ゲームの力でこの世界を生きていく   作:疾風の警備員

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ゼット「よぉ!!地球の皆!!俺はウルトラマンゼット。あのウルトラマンゼロの弟子をやらせてもらってるんだ。今日は俺とゼロ師匠が出会った頃の話を…」

ゼロ「しないからな?」

ゼット「師匠ッ!?何でですか!?」

ゼロ「ここは前回のあらすじを紹介する場だ。つーか、お前が今やろうとしてるやつは、本来ネットで配信してるヤツだろうが。余所様にまで迷惑かけるな」

ゼット「……ウルトラすみません…」

ゼロ「反省すりゃいい。次からは気をつけろよ?」

ゼット「ウッス、気をつけます…」

ゼロ「ったく……ほら、元気出せって!」

ゼット「……………………ハァ~(どよ~ん)」

ゼロ「ああもぅ!!しょうがねぇな!!後でなんか訓練付き合ってやるから!!」

ゼット「ホントッスか!?絶対ですよ!?約束ですからね!!」(ぱあっ!!)

ゼロ「お、おう…」

ゼット「何を教えてもらおうかな~♪楽しみだな~♪」

ゼロ(……面倒そうだし、後で時間巻き戻しとこ)

ゼット「おっとそうだ、活動報告でアンケートした結果…3人のライダーの出演が決定したぞ!!更にこの話の最後に先行登場してくださいます!!」

ゼロ「誰が変身するか知りたければ…最後まで見てくれよな!!」


Atrociousな皇帝

変身を完了したゼット達は、ギルバリスへと攻撃を再開する。

 

「ハアァァァ!!」

 

先ず飛び出したのはジード。お決まりの開幕飛び膝蹴りを放ち、着地してから何度も拳を叩き込む。だが、ギルバリスの堅牢な装甲にはダメージを与えられない。逆に後ろを取られ大きな腕で押さえつけられてしまう。

 

「この…!!ギャラクシーカッティング!!」

 

そこから脱出するため、両肘にある黄色の突起から光刃を伸ばす。それをギルバリスの腹に突き刺して怯ませ自由になると、その光刃をギルバリスの首や膝といった関節部へと振るって切り裂いていく。

 

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!!!!

 

途中、大きく雄叫びを上げてから再びギルバリスの関節部を狙って切り裂いていく。最後に首を攻撃して怯んだギルバリスはお返しとばかりにミサイルや砲弾、レーザーの一斉掃射で反撃するが…

 

「プラズマ光輪!!」

 

それに対してジードは距離を取り、右腕を上に伸ばして頭上に黄色の銀河を作り出し、それを4つの光輪に分割、両腕を振るって光輪を飛ばし攻撃を打ち落とした。

 

「今度はこっちの番だ!!」

 

そこにゼットが入り込んでいく。下半身に宿る超スピードの力で一気にギルバリスの懐に飛び込み、上半身の超パワーに左拳には炎、右拳には氷を纏わせギルバリスの一点を交互に何度も殴っていく。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!!」

 

「なあ一誠?ギルバリスの装甲は、そんな簡単にゃ抜けやしまへんですぞ?」

 

「まあ見てろ!!」

 

そんな一誠の行動を疑問視するゼット。こんな攻撃ではギルバリスは倒せないとゼットが思った瞬間……

 

―ピシィッ!!―

 

ギルバリスの装甲に罅が走った。

 

「マジすか!?」

 

「うしッ!!予想通り!!テレビか何かで見たが、堅いものを熱してすぐに冷やす行為を続けると割れやすくなるってのは本当だったか」

 

そう、一誠が狙っていたのはこれだったのだ。金属は熱すると膨張し、冷やすと収縮する。これを急激に行う事で元素の結びつきを弱くし壊れやすくしたのだ。

 

「いくぞゼット!!」

 

「おう!!」

 

この弱点を大きくするため、ゼットは両拳を胸の前で合わせ、そこから上に伸ばして大きく円を描くように左右の手に炎と冷気のエネルギーを込め、右腕は上前方へ、左腕は下前方に伸ばして炎と冷気の光線を放つ。

 

「「ゼスティウムレイバーストッ!!」」

 

その光線は直撃し、ギルバリスの全身を熱しては冷やしていく。その結果…

 

―ピシピシピシピシッ!!―

 

罅が全身へと、どんどん広がっていった。

 

「ブオォォォォォォアアアアアアン!?」

 

「よくやった、ゼット!!」

 

「先ずは武器を減らしましょう!!」

 

『フュージョンアップ!!ウルトラマンオーブ!!スペシウムゼペリオン!!』

 

そこにゼロが腕をL字に組み、オーブはスペシウムゼペリオンになると正面に光の輪を作り、右腕を上に上げ左腕を一度胸元に持ってきてから左へと伸ばし、光を輪の中央に集束させて十字を組み…

 

「ワイドゼロショット!!」

 

「スペリオン光線!!」

 

そこから放たれた光線が、脆くなったギルバリスの砲身を次々に破壊していく。しかし、まだ原型を留めているギルバリスは胸のレーザーを発射しようとエネルギーを貯め始める。

 

「反撃なんざ、させるかよ!!」

 

しかし、それをさせない様にゼロはウルトラランスを手にして体を青と銀の二色にした【ルナミラクルゼロ】に変わり…

 

「アグルさん!!」『ディヤアァァ!!』

 

「ヒカリさん!!」『フゥンンッ!!』

 

「冴えわたるやつ……頼みます!!」

 

「フュージョンアップ!!ウルトラマンオーブ!!ナイトリキデイター!!」

 

「影を払いし…光の刃!!」

 

オーブは青と水色に銀と黒の体色に胸には黒に金縁でスターマークが散りばめられたプロテクター、両肩と両肘にやや尖った銀のアーマーを纏い、頭部は上に少し伸びた姿【ナイトリキデイター】となり…

 

「宇宙拳法、秘伝の神業!!」

 

ULTRAMAN ZALPHA EDGE

 

ゼットはアルファエッジに戻り、ゼットランスアローを手にする。

 

「ミラクルゼロスラッガー!!」

 

「ゼットスラッガー!!」

 

「ナイトアグルブレード!!」

 

「ギャラクシーカッティング!!」

 

そして師弟コンビによるスラッガー攻撃に加え、空からはゼットとゼロが槍で、地上ではオーブとジードが両腕の光剣で高速移動しつつ斬撃を当てて更に追撃。縦横無尽に襲いかかる攻撃にギルバリスは反撃どころか防御や回避の隙すら与えてもらえず、その攻撃によって装甲が徐々に砕けていく。

 

「「シュア!!」」

 

最後にオーブとジードが、ギルバリスの左右をすれ違いながら切り裂き…

 

「ストロングコロナゼロ!!」

 

「真っ赤に燃える、勇気の力!!」『ULTRAMAN ZBETA SMASH

 

「も1つおまけだ!!」

 

『デュアルガシャット!!』

 

「マックス大変身!!」

 

『ガッチャーン!!マザルアップ!!』

 

ゼロはパワータイプの【ストロングコロナゼロ】になり、ゼットはベータスマッシュになってその上にゲネガーグ戦で纏った龍の鎧を装着する。

 

「後は…これだ!!」『SURVIVAL DRAGON!!』

 

更に一誠はガシャットのダイヤルを回して、サバイバルドラゴンを起動させる。すると、鎧の白い部分が赤に染まった。

 

「ウオオォォォォォォォォッ!!力がウルトラ漲るぜッ!!」

 

そして2人はギルバリスへと突貫、その脆くなったボディを全力で殴って拳をめり込ませ…

 

「ガルネイト…バスッター!!」

 

「ゼスティウムブレイク!!」

 

ギルバリスの内部に光線を撃ち込んだ。さすがに内部は脆いのか体のあちこちで火花をあがる。

 

「よしッ!!ウルトラ効いてるぜ!!」

 

「というかお前……何だその格好?」

 

「あ、これですか?これは今、自分が一体化している地球人の持つ力なんですよ!!」

 

「え、マジ…?メビウスに手紙を届けたとかいう【メテオール】といい、エックスの【モンスアーマー】といい…最近の地球の技術は半端ネェな…」

 

「ですよね~…」

 

「2人とも!!考え事に浸ってる場合じゃないって!!」

 

『ブオォォォォォォアアアアアアン!!』

 

「「へ?…おわぁッ!?」」

 

ここまでの攻勢で余裕を持ってしまっていたゼロとゼット。そこにギルバリスが残っている武装を手当たり次第に攻撃を始め、距離が近かった2人は巻き込まれそうになるも、ジードの呼びかけでギリギリ回避できた。

 

「あっぶな~…今のはマジ卍の鬼ヤバたんでしたね?」

 

「うん、言いたいことはなんとなく解るけどよ?…お前、もうちょっと日本語勉強しろ」

 

「ウルトラショック!?」

 

「次が来ます!!」

 

ゼロの指摘にショックを受けるゼット。しかし、オーブの言葉で意識をギルバリスへと戻すと…

 

『ボディへのダメージ、危険域に移行。修復作業を開始。護衛部隊を展開』

 

そのギルバリスの説明後、魔法陣が3つ浮かび、そこからギャラクトロンMk-Ⅱとギャラクトロンが2体出てくる。

 

「ここで増援か…Mk-Ⅱは俺とゼットがやる!!オーブとジードはギャラクトロンを倒せ!!」

 

「「「了解!!」」」

 

ゼロの指示にそれぞれ答えると、4人はギャラクトロン達へと向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜side

 

「ハァ…ハァ…ここなら大丈夫よ」

 

メガーヌさんの案内で私達は訓練広場まで走ってきた。

 

「ここはなのはさんやスバルさん向けに作った上級者コースだから、障壁は元より障害物も多めにあって隠れるにはうってつけなんだから♪」

 

「でも…ギルバリス相手だと心もとなさ過ぎる…」

 

相手はジードとオーブ、ゼロの三人が最強フォームでも苦戦した強敵で、私達の世界でも、その猛威を振るった。だからこそ、楽観視なんてできない……

 

「レイジングハート、障壁の強度を上げるから手伝って」

 

『All right My master.』

 

「って!?それはダメッ!!ストップぅッ!?」

 

そんな時、なのはさんが自身のデバイスであるレイジングハートさんに障壁強化を頼もうとしたのを、月ちゃんが必死に止めた。

 

「ちょっ!?どうしたの?」

 

「ギルバリスは機械をハッキングする能力があるから、デバイスを使うのは危険なんですって!!」

 

「……貴女、あのロボットについて何か知ってるの?」

 

そんなティアナさんの質問に、月ちゃんが答える。

 

「あれは【ラストジャッジメンター・ギルバリス】…惑星クシアと呼ばれる科学文明が発達した星で生まれた……宇宙に永遠の平和をもたらす為に作られた人工頭脳です」

 

「宇宙の……平和?」

 

その答えにティアナさんが首を傾げる。それはそうだ。ギルバリスのやっている事は、端から見ても大量虐殺という真逆の行為にしか見えないんだから…

 

「元々はクシアの星の言葉で、宇宙に平和をもたらす者という意味の【テラハーキス】と呼ばれていたんだけど……ある日、1つの判断を下したテラハーキスは暴走した」

 

「1つの判断…?」

 

「宇宙に永遠の平和をもたらす為には…【争いを起こす知的生命体は不要】っていう判断だよ」

 

「「「ええッ!?」」」

 

その答えにヴィヴィオちゃん達子ども組が驚く。それはそうだよね…平和の為と言って、やってる事はその反対の事なんだから。

 

「それからテラハーキスは自らをギルバリスと名乗り、惑星クシアを滅ぼして星をサイバー化、拠点として幾つもの星の知的生命体を滅ぼしてきた…そんなギルバリスをウルトラマン達も対処しようとしたけど、ギルバリスのコアにウルトラマンの光線は全く通用しなかった…そしてコアさえ無事なら、ギルバリスは何度でも復活する…」

 

「そんなとんでもねぇ奴、どうやって倒せってんだよ!?」

 

そこまで話を聞いていたノーヴェさんが怒鳴る。確かに、今までの話では倒す手段があるようには思えない…けど、切り札はある……ううん、今は()()()と言うべきなのかな?

 

「特効兵器があるんだよ。【赤き鋼】と呼ばれる必勝撃聖棍【ギガファイナライザー】…ジードがさっき使おうとしたやつだよ」

 

「じゃあ、それを使って…!!」

 

「ううん、ギガファイナライザーはもう使えないの…」

 

「どうしてッ!?」

 

そんなコロナちゃんの叫びに、月ちゃんに変わって私が答えた。

 

「あれはリク君が持つジードライザーってアイテムに最適化してあって、今の姿のジードはジードライザーが壊れて別のアイテムで変身してる姿なの。つまり…」

 

「ギガファイナライザーが使えない可能性が高い…ってことね…」

 

私の話から、ティアナさんが結果を述べる。そう、今のギルバリスに対して、私達が倒す事は絶対に出来ないのだ。

 

「万事休すか…!!」

 

ノーヴェさんが悔しそうに地面を殴る。

 

「なんでそんなバグを起こしちゃったのかな…?」

 

「そうだよね…なんでバグを…………ッ!!」

 

悲しそうなヴィヴィオちゃんに同意しようとした時、私の頭にあるアイディアが浮かび上がった。

 

そうだよ!!相手が人工頭脳なら…!!

 

「パラド君!!」

 

「どうした?」

 

「実は…!!」

 

私はそのアイディアをパラド君に話した。そしたら彼はニヤリと笑って…

 

「ああ、それなら出来るぜ?」

 

そう答えてくれた。

 

「じゃあお願い!!」

 

「任せろ!!」

 

そう言って彼は、粒子化して飛んでいった。うん!!これならきっとイケる筈…!!

 

そう喜んでいた時、後ろから肩を叩かれた。それで振り返ると、呆然とした顔の皆が私を見ていた。

 

あれ?一体どうしたんだろう…?

 

「ね、ねぇ…?今、パラド君が粒子になって消えていったんだけど…どういう事?」

 

「あ…」

 

そういえばパラド君がバグスターだって事、話してなかったな~…

 

皆からの視線に、私は苦笑いしつつ質問に答えていたが、そんな私達を見ている複数の視線には気づかなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、ウルトラマン達はギャラクトロン相手に苦戦していた。

 

「コンニャロウ…!!無駄に硬ぇ体しやがって…!!」

 

「ししょ~…!!自分、拳が痛うなってます~!!」

 

「アホッ!!泣き言言ってんじゃねぇ!!」

 

その強靭な装甲は、ベータスマッシュやストロングコロナの打撃ですら受け付けない。

 

「一誠!!もう一度、ウルトラフュージョンしましょうぞ!!」

 

「だなッ!!」

 

ゼットの提案に、一誠はシグマブレスターになるためのメダルを出そうとした時…

 

「イッセー!!」

 

「ッ!!パラド!?どうやって此処に…?」

 

インナースペースの中にパラドがやって来た。

 

「ちょッ!?お前は何方様ですか!?」

 

「そんなのは後だッ!!イッセー、曜がギルバリスを無力化する良い案を教えてくれた…!!」

 

「ッ!!聞かせろ!!」

 

驚くゼットは無視して、パラドが曜の提案を話す。

 

「なるほどな……ゼット、どう思う?」

 

「その方法なら、ティガ先輩にダイナ先輩、ガイア先輩の変幻自在な神秘の光をお借りすれば出来るでしょうが…」

 

「なら、ものは試しだ!!」

 

「よぉ~し、やってみるか!!」

 

こうしてゼット内部で作戦が決まり、それをゼロに相談する。

 

「師匠!!」

 

「どうした?」

 

「しばらく、ギャラクトロンMk-Ⅱをお願いしても?」

 

「……何か考えがあるんだな?」

 

「実は…」

 

「………………ハハッ!!そいつは面白ぇ!!」

 

先程の作戦を話すと、ゼロは面白そうに笑った。

 

「じゃあ!!」

 

「ここは任せろ!!無敵のゼロ様を嘗めんなよ!!」

 

「押忍!!」

 

ゼロの許可が出た事で、一誠もメダルホルダーを叩いて開き、飛び出てきたティガ・ダイナ・ガイアのメダルを指の間で挟み取る。

 

「変幻自在、神秘の光」

 

そのメダルを戻したブレード部のスリットに装填していき、スライドさせて読み込んでいく。

 

「ティガ先輩!!ダイナ先輩!!ガイア先輩!!」

 

TIGA.DYNA.GAIA.

 

「オッシャア!!」

 

「ご唱和ください!!我の名を!!ウルトラマンゼェット!!」

 

「ウルトラマン…ゼェェェェェェェット!!」

 

そしてゼットライザーを高く掲げ、叫びながらトリガーを押し込む。すると紫の軌跡を描くティガが…

 

「テャッ!!」

 

黄色の軌跡を描くダイナが…

 

「デアッ!!」

 

赤い軌跡を描くガイアが…

 

「ジョアッ!!」

 

一誠に集束すると、額には菱形のクリスタルと凹んだ金色のスリットがあり、胸と肩を覆うように銀ブチの金色プロテクター、そして体色は赤、紫、黒、銀が複雑な模様が描かれたゼットが、濃紺の中に紫の光球がいくつも浮かぶ空間から、次に淡い紫の爆炎が展開され、最後に2つの炎が渦巻く空間から飛び出てくる。

 

これがゼットの超能力形態。その名も…

 

ULTRAMAN ZGAMMA FUTURE

 

【ウルトラマンゼット・ガンマフューチャー】である。

 

ゼットはギャラクトロンMk-Ⅱをゼロに任せ、自身はギルバリスへと向かう。そして右手を強く握りしめると、手を青いオーラが包み込んでいく。更に目の前にティガ・ダイナ・ガイアの胸のプロテクターを円形に並べたような魔法陣を浮かび上がらせ…

 

「ガンマスルー」

 

その中に右腕を入れ、空間を超越してギルバリスのコアを掴み取った。

 

「よしッ!!掴みましたぞ!!」

 

「んじゃ、作戦開始だ!!」

 

そしてその手のオーラを、コアへと流し込んでいく。するとギルバリスの体から電流が迸り、全身からショートしてるみたいに火花が上がる。

 

今、ゼット達が何をやっているのかというと……

 

「プロテクト第36層、突破!!」

 

「残り64層…!!全部ブチ破って、()()()()()()()()()()()()するぞ!!」

 

そう、ギルバリスの初期化だった。確かにギルバリスは厄介な相手だ。しかし、その本体は人工頭脳……つまり機械であり、それならばコンピューターウィルスを使った攻撃も有効なのではないかと曜は思い、それをパラドに尋ね、可能と判断された。

 

しかし、その為にはコアに直接触れる必要があった。そこで硬い装甲をどうやって突破するかだが、ガンマフューチャーの能力ならイケると判断され決行される事となる。

 

作戦としてはゼットの能力でギルバリスの装甲を無視してコアに触れ、一誠の力でバグスターウィルスを注入、パラドがそれを制御してギルバリスを初期化するという内容だった。

 

つまりこの作戦は一誠にパラド、ゼットがいて初めて出来る方法なのだ。

 

「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!」

 

それからも次々にプロテクトを突破していく一誠達。しかし、親玉であるギルバリスのピンチに戦闘兵であるギャラクトロン達が黙っている訳がない。ゼットを妨害する為に攻撃しようとするが…

 

「やらせるかってんだよ!!」

 

それはゼロ達ウルトラマンによって阻止される。組み付き、激しく攻め立てて攻撃させる機会も、ギルバリスを援護させる隙すらも与えない。

 

ギルバリスのプロテクトは奥に行けば行くほど強化されていくが、一誠の持つバグスターウィルス変換能力で対プロテクト用のウィルスがすぐに作られ、難なく突破される。

 

「これで……ラストォッ!!」

 

そして遂に最後のプロテクトを突破し、中枢に入ったパラドがギルバリスの全データを初期化して、ギルバリスは活動を停止。それに合わせてギャラクトロン達も活動を止めるのだった。

 

「終わった……のか?」

 

「はい、ギルバリスの初期化は完全に完了いたしました!!」

 

「ああ~……疲れた…」

 

「お疲れ様です、リク」

 

疲労困憊でしゃがみこんだジードに手を差し伸べるオーブ。これで少し休めると思っていた時…

 

「ほぉ…ギルバリスをこうやって倒すとは、敵ながら見事と言っておこうか」

 

「「「「ッ!!」」」」

 

突如聞こえた声。それと同時に赤黒い稲妻を纏った紫の光線が、4人の上から襲いかかった。

 

「「「「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」」」」

 

その光線は次々に降り注ぎ、ギルバリス戦で力を使い果たしている4人は回避できず直撃し、更にギャラクトロン達にも命中して爆発を起こす。

 

「ハハハハハハハハッ!!惨めなものだな、ウルトラマン共!!」

 

倒れ伏すウルトラマン達…そんな彼らが空を見上げると、そこには件のガッツ星人と……黒い体にくすんだ灰色の骨の様な模様、肘や膝からは刃を生やし、爪が鋭く伸びた手には両端が金棒状になっている棍型の武器【ギガバトルナイザー】を持つ、つり上がったオレンジの目をしたウルトラマンがいた。

 

「まさか!?」

 

「間に合わなかったのか…!!」

 

「あのお方は…!!」

 

その姿に見覚えのあるゼロ、オーブ、ゼットが驚き……ジードは困惑と悲しみ、それとほんの僅かな再会の嬉しさを覗かせながらその名を口にした。

 

「ウルトラマンベリアル…………父さん…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして避難していた曜達の前にも、ピンチが迫っていた…

 

彼女達の前に3人の宇宙人が現れたのだ。しかもそれぞれ武装済みで。

 

「バールバルバルバルバル!!」

 

「何、あの金色渦巻き?他にも黒タイツ男と鬼仮面…」

 

「金色渦巻きじゃなーい!!俺様は宇宙海賊【バロッサ星人】だッ!!」

 

「黒タイツ言うな!!【マグマ星人】だッ!!」

 

「俺は【ババルゥ星人】だ!!鬼仮面じゃねえ!!」

 

リオの言葉にキレる3人、まあ…知らない人から見れば、その例えも否定はできない…

 

「貴方達の目的は?」

 

「なぁーに、俺様達はガッツ星人に雇われててな?ウルトラマン達の弱点を探せって言われてたんだよ」

 

「そこでようやくお前達を見つけたってわけだ」

 

「悪いが大人しく…人質になってもらおうか?」

 

どうやら彼らの目的は、彼女達の身柄らしい。だけど、黙って捕まる彼女達ではない。ティアナは自身のデバイスである銃【クロスミラージュ】を取り出し…

 

「その前に…貴方達を騒乱罪で逮捕します!!」

 

「逮捕だあ?やれるモンならやってみな?」

 

「この…!!」

 

その嘗めた態度に、脅しも込めて1発魔力弾を撃とうとしたが…

 

「……ッ!?魔法が使えない!?」

 

魔力弾を撃つどころか、弾を生成する事すら出来なかった。

 

「まさか…AMF(アンチマギリングフィールド)!?」

 

「そんなチャチなもんじゃないぜ?この一帯に、お前らの魔力の源……え~と…リンカーコアだったか?それの働きを止めちまうフィールドを張ってあるのさ」

 

「そんなッ!?」

 

リンカーコア……それはこの世界で魔法を使うのに必要な器官で、これがないと魔法を発動させる事すら出来ない。そしてそれを止められた今、ティアナ達に魔法を使うことは不可能になった。

 

「まあ、範囲が狭いとか他に魔力を貯めてある物からの発動は阻害出来ないとか、欠陥は多いらしいけどよ」

 

「今のお前達には充分だけど」

 

「くぅ…!!」

 

「なら!!」

 

「おっと…動くなよ?」(ガシャッ)

 

自分達の絶対的有利を確信している宇宙人達に、悔しそうに顔を歪めるティアナ。()()()()()()()()()()()スバルとノーヴェが動こうとしたが、その前にバロッサ星人が右腕に装着している銃【ペダニウムランチャー】をヴィヴィオ達に向ける。

 

「「「ヒィッ!?」」」

 

「抵抗したら、そこの嬢ちゃん達がどうなるかな?」

 

「うッ!?」

 

「この卑怯者どもがァ…!!」

 

「悪いな、卑怯も辣韮も好物でね♪」

 

それによって反撃できなくなるスバル達。まさしく絶体絶命なその時…

 

「…【緋空斬】」

 

―ザギィン!!―

 

「………………は?」

 

「「え?」」

 

どこからか飛んできた炎の斬撃波によって、銃身を半ばから両断された。それにバロッサ星人だけでなく、マグマ星人とババルゥ星人も呆気に取られていると、ゆるふわのブロンドヘアーに眠そうな目をした1人の少女がスバル達の頭上を飛び越えてくる。

 

「よいしょ~…」

 

少し間延びした喋り方をしているが、その人物が手にしているのは反りのある片刃の剣…刀だ。そして両腕を胸元で上下にクロスさせながら振りかぶり…

 

「【水面斬り】~…」

 

「うおあッ!?」

 

刀身に流水のエフェクトを纏わせながら、腕を思いきり広げるようにして剣をマグマ星人の首へと振るう。マグマ星人はギリギリで反応できて右腕のサーベルで防ぐが、その威力に吹き飛ばされる。

 

「おいッ!?だいじょ「隙有りですよ♪」へ?ウギャアッ!?」

 

そんなマグマ星人を見て声を上げるババルゥ星人。しかし、そんな彼の背後にまた別の少女が現れ、左手を前にかざし右手の剣を肩の上に大きく引く構えから単発の突きを放ち、ババルゥ星人を突き飛ばした。

 

「ふっふ~ん♪どうです?かすみんの【ヴォーパル・ストライク】は(パキィン)…って剣が折れたァ-!?どうしようどうしよう!?先輩に怒られるぅ~!!」

 

自らを【かすみん】と名乗ったボブカットの銀髪に赤い目を持つ少女はドヤ顔するも、持っていた剣が半ばから折れてしまい大慌て。そこに水面切りを披露した少女がやって来るが、その少女の剣も折れていた。

 

「まぁまぁ~、彼方ちゃんも折っちゃったし~、一緒に謝れば侑ちゃんも許してくれるって~…」

 

「そんなわけないですよッ!?前にかすみんが剣を折った時なんか、侑先輩はどこからか出したキュアグレー○のお面を着けて、その下で大号泣しながら罵詈雑言吐きつつ、手にしてた日本刀振り回して追いかけられたんですからねッ!?」

 

「…………頑張れ、彼方ちゃんはかすみんちゃんの冥福を祈ってるから」

 

「なぁにかすみんを生け贄にて、自分は助かろうとしてるんですか!?彼方先輩も同じ目に合うんですからね!?というか何で普通の喋り方!?何時もの間伸びした喋り方はどこ行った!?」

 

「落ち着いてください、かすみさん」

 

まるでキレ芸のごとく喋りまくるかすみんことかすみ……そこに最初の斬撃を飛ばしたと思われる人物がやって来る。見た目はかすみと同じくらいの慎重で黒髪のボブカット、左側にリボンを着け口からは八重歯が見えている少女だ。なお、その少女が手にしている刀も根本から折れている。

 

「先輩ももうすぐ追いつきますし、私も刀を折ってしまって同じ運命にあります。ここは潔く覚悟を決めておきましょう?」

 

「ちょ、しお子ッ!?それ諦めろと同じでしょ!!」

 

「そうともいいます」

 

「うわぁ~…栞子ちゃんの目が死んじゃってるよ…」

 

「じゃかましい!!いつまで続けんだッ!?」

 

そんなコントを繰り広げる3人。それを止めたのは、大声を上げたバロッサ星人だ。

 

「俺達をコケにしやがって…!!お前ら、何者だ!!」

 

「何者かと問われたら……」

 

ババルゥ星人の言葉に、栞子は顎に手を当てて考え…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「迷子の剣士…としか言いようがありませんね」

 

「「「「「ズコーッ!?」」」」」

 

そう答えて、全員がズッこけた。




いかがでしたか?


ゼット「突如現れた3人の少女。手持ちの剣は折れているので大ピンチ!!……かと思いきや剣が付いてるベルト!?それに八葉一刀流?水の呼吸?ソードスキル?…なんかとんでもない剣術を使いますぞ、この子達!?」


次回【3人のSwordsman】


ゼット「ウルトラ切り裂くぜ!!」



彼方「ここで令和こそこそ噂話~…げむちかの世界では、歴史に埋もれたけど過去に鬼滅の刃の基になった人間と鬼の戦いがあったのだ~…」

かすみ「ええッ!?マジですか!?」

栞子「では、彼方さんの使う水の呼吸は…」

彼方「ガチの本物なのだ~…」(ダブルピース♪)

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