「私の先攻!」
高らかな先攻宣言。さて、お手並み拝見といこうか。お前のペンデュラムを見せてもらおうか
「私はペンデュラムスケールにスケール4、オッドアイズペンデュラムドラゴンとスケール1、クリフォート・アーカイブをペンデュラムスケールにセッティング!」
クリフォート、それが奴の使うペンデュラムテーマか。それにしてもオッドアイズをスケールで使うなんて妙なやつだ...そうか、あれは俺の知っているオッドアイズじゃなかったんだ。
「そして来なさい、私のモンスター!第2のクリフォ、クリフォート・エイリアス!」
通常召喚か、ただレベル8、攻撃力2800。何かしらの効果で召喚したのか?厄介なやつだ。しかしデュエルディスクにはカードに書かれた攻撃力とレベルとは違いレベル4、攻撃力1800と表記している。
「俺のデュエルディスクおかしくなっちまったのか?レベル4でもなけりゃ攻撃力1800でもないぞ」
俺の慌てふためいた声を聞いて一度はぁ、と小さくため息をついてから巫女は説明を始める。
「いえ、あってるわ。クリフォートの共通効果として特殊召喚及びリリースなしでフィールドに出た時にはレベルも攻撃力も下がった状態で出るの。」
ふん、なんだ。変なデメリットついているなんてよくわからないペンデュラムテーマだ。
「私はカードを一枚伏せてエンドフェイズにオッドアイズペンデュラムドラゴンのペンデュラム効果発動、ペンデュラムゾーンのこの破壊することで、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスターを手札に加える。私はクリフォート・ツールを手札に加えてターンエンド」
デュエルディスクもあのオッドアイズの効果を何事もなく処理している。オッドアイズには様々な派生があるがその一枚なのだろうか...いやいや、今はデュエル中だ、考えるな。
「俺の華麗なるドロー!...やるしかねぇか」
エースがいない手札だ、なので今回の演目はパワーパフォーマンスになりそうだ。
「俺はペンデュラムゾーンに魔界劇団 エキストラをセッティング!そしてエキストラの効果発動!エキストラを特殊召喚する!」
エキストラは相手の場にモンスターが存在し、俺の場にモンスターが存在しない場合ペンデュラムゾーンから特殊召喚することができる!
「まずはエキストラの効果で舞台作りだ!魔界劇団 エキストラ自身をリリースすることでデッキから魔界劇団モンスターをペンデュラムゾーンにセットする。」
迷うことなく、俺はそいつを選んだ。今回の主役はヒール、それをお膳立てできるのはこいつだ。
「俺は魔界劇団 ワイルドホープをスケールにセット!そして片方のペンデュラムゾーンに魔界劇団 ファンキーコメディアンをセッティング!」
「さぁ沢渡劇場の開幕!...の前にペンデュラムゾーンのワイルドホープのペンデュラム効果発動!ファンキーコメディアンのスケールを9にする、この効果を使うとこのターン魔界劇団モンスターしか出せなくなるが俺にとっては関係ない話だ。そしてこれによりレベル3から8までの魔界劇団モンスターが同時に舞台に現れるぜ!...さぁ、開幕だ!ペンデュラム召喚!」
「舞台に君臨する敵役!魔界劇団 デビルヒール!」
魔界劇団一の怪力だ。この力、受けて見やがれ。
「けどクリフォートゲノムの効果でエイリアスの攻撃力は300アップするわ」
「へ!関係ないね!バトルフェイズ!デビルヒールでクリフォート・エイリアスを攻撃!
「そのパフォーマンスは受けられないわ。ダメージ計算前にセットカード発動!禁じられた聖杯!」
リバースカード!?警戒してなかったわけじゃないがここできたか!
「対象はクリフォート・エイリアス、効果でエイリアスの効果は無効となり攻撃力は400アップする」
へ、なんだ。大したことはない。高々攻撃力400アップ程度じゃ、デビルヒールを止めることは出来ない。雀の涙程度のバンプアップだ。
「苦し紛れだな」
「それはどうかしら?エイリアスの攻撃力をよく見なさい」
「!?」
デュエルディスクのエイリアスの攻撃力はデビルヒールの元々の攻撃力さえも上回る3500だった。巫山戯るなよ、なんで攻撃力が1400も上がっているんだ。
「エイリアスは自身の効果で攻撃力を下げていた、つまり効果が無効になれば攻撃力は元通りになる。そして更に聖杯の効果での400アップはその攻撃力に加えられるということ。理解できた?」
ちっ、エイリアス自身の効果を無効にしつつ攻撃力を上げたというわけか。嫌な手を使ってくるもんだぜ。
「エイリアス、返討ちよ!愚鈍=エーイーリー!」
沢渡→LP3500
クソ!これで俺のフィールドはガラ空き、最悪次のターンに決まってしまう。だが今俺にできることなんてない。だったらあれに賭けるしかない。
今のうちに目星はつけておく。
「ターン...エンド」
「私のターンドロー...メインフェイズ。私はクリフォート・ツールをスケールにセットしてツールのペンデュラム効果発動!LPを800払ってクリフォートカードを1枚手札に加える。私はクリフォート・ディスクを手札に加える、そしてペンデュラム召喚!」
霊夢→LP3200
「現れなさい!第4のクリファ、クリフォート・ディスク!」
こいつも自身の効果で攻撃力を下げているが、俺のLPを削るには十分だ
「バトルフェイズ!エイリアスで攻撃、愚鈍=エーイーリー」
俺は駆け出した、一枚だけ見つけることが出来た、ならそれに賭けるしかねぇ!
「何処に行く気?まさか勝てないからって勝負を放棄するの?」
「んなわけないだろ!いつだって俺は勝機しか見ないぜ!」
フィールドに浮いている透明で正方形のアクションフィールドに足を掛け、軽快に上がっていく。目指すは一番上だ。
「あれは...なに?」
一番上まであと二つ、その時クリフォートエイリアスが顔を出す。でかい、ビビって足が止まってしまった。エイリアスは足の止まった俺をめがけてエイリアスはビームを放った。咄嗟に身を翻したおかげで間一髪直撃ではなかったが衝撃波で宙に投げ出された。
「あ、ってうおぉぉぉぉぉ!」
気合いと根性でなんとか一段下のアクションフィールドに手をかけた。これで何度目だろうか、こんな目に会うのは。
沢渡→LP1400
「なにしてるの?あんた」
なんとか這い上がった俺を見て巫女は尋ねてきた。空を飛んで俺と同じ高さになって、全く涼しい顔して空を飛びやがる。
「お前も空を飛べるんだな」
「まぁね、それにしてもあんたの目的はなに?その座っているものはなに?」
どうやら知らないらしい。へ、なら好都合だぜ!見てろよ。
「いいのか?今はデュエル中だぜ?そんな余裕こいてていいのか?」
少しムッとした表情を見せたあと、少し笑いながら答えた。
「今の状況わかっている?フィールドにモンスターもセットカードもなし、そして私の場にはまだ攻撃していないクリフォート・ディスクかいることを、もう勝負は決まっているわ」
「なに言ってんだ、デュエルは終わってない。まだ勝負は決まってないぜ」
俺は言って駆け上がる。これが俺のエンタメ、追い続ける笑顔の形だ。それを見せてやるぜ。
「なにをするかわからないけど、無駄よ。クリフォート・ディスクでダイレクトアタック!」
するとディスクは一気に浮上してきた。あと一段、あと一段!下から浮いてくるディスクの恐怖に耐えながら、なんとか登り終えると中央にはアクションカードがあった。よしこれで
ピッピ...ピ
耳に入ってきた電子音。顔を上げるとそこにはクリフォート・ディスクがいた。虹色に輝いているボディが今は不気味に見える。
「無感動=アディシェス!」
円板状のボディの下についている3本の爪のような場所に光が灯る。もう時間がねぇ!このアクションカードに賭けるしかない!頼むぜ、アクショントラップなんてのはごめんだぜ。.....きた
「よっしゃぁ!アクションカード、大脱出!バトルフェイズは終了だ!」
俺は勢いよく飛び降りた。放たれた3本のビームは俺のいた場所を虚しく通り過ぎていった。へ、どんなもんだ。
「な、あぶねぇ!」
下で誰かが叫んだ、なーに。俺はエンタメデュエリストだ。魅せることこそが本領なのだ。
「俺のターン!ペンデュラム召喚!再演の時間だ!デビルヒール!」
何処からともなく現れたデビルヒールが空中で俺を抱え、そのまま地面に降り立った。デビルヒールは俺を地面に降ろした。俺に続いて巫女も降り立った。巫女は首をかしげながら俺に尋ねる。
「アクションカード?」
「これが俺のデュエル、エンタメデュエルだ。どうだ、ハラハラワクワクでドキドキしただろ?」
「私、ターンエンドって言ってないけど」
「それは...あれだ、細かいことは気にすんな!」
俺の華麗なるエンタメを見れるなら越したことはないだろう。
「まぁエンドだったし、それが外のデュエルなの?」
「あぁ、楽しそうだろ?」
すっげー、なんだありゃ。そんな声がちらほら聞こえる、辺りを見渡すといつの間にやらギャラリーが増えていた。
「あれがペンデュラム召喚?」
「アクションカード、なんかすごいわね」
「いやードキドキした。」
とうやら好評らしい。さすが俺、沢渡シンゴ。
「んじゃ行くぜ、クリフォート・ディスクとバトルだ!デビルヒールの攻撃!
その巨体とは釣り合わない俊敏さで一気にディスクへと接近し地を蹴り宙を舞う。そして振り上げた右腕をディスクに叩きつけた。
「どうだ、1枚伏せてターンエンド」
霊夢→LP2300
「私のターン!...ドロー」
「ペンデュラム召喚!来なさい、クリフォート・ディスク!」
ペンデュラム召喚で呼び出されたのはディスクのみ、クリフォートはクリフォートしかペンデュラム召喚することができない、ここまで把握しているなんて流石俺と言うべきか。
「クリフォート・ツールの効果発動、私は800払ってデッキからクリフォート「おおっと待ちな」
「それ以上手札に加えられるのもまずいんでな、速攻魔法サイクロンでツールを割らせてもらうぜ」
霊夢→LP1500
クリフォートの効果は先ほど確認した。アドバンス召喚で色々と効果を発動するらしい。だったらこれ以上手札に加えせるのは危険だ。
「勝負を決められると思ったのに、しかない。こっちで行くしかないわね」
「装備魔法
「時間稼ぎか?だがそんなもの」
「いえ、そんなことはしないわ。エースを出すためよ」
「エース...だと?」
嫌な冷や汗、また直感が警告を鳴らす。
「
現れたのは天を覆う巨大な浮遊要塞。
「さらに墓地に送られた
ちぃ、せっかく破壊したのにまた引っ張ってきやがった!
「アポクリフォート・キラーの効果発動、相手はフィールド、または手札から1枚モンスターを墓地に送らなければならない。」
墓地に送る、これじゃあペンデュラムモンスターもエクストラにはいかない。なによりデビルヒールを墓地に送ると負ける。なら手札のエキストラしかない。
「エキストラを墓地に送る」
「まぁそうなるわよね、そしてアポクリフォート・キラーは特殊召喚されたモンスターの攻撃力を500下げる効果を持つ、けどペンデュラムゾーンのアーカイブの効果は受けない。バトルフェイズ!いけキラー!キル=キムラヌート!」
アクションカードを取りに行こうとした瞬間、既に一閃の光がデビルヒールを襲った。
「ちぃ!早い!」
沢渡→LP900
「私は1枚伏せてこれでターンエンド、言っておくけどキラーは魔法罠の効果を受けず、このカードのレベル又はランク以下のモンスターの発動した効果を受けない。」
んだよそれ、強すぎだろ。そして攻撃力はこちらのターンでも下がるのかよ。
「どうする?サレンダー?」
「んなわけないだろ、ドロー!」
このカード、そしてこの手札。最高だぜ。
「本日の最大の見せ場、それがこの巨大要塞の攻略だ!瞬き厳禁、見逃すなよ!」
頭がパンク
謝罪フェイズ
デビルヒールの召喚、特殊召喚時効果を完全に忘れていました...。