夏休み癖がまだ抜けない雪希絵です
朝起きるのが結構辛いです(^_^;
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それでは、ごゆっくりどうぞ!
遡ること数時間前。
路地裏での相談後、考え出された作戦は『グレンとルミア、アルベルトとリィエルをそれぞれ【セルフ・イリュージョン】で入れ替える』だった。
そこで、早速グレンがアルベルトに、ルミアがリィエルにそれぞれ姿を変えた。
だが、ここで問題が生じた。
騒ぎを起こした大きな原因でもあるルイスは、どうすればいいのかと。
グレンの代わりにアルベルトに変化する手もあるが、それでは監督が務まらない。
終わるまで隠れている手もあるが、親衛隊もそれは承知の上だろう。
どこまでも探して回ることは間違いない。
かといって、学院の誰かに変装するのも得策ではない。
悩むグレンに対し、ルイスは何も言わずに【セルフ・イリュージョン】の呪文を唱える。
ぐにゃりとルイスの姿が歪み、そこに現れたのは一人の少女。
セミロングの黒髪、空色の瞳。
どこかルイスの面影は残しているものの、完全に元は男とは思えない完全な美少女だ。
ルイスの固有魔術【無限の剣製】は、解析と
そして、【セルフ・イリュージョン】もまた、自身のイメージを光を操作することによって作る魔術だ。
ならば当然、
それによって変装し、極力目立たないように闘技場の端の方で様子を見守っていたのだ。
(まあ、何人かに口説かれたけどな……)
ため息をつきながら、口説かれては丁重にお断りしてきた男子生徒のことを思い出した。
何より驚いたのは、その中にはルイスが『読み取り』の競技で勝負したハワードが含まれていたことだ。
(ああ、やめやめ)
考えると嫌気がさすので、目の前の親衛隊に集中することにする。
「────貴様、何者だ」
親衛隊の一人、結界殺しの割符を握った騎士がそう言う。
「そうねぇ……。わかりやすく言うなら、グレンとルミアの味方で、貴方達の敵……と言ったところかしら?」
微笑を浮かべ、ルイスはそう言う。
変声のやり方はグレンから教わっているため、綺麗な女性の声で答えられた。
だが、なんだかんだ内心はドキドキである。
相手は親衛隊、その全員が国の精鋭達である。
鎧には、魔術の基本三属性を無効にする術式が付与されており、下手な
おまけに人数差もある。
勝ちの目はないに等しい。
「我々に刃向かうということは、国家反逆罪に問われることになるが?」
「覚悟の上よ。そんなことは」
啖呵を切る目の前の少女に、騎士達は険しい顔つきになる。
たった今、少女は彼らの敵に決まった。
「彼女も反逆者だ!捕らえろ!」
部下の騎士達に命令し、剣を構える。
命令に合わせ、周りの騎士達が一斉に動き出す。
「……やるしかないか」
短く息を吐き、目を見開く。
一挙に迫る騎士達。
「ふっ────」
「はっ!」
「────しっ!」
気合いと共に放たれる剣閃。
「────このくらいなら、まだいける」
呟き、両手の双剣を閃かせる。
目にも留まらぬ速度の斬撃。
それを上回る速度振るわれたルイスの剣は、次々と騎士達の剣を薙ぎ払う。
「なに……!?」
もちろん、手加減をした訳ではなかった。
だが、相手は学院の生徒、しかも魔術師のだ。
まさか、三人同時の攻撃を弾くことが可能だとは思わなかったのだ。
「確かに、攻撃も速度も連携も大したものだわ。けど、だからこそ予想しやすい」
セリカにも、グレンにも、ある人にも剣で扱かれ続けた。
卓越した武術を持つ三人の攻撃を受け続けたルイスなら、例え見えなくても剣を受けられる。
達人であればあるほど、動きから無駄が消える。
「無駄がないなら、身体の動きを見れば何となく分かるのよ。あとは、私がその動きついていければいいだけ」
黒魔【フィジカル・ブースト】を使い、身体能力を強化。
「貴方達に恨みはないけど、ごめんなさいね」
速攻で武器を振り、峰打ちで首を次々殴打する。
「とりあえず、眠っててちょうだい」
何故か板についている女性口調で、静かにそう言った。
今回短くてすみません!
次回には第2巻編も終わると思うので、それまでが投票期間となります!
それでは、また来週お会いしましょう!