ISとHALOが混ざってしまった件について…   作:コレクトマン

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第1章の第5話、始まります。

転生者よ、基地から脱出せよ。


小惑星基地を奪還しようとした結果… 後編

 

 

ウルフチームと生存者のスタッフは地下5階で星矢を発見し、エレベーターで中央制御室まで向かっていた。その際にコヴナントが待ち構えていた。そのコヴナントの中にゼロットクラスのエリートがエナジーソードを持ってステルスで姿を消し、そのまま星矢に向かって行った。

 

 

(死ねっ!悪魔!!)

 

「……!!」

 

 

星矢はステルスで姿を消していたゼロットの位置を特定したのか、ゼロットがソードを振るう前に星矢がソード・メイスを後ろに振るい、姿を消していたゼロットの左横腹に食い込みゼロットの骨が砕け、やがてゼロットの身体がくの字に曲がってそのまま星矢に叩きつけられた。無論、叩きつけられたゼロットは絶命した。

 

 

「ゼロットか……妙に殺気が強いと思ったら此奴か」

 

「というか、何気にえげつねぇな…リーダー」

 

「後は取り巻きのグラントやジャッカルを掃討するだけだ」

 

 

こうしてウルフチーム達は、コヴナントを撃退しつつ中央制御室に到着したのだ。その瞬間、星矢のミョルニル・アーマーが光り始めたのだ。

 

 

「おいっリーダー?なんかお前さんのアーマー、光ってねぇ?」

 

「本当だ……。星矢、アーマーが光っているぞ?」

 

「ん?……あっ。このアーマー、ミョルニル・アーマーのIS版の方を装着したままここに来たん

だった」

 

「……おい、それはそれで大丈夫なのか?」

 

「多分大丈夫じゃないかもしれない」

 

 

そう言って星矢は、左腕に付いているニュートラル・ネットワークパネルで画面を表示した。すると画面から“一次移行(ファーストシフト)実行可能”と書かれていた。それを見た星矢は画面下に書かれている“実行”コマンドを押して一次移行した。すると星矢のアーマーがMk-ⅥからRecruitに変わった。

 

 

「おっ!それはSPARTAN-Ⅳに支給されるアーマーじゃねえか!」

 

「“Recruit”か……中々のいい品だが、なんでそれにしたんだ?」

 

 

志野が星矢のアーマータイプがRecruitであることが判別し、桂は星矢に何故それにしたのかを聞き出した。

 

 

「あぁ……こいつの事か?僕としてはこのヘルメットのバイザーの視界が独特なのが好きなんだ」

 

「……意外と変わった趣味をしているんだな?星矢」

 

「そうか?……それよりも、中央制御室の端末はどうだ?」

 

 

星矢はスタッフにそう聞くと………。

 

 

「あっ……はい!端末の方は大丈夫のようです。今から窓を封鎖しているシャッターを開きます」

 

 

 

スタッフが端末を操作して窓を封鎖しているシャッターを開き、窓の奥の宇宙の様子を見るとコヴナントの主力艦であるCCS級巡洋戦艦五隻とCAS級アサルト艦空母一隻の編成艦隊がスリップスペースジャンプして来て、アルゴスターを包囲する形で展開していた。

 

 

「……かなりまずい状況だな」

 

「あぁ……かなりな」

 

「うわぁーっ……逃げて〜っ………!」

 

「これほどの艦隊がここにきたのか?!」

 

「あ〜〜っまずいですよ!どうしましょう!?」

 

 

状況が絶望的になって星矢は、ある決断をする。

 

 

「僕たちSPARTANでもあの数の対処は不可能だ」

 

「ならどうする?奴らに此処の施設を明け渡すわけにはいかねえだろ?」

 

「分かっている。やむをえないが…基地の奪還を変更しよう。この基地を爆破する」

 

「えっ?!そうなんですか!?だ……だったらちょっと待ってください!」

 

 

そう言ってスタッフは端末を操作してこの施設内の必要なデータをUSBメモリにコピーし、コピーし終わったデータや要らないデータの削除を行った。

 

 

「えっと……これは必要で……これは要らなくて……よしっ!」

 

 

掛かった時間は約1分と早すぎるスタッフの行動を見たウルフチームは思った。

 

 

((((いや、終わらせるの早すぎだろ…!))))

 

 

そう思いながらも星矢は、ONI本社に通信を入れるのであった。

 

 

「S105からONI。コヴナント艦隊の増援によりアルゴスターの奪還は不可能。アルゴスターの爆破を許可を求む」

 

『了解したSPARTAN。アルゴスターを失うのはやむをえん………スリップスペースを応用してコヴナント艦隊にMACガンを使って超長距離狙撃を行い、脱出経路をこちらが確保する。生存者と共にアルゴスターから脱出せよ』

 

「了解。S105、交信終了。皆、聞いての通りだ。この基地を自爆させ、この宙域から脱出するぞ」

 

「それは良いんだが、俺達が乗って来た降下艇はおそらくコヴナントに見つかって破壊されているぞ。他に脱出方法があるのか?」

 

 

桂の問いかけにスタッフが星矢の代わりに答えた。

 

 

「あっ…それでしたらこの基地で作られたステルス搭載型の新型輸送艇が第六区画のエアロックに一機置いてあります」

 

 

スタッフがウルフチームがダウンロードした見取り図を展開し第六区画のエアロックの方を指した。

 

 

「なるほど、じゃあそいつは使えるのか?」

 

「ハイッ!…ですが、第六区画にはコヴナントが沢山います。何か方法はありますか?」

 

「簡単だ…撃ちまくって強行突破する!だが先ずは………」

 

 

そう言って星矢は、 MA5Dを使って中央制御室のメインコンピューターに1マガジン分を撃ち込んだ。

 

 

「おいーーっ!?リーダー、お前何やってんだ?!」

 

「ん?ちょっとした自爆コードの代わりだ」

 

「…て、そう都合良く行く訳が………?」

 

 

志野と桂が星矢の行動にツッコンだ瞬間、基地全体に警報が行き渡った。

 

 

『警告!警告!中央制御室のメインコンピューターに異常発生!プロトコルに従い、この基地の

緊急用自爆装置が起動しました。解除することは不可能です。全スタッフならびに全研究員は

速やかに第六、第七区画の避難経路を利用しエアロック内の脱出艇を使って脱出してください』

 

「「ええーー?!マジで(か)!?」」

 

「……案外都合よく行くもんだな」

 

「って、ちょっと〜!?自分が自爆コードを持っているのに勝手にメインコンピューターを壊さないでください!!」

 

「あぁ……すまん。と…とにかくここから脱出しよう。ウルフチーム、急ぎ第六区画のエアロックに向かうぞ」

 

 

そう星矢がメンバーに言ってウルフチームは新型輸送艇がある第六区画に向かうのであった。

 

 

星矢Side out

 

 

 

清十郎Side

 

 

俺の息子がアルゴスターを奪還するはずだったが、コヴナント艦隊の増援によって不可能と判断しステーション周辺に展開している“ザイファー・リング”とステーションに搭載されている“スーパーMACガン”を使って超長距離狙撃の準備をしていた。現在はザイファー・リングの座標を敵CASアサルト級に設定し、ザイファー・リングを展開するのであった。

 

 

「“ザイファー・リング”展開します。メインリブロック解除」

 

 

ザイファー・リングは一つのリングから六つのブロックに分離し、ステーションのスーパーMACガンの射線上中心に輪っか上に展開し、青いエネルギーリングを展開した。

 

 

「各ブロック、起動確認」

 

「……チェック。異常ありません」

 

「了解、ファイナルシーケンスに移行。エネルギー照射を開始」

 

「了解。エネルギー照射、開始します」

 

 

ステーション上に展開した三機のエネルギー照射ブロックからエネルギーが照射され、そのエネルギーはエネルギーリング中央に向かっていき、エネルギーが収束し始めた。

 

 

「“ゲート・レンズ”展開」

 

「了解。展開します」

 

 

エネルギーリング中央に集まったエネルギーをスリップスペースジャンプのゲートに変換して円形状のスリップスペースが完成した。

 

 

「ゲート生成、成功しました」

 

「おっし…皆、ウチの会社の基地を荒らしたコソ泥のコヴナントにちょいとお仕置きしてやろう。異論はないな?」

 

『了解です!社長!』

 

「あのな…俺はもう社長じゃねぇよ。今の社長は星矢だろ?」

 

『それでも、元社長には変わりありません!』

 

「あぁそうかい……とりあえずMACガンを敵CASアサルト級にセット完了次第にぶっ放せ。敵艦のシールドがダウンしたらアーチャーミサイルで迎撃だ」

 

『了解です!』

 

 

スタッフ一同は清十郎の命令によってスーパーMACガン及びアーチャーミサイルの発射準備をし清十郎は、ステーションに在中しているスマートAI“ガーランド”に指示を出した。

 

 

「…んじゃっガーランド、MACガンの誤差修正頼んだぞ」

 

《了解です。さ〜てとっ仕事だ仕事!》

 

「社長、MACガン並びにアーチャーミサイルの発射準備が完了しました」

 

「よしっ…そんじゃあ、コヴナント共にMACガンとアーチャーミサイルのセットをたらふく食わせてやれ!」

 

「了解。MAC、発射!」

 

 

ステーション中心部の火砲から電流が走り、その火砲から3000トンのタングステン弾芯の砲弾が毎秒1万2000kmの速度で発射され、ザイファー・リングによって生成されたスリップスペースゲートに向かっていき、砲弾はゲートを通るように吸い込まれてゲートは水しぶきの波紋を描くようにうねっていた。続けてアーチャーミサイルを発射して、後を続く様にゲートを潜っていった。

 

 

清十郎Side out

 

 

 

コヴナント・ムダマ軍Side

 

 

人間共の小惑星基地を発見したとの先発隊との交信が途切れたので我々艦隊が動くことになった。小惑星基地にジャンプアウトしてみると先発隊のグラントから通信が入った。

 

 

『た…助けて?!オイラはまだ死にたくない!!』

 

「落ち着け!一体何があったのだ?状況を報告しろ!」

 

『あ……悪魔が現れたんだ!仲間が次々とやられていったんだ!!…ん?ワァーッ!?悪魔だ!?

助けごぉっ!………』

 

 

グラントの通信が途中で途切れた。恐らく運悪く悪魔と遭遇してしまい殺されたのだろう。

 

 

「司令!あの基地にいる悪魔はどう対処すれば?」

 

「むぅ……やむをえん。プラズマ魚雷であの基地ごと破壊せよ!」

 

「しかしっあの基地にはまだ先発隊が…」

 

「構わん!名誉ある死だ。そうとあらば準備せよ!」

 

「りょ…了解!」

 

 

まさかあの基地に悪魔がいたとはな……。だが所詮は人間。我らエリート族の前に首が落ちるだけのことよ。この基地に向けてプラズマ魚雷の発射命令をしようとした時に艦の後方に展開しているCCS級艦隊の横からスリップスペースが発生した。

 

 

「し…司令!後方からスリップスペースが出現!何かがジャンプアウトして来ます!」

 

「何っ!?」

 

 

スリップスペースから戦艦ではなく、スーパーMACガンによる地球からの超長距離狙撃で後方にいたCCS級巡洋艦五隻の内一隻目は轟沈し、二隻目はシールドを破られて大破、シールド消失。そして三隻目はシールドを大幅に持って行かれて航行不能に陥った。さらに追い打ちと言わんばかりに多数のアーチャーミサイルが二隻目と三隻目に直撃し二隻共々大破、撃沈した。

 

 

「し…司令!これは敵の攻撃です!」

 

「言われずとも見れば分かる!えぇい…クソッ!ジャンプだ!この宙域から離脱だ!」

 

「りょ…了解!」

 

 

こうしてコヴナント艦隊は、 CCS級巡洋艦三隻を失うという大打撃を受け撤退を余に無くされた。スリップスペースを展開して現宙域から離脱した。

 

 

コヴナント・ムダマ軍Side out

 

 

 

星矢Side

 

 

星矢率いるウルフチームは、アルゴスターから脱出を図るために第六区画のエアロックに向かっている最中、アルゴスターを包囲しているコヴナント艦隊の後方からスリップスペースが出現した。星矢達は新たなコヴナント艦隊の増援と思われたが違った。そのスリップスペースから砲弾らしき物体が高速でCAS級アサルト艦の後方にいるCCS級巡洋艦五隻の内一隻轟沈、一隻大破に一隻航行不能まで追い詰めたのだ。すると志野が先ほどの砲弾の正体を見抜いた。

 

 

「おっ?ありゃ…“スーパーMACガン”じゃねぇか!相変わらず威力がすげぇなおい?」

 

「あー…多分あれ、僕の父さんがステーションの周辺に展開しているザイファー・リングを使ってアルゴスターに展開するコヴナント艦隊に座標をセットして、そこからスーパーMACガンを使ったんだろう」

 

「まぁ…何はともあれ、今は第六区画まで行くぞ。ここの施設もやばくなって来たようだ」

 

「……それもそうだな。ウルフチーム、急ぐぞ」

 

 

星矢達は第六区画のエアロックまで走り抜け、アルゴスター自爆まで残り6分ギリギリで新型輸送艇があるエアロックにたどり着いた。

 

 

「何とか自爆前にエアロックにたどり着いたな。で、どうだ?動かせそうか?」

 

 

星矢はスタッフに新型輸送艇のチェックを頼み辺りを警戒した。そしてスタッフは、近くの端末を操作して新型輸送艇のステータスチェックを行なった。

 

 

「待ってください。えーっと燃料や推進剤などの残量などは…良かった!既に補充済みです!」

 

「そうか。なら正面の奴らを何とかしないとな」

 

「え…正面?あぁーー?!ハンターだぁ!?しかも二体?!」

 

 

星矢達の前にハンター二体が発進口にて立ちはだかったのだ。

 

 

「奴を倒さないと脱出は無理の様だ。お前は先に新型輸送艇に乗り込んでいつでも出せる様準備してくれないか?ハンター達は僕達が片付ける」

 

「わ……分かりました!それとSPARTAN、幸運を…」

 

 

スタッフは星矢の指示で先に新型輸送艇に乗り込み、新型輸送艇内でアーマースーツを脱ぎ操縦席で新型輸送艇の電源を入れてウルフチームが乗り込むまで待機した。

 

 

「よし。ラルフ、この基地の自爆まで後どの位だ?」

 

「後4分だ。早めにハンター達を倒さないと、俺たちはこの基地と心中してしまうからな」

 

「そうか…なら、僕と桂がハンター達も注意を引くから志野とラルフはその隙に背後から撃て」

 

「了解した。志野、途中でヘマをやらかすんじゃねぇぞ」

 

「心配すんなって。んな事もあろうかと通って来た道中で此奴を拾って来たからな」

 

 

すると志野は、道中で拾って来たハイドラMLRSを構えた。

 

 

「ハイドラか、よく見つけたな」

 

「まぁな。それよりもあのハンター達を蹴散らそうぜ!」

 

「…そうだな。桂、いけるな?」

 

「無論だ」

 

「よし…各員、散開!」

 

ウルフチームは星矢の掛け声と同時に散らばり、星矢と桂はハンター達の注意を引きつける。星矢はソード・メイスを取り出してハンターに叩きつける。しかしハンターは左腕のシールドで星矢のソード・メイスを受け止め、右腕の燃料ロッドガン星矢に向けるが星矢はソード・メイスを棒高跳びの様にソード・メイスに力を込めた後ジャンプして、ハンターの背後を取った。そしてそのままソード・メイスをハンターの背後を守るアーマーに叩きつけ、破壊した。それに便乗するかの様に志野は、ハイドラMLRSを使ってハンターをロックオンした。

 

 

「ロックオン!食らいやがれ!」

 

 

志野はハイドラのトリガーを引いて追尾式ロケット弾を6発全弾発射した。ハンターは左腕のシールドを駆使して6発のロケット弾を防いだが、その隙を突いて星矢はソード・メイスからMA5Dに持ち替えてハンター背後の集合部分に1マガジン分撃ち込んだ。そもそもハンターは、レグゴロと呼ばれる体長1.4mのミミズ状の生物の集合体である為ダメージを負うと他のレグゴロにもリンクしてダメージを負うのだ。志野が撃ったハイドラMLRSロケット弾6発分のダメージがあっての事か星矢のMA5Dから出る7.62×51mmFMJ-AP弾36発分を受けたハンターは、低い音を立てた後力尽きて絶命した。

 

一方の桂とラルフはもう一体のハンターの対処をしていた。

 

 

「ラルフ、こいつでハンターの背後を撃て。注意は俺が引き付ける」

 

 

桂はラルフにSRS99-S5を渡して後方援護を頼んだ。

 

 

「それは分かったんだが、大丈夫なのか?」

 

「心配ない。ハンターの繊維部分が見えたら撃て」

 

 

そう言って桂はハンターの方に向かって走った。ハンターは向かってくる桂を左腕のシールドで叩きつけようとするが先に桂がアッパーでハンターの頭部を殴り、怯んだ処を狙ってそのまま左手でハンターの左腕を掴み、ミョルニル・アーマーのパワー・アシストと薬剤で身体強化した体を組み合わせてハンターを前へと引っ張り、攣られたハンターの足を引っ掛けて残った右手でハンターの背中を掴んでそのまま地面に叩きつけた事でハンターの背中のアーマーが破損し、弱点でもある集合部分が晒される。ハンターの弱点が晒された事を確認したラルフはSRS99-S5のスコープを覗き、照準をハンターの弱点部分に合わせた後そのまま引き金を引くと、轟音と共にSRS99-S5の銃身から高い火力を誇るM232 14.5x114mm APFSDSがハンターの弱点に食い込みハンターは低い悲鳴を放った後そのまま動かなくなり、絶命した。

 

 

「流石だな。元SPARTAN-Ⅱの名は伊達ではないか…」

 

「煽てないでくれ。俺はもう、SPARTAN-Ⅱじゃない…」

 

「む…すまない。どうやら、向こうも終わったようだ」

 

 

桂達は星矢達と合流した後、新型輸送艇まで戻って周囲を警戒した。

 

 

「エアロック内の残敵無し、発進口制圧!」

 

「時間は?」

 

「ギリギリだ、残り89秒」

 

 

志野から自爆までの残り時間を聞いた後、端末を操作してエアロックのゲートを開いた。するとエアロック施設内部で爆発が起き、いつ崩壊してもおかしくない状況になっていた。

 

 

「S105からONIへ。アルゴスターは自爆。ウルフチームは生存者と共に地球へと帰還する」

 

『了解した、ウルフチーム。コヴナント艦隊を撃退した所に我々が開いたスリップスペースゲートが展開している。そこから通って、地球まで帰還してください』

 

「了解、交信終了。ウルフチーム、急ぎ新型輸送艇に乗り込め。すぐに出るぞ!」

 

「了解した。…たく、今回の任務は骨が折れるな」

 

「まったくだ。くたびれたぜ〜」

 

「急いで脱出しよう!」

 

「皆さん、乗りましたか?出しますよ!」

 

「あぁ…全員乗った。出せ」

 

 

星矢の指示でスタッフは新型輸送艇のエンジンを吹かし、星矢は新型輸送艇に付いている端末を操作して搭乗口のハッチを閉めた。そしてそのまま発進してアルゴスターから脱出した。脱出した直後アルゴスターの爆発がより強まり、そして…基地全体を覆う爆発が起きた。星矢達が乗る新型輸送艇は、基地の爆発に巻き込まれずにそのままスリップスペースゲートに入って行った。この時に星矢は、基地で見たグレイヴマインドと謎の巨大兵器の幻覚の事を考えていたが、この事はまた今度考えようと思い、頭の中の片隅に置いとくのであった。

 

 

星矢Side out

 

 

 

清十郎Side

 

 

星矢がアルゴスターに向かって以来四時間が経過していた。まぁ…星矢の事だ、無事に帰ってくるだろう。するとブリッジから養子で引き取った義理の娘のシャルロットが入って来た。ここに来たという事は、星矢の事で聞きに来たんだろう。

 

 

「あのっ……お義父さん」

 

「ん?シャルか。どうしたんだ、ここに来て?もしかして…星矢の事が心配か?」

 

「う……うん。僕、星矢は大丈夫なのか心配で……」

 

 

シャルロットは星矢の事を案じながら帰りを待っていた。そう考えた俺は、シャルロットの頭を撫でて言った。

 

 

「大丈夫だ、俺の息子の事だ。シャルとの約束を必ず守るさ」

 

「お義父さん……うん……」

 

 

まだ不安が拭えてないが、少しは気が楽になったかな?そう考えていると、アルゴスターで製造していた新型輸送艇がスリップスペースから出て来たのだ。恐らくあの新型輸送艇に星矢が乗っているのだろう。そう考えた俺は、シャルに星矢が帰って来た事を伝える。

 

 

「おっ……噂をすれば何とやら。シャル、星矢が帰って来たぞ」

 

「えっ……本当?」

 

「あぁ、あの輸送艇はエアロックに向かっているからエアロックで彼等を迎えてやってくれないか?」

 

「……うん!」

 

 

シャルロットは星矢が帰って来た事に喜んだのか、エアロックに向かって走って行った。星矢の奴、良い友を持ったな。後は星矢がシャルとくっつく様に仕向けるか。ついでにISとSPARTANによる合同演習の時に星矢が出会ったイギリス代表者の子も星矢の事を気になっているっぽいし、その子もくっつけよう。こうして俺は、星矢の“ハーレム化計画”を実行する準備をするのであった。もしくっついたら、赤飯がいいだろうなぁwww。

 

 

清十郎Side out

 

 

 

星矢Side

 

 

星矢たち事ウルフチームは輸送艇をステーションのエアロックに入れた後、輸送艇から降りた。降りた時にはスタッフたちが出迎えていた。

 

 

「おかえりなさい、SPARTAN!」

 

「よっ!待ってたぜ、アルゴスターから生存者を助けた英雄!」

 

「あのアルゴスターから無事脱出するとは……流石はSPARTANだぜ!」

 

 

まるで希望に満ちたヒーローか陸戦のエースが帰還したような出迎えだった。

 

 

「予想だにしなかった展開だな……」

 

「……だが、こういうのも悪くないな」

 

「…へっ!なんか照れ臭いぜ!」

 

「何とか……帰って来れた」

 

「た……助かった〜〜……」

 

 

星矢達は無事に地球に戻れた事に安堵した時にONI日本支社の社長がやって来た。

 

 

「ご苦労だった、SPARTAN諸君。よくぞ無事に戻って来た。それとウルフリーダー、君を帰りを待つ姫君がこの先で待っているぞ」

 

「姫君?」

 

 

日本支社の社長に言われて先の方を見てみると、義理の妹シャルロットが待っていた。

 

 

「……シャル?えっとその……」

 

 

星矢がシャルロットに何か言おうとした時にシャルロットが星矢に近づいて、そして抱きしめた。

 

 

「遅いよ……義兄さん。僕、心配だったんだよ?」

 

「ごめん……心配をかけて………」

 

 

星矢はシャルロットを撫でて謝罪した後、シャルロットを軽く抱きしめた。

 

 

「お帰り、星矢……」

 

「ただいま、シャル……」

 

 

この一部始終を見たウルフチームとスタッフ一同は思った。

 

 

『(甘すぎる……ブラックコーヒーが欲しい……)』

 

 

この後星矢がシャルロットとのラブコメ的な展開になっていた事に気付いて赤面した事は別の話………。

 

 

星矢Side out

 

 

 

束Side

 

 

一方の束は、モニターとセンチネルの協力を得て、箒専用機である第四世代のIS“赤椿”を完成させるのであった。

 

 

「やった〜!!モニちゃんとセンちゃんのおかげで箒ちゃんの専用機を早期に完成する事が出来たよ、モニちゃん、センちゃん、ありがとね〜!」

 

「いえいえ、私達が手伝える範囲で手を貸しただけです。ほとんどは束博士の妹に対しての愛情あってこそこの短期間で完成したのです。私としては誇れる事ですよ?」

 

 

センチネルは「“愛情”最強説(*´∀`*)」と書かれたプラカードを束に見せていた。

 

 

「ありがとねモニちゃん、センちゃん。後センちゃんには手伝ってくれたお礼としてこれをダウンロードしてみて?」

 

 

センチネルは束から一つのUSBメモリを貰って、自身のアームユニットのUSB差し込み口に差し込んだ瞬間、センチネルの体に電流が一瞬走った。

 

 

「何だったんだ一体………?………!?」

 

 

その時センチネルは理解不能な出来事に遭遇した。何と…喋る機能が無かったはずがセンチネルから声が出たのだ。束が渡したUSBメモリは対話インターフェイスプログラムが組み込まれていたのだ。

 

 

「やった!大成功!」

 

「あの……束博士?これは一体?」

 

 

センチネルは若干戸惑いながらも束に自身はどうなったのかを聞き出した。

 

 

「ごめんねセンちゃん。先に説明しないで渡しちゃって……それには喋る事が出来ないロボット用に開発した束さん特製“ロボットとお喋りプログラム☆”が組み込まれているんだ。センちゃんはプラカードで答えていたけど、センちゃんにも声があっても良いと思ってセンちゃん用に作っておいたんだ☆。これでセンちゃんとお喋りが出来るね!」

 

 

束はセンチネル用に対話インターフェイスプログラムを作ってセンチネルが喋れるようにしたのだ。この時のセンチネルは、最初は複雑の気持ちだったのだが次第にモニターと同じように感情が芽生えて今以上に独特な存在になった。すると束の携帯から通信が入って来た。

 

 

「ん?電話だ。誰からかな?」

 

 

束は携帯を取り出して通信相手を確認した。

 

 

「あ〜!“ハルちゃん”だ!ハルちゃんと電話するの久しぶりだな〜。早速出てみよう!」

 

 

束が言うハルちゃんとは一体誰であるのかはまだ判らない。

 

 

続く。

 

 




スーパーMACガン最強説。
星矢とシャルが合わさると砂糖製造機に早変わり。
束、センチネルを喋れるようにしました。
束が言うハルちゃんとは一体………。

次回は、クラス代表戦です。

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