な「高町なのはです」
ヴィ「とうとう始まりました、ベリアルさん救出作戦!!」
な「とてつもなく大変な事だけど、皆で力を合わせればきっとできるよ!!」
ヴィ「そしてヴィヴィオ達も大活躍を…」
な「あ、子供組は曜さんや月さんと一緒にお留守番だからね?」
子供一同「「「「何故ぇッ!?」」」」
な「危ないからに決まってます。という事で、ゲームの力でこの世界を生きていく・リリカルなのはVivid編、始まります♪」
「ウェアアアッ!!」
「ゼリャアッ!!」
「チェヤ!!」
ガッツ星人の命令で攻めてくるベリアル・アトロシアス。手に持つギガバトルナイザーを横凪ぎに振るってくるが、ゼロはこれを回し蹴りで迎撃。さらにその隙を狙ってゼットが正拳突きをベリアルの胸に決める。それに怯んだところをゼロが追撃に蹴りを入れる。
「まだまだ!!」
「ドンドンいきましょう!!」
ゼロは両手に自身の頭部にある宇宙ブーメラン【ゼロスラッガー】を持ち、ゼットはアルファチェインブレードを手にすると勢いよく振るっていき、ベリアルを切り裂いていく。
「ウゥゥゥゥ…!!」
「2人とも、避けてください!!」
「おう!!」「はい!!」
「スぺリオン光線!!」
反撃を与えぬ怒濤の連続攻撃に、ベリアルが防戦一方になったところでオーブの声に2人が左右にずれると、その間を限界までチャージされたスぺリオン光線が駆け抜け、ベリアルは何とかギガバトルナイザーを回転させて盾にし防御するも吹き飛ばされて尻餅を着く。
「今だッ!!フォーメーションを変えるぞ!!」
「押忍!!」「了解!!」
その間に3人は立ち位置を入れ替える。ゼットはガンマフューチャーに、オーブはナイトリキデイターに、ゼロはストロングコロナにフォームチェンジし、下がったゼットの変わりにオーブが前に出る。
そして立ち上がったベリアルにオーブがナイトアグルブレードで斬りかかる。それは防がれるも、がら空きの脇腹にゼロの蹴りが決まる。
「ジェアッ!!」
「ウェアッ!?」
「これでも喰らっちゃいなさい!!」
そこに援護としてゼットがカード状のエネルギー弾を不規則な軌道で飛ばしてダメージを蓄積させていく。だが、やられるばかりのベリアルではない。カード弾のダメージを無視して、ギガバトルナイザーから稲妻状の光線【ベリアルジェノサンダー】を放つ。しかし、2人の前にゼットが立つと…
「ガンマスルー」
展開した魔法陣で、光線を別の場所に移動させて防ぐ。
「ガンマイリュージョン」
さらに指パッチンと共に、ダイナ・ストロングタイプとガイアV2の幻影を呼び出す。そしてダイナの隣にゼロが並び立つと、ガルネイトボンバーとガルネイトバスターを同時に放つ。
「ディヤ!!」
「ガルネイト…バスター!!」
2つの炎の攻撃…だが、ベリアルは両手の爪に闇のエネルギーを纏わせた【デスシウムデストラクト】で薙ぎ払って防ぐ。そこに続けてガイアV2の【フォトンクラッシャー】とオーブの【クラッシャーナイトリキデイター】が襲い掛かる。
「ジョワ!!」
「クラッシャーナイトリキデイターッ!!」
その攻撃も口から放つ音波攻撃【アトロスロアー】によって相殺される。
最後にティガ・マルチタイプを呼び出すと、ゼットはゼスティウム光線をティガのゼペリオン光線と同時に放つ。
「チャッ!!」
「ゼスティウム光線!!」
2つの必殺光線は絡み合いベリアルへと迫るが、それは切断技【アトロスリッパー】によって迎撃されてしまった。
「なんてヤツだ…!!あれだけの攻撃を完全に防ぐなんて!?」
「ボサッとしてんじゃねぇ!!」
必殺光線の連続攻撃を無傷で凌いだベリアルに、ゼットが驚愕しているとゼロから叱責が飛び、慌てて移動するとその数瞬後を【ベリアルデスサイズ】が通りすぎていった。
「戦闘中に余計な事を考える暇があったら、しっかり役割を果たせ!!」
「ウルトラすんません!!」
ゼットを叱責しつつ、ベリアルへの警戒を怠らないゼロ。そんな彼はチラっとガッツ星人の方を見る…
「むぅ……さすがにウルトラマン3人が相手では、分が悪かったか…?」
(どうやら、しっかり気を引けているみたいだな…)
目論見どおり、ガッツ星人の意識が自分に向いているのを確認したゼロは内心で安堵しつつ、すぐに気を引き締める。
(ベリアル達はキチンと引き付けておく……だから頼んだぜ、皆…!!)
栞子side
私は今、森の中を全速力で駆け抜けていた。
(確か……ウルトラマンキングの話だと、この辺にあるはず…)
何故、私が森の中を走っているのかというと…ベリアルの救出に邪魔な物を破壊する為です。他にも彼方先輩とかすみさん、パラドさんも別の場所で同じ物を壊すために動いています。
「え~と………………あった!!」
そして周囲を見渡すと、森の中に相応しくない大きな機械が置かれていた。それが目的の物だと判断した私は、腰にソードライバーを装着しワンダーライドブックを開く。
『ブレイブドラゴン!!』『かつて、全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた…』
そしてそれをソードライバーに装填、火炎剣烈火を抜刀する。
「変身!!」
『烈火抜刀!!』『ブ~レ~イ~ブドラゴ~ン!!』
セイバーになった私はその機械を壊そうとするが、その機械の周囲に白と黒の体に赤いモノアイの兵隊【バリスレイダー】がたくさん現れる。
護衛部隊といったところですか……ですが、それで私が止まる事はありません!!
「八葉一刀流、二ノ型・改…」
私は腰を深く下げ、足に力を溜めて縮地で一気に解放。そのまま正面の1体を切り裂いてからすぐに縮地で移動し、別の1体を切り裂く。それを高速で繰り返しながら、全員に一太刀浴びせつつ1ヶ所に集めた後に、烈火を必冊ホルダーに納める。
『烈火居合!!』
そしてトリガーを引いてから素早く抜き放ち、炎の斬撃波を飛ばす。
これが師範から教わった1対多戦での剣技。その名も…
「【
『読後一閃!!』
炎の斬撃波は護衛部隊を両断しながら突き進み、目的の機械をも真っ二つにした。
「残りは後、2つ…」
ちなみに壊したこの機械は、バロッサ星人の言っていた魔法の阻害装置です。キングの調べたところ全部で12ヵ所に設置されていて、私達は分担でそれを全て破壊するのが役割です。
「時間もありませんし……急ぎましょう!!」
破壊を見届けた私は、その場からすぐに移動する。
(待っていてください先輩!!必ず貴方の役に立ってみせます!!)
「ミラクルゼロスラッガー!!」
「ライトニングジェネレード!!」
同時刻、ウルトラマン達の戦いは苛烈を極めていた。ルナミラクルにフォームチェンジしたゼロのスラッガー、ウルトラメダルを使ったゼットの必殺技をベリアルはギガバトルナイザーで打ち払い…
「フォトリウムナックル!!」
フォトンビクトリウムになったオーブの必殺パンチを、片手で受け止めると至近距離からベリアルショットを叩き込む。
「ジェアアアッ!?」
「オーブ先輩!!」
吹き飛ぶオーブに駆け寄り起こすゼット。そこにベリアルが必殺の光線【アトロスバースト】を放つ。
「ゼットォッ!!」
「ッ!?ゼットアイアス!!」
ゼロの呼び掛けでゼットはそれに気づき、ギリギリで7枚のシールドを張る【ゼットアイアス】を展開する。しかし、アトロスバーストの威力にシールドは次々に割れていき、最後の1枚になった時…
「レボリウムスマッシュ!!」
ベリアルの背後に移動していたゼロの超至近距離攻撃によって光線を解除され、その間にゼット達も体勢を立て直した。
「すみません、ゼロさん。ゼットも…」
「気にすんな」
「自分は大丈夫ですたい!!」
ゼロ達が申し訳なさそうなオーブを励ましていると、森の中から赤い煙が立ち上ぼり始めた。それに続くように青・黄色・紫の煙も上がり始める。
「あれは…!!」
「合図の狼煙でござるよ!!」
「ようやくか!!」
「な、なんだ!?あの煙は…!!」
それを見たオーブとゼロ、ゼットが活力を取り戻し、ガッツ星人は困惑し始める。それと同時にベリアルの体にピンクとオレンジ、紫の光の帯が絡まっていき、動きを押さえつけた。
「これは……バインドの魔法だと!?この辺りでの魔法は封じてあった筈…!?」
「その装置なら、もう破壊したわよ?」
ガッツ星人の言葉に返事をしたのはティアナで隣にはなのはとメガーヌもいて、足下には魔法が発動している事を証明する魔法陣が輝いている。
「バカなッ!?魔法が使えなくなったお前達が、どうやって護衛部隊もいる装置を破壊できると…!!」
「答えは簡単……魔法を使わずに強い人達に頼んだのよ」
そう言って勝ち誇った様な笑みを浮かべる。
「チィ…!!バロッサ達を倒した奴等か…!!だが、ベリアルにその程度の拘束…」
「まだ終わりじゃないわよ?」
ガッツ星人の言うとおり、バインドだけでベリアルを押さえつけるのは無理だ。そんな事は彼女達も理解している。
「ガンマフリーザー」
そこにゼットが冷凍光線を発射、ベリアルの頭上で炸裂して冷気を振り撒き、その体を氷付けにする。さらにゼットはゼットランスアローを手にすると、ボタンを叩きレバーを2回引いて左手をゆっくりと下げながら先端に氷の矢を作り上げ…
「ゼットアイス…アローッ!!」
氷の矢を射出。ベリアルに直撃すると更なる氷がベリアルを包み込む。
「おまけのガンマミラクルホールドでごわすッ!!」
そこに光のリングでさらに縛り付ける。やり過ぎなレベルの拘束を施されたベリアルにガッツ星人は苦虫を噛み潰す。
「く…!!ベリアルッ!!そんな拘束、とっとと…!!」
「キャロッ!!ルーテシアッ!!」
拘束を解かせようと指示を出そうとするガッツ星人だが、彼らの作戦はまだ終わってはいない。ゼロの隣にキャロが、オーブの隣にルーテシアが現れ…
「「我、願うは癒しの輝き。誇り高き光の戦士に、邪悪なる闇を払いし力を!!」」
『『Boost up HEALING POWER』』
魔法の起動文を読み上げ、ゼロ達の前に巨大な魔法陣を浮かべる。それを見てオーブはフルムーンザナディウムになり、ゼロと共に光線発射の準備に入ると…
「フルディウム光線!!」
「フルムーンウェーブ!!」
その魔法陣へ勢いよく光線を放つ。それが魔法陣に当たると魔法によって浄化能力が強化された光線がベリアルへと命中し、闇の力を抑え込んでいく。
「今だ、リクッ!!キングのじいさん!!」
「ああ!!」
『では、行くぞ』
それを見てゼロは叫び、今まで近くにいたリクはキングの力でベリアルの意識へと潜り込んでいった。
これがキングから教えられた作戦…最初はゼロ達が戦うことで相手の注意を引き、魔法を使わず戦える仮面ライダー達が魔法妨害装置を破壊。それで魔法を使えるようになったらバインドでベリアルから隙を作り、そこにウルトラマン達の力でさらに拘束して動きを封じ、強化魔法で浄化能力をました光線で闇のオーラエネルギーを抑え込んでいき、最後にジードがベリアルの意識に入って心を解放させるというものだ。
「なるほど……そういう事か!!ベリアルの解放などさせんぞ!!」
それを見てウルトラマン達の作戦を理解したガッツ星人は激昂、自身の分身を2体作り出す。
「へッ!!今さら分身した程度で、俺達を止められるかよ!!」
「だったら……こんなのはどうだ?」
ゼロの煽りにガッツ星人は心の中でほくそ笑みながら、左手に2本の黒いカプセル【怪獣カプセル】を持ち、右手にはリクが持っているのと同じ【ジードライザー】が握られていた。
「何故、お前がそれをッ!?それはウルトラマンとしての力がなければ使えない筈…!!」
「知っているだろう?俺の目的はベリアルの兵器化……これの使用もその1つなのさ!!ゴモラ!!タイラント!!」
「ではこちらも…キングジョー、ギャラクトロン」
分身のガッツ星人達は、そのカプセルを読み込んでライザーのトリガーを引く。
『フュージョンライズ…!!ゴモラ…!!タイラント…!!ウルトラマンベリアル!!ストロングゴモラント!!』
『フュージョンライズ…!!キングジョー…!!ギャラクトロン…!!ウルトラマンベリアル!!キングギャラクトロン!!』
右のガッツ星人の分身はダークグレーと赤のツートンカラーに巨大な翼を背負い、長い尾の先には鎌とトゲ付き鉄球があり、ゴモラに似た頭部とベムスターの腹部を持つベリアル融合獣【ストロングゴモラント】になり、左のガッツ星人の分身は頭部と左半身がギャラクトロン、腹部と右半身がキングジョーで構成され、右腕には大型砲を装備した【キングギャラクトロン】に変身した。
「アイツ…!!ベリアルから力を貰っていたのか!?」
「フハハハハハハハハハ!!!!あのベリアル信者の事は知っていたよ。どうやって融合獣になったのかもな?それを知った俺は、これはトンでもないビジネスチャンスだと確信した!!だから俺は、死んだベリアルの因子を集めて奴を甦らせ、その力の提供と怪獣カプセルの販売を始めようとした時に、貴様らに見つかってしまったのだ!!このお邪魔虫どもがァッ!!」
「そんな物を売りさばいたら、宇宙がどれだけ混乱すると…!!」
「俺が儲かるなら、他の星の事など知ったことじゃない!!いくぞ、お前達!!」
「「ゴアァァァァァァァァァァァァッ!!!!」」
本体の言葉に分身のベリアル融合獣達は雄叫びを上げ、ゼロ達へと向かってきた。
「マズイッ!?さすがにベリアル融合獣は予想外だ!?」
「奴等に攻撃されたら、この状態を維持するのは…!?」
まさかの展開に窮地に陥ったゼロ達だったが、そこに空から緑色の光球が両者の間に落ちてきた。
「ギャオオオオオオオオオッ!?」
「今のは……まさか!?」
その衝撃にベリアル融合獣達は吹き飛ばされ、ゼロはその正体を理解する。その光球が落ちた場所には1体の巨人がいた。赤いマントを羽織り、頭部には大きな2本の角【ウルトラホーン】を持つ、その巨人の名は【ウルトラの父】……宇宙警備隊を束ねる大隊長だった。
「ウルトラの父ッ!?」
「大隊長……なんでアンタが…」
「ベリアル復活の気配を感じてな……奴等は私に任せて、お前達は自分のやるべき事に専念するんだ」
「わかった!!」
ウルトラの父の言葉で、再びベリアルへと集中するゼロ達。ウルトラの父はそれに頷くと、目の前にいる2体のベリアル融合獣へと向き合う。
「まさかウルトラの父までやって来るとは……だが、お前を倒せば売り上げは爆上がりだ!!行くぞッ!!」
「「ゴアァァァァァァァァァァァッ!!」」
「ガッツ星人よ…これ以上、私の友を侮辱する事は許さん!!」
ウルトラの父はマントを脱ぎ捨てると、ベリアル融合獣へと挑んでいった。
リクside
ウルトラマンキングの力で父さんの意識に飛び込んだ俺が最初に見たのは、何も見えない真っ暗な空間だった。
「…………ここが父さんの?」
『ああ、ベリアルの心の中だ』
俺の隣に現れたキングが説明してくれるが、この光景が父さんの心なんて俺は信じる事が出来なかった。
『これは彼の心が封印されているからだ。行こう…この奥に彼はいる』
それを察してくれたキングは、そう言って励ましてくれた。それから暫くは前へと進んでいき、かなりの距離を歩いたところで正面に何かが見えた。
「もしかして…!!」
『ああ、間違いない』
俺は全速力で走り、前にあった物へと近づく。それは、闇のオーラによって張り付けになっている父さん…【ウルトラマンベリアル・アーリースタイル】だった。
「父さんッ!!俺だよ!!リク…ジードだッ!!」
「…………………………………………」
「どうしたんだよッ!?父さんッ!!返事をしてくれよ!!」
俺は大声で呼び掛けるけど、父さんが反応してくれなかった。
「なんで…!!」
『おそらく、彼を縛り付けているものを倒さなければ…こちらの声は届かないのだろう』
「父さんを縛り付けているもの…?」
だったら、急いでそれを壊して…!!
俺の怒りが燃え上がっていると、横から攻撃が来てキングが咄嗟に防いでくれた。
「ありがとう、キング!!」
『油断するな。来るぞ…!!』
キングにお礼を言いつつ、攻撃が来た方を睨んでいたら2体の異形が現れる。あれはカプセルの絵で見た事がある……エンペラ星人にダークルギエルだッ!!
『どうやら、奴らがベリアルの心を縛っているようだ』
「だったら俺が倒して……父さんを解放する!!」
『ULTRAMAN GEED・GALAXY RISING!!』
俺は変身すると駆け出し、エンペラ星人へと飛び膝蹴りを繰り出すが避けられ、ダークルギエルが槍を振るってくるのを回避し、エンペラ星人の剣をゼットライザーで受け止める。
「コイツら……強い!?」
『かつて、どちらも宇宙全体を揺るがす程の事件を起こした者達だ。外からの援護で弱っているとしても、手強いぞ』
「だからって……諦められるかッ!!」
俺は膝の突起から光刃を伸ばしてエンペラ星人を突き飛ばし、背後から振るわれるルギエルの槍を肘からのギャラクシーカッティングで受け止める。
「邪魔をするなァァァァァァァァァァァァッ!!!!」
力任せにその槍を打ち払い、振り返り様にルギエルの首を狙って斬りつける。
「レッキングリッパー!!」
さらに赤黒い斬撃を飛ばしてダメージを与える。そこで背後に殺意を感じた俺はゼットライザーでそれ…エンペラ星人の剣を払い除ける。
「そう何度も喰らうかッ!!プラズマ光輪!!」
そして電撃属性の光輪を投げ、直撃した2体を痺れさせる。
「確かに父さんは悪者だ…その事実は変えられない」
数多の宇宙で大規模侵略をしてきたんだ。誰から恨まれても仕方ないのは俺でも理解してる…それに力に固執し過ぎだし、結構執念深いし…おまけにレムの声をウルトラの母と同じにするくらい好きだったのに、ウルトラの父に先越されて嫉妬するとか子供かよってツッコミたいところもあるし…俺としてもドン引きと思うところが無い訳でもない。だとしてもッ!!
「だからって!!俺の父親をお前の利益の為に、利用なんかさせてたまるかッ!!」
都合がいいのは解ってる!!父さんがとてつもない悪事を働いて、沢山の星の人達に憎まれている事も……それでも、あの人は俺のたった一人の父親で…その息子が父親を守って何が悪いッ!!
俺は叫びながらインナースペース内でゼットライザーのブレード部を戻し、トリガーを長押ししてから再度ウルトラメダルを読み込ませていく。
『GINGA.X.ORB.』
そして某仮面の戦士の変身ポーズみたいに、左手を右腰に右腕を左斜め上に突き上げる構えをとり…
「ギャラクシーバーストッ!!」
ゼットライザーから赤黒い稲妻を纏った光の斬撃を飛ばし、直撃した2体は吹き飛んで床を転がっていくが、未だに倒されない。
「これ以上……父さんの心を踏みにじるなァァァァァァァァァァァァッ!!」
今度こそトドメを指すべく、頭上で組んだ両腕を左右に開きながら目を輝かせ、身体中に水色と赤黒い稲妻を迸らせながら背後には炎で作られた光の翼をはためかせる。
そして前方に赤・青・黄・緑で出来た光の輪を浮かべると、それを胸元で合わせた両拳に集め、サイバーラインを空中に描きながら左足を後ろへと引きつつ体を左に捻り…
「レッキング…!!」
そして大の字になって背後にある炎の翼を全身に集束させ、右腕をL字にしてその肘に左拳を押し当てて炎と赤黒い稲妻を纏った光線を発射する。
「フェニックスッ!!!!」
それは2体に直撃し、ドンドンと押し込んでいく。
「アアァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」
さらに気合いを込め、最大出力にすると限界を迎えたのか2体は爆散した。それと同時に父さんを縛り付けていた闇のオーラが消え、倒れそうになるのを俺はギリギリで受け止める。
「父さんッ!!しっかりして!!父さんッ!!」
「うぅ…………ジー…ド…か?」
「父さん…!!」
届いた!!俺の声が……父さんに!!
「へ…俺の息子のくせに、何泣きそうになってんだ」
泣きそうだった俺に父さんはそう言って頭に手を置き、俺から離れて立ち上がる。
「さて……俺を利用しようなんて考えるバカに、お礼参りをしねぇとな!!」
『ベリアルよ』
ガッツ星人への怒りに燃える父さんに、キングが話しかける。
「ああ?キングか…説教なら聞かねぇぞ?」
『私には、お前を説教する資格はない。だが、お前の為に戦っている者達を助けてやってはくれないか?』
そう言って空間に映し出されたのは、まだ作戦を続けてくれているゼロやリョウさん達、そして2体のベリアル融合獣から皆を守ってくれているウルトラの父の姿だった。だけど、ベリアル融合獣2体を相手にするのは厳しいのか防戦一方だ。
「マズイッ!?早く行かないと…!!」
「たく……ケンの奴、鈍りすぎだろ…」
『このままでは皆が危ない……頼まれてくれるか?』
「断る」
そんなピンチでも、父さんはキングの頼みをはね除けた。
「ちょっと父さ「俺は俺の理由で
最初は文句を言おうとしたけど、それを遮ってその言葉を聞いた俺は苦笑した。
それって結局助けるって言ってるのと同じ事じゃん。父さんってツンデレ属性だったんだ…
『それで構わない。頼んだぞ、ベリアル』
「フン……行くぞ、ジード!!」
「ああ!!……ってそういえば、父さんの体ガチガチに凍らされてるんだった」
「はあッ!?なんでそんなメンドーな事になってんだ!?」
「だって父さん、アトロシアスで暴れてたから止めるにはそれぐらいしないと…」
「チッ!!起きて最初にやるのが解凍とか……かったりぃな…一気に光線で溶かすか」
「……なんかゴメン、俺も手伝うよ…」
そして俺は父さんと一緒に現実に戻った。
「ぐぅ…!?ハァ…ハァ…」
「「大隊長ッ!!」」
その頃、現実では2体のベリアル融合獣の攻撃にウルトラの父は膝を着いていた。
「ハッハッハッ!!ここまでの様だな?」
「まだ……だ…!!」
ウルトラの父は足に力を込め立ち上がろうとするも、すぐに崩れ落ちてしまう。ゼロ達も助けに行きたいが、ジードが戻らないで光線を止めると、彼まで闇に飲まれてしまう可能性がある。なのでジードが帰還しない限り離れる事ができなかった。さらに胸のカラータイマーも高速で点滅していて、彼らのエネルギーも心もとなかった。
「師匠ッ!?このままじゃ…!!」
「わかってる!!だが、ここで止めたらリクが…!!」
この窮地をどうやって脱するかゼロが考えていた時、ベリアルを閉じ込めていた氷が砕け、そこから放たれた2つの光線が2体に命中して吹き飛ばした。
「「ギャオオオオオオオオオッ!?」」
「なんだッ!?」
「まさか…!!」
その攻撃にガッツ星人は驚き、ゼロ達は光線を止めてベリアルがいる場所を見る。そこには氷が溶け、首を軽く回すベリアル・アーリースタイルと、ベリアルの背中にある氷を払っているジードがいた。
「「「(リク/ジード/兄弟子)ッ!!」」」
「あ、リョウさん!!ゼロとゼットも!!ただいま!!」
「無事で何よりでした。それとそこにいるのが…」
「そう!!父さ(スッ)あら?」
ジードの無事に安堵するオーブ。その彼にベリアルを紹介しようとするジードがベリアルの肩を叩こうとしたら、その前にベリアルが歩き始めた事で空振りしてしまう。そして歩みを止めた先にいたのは、ウルトラの父だった。
「ベリアル…」
「フン…………久し振りに会ったと思えば、何時まで下の奴等に不様を晒しているつもりだ?」
膝を着く彼に、ベリアルはそうぶっきらぼうに言って右手を差し出した。
「………………………………………………」
「おい、俺の気が変わらんウチにさっさとしろ」
「あ、ああ!!……すまない」
思いがけない行動に彼の手を見て固まるウルトラの父に、ベリアルは急かすように言って手を掴ませ引っ張り起こした。
「あの訓練場の時とは逆になったな?私のは払われてしまったが…」
「何時まで昔の事を覚えてやがる!!そんな事より…」
困惑と嬉しさで中々会話ができないウルトラの父からベリアルは視線を外し、本体であるガッツ星人を見上げる。
「よう…俺様を利用した罪は重いぞ?覚悟は出来てるんだろうな…!!」
「う…!!まさか本当に助けるとは…こうなったら!!」
指の骨をゴキゴキ鳴らすベリアルに怯むガッツ星人。想定外の事態に彼は切り札を切る。その手に握るのはライザーと2本の怪獣カプセル…そこには【アークベリアル】と【マガオロチ】が描かれていた。
「ベリアルなら新しいのを作ればいい…だから、不良品のお前は廃棄処分だッ!!」
そしてカプセルを起動させて読み込み、ライザーのトリガーを引いた。
『フュージョンライズ…!!アークベリアル…!!マガオロチ…!!ウルトラマンベリアル!!禍々アークベリアル!!』
そして赤い怪獣体型に背中の突起や腕にはエメラナ鉱石が、額にはマガクリスタルを生やし両肩と両膝にマガオロチの顔を持つ80mを越える大きさのベリアル融合獣【禍々アークベリアル】へとフュージョンライズした。そしてその左右にストロングゴモラントとキングギャラクトロンが並び立つ。
「俺の力を使っておきながら廃棄処分だと?…ふざけたヤローだ」
その姿に悪態を突きつつ、ベリアルはウルトラの父の方を見る。
「ケン……アイツを倒すのに手を貸せ。俺は息子に情けない姿を見せた名誉を挽回せにゃならんし、お前も歳を理由に部下に助けられっぱなしって訳にはいかないだろう?」
「フッ……ああ、もちろんだ!!」
ベリアルの言葉に再び力を燃やし奮い立つウルトラの父。ここにウルトラ大戦争時に活躍した、最強のタッグが復活した!!
「へッ!!俺達も見てるだけじゃねぇぜ!!」
さらにウルトラの父の隣にゼロとゼットが、ベリアルの隣にジードとオーブが並ぶ。
「自分達もまだまだイケるでございますとも!!」
「ストロングゴモラントとキングギャラクトロンは、私達の方で引き受けます!!」
「父さん達は他を気にせず戦ってよ!!」
「ほう…俺の息子のくせに、気が利いてるな?なら、遠慮なくやらせてもらうぞ!!」
「ガッツ星人!!お前の野望も…ここで終わりだ!!」
そんな戦士達の背後にキングの幻影が現れると、金色の粒子を撒きカラータイマーに吸い込まれると、点滅状態から一気にエネルギーがフルチャージされる。
「このウルトラお邪魔虫どもがァッ!!」
こうして、ウルトラ戦士とガッツ星人による最後の戦いが始まった。
いかがでしたか?
ゼット「ついに始まった最終バトル!!ゼロ師匠やジード先輩、大隊長達と一緒に自分も大暴れいたしますぜ!!そして訪れる別れの時…」
次回【再会のPromiseをして】
ゼット「ウルトラ最終回だぜ!!」
ゼロ「いや、章が終わるだけで本編はまだ続くからな?」