まぁた天井だよ・・・・そろそろ飽きたよ、これぇ・・・・うっわ、身体中包帯だらけじゃん。
「あのジジイめ、思いっきり蹴りやがって・・・少しは手加減しろよな・・・・」
「ほぅ、すでにそんな元気があるのならばもう一度稽古をつけてやろうか?」
「ひぃえ⁉︎す、すいませんでした!勘弁してください‼︎」
いつの間に部屋に居たんだよ・・・・
「ふん、まぁ今日の所はこれぐらいで勘弁してやろう。」
これで家に帰れる!帰ってゆっくりや・・・す・・・む?
「あ、あの今日の所はってどういうことですか?え〜っと・・・」
「む、そういえば自己紹介がまだだったな。俺はヒューム・ヘルシングだ。今日から貴様の師匠になる。簡単に潰れてくれるなよ?」
え?師匠?どゆこと?
「師匠ってどうゆう事ですか?」
「そのままの意味だ。貴様は今日からこのヒューム・ヘルシングの弟子だ」
エエエエエエッ⁉︎こ、このままでは俺が平穏に生活することが出来なくなってしまう‼︎
「いや、急にそんな方言われても・・・・母さんと父さんに何も言ってないですし・・・」
「安心しろ、すでに貴様の母と父には許可を頂いている」
親父ィィィィ!お袋ォォォォ!
「気になることはそれだけか?ならば、今から座学の時間だ。俺の弟子たる者文武両道でなくてはな。」
もうダメダァ・・・・・おしまいダァ・・・・これからどうなってしまうんだ・・・
その日の夜、川神院では・・・
「珍しいのぉ、ヒュームから飲みの誘いとは・・・」
「そうですネ、総代。しかしあの人のことでス、なにか話したいことでもあるのでハ?」
「かもしれんのう・・・」
「待たせたな、鉄心」
ヒュームが酒を片手に此方に向かって進んできていた。
「遅いわぃ、すんごく待ったぞ〜」
「仕方あるまい、貴様は暇だろうとしてもこっちは仕事が忙しいのでな」
「ムッ、今バカにしよったな?ムカつくわぃ」
「まぁまぁ、落ち着いてくだサイ。」
「まぁ、とりあえず飲もうや。こっちに来て座るとよい」
「ふん、では座らせてもらおう」
酒を飲みつつ他愛ない話をして、時間が過ぎていく。
「して、本題はなんじゃい?お主から酒を誘ってくるという事はなにかあるのじゃろ?」
ヒュームに対して用件を問う。奴は酒を一口飲んだ後、心底楽しそうな笑みを浮かべ口を開いた。
「鉄心よ、俺は弟子をとった」
「それは九鬼のお嬢ちゃんのことか?」
「揚羽様ではない」
「ほぅ、お前がお嬢ちゃん以外に弟子をとるとはのぅ・・・・わざわざ自慢しに来たという事は相当な才能を秘めとるのじゃな?」
奴は笑みを深めて儂らの方を向いた。
「あいつは貴様がいずれ武の頂点に立つと言った百代を超える逸材だ。」
その言葉を聞いた瞬間、儂は衝撃を受けた。
「なんト⁉︎百代を超える逸材デスカ⁉︎」
「それは本当か⁉︎ヒューム⁉︎」
「ああ、奴は百代と近い歳ながらに俺の様に気を電撃・・・いや、それ以外にも多くのものに変換することが出来る。」
「なんと・・・」
百代はすでにその才能の片鱗を見せてきており、気の量も次第に大きくなってきておる。じゃが、まだ、気を変換させるなどという高等技術は扱えておらん・・・・
「奴にこれから俺が稽古をつけ、技術を身につけさせれば間違いなく百代を・・・いや、俺を超える存在となる。」
あのヒュームがここまで人を賞賛するとは・・・・間違いない、その子ならば・・・・
「ヒュームよ、頼みがある。」
「総代、まさかその子と百代に試合をさせる気デスカ?」
「うむ、百代と同年代で十分に闘えるのはその子だけじゃろう。百代は孤独なのじゃ・・・その子と会うことで孤独ではなくなるはずじゃ・・・」
「あいつを百代と合わせるのは、修行を始めてしばらくしてからだ。気の技だけでも、百代と十分に闘えるだろうが・・・それでは俺の気がすまん。・・・三ヶ月だ、三ヶ月後にあいつを川神院に連れてこよう。」
「三ヶ月か・・・・うむ、それで良い。」
「せいぜい、負けて泣き喚いた時の為に慰める用意でもしておくが良い・・・ハハハハハッ!」
ヒュームはそう言いながら、川神院から出て行きよった。
「・・・・総代、本当に百代を超えるほどの才能を持った子供などあるのでショウカ?」
「わからん、じゃがあやつが・・・あのヒュームがあそこまで絶賛するのじゃ、どんな子なのじゃろうなぁ?」
まだ見たことのない孫娘のライバルになるであろう者に対して、胸の内にある期待が膨らんでゆくのが感じられた。
パラガスでございます。
私がエタッていたなどとその様な事があろうはずがございません。
これからも投稿していくますので、どうかお付き合いください。