やはり俺がカフェの店長なのはまちがっている。   作:ステツイ

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第20話「担任犯人さぁ堪忍」

八幡「ん...」

 

目が覚めて冷え切った身体を起こし今日も妹の小町が作った朝飯を食べ、学校へ向かう。

 

 

 

 

 

脳から身体の髄まで響く街の蹴騒を背に自転車を漕ぐ。いつもなら背中に居る筈の妹は今日は日直らしい。本人の可愛げのある口が俺にそう伝えたのだ。

 

 

 

 

 

この前からスケジュールに組まれている朝練を卒なくこなし学校の正面入口、生徒玄関に向かう。

 

かれこれ2年近くは通っているこの学校の下駄箱も見慣れたものである。

 

 

 

 

 

靴を履き替えようと下駄箱に向かう。しかし自分の靴箱の前には奉仕部に入って出会った1人の美少年が俯き加減で此方を悔む目で見て居る。一体どうしたのだろうか。

 

八幡「戸塚...?どうした?俺の下駄箱の前で...」

 

俺は恐る恐る聞いてみる。常日頃から天真爛漫な彼が此処までテンションが低いと此方も不安に成る。

 

彼は此方を一度見ると俺の下駄箱を再度見直し

 

戸塚「八幡...これ...」スッ

 

彼が指をさしたのは俺の下駄箱の中。靴しか入っていないと言うのに何があるのか。いや、俺は知っている。中学生の時にもあったのだ。

 

八幡「...いつものか」

 

中に沢山のゴミ。ゴミ。ゴミ。

他にも暴言の書いた紙。

理由は何処と無くわかる。

この前の相模の一件だろう。

ボッチは黙ってろってか。

 

戸塚「ゴミは片付けないと...」ボソッ

 

八幡「ん?戸塚なんか言ったか?」

 

戸塚「ううん。取り敢えずゴミを片付けようよ八幡」

 

八幡「あ、あぁ。」

 

やっぱり戸塚は優しいな。態々一緒にゴミの片付けまで手伝ってくれるんだからな。最近小町ちゃんプレゼンツスケジュールをこなしてる所為か正直身体が堪えるんだよ...

 

戸塚「...よし!これでここは終わりだね」

 

八幡「あぁ。ありがとうな」

 

戸塚「ううん。大丈夫だよ。教室行こっか」

 

八幡「あぁ。」

 

 

 

 

 

いつもなら朝練で遅くなり俺と一緒に教室に向かうなんて事は無かったが俺も朝練を行なった為今日は一緒に教室に行ける。何それめっちゃ嬉しい。

 

廊下に居ても溢れ出す騒音の源、リア充が蔓延る教室へ入り込む。

 

 

 

 

 

結衣「ヒッキー...」

 

 

 

 

 

同じ奉仕部のメンバーの1人由比ヶ浜結衣である。彼女の目には薄っすらと涙が見える。あぁ。今度はなんだ?机の中にゴミか?花でも置かれてたか?と言うか寧ろ机が無いとか?

 

 

 

 

 

八幡「....」

 

 

 

 

 

これは酷い。今まであった机が赤ちゃんのお絵かき机に変わっている。

 

 

 

 

 

八幡「いや、なんで?」

 

ホントなんでこれ?てかケツが入らねぇよ。

 

三浦「あーし達が来た時にはもうこうなってた...」

 

八幡「そうか...」

 

考えろ。思考を研ぎ澄ませ。誰が犯人か。

条件は、相模に気がある。いや、違うな俺の愛人達の誰かに好意を抱いている人間だろう。

 

次に朝に時間がある者。登校が早い人物。此れだけで半分に絞れる。

 

何故F組だけで考えるか?簡単だ。俺は知名度が皆無。したがって他のクラスましてや違う学年の奴らに俺の席を特定される事は少ないだろう。

 

...わからん。さっぱりだ。流石に絞りきれないな。

 

結衣「ヒッキー...授業どうするの?」

 

考えて無かったな。まぁこの事を話せば余った机位貸してくれるだろう。

 

八幡「...平塚先生に言って余った机を貸してもらう。」

 

きっと貸し出してくれるだろう。

 

 

 

 

 

平塚「ほう...それは災難だったな...すまない私達の所為で...」

 

八幡「いや...先生の所為なんかじゃないっすよ。俺がもっとちゃんとして居たら...」

 

平塚「すまない...」

 

八幡「それで机を貸してもらえませんか?」

 

平塚「いや、これ以上被害を出したくない。悪いが今日1日は奉仕部に居てくれないか?」

 

まぁ、それが妥当だろう。

 

八幡「じゃあ鍵は貰って行きますよ。」

 

平塚「ああ。すまなかったな」

 

八幡「いいんすよ。慣れてますよ。先生が気に病む事なんて無いですよ」

 

平塚(やはり比企谷は優しいな...)

 

平塚(此方で手を打たしてもらおう。私の八幡に手を出したんだからな。処刑開始だ。)

 

 

 

 

 

【八幡を愛する会】

 

平塚<緊急伝達。八幡がイジメにあった。早急に犯人を探し処刑しよう。八幡は今奉仕部にいる。

 

雪乃<許せないわね。私達の八幡を攻撃するなんて...身の程を弁えてほしいわ。

 

陽乃<ふーん。お姉さんちょっとキレちゃいそうだよ...そうだ!見つけたら拘束して皆で処刑しよ!

 

結衣<賛成

 

いろは<そうですねぇ...会長権限で聞き込みは任せてください。ナチュラルに聞き出せます。

 

城廻<多分2-Fの子を中心に聞き込んだ方がいいね

 

いろは<はい。皆さんも友人に聞き込みお願いします。

 

全員<了解

 

 

 

 

 

奉仕部

 

八幡「やる事ねぇなぁ...身体動かしたい...」ウズウズ

 

ま、筋トレ位ならいいか。

 

 

 

 

 

2-F

 

三浦(なんか...結衣も海老名も殺気を纏ってる...?)

 

葉山「〜♩」カチャカチャ

 

葉山「ん〜?」ヒョイ

 

葉山「はは。みーっけた。」

 

prrrr

 

葉山「もしもし?陽乃さん?」

 

陽乃『何、隼人?今お姉さん忙しいんだけど。』

 

葉山「要件だけ言う。戸塚が回収したゴミの中、入れ替えられた机の間、戸塚、比企谷達よりも短い髪の毛を回収した。」

 

陽乃『都築に渡して。こっちで鑑定するわ』

 

葉山「あぁ。今渡した。」

 

陽乃『じゃあ後は宜しくね』

 

葉山「ああ。」ピッ

 

葉山「〜♩」

 

葉山(いや〜楽しいなぁ犯人ってどうなるのかな?嗜虐心が唆られるよ。はは。あの比企谷八幡に手を出したんだ。死にたくても死ねないように苦しむさ。いや〜早く見たいなぁ〜)

 

サイコに近づく葉山だった。

 

 

 

 

 

奉仕部

 

八幡「...142!...1..4..3!」

 

いや〜筋肉が鳴いてるよ。筋トレってどうしてこんなに楽しいのかな?やった数だけ筋肉なるとか最高。

 

タスケテ-!!タスケテ...!!!タステコウ!

バキッ!

グハッ!!

 

ん?なんか遠くで声が聞こえる?気の所為か。今は授業中だもんな。

 

 

 

 

 

【八幡を愛する会】

 

雪乃<犯人確保。今奉仕部の2つ隣の空き教室にて拘束中。放課後集合してください

 

陽乃<隼人から入手した髪の毛から裏は取れたよ

 

葉山<役に立った見たいだね。よかった。じゃあ後は任せるよ。

 

雪乃<バッテリーと銅線用意してくるわ。

 

結衣<サブレが乳首噛みちぎってあげたいって!

 

小町<じゃあ小町は千枚通し持って行きますね!

 

いろは<私は何にしよっかな♩あ!紙鑢で足の皮全部剥いじゃお♩

 

城廻<動き封じてオナホ+バイブで無限絶頂コースをご案内♩

 

戸塚<アイアンメイデンと青銅牛どっちがいいかな...

 

鶴見<動画宜しく

 

結衣<まかせて!

 

 

 

 

 

その日千葉から1人の童貞風見鶏が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『alone』

 

 

 

 

 

陽乃「いや〜一仕事終えた後の比企谷君のコーヒーは最高だね!」

 

八幡「ありがとうございます」

 

陽乃「あ!そうだ、比企谷?比企谷君ってさクラスメートにここで働いてる事を秘密にしてるけどバラしちゃったら?少なくともイジメなんか無くなるよ?」

 

なんでイジメのこと知ってんだよ。

 

八幡「まぁそのうち言いますかね...」

 

でも人来たらやだなぁ...

 

三浦「...比企谷...?え?ヒキオ?!」

 

あ、やべまだ居ましたか嬢王様

 

八幡「...そうだ。俺だよ...」

 

三浦「ウッソ!まじ?!」

 

八幡「ホントだよ...ほれ」メガネハズシ

 

三浦「...」

 

八幡「はぁ...俺なんかで悪かったな。」

 

 

 

 

 

三浦「はぁ?何言ってんだし。あーしは別にコーヒー飲みに来てんだし。ヒキオだからって差別しないし」

 

うわお男前ですな。でもその言い方だと他の人は俺だからって理由で差別する事になりますよ。わ、言ってて悲しくなってきた。

 

三浦(ヒキオだったんだ...正直ホッとしたし///って!なんで?!あーしは別に隼人がいるし...でもヒキオって前から思ってたけど優しんだよね...それに料理も得意みたいだし///いや!あーしの周りにイケメン多すぎるし!///)

 

内心バクバク優美子ちゃん。

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

 

 

八幡「切り返して...膝の曲げを三段階にして...フェイント...右...左...ここで身体の向きを変えずに右足出して120度ターンしてそのまま後ろに飛びながら...シュート!」

 

 

 

 

 

バスッ

 

 

 

 

 

八幡「う〜ん。膝の動きがまだ弱いな〜」

 

ア!ハ-チャ--ン!!

 

八幡「ん?」

 

京華「はーちゃんだ!」

 

八幡「お、けーちゃんどうした?さーちゃんは?」

 

京華「ん〜とね。さーちゃんはね今おトイレだよ!」

 

八幡「そっか〜。じゃあはーちゃんと一緒にさーちゃんの事を待ってような。」

 

京華「うん!」

 

この後めちゃくちゃ可愛いがった。


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