ISとHALOが混ざってしまった件について…   作:コレクトマン

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第1章の第16話、始まります。


注意!この話では残酷な描写表現とラウラファンの方にはキツい内容になっています。
平気な方はお読み下さい。


転生者よ、SPARTANを止めろ。


桂がブチ切れて厄介な事になった結果…

 

 

星矢が教室に向かう最中、女子生徒内である噂が立っていた。“今度の学年別トーナメントでの優勝者には星矢か一夏と付き合う権利が得られる”という訳の分からない噂が立っていた。そんな事はお構いなしに星矢は教室に向かっている途中で簪と出会う。

 

 

「あっ……簪、おはよう」

 

「おはよう星矢、朝早くどうしたの?」

 

「いやっ偶然他の皆より早かっただけ。それとこれっ、志野が簪に渡して欲しいと言われた物だよ」

 

 

そう言って星矢はノートPCを取り出してUSBメモリを差し込んでデータを見せた。以前志野に発注した打金二式の追加武装である専用の盾“写し雨”と、山嵐専用のマルチロックオン用のOSデータがあった。

 

 

「凄い…!もう完成させるなんて…!」

 

「あいつはメカオタクと言っても良いくらいに魔改造を施す奴だからな。武器名ですら改名するくらいに……」

 

「えぇー……」

 

 

簪は複雑ながらも志野が作ってくれた打鉄二式の追加武装である専用の盾“写し雨”と、山嵐専用のマルチロックオン用のOSデータが詰まったUSBメモリを星矢から受け取った後に其々自分の教室に向かって行った。この時にこっそりと簪を見守っていた生徒会長の楯無が星矢に若干嫉妬したが生徒会の布仏に怒られて戻されたのは別の話………

 

 

星矢Side out

 

 

 

セシリアSide

 

 

今日の授業を終えたセシリアは放課後に第三アリーナに来て学年別トーナメントに向けて特訓を行おうとした時に女子生徒達が噂の事を思い出していた。

 

 

「優勝者には星矢さんか一夏さんと付き合う事が出来る権利………ですか。恐らくは私が星矢さんに告白しようとした事を誰かが聞いて違う形で情報が拡散してしまったようですね……」

 

 

そう思いながら若干恥ずかしさを感じながらもセシリアはブルー・ティアーズを展開してアリーナに出ると……

 

 

「「あっ……」」

 

 

甲龍を展開した鈴と鉢合わせとなり、お互い間の抜けた声を出してしまう。

 

 

「奇遇ね、あたしはこれからトーナメントに向けて特訓するんだけど」

 

「奇遇ですわね、私も全く同じですわ」

 

「それはそうと少し話を飛ばすけど、アンタ、星矢の事をどう思っているの?」

 

 

それを聞かれたセシリアはあまりにも予想外な質問だった為か顔を赤くして切羽詰まった状態になる。

 

 

「はいっ?!いやっその……わ………私は、星矢さんと……」

 

「分かるのよ、アンタの顔を見れば。それで、どうなの?」

 

「た……確かに私は星矢さんの事が好きですわ。もちろん異性として……」

 

「そう……ならよかった。あたしは一夏のこと好きだと思っているわ。アンタと同様にね」

 

「そうですか……そうであれ、トーナメントの優勝は……!」

 

「当然!譲れないからね!」

 

 

それぞれ武器を構えて同時に動き出そうとした瞬間……

 

 

「「!?」」

 

 

二人の間を高速で弾丸が通り過ぎて、地面に直撃して砂煙を上げた。二人は弾丸が飛んできたほうを見ると、そこには問題の転入生であるラウラがいた。

 

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒ……」

 

「…どういうつもり?いきなり撃ってくるなんていい度胸してるじゃない」

 

「中国の甲龍にイギリスのブルー・ティアーズか。……ふん、データで見た時の方がまだ強そうであったな」

 

 

ラウラがセシリア達に挑発してきた。しかしセシリア達はその挑発を受け流す。

 

 

「言ってくれるじゃない。でも、アンタの挑発に乗るほど暇じゃないのよ」

 

「一応桂先生から貴女に対して釘を刺されましたわ。挑発されても受け流すようにと」

 

「ちっあのSPARTANか……」

 

 

ラウラが桂に対して憎悪を少なからず抱いていた。するとラウラがある事を口にした。

 

 

「そう言えば、あのSPARTANの隊長らしき男がこの学園にいたな?私が見た所では何とも軟弱そうな奴だったそうだな?そんな奴がSPARTANなどと……「……そうですか」むっ?」

 

 

ラウラは星矢を出汁にしてセシリアを挑発したらセシリアから何かしらの怒りが出ていた。

 

 

「少し前言撤回いたしますわ。場にいない人間、とくに星矢さんの侮辱は私とて許せませんわ。その挑発、乗ってあげると同時にその言葉、撤回させてもらいますわ」

 

「あたしもセシリアの意見に同意よ、アンタのその自信をへし折ってやろうかしら?」

 

「はっ…二人掛かりでSPARTANに負ける程度の力量しか持たぬ者が図に乗るな」

 

「「その言葉、そのままお返ししますわ(するわ)!!」」

 

 

二人は思い人を侮辱された事に怒りを覚えながら二人同時にラウラに向かっていく。

 

 

セシリアSide out

 

 

 

星矢Side

 

 

授業を終えた星矢は一旦自室に戻ってAIであるアルとターニャをつれていき、一夏達と合流した後にアリーナに向かっていた。

 

 

「そう言えば、セシリアと鈴はどうしたんだ?」

 

「あぁ、二人なら先に第三アリーナに行ってるけど何かあるのか?」

 

「そうか……嫌な予感がするな」

 

「嫌な予感?星矢、それはどういう………」

 

 

箒は星矢に嫌な予感に着いて聞き出そうとしたその時にアリーナから激しい戦闘音が廊下に響いて来た。

 

 

「!?な…なんだ!?」

 

「……嫌な予感が当たってしまったか」

 

「…まさか、ラウラか?」

 

《肯定、現在第三アリーナにてセシリアと鈴がラウラと交戦中とのこと》

 

《すこしやばいな……彼女達のISじゃ相性が悪過ぎる》

 

「みんな、アリーナでセシリアと鈴がラウラと戦闘が起きているよ!急いで止めないと!」

 

 

シャルがセシリア達がラウラと戦闘している事を星矢に伝えると星矢と一夏はすぐにアリーナに向かう為に走り出した。箒とシャルも星矢達の後を追う様にアリーナの方に走って行った。そしてアリーナに到着すると状況は最悪で、ラウラが圧倒していた。セシリアと鈴は何とか奮戦するもラウラの纏うシュヴァルツェア・レーゲンのAIC(慣性停止結界)によって苦戦を強いられていた。

 

 

「くっ!まさかこうまで相性が悪いなんて……!」

 

「ですが、あのAICは一対一の戦闘に特化したもの!でしたらっ!」

 

 

そういってセシリアはBT兵器のミサイルビットを展開させてマイクロ・ミサイルを発射させる。

 

 

「ふんっ…そのことは対処済みだ」

 

 

そういってラウラがワイヤーブレードを展開してそれを鞭の様に振るい、マイクロ・ミサイルを切り裂いて全てのミサイルを迎撃する。すべてのミサイルの迎撃を終えた後すぐにレールカノンをセシリアと鈴に向けて弾丸を放つ。

 

 

「「きゃああっ!」」

 

 

二人はその攻撃を躱しきれずそのまま直撃を受けてしまう。ラウラはその隙を逃さず瞬時加速で鈴との間合いをつめる。

 

 

「くっ!このっ…!」

 

「遅いっ!」

 

 

鈴は牽制に龍砲を放とうとするがそれよりも先にラウラがプラズマ手刀で龍砲を破壊する。

 

 

「もらった!!」

 

「させませんわ!」

 

 

ラウラは鈴に止めをさそうとするがセシリアがインターセプターを展開してその間に割って入り鈴を守ると同時に再装填したミサイルビットをラウラに向けて至近距離で放つ。無論至近距離で放った為セシリアのSEが大幅に削られた。そしてセシリアは油断せずにスターライトmkⅢを照射型レーザーに切り替えてミサイルの爆縁の中にいるラウラに向けてレーザーを照射させる。その時にラウラは咄嗟にAICで防御するもエネルギー兵器に効果が薄いが故にダメージが通った。しかしラウラはまだ動けるのに対してセシリアはスタミナがそろそろ尽きかけていた。

 

 

「無茶し過ぎよ、アンタ……」

 

「くっ…!貴様ッ!」

 

「どんな気分ですの?SPARTANに負けた二人にダメージを負わせられた気分は?」

 

「ちぃっ!調子ずくな!!」

 

 

ダメージを負わされたラウラは怒りのままにセシリアを殴りつける。SEが尽きていようがいなかろうが関係なく…何度も、何度も。そしてセシリアは限界が訪れたのかその場で倒れ込む。

 

 

「まだだ……まだ殴り足らん!……!?」

 

 

ラウラがセシリアに近づき、無理矢理立たせて殴ろうとした途端に何かがラウラに突っ込んでくる物があった。ラウラはAICを展開して防御して、その突っ込んで来た物の正体を見て見ると、そこには()()()()()()()が飛んで来たのだ。ラウラは鈴の方を見てみると鈴の左腕が無くなっていたのだ。そう生身の左腕ごと。

 

 

「貴様……その腕は義手か!」

 

「義手ならではの戦法だったけど、アンタには聞かなそうね。でも……時間は稼いだわ」

 

「何?……!!」

 

 

鈴がそう言われてラウラはセシリアがいた方を見るがセシリアの姿が無かった。するとセンサーから上空に反応があった為に上空を見上げると、そこにはセシリアを担いだ星矢の姿があった。そしてその後から一夏達もやって来た。

 

 

「鈴、すまない。少し遅れた」

 

「星矢……さん?」

 

「セシリア、今は少し休んで。シャル、セシリアを頼める?」

 

「任せて!星矢、気をつけて…」

 

「あぁ……一夏、お前は鈴の回収を」

 

「了解した!」

 

 

セシリアはシャルに、鈴は一夏に任せて僕は降下してラウラと真っ向から対面した。

 

 

「こうして君と話すのは初めてかな?それはともかく、何故あんな事をした?」

 

「貴様の様なSPARTANには関係ない事だ」

 

「関係ない?どの口が言うんだ…」

 

「第一に私は、織斑一夏の存在以前に貴様らSPARTANの存在を認めはしない!貴様らの存在が織斑教官をこのIS学園に堕落させたのは事実だ!」

 

「ほうっ?随分と言ってくれるじゃねえか?」

 

「「!?」」

 

 

ラウラと星矢は星矢達以外の男性の声が聞こえた方角を向くとそこにはGEN2アーマーの一つである“ヴェネイター”を装着し、M6Hを持った桂の姿があった。

 

 

「やはりお前を疑っていて正解だった」

 

 

そう言うや否や桂はM6Hをラウラに向けて三発も50口径弾を放つ。ラウラは咄嗟にAICを展開して弾丸を止める。

 

 

「貴様っ…!」

 

「やっとお前の本性を現したんだ。お前の目的は何だ?答えろっ!」

 

「…貴様みたいな奴に答える必要などない!」

 

 

そう言ってラウラは全てのワイヤーブレードを桂に向けて射出して桂の左腕に巻き着けて桂を引っ張り上げて叩き付けようとするが……

 

 

「……フン!」

 

「何っ!?うわっ!?」

 

 

桂は薬物強化された肉体とミョルニル・アーマーのパワーアシスト機能を最大限に使い、逆にラウラのワイヤーブレードを引っ張り上げて叩き付けられる。

 

 

「がはっ!…」

 

「ちっ…手間取らせる」

 

 

桂は叩き付けたラウラに近づく。するとラウラがその瞬間を狙っていたのかレールカノンを桂に向ける。

 

 

「このっ!」

 

「!」

 

 

ラウラが至近距離でレールカノンを放つが桂は反射神経だけでよけた。ラウラは至近距離にも関わらず避けられた事に驚きを隠せずにいられなかった。

 

 

「ば……バカなっ!」

 

「お前は抑えているつもりだろうが、攻撃の瞬間に殺気を放っている。あまりに馬鹿正直だがら、目の動きでどの方向に来るのかも丸わかりだ。攻撃が見えようが見えまいが関係ねえんだよ……」

 

「くっ…なめるなっ!」

 

 

そう言ってラウラはプラズマ手刀を展開して攻撃を仕掛けるがことごとく桂に見切られて全て躱される。そしてカウンターと言わんばかりに桂はラウラに蹴りを放つが、ラウラが咄嗟に防御したが既にSEが危険域に突入していた。

 

 

「うくっ……この…私が……!」

 

「たくっ面倒な事をしやがる」

 

「もうよせ、桂!」

 

 

すると鈴を医務室に送った後に戻って来た一夏がラウラを守る様に桂の前に立ちはだかる。

 

 

「一夏!お前何しに───」

 

「桂、幾ら何でもやり過ぎだ!おいっラウラ、大丈夫か?」

 

 

一夏はラウラに無事であるかどうかを聞き出すと、ラウラからある感情が溢れ出している事が分かった。それは“怒り”。今まで敵視し、存在を認めなかった者に助けられた事に怒りを隠しきれなかったのだ。

 

 

「……ざけるな」

 

「ラウラ……?」

 

「ふざけるな……!ふざけるな!!貴様に……貴様なんぞに助けられるなんて屈辱だ!!織斑一夏!!」

 

「おいっラウラ、落ち着け……がっ!?」

 

 

怒りに染まったラウラは一夏を突き飛ばしてプラズマ手刀で一夏に切り掛かろうとする。

 

 

「!……一夏!!」

 

「死ねーーっ!!」

 

「……くっ!」

 

 

箒が一夏の方に向かうが、距離が遠過ぎる為に間に合うことは叶わなかった。一夏は雪片二式を展開してラウラのプラズマ手刀を防ごうとする。ラウラは怒りのままにプラズマ手刀を振り下ろす。その瞬間一夏とラウラの間に桂が入り込んでラウラが振り下ろそうとした手首を右手で掴んでいた。

 

 

「け……桂?」

 

「たくっ……ガキが、勝手な行動はとるな!邪魔なんだよ」

 

「くっ…どけ!」

 

 

ラウラは桂から振り解こうとするが桂の握力には勝てず解けないでいた。すると桂は掴んでいる右腕を引き寄せてラウラとの距離を積めた後に左手を握り、強化された肉体とミョルニル・アーマーのパワーアシストを掛け合わせてラウラの腹部に思いっきり殴りつける。その時にラウラのSEが桂のパワーに耐えきれずSEが底をついてそのままラウラの腹部に直撃してラウラの腹部の骨が数本折れる音がアリーナに響いた。あまりにも大き過ぎるダメージにラウラは吐血し、その吐血した血は桂のヘルメットに掛かった。

 

 

「ぐっ……かはっ!?」

 

「なっ!?おい桂、やり過ぎだ!」

 

「だまれ。俺は自分の任務を完遂する、それ以外にお前の相手をする理由はない」

 

 

一夏の言い分を一切聞かず桂は己が任務を完遂するためなら一切の情を、人間性を捨てることが出来る男であった。この時にラウラは意識を失わなかった。一夏に対する憎悪が一番に駆り立てていた為か意識を保つことが出来た。しかし……

 

 

「くっ……織…斑……がはぁっ!?」

 

 

ラウラが意識を失わなかったのがいけなかった。その結果桂の膝蹴りをまともに受けてしまい、その場で倒れてしまう。しかし桂はそんなラウラの状態など関係無く首元を掴み、持ち上げる。

 

 

「こいつの正体を暴くのも、俺の仕事だ」

 

「やめろっ桂!」

 

 

一夏の声すら聞かず桂は、ラウラの顔面に殴り掛かろうとすると一発の銃声が響き、桂のアーマーからSEが発生する。その銃声の正体は、以外にもウルフチームのリーダーである星矢がカスタムハンドがンであるゼーレで放ったものであった。

 

 

「いい加減にしろ、桂」

 

「星矢か……」

 

 

桂は最早五体満足に動けなくなったラウラを手放して星矢にM6Hをむけるが星矢はラウラの下に向かい、一夏にラウラを安全な場所に運ぶ様指示を出した。

 

 

「一夏、ラウラを連れて医療室に向かってくれ」

 

「わ…分かった!」

 

 

そう言って一夏はラウラを担いで医療室に向かった。桂はそれを阻止しようとするが星矢阻まれてラウラを逃がしてしまう。桂は星矢にM6Hを向けて何故邪魔をしたのかを聞き出す。

 

 

「星矢……これはどういう事だ」

 

「そのままの意味だ、お前はやり過ぎだ」

 

 

そう言って星矢は桂に背を向けて医務室に向かおうとするが桂は納得はしなかった。

 

 

「星矢。俺はアイツの正体を暴いていない。アイツは俺が対処する」

 

「……聞けないな」

 

 

星矢はそう言って動きを止めた瞬間、桂が持つM6Hを奪い取り、殴りつけた後にM6Hを捨てて殴り掛かった。桂は星矢の行動に隙をつかれてしまったが何とか立て直して反撃するも星矢に躱されるか、防がれるかの二つしかなかった。それでも桂は近づいてくる星矢に蹴りを一、二発をお見舞いした後に大きく殴り掛かろうとするが星矢はその大振りを利用して桂を倒させる。そして星矢は桂をヘルメット越しに顔面に拳を叩き付けるが、桂は咄嗟に回避してカウンターに蹴りを入れる。桂は起き上がると同時にアーマーのスラスターを噴出して星矢に膝蹴りを二発かますと同時に右フックと右の裏券を星矢の頭部にかます。すると星矢のヘルメットのバイザーに罅が生じた。それでも星矢のHUD事態には問題はなかった。すると桂は懐からなある装置を取り出してスイッチを入れる。桂が取り出したのは以前バック分隊がISテロに使用された対IS・対SPARTAN用に作られた拘束装置である。それを星矢に取り付けよう格闘戦を仕掛ける。星矢は拘束装置の事を分かっていた為に桂から自分のアーマーに付けられない様注意を払いながら格闘戦を行った。星矢はあの手この手で拘束装置を取り付けられない様に殴ったり蹴ったりとした。桂もパワーでは負けないものの、桂はあくまでSPARTAN-Ⅲの人間で星矢はSPARTAN-Ⅱの人間。この差が勝敗を分つ。星矢はヘルメット越しに桂の頭部に頭突きをかまして拘束装置を奪い、それを桂に取り付けた。その時に桂は諦めじとナイフを引き抜き星矢に斬り掛かろうとするが拘束装置が起動して桂のアーマーのパワーアシスト機能がショートして、動かぬ鉄の塊と化した。

 

 

「くっ!動けん……!」

 

「そこで反省してろ」

 

 

そう言い残して星矢は医療室に向かった。この事件は後に“SPARTANドイツ代表候補生半殺し事件”と伝えられ、一部の女子生徒達は最早SPARTANのことを恐怖の象徴と再認識するのであった。そしてその事件から二日が経った。

 

 

星矢Side out

 

 

 

ラウラSide

 

 

ラウラは夢を見ていた。その夢は、SPARTANである桂によって敗北した夢。ラウラは己が乗るシュヴァルツェア・レーゲンで夢の中の桂に立ち向かっていたが、ことごとく敗れる。その繰り返しが何度も続いて、いつしかそれが悪夢となり、ラウラのトラウマと化したのだった。そんな悪夢と言える夢は終わりを告げてラウラは現実世界に目を覚ます。

 

 

「……はっ!?………こ……ここは?」

 

「目が覚めたか、ラウラ」

 

「……織斑…一夏」

 

 

目を覚ますと、一夏がラウラの事を看病をしていた。

 

 

「貴様……何故ここに」

 

「星矢に頼まれたからだ。ラウラ、お前は覚えてないのか」

 

「覚えてない……だと?一体何を言って………!」

 

 

すると、ラウラはびくっと体を震わせる。その様子を見た一夏がラウラに声を掛ける。

 

 

「ラウラ、大丈夫か?顔色が悪いぞ?」

 

(なぜだ…思い出したくないのに…なぜ思い出してしまうんだ…!)

 

 

ラウラは思い切って頭を振るう。恐らく桂との戦いのことであろう……あれからあの戦闘がトラウマ化してしまっていた……

 

 

(思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな思い出すな………!)

 

(相当なほどトラウマを抱えてしまっているな。桂……アイツ、幾らなんでもやり過ぎだ……!)

 

 

ラウラは頭の中でまるで呪文を唱えるように自分に言い聞かせた……あの戦闘を思い出さないためにも。そして一夏はラウラのメンタルカウンセリングを行いながらもしょっちゅう見舞いにくるのであった。因みに箒は一度はラウラに怒りを覚えたが、桂の異常な位の半殺しの光景を見てしまって以降複雑な気持ちになりながらも一夏と共にラウラの見舞いに行く事になった。

 

 

 

続く……。

 





セシリアと鈴はラウラと交戦、後に敗北。
桂がラウラを半殺しにしてしまう。
星矢と桂の殴り合いが勃発。
ラウラは桂に対してトラウマの対象となる。


次回は、ONIが色々と急がしいそうです。

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