そして左腕にはワイヤーフックを装備し、右肩にはペガサスの頭部を模した肩当てを着けた青い姿【仮面ライダーブレイズ・ファンタスティックライオン】になり、左腕のワイヤーフックを伸ばして、ガットンの左腕に絡ませる。

 

「ピガ?」

 

「それなら私も!!」

 

続けて滅も蠍の尾を伸ばして右腕に絡ませて、ガットンの動きを封じる。

 

「ピピガ?」

 

「「せ~の……せッ!!」」

 

「ピガ~ッ!?」

 

そこからガットンを前後に振り回し、ある程度加速がついたらバルカンへと向けて放り投げた。

 

「ナイスです、2人とも!! せつ菜スカーレット…ボンバーッ!!」

 

「ピゲッ!?」

 

そしてトドメに、バルカンがドロップキックを放ってガットンを吹き飛ばした。

 

 

残ったゼロワン・セイバー・サウザーの3人は、カイデンと剣擊を繰り広げていた。

 

「フンッ!!」

 

「「はッ!!」」

 

「ぬおッ!?」

 

「そこね!!」

 

「ぐわぁッ!?」

 

カイデンの横凪ぎをセイバーはスライディングで、ゼロワンは跳躍して回避しつつすれ違い様にカイデンを斬りつけ、最後にサウザーが金色の短槍【サウザンドジャッカー】を突き立てる。

 

「私達3人でこの程度とか……弱過ぎよ…」

 

「く…!! ならば…1対1ではどうだ? アランブラ!! バーニア!!」

 

「「おう!!」」

 

不利を悟ったのか、カイデンは悪魔の護衛についていたアランブラとバーニアを呼び寄せた。

 

「ふ~ん…援軍程度でどうにかなるとでも?」

 

「少なくとも、貴様達を倒すことが容易くなるぞ?」

 

「アッハハハハハハッ!! 面白い冗談ね。お笑い芸人にでもなったらどう? 1発屋にはなれるかもね?」

 

「小娘風情が…!!嘗めおって!!」

 

サウザーの煽りに苛立ちを募らせるカイデン。その時、サウザーの前にセイバーが立つ。

 

「すみませんが…あの剣士の相手は私がします」

 

「あら…その理由は?」

 

「同じ剣士として……剣を悪用する者を許せないので…」

 

「ふぅん……ま、私は構わないわよ。じゃあ、私はアランブラを貰うわ……ね!!」

 

「なら、私はバーニアだね!!」

 

その意を汲み取ったサウザーはアランブラに、戻ってきたゼロワンはバーニアへと向かい、残ったセイバーとカイデンが睨み合う。

 

「この位30段の儂に、お前ごときが敵うとでも?」

 

「はい。剣を使って悪事を働く貴方は…私が倒します!!」

 

そう告げて、烈火を納刀したセイバーはブレイブドラゴンを閉じ、新たな赤いライドブックを2冊取り出して同時に開く。

 

『ストームイーグル!!』『この大鷲が現れし時、猛烈な竜巻が起こると言い伝えられている…』

 

『西遊ジャーニー!!』『とあるお猿さんの冒険記、摩訶不思議なその旅の行方は…』

 

そしてストームイーグルをドライバーの中央、西遊ジャーニーを右のスロットに装填し、勢いよく烈火を引き抜く。

 

「はあッ!!」

 

『烈火抜刀!!』

 

そして背後の3冊の巨大なライドブックの絵が1つに重なり、セイバーの中央には鷲の頭部を模した鎧に翼のような2つのマント、左肩には法師の持つ錫杖を模した肩当てを装備した真紅の姿となる。

 

『語り継がれし、神獣のその名は~!! クリムゾ~ン・ドラゴォ~ン!!』『烈火三冊!! 真紅の剣が悪を貫き、全てを燃やす!!』

 

新たな姿【仮面ライダーセイバー・クリムゾンドラゴン】になった彼女は烈火を必冊ホルダーに納める。

 

『烈火居合!!』

 

「この勝負の結末は……私が決めます」

 

「減らず口をッ!!」

 

セイバーの態度が癪に触ったカイデンは、二刀を持って斬りかかる。その速度は常人なら、目視すら出来ない速さだ。対するセイバーは烈火を握るが、抜刀の構えから動きを見せない。

 

(儂に剣で勝とうなど愚かなり!! このまま真っ二つにしてくれる!!)

 

そのまま間合いに入ったカイデンは、右腕を振り上げ刀を全力で振るう。

 

(このタイミングでは、いくら居合でも間に合うまいッ!!)

 

「さらばだ、小娘ッ!!」

 

そして、刀はセイバーへと迫り…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スッ……ブォン!!

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

(なにぃッ!? 避けただとぉ!?)

 

その行動にカイデンは戸惑う。普通の抜刀術なら相手の攻撃より先に攻めるカウンターであり、先ほどの状況ならよくてつばぜり合いだと思っていたのに、その予想を越えるセイバーの回避に一瞬、動きが止まる。そしてそれがセイバーの狙いでもあった。

 

「八葉一刀流…」

 

(まさか……奴の狙いは技後硬直!?)

 

「五ノ型…」

 

「チィッ!!」

 

そこで全てを察したカイデンは、体を全力で右へと捻り自身とセイバーの間に左手の刀を無理矢理に置く。そして次の瞬間…

 

「残月ッ!!」

 

『読後一閃!!』

 

―パキィィィィィィィンッ!!!!―

 

「ぬおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!?」

 

刀が砕ける音と、吹き飛ぶカイデンの叫びが周囲に響く。だが、刀での防御に成功したのか仕止める事はできなかった。

 

「……威力を削られましたか…私もまだまだですね。ですが……次で確実に決めます!!」

 

セイバーは未熟な自分に呆れつつ、姿勢を素早く戻し烈火をドライバーに納刀してトリガーを1回引いて素早く抜刀する。

 

『必殺読破!!』『烈火抜刀!!』『ドラゴン・イーグル・西遊ジャー!! 三冊斬り!! ファ・ファ・ファ・ファイヤー!!』

 

「二ノ型・改二…」

 

「小癪な…(パキィン!!)ガハァッ!?」

 

縮地からの素早い斬撃で、カイデンのもう1つの刀を砕きながらダメージを与えつつ後ろに回り込み、高速移動を応用した分身で2人となるとカイデンを挟み込むようにして並び、烈火を必冊ホルダーに入れて素早く抜き、炎の斬撃波を飛ばす。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!」

 

『烈火居合!!』

 

裏疾風(うらはやて)(ふたえ)ッ!!」

 

『読後一閃!!』

 

「どわぁッ!?」

 

左右からの同時攻撃に刀を失ったカイデンに防ぐ手段はなく、攻撃が直撃して胴体を両断された。

 

「ば……バカな…!?この、わし……が…」

 

「これが……八葉が一刀です」

 

「ヌグワァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

 

爆散するカイデンを見つつ、セイバーはそう言って烈火をドライバーに納刀した。

 

それと同時に他でも、決着が着き始めていた。

 

『必殺読破!!』

 

「かすみん式・マザーズ・ロザリオ!!」

 

『黄雷抜刀!! ケルベロス・ヘッジホッグ・アランジーナ!! 三冊斬り!! サ・サ・サ・サンダー!!』

 

「私も行きます!!」

 

『DASH!! RUSHING BLAST!!』

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!?」

 

エスパーダとバルキリーが、ソルティの周囲を縦横無尽に動き回りながらの刺突と銃撃によってその場に縫い付け、空にいた迅がそれを見てドライバーのレバーを操作してキーを2回展開する。

 

「これで終わり」

 

『FRYING UTOPIA!!』

 

そしてきりもみ回転しながらソルティへと突っ込み、必殺の飛び蹴りが炸裂する。

 

「えい」

 

隼 迅

 

フライング

ユートピア

 

「ぐはぁッ!?…し、しょっぱかったのは……私かァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

 

「ぶい」

 

ソルティをふっ飛ばした迅は着地し、バルキリー達の方を向くと爆炎を背にしつつ、2人にピースするのだった。

 

 

そしてバルカン達の方は…

 

「ピガッ!!」

 

「甘いです!!」

 

―ドゴォン!!―

 

「ピガガッ!?」

 

「隙あり♪」

 

「だね~」

 

ガットンの右アームから放たれるパンチを、バルカンが身体強化したパンチで相殺し、その背後に隠れていた滅とブレイズが飛び出し、アタッシュアローと流水ですれ違いながら切り裂く。

 

「ピガァッ!?」

 

「やっぱり接近戦だと、せつ菜ちゃんは頼りになるね♪」

 

「いや~、それほどでもありますよ♪」

 

「認めちゃうんだね~…」

 

滅に誉められて調子に乗ったバルカンに、ブレイズは少し呆れつつ流水をドライバーに納刀してトリガーを1回引いて引き抜く。

 

『必殺読破!! 流水抜刀!! ペガサス・ライオン・ピーターファン!! 三冊斬り!! ウォ・ウォ・ウォ・ウォーター!!』

 

「全集中、水の呼吸・壱ノ型…」

 

そしてガットンへと飛び込んでいき、胸元で思いきり組んだ両腕を一気に広げるように剣を振るう。

 

「水面斬り~」

 

「ピギァッ!?」

 

刃を首に受け、仰け反るガットン。そこに滅が近づきアタッシュアローに自身のプログライズキーを装填する。

 

『Progrise key confirmed. Ready to utilize.』

 

そして発射口をガットンに押し付け、レバーを引いてエネルギーを充填し…

 

「バイバイ♪」

 

『スティングカバンシュート!!』

 

トリガーを引いてエネルギー矢をゼロ距離で放った。

 

スティング

カバンシュート

 

「ピガァァァァァァッ!?」

 

その攻撃に、腹部から大量の火花を散らしながらガットンは吹き飛んでいく。それをバルカンが走って追いかけていきながらアサルトグリップのトリガーを押す。

 

『ASSAULT CHARGE!!』

 

「とうッ!!」

 

そして勢いよく跳躍して、必殺技を発動させる。

 

『MAGNETIC STORM BLAST FIVER!!』

 

「せつ菜スカーレット…ストォォォォォォォォムッ!!!!」

 

「…スカーレット?ネイビーブルーじゃ…」

 

「だからそれ、技名ストームしか合ってな…」

 

ッ ト ス ト ー ム ブ ラ ス ト フ ィ ー バ ー

 

「「技名、変えちゃった!?」」

 

そんなバルカンのお茶目に2人がツッコミをしつつ、青い狼の頭部を象ったエネルギーを纏う右足が、ガットンの側頭部を蹴り抜き、狼の牙がガットンを噛み砕いた。

 

「ピガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!?」

 

その一撃に耐えきれず爆散するガットンを背に、バルカンはポーズを決め…

 

「シャットダウン…完了!!」

 

「「おお~」」(パチパチ)

 

そんな特撮っぽい光景に、ブレイズと滅はバルカンに拍手を送るのだった…

 

そしてゼロワンは、高速移動の副次効果による疑似飛行でバーニアと空中戦を繰り広げる。右手にアックスモードにしたオーソライズバスター、左手にはアタッシュカリバーを持ちバーニアへと斬りかかり、バーニアも近づかせない為にミサイルやバルカン砲を撃ちまくるが、ゼアによる超速予測演算と超兵として改造され驚異的な反応速度を持つゼロワンの組み合わせの前には意味がなく、その弾幕全てを回避して斬りつける。

 

「やあッ!!」

 

「ぐあッ!?」

 

攻撃を受け、地面に落ちるバーニア。その近くに着地したゼロワンはオーソライズバスターをバスターモードに切り替え、遠近入り乱れた高速戦術で反撃の隙すら与えない。

 

『GUN RIZE!!』

 

「ふッ!! せいッ!! はぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

 

「グアァァァァァァァァァァァァァッ!?」

 

一気呵成の攻撃にバーニアは成す術なく、攻撃を受け続けて膝を着く。

 

「バカな…!!この俺が…!!」

 

「貴方は……ここで止めます!!」

 

『BUSTER AUTHORIZE!!』

 

これで終わりにすると決めたゼロワンはアタッシュカリバーを投げ捨て、オーソライズバスターをドライバーに読み込ませ必殺技を発動。銃口にエネルギーを溜め、一気に解き放つ。

 

「ハアッ!!」

 

『ZERO-ONE DUST!!』

 

ゼロワン

 

 

「グワアアアアアアアアアアッ!?」

 

 

ダスト

 

「ふう…」

 

「あら、歩夢も終わったのね?」

 

バーニアの撃破を確認したゼロワンが一息つくと、隣にサウザーがやって来る。

 

「朝香さん…アランブラは?」

 

「もう倒したわよ。魔法を放とうと必死だったけど、接近戦じゃこっちに分があったもの。他も倒し終わったようよ」

 

「そうですか…」

 

どうやらアランブラも既に撃破されており、出ていたバグスターは全て倒された事に安堵するゼロワン。そして、最後に残っているであろう悪魔の方へ視線を向けると、そこには既に誰も居なかった。

 

「戦っている間に転移で逃げたみたいね。まったく、小物にも程があるわ…」

 

「できれば捕まえて、黒幕を吐かせたかったんですけど……仕方ないですね」

 

「お~い!! 皆~!!」

 

「歩夢せんぱ~い!!」

 

変身を解除し、黒幕に繋がる手がかりを逃した事を悔しがっていると、変身を解除した共に戦っていたメンバーや、生徒の避難誘導をしていた曜達が合流してくる。

 

「皆、大丈夫?」

 

「はい、バグスターも殲滅しました。主犯の悪魔には逃げられちゃいましたけど…」

 

「それでも、大した怪我人も出なかったんだし…ここは良しとしとこう?」

 

「はい……」

 

果南が落ち込んでいる様子の歩夢を励ましていると…

 

「もう……そんなに落ち込まないの♪」

 

「へ?…(モニュン)ひゃああああああああッ!?」

 

いつの間にか果林が歩夢の背後に移動し、彼女の胸を揉み始めた。

 

「あら?もしかして、最後に会った時より少し成長してる?」

 

「そ、そそそそそそんな事より離し…きゃうッ!?」

 

「うふふ~♪やっぱり歩夢の困り顔は可愛いわぁ~♪」

 

「ふみゃあああああああああああッ!?」

 

「果林ちゃん、イキイキしてるね~」

 

(あ、この人鞠莉の同類だ…)

 

そんな果林の行動を微笑ましそうに見守るエマと、似た行動をする友人を思い出す果南。更に別の場所では、璃奈が花丸達に話しかけていた。

 

「初めまして、天王寺璃奈です。よろしく」

 

「あ、国木田花丸です…」

 

「えっと…黒澤ルビィです」

 

「もし良かったら……璃奈とトモダチになってくれる?」

 

「あ…うん、喜んで!!」

 

友達が増える事に喜ぶ花丸。しかし、彼女は異世界での経験から警戒心が無かった為に、気づけなかった……いや、忘れていたのだ。彼女達は異世界の彼女達とは別人で…………今はまだ敵だという事に…

 

「それじゃ、お近づきのしるしに…コレあげる」

 

璃奈にそう言われ、嬉しそうに微笑む花丸。そんな彼女に璃奈は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「へ?……ぐッ!? あ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!?」

 

その瞬間、彼女は頭を抑えてさけびながら地面をのたうちまわる。そんな彼女にルビィと曜が駆け寄った。

 

「は、花丸ちゃんッ!?」

 

「どうしたのッ!?」

 

「あ、頭が……痛い…!!」

 

苦しむ花丸に全員(果林とエマと璃奈を除く)の気が向いていると、エマが愛の背後に音もなく移動し…

 

「それじゃ、もう一人は貴女ね♪」

 

「え?(カシャ)あ…ああああああああああああああああああああああああああああああッ!?」

 

「愛ちゃん!?」

 

愛にも滅亡迅雷フォースライザーを装着させ、苦悶の叫びをあげる愛に侑が駆け寄る。

 

今までの勝利ムードから一転、地獄のような新たな事態に動揺しつつ曜は叫ぶ。

 

「花丸ちゃん達に何をしたの!?」

 

「見てたらわかるよ」

 

「「ああ……あ…………………」」

 

璃奈は無表情で答えると、花丸と愛が叫ぶのを止め力無く手をぶら下げる。そして顔を俯けてからゆっくりと顔を上げ…

 

「システム良好…適合率97.5%…身体情報取得……体力に難あるも、その他異常なし」

 

「ああ~…もっとマシな起こし方してくれよ。危うく途中で精神がぶっ壊れるところだったぞ?」

 

花丸はまるでマシンのように淡々と喋り、愛はまるで不良のように荒い言葉づかいになっていた。

 

「おはよう…【(なき)】ちゃんに【(いかずち)】ちゃん。コレ、2人のゼツメライズキー」

 

「ありがとうございます、迅」

 

「サンキュー」

 

花丸(?)と愛(?)は、璃奈からプログライズキーに似たアイテム【ゼツメライズキー】を受けとり、璃奈の隣に並び立つ。

 

「花丸……ちゃん?」

 

「今の私は花丸ではありません。私の名は亡…」

 

「そして、俺が雷だ。んで…」

 

2人はそう名乗ると、ゼツメライズキーを起動させる。

 

『DODO…!!』

 

『JAPANESE WOLF!!』

 

そして亡は左腕を右にスライドしていき、右肩前で止まるとキーを落とし右腰辺りでキャッチしてフォースライザーへ、雷は右腕を高く掲げ稲妻を描くようにジグザグに動かしながら降ろしていき、フォースライザーにセットする。最後に2人は同時にレバーを引いてキーを開いた。

 

「「変身」」

 

『『FORCE RIZE』』

 

『~♪…BREAK DOWN』

 

『JAPANESE WOLF!!…BREAK DOWN』

 

亡は、黒のボディスーツに白い装甲を纏い、両腕には爪型の武器【ニホンオオカミノツメ】を装備し、右目は隠れ左目は青いつり上がった複眼の仮面ライダーに、雷は黒のボディスーツに深紅の装甲、鳥を模した頭部にオレンジの複眼を覗かせ、両手には双剣【ヴァルクサーベル】を持った仮面ライダーとなった。

 

「仮面ライダー亡です」

 

「同じく仮面ライダー雷だ」

 

「花丸ちゃんと愛ちゃんが……仮面ライダーに…!?」

 

「これで揃ったね♪」

 

「うん、私たちのチーム…【滅亡迅雷.net】が」

 

そこに滅と迅になったエマと璃奈が並び、歩夢と果林を背後に隠すようにして立ち塞がる。

 

「貴方達の目的は何ですか!!」

 

ソードライバーを再度装着し、臨戦体勢を取る栞子。その問いに亡が答えた。

 

「私達の目的は、サウザーの夢を支える事です」

 

「朝香さんの…夢?」

 

「はい。超人兵士機関で出来なかった、上原歩夢と真の決着をつける……それが、彼女の夢です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩夢side

 

花丸ちゃんと愛ちゃんが大変な時、駆け寄ろうとした私だったけど、その直前に朝香さんに右腕を背後に回され抑え込まれてしまった。

 

「朝香さん、離してくださいッ!! 何でこんな事を…!!」

 

「教えてあげてもいいわよ? 私のやるべき事が終わったらね…」

 

そう言って彼女は銀色のバッタのような形をしたプログライズキーを取り出した。それは異世界で見た…

 

「メタルクラスタホッパー…!?」

 

「あら、知ってたのね? それじゃ、コレを使うとどうなるかも知ってるのよね?」

 

「え…?」

 

それを言われて私は言葉に詰まった。確かに見たことは見たが、特に変わった事は無かったはず…

 

「……どうやら、名前だけみたいね。なら…自身で体感してみるといいわ」

 

『HIDEN Metals Ability!!』

 

彼女はキーを起動させると、それを私のドライバーに認証させる。

 

『AUTHORIZE』

 

「人が決して抗えない……悪意の力をね」

 

待機音に続けてキーを開くと、私のドライバーに装填した。

 

『プログライズ!!』

 

「………………………………」(ボソッ)

 

「ッ!?」

 

最後に彼女は、私にしか聞こえない程の声量であることを伝えたその瞬間、私の意識は別の場所に飛んだ。0と1の柱が無数に浮かぶ()()()()に…

 

「ここは……ゼアの中なの?」

 

何時もと違う光景に困惑しつつ、少し歩いて行くとすぐに変化が訪れた。0と1の柱にノイズが走った後、女性の叫び声のような音の後にそれが死や滅、狂や闇や醜、痛や亡といった負の感情を連想させる血色の不気味な文字に変わったのだ。

 

「な、なにこれ…!?」

 

もしかして此処は……ゼアじゃない!?

 

気味が悪くなった私はその場から走り去ろうとしたが、足下が沼のような泥濘にはまってしまい、動きが制限されてしまう。更に先ほどの文字達が私の体に纏わりついてきた。

 

「ひ…!? い、いやぁッ!! 来ないでぇッ!?」

 

払っても払ってもすぐにそれらはすぐに戻ってきて、私の心を苛み、体の自由を奪っていく。

 

「いや、止めて……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」

 

もはや抵抗する事はできず、私の自我はこの空間に取り残されてしまった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『メタルラーイズ!!』

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!」

 

「上原先輩ッ!?」

 

その頃、外では果林がキーの残った部分を折り畳み、メタルクラスタホッパーの力を解放させる。歩夢が苦悶の叫びを上げながらドライバーから無数の銀色のバッタが出てきて歩夢の周囲を少し飛んだ後、1つに集まり赤い複眼を持つ巨大な金属製のバッタへと変わる。

 

それらはすぐに散らばると、歩夢の体へと纏わりついて鎧を形成していく。

 

『Secret Material. HIDEN Metal.』

 

そして頭部や肩部など、所々が鋭利な蛍光イエローのラインが走る白銀の装甲に覆われ、複眼が赤く光るゼロワンへと変わる。

 

『メタルクラスタホッパー!!』

 

最後に音声の後、複眼が蛍光イエローへと変化し変身が完了する。

 

『It's High Quality.』

 

「あれが最強のゼロワン…」

 

その変身を見届けた果林の目は、楽しさと苦しさが入り交じった様に揺れていた…




いかがでしたか?

はい!! 新ライダーとして亡と雷が参戦しました!! 皆さん、盛大な拍手でお出迎えを…

花・愛「「できるかァァァァァァァァァァッ!!!!」」

おや? どうしました、お二人さん?

花「どうしたもこうしたもないズラッ!!」

愛「なに、愛さん達を敵キャラにしてんのさッ!!」

え? だってスクスタ2章だと、愛さんは最初敵側にいたし…

愛「うぐッ!?」

花丸ちゃんは物語上、こうする必要があったので…

花「そう言われると…」

というわけで、次回予告です。


次回【全てを救うGod Beast】

栞「上原先輩……貴方は、私が助けます!!」
!!『ゲット!!』


それでは次回で…

花・愛「「また会おうね~♪」」

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