遊戯王advance   作:さんま(北海道産)

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turn4 2色の眼の竜

紅白の巫女が差し出したカードを奪い取り確認する。紛れもなくオッドアイズペンデュラムドラゴン、覇王龍ズァークを倒したあとも奴は使っていた、それがなぜここに...。

 

「...ん?」

 

よく見ると少しペンデュラム効果のテキストが多い気がする。確かオッドアイズのペンデュラム効果は「自分のペンデュラムモンスターで発生する戦闘ダメージを一度だけ0にする」効果のはず。しかし俺の持っているペンデュラムドラゴンはもう一つある。「自分エンドフェイズに発動できる。 このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のペンデュラムモンスター1体を手札に加える。」....だと。そんな効果聞いたことねぇぞ!あとモンスター効果もモンスターとの戦闘で与えるダメージが2倍と、レベル5以上という限定がなくなった。はぁ、やっぱりな。

 

「んだよこれ...オッドアイズはこんなものじゃねーぞ」

 

「でも、オッドアイズペンデュラムドラゴンは外の世界に存在していたのよね」

 

「あぁ、あったさ。けどこれとは違う」

 

「私はペンデュラムが外の世界に存在しているもの、それさえ確認できればこのカードがどんなカードかなんてどうでもいいの」

 

「...どうでもいい?」

 

オッドアイズがどうでもいいだと?少し頭にきたので強めに返す。

 

「文字通りの意味ね...もしかしてこのカードは何か特別なの?」

 

特別も何も鍵の一枚だった。覇王龍ズァークの時には眷竜として俺らを苦しめられた。

 

「まぁな、それよりそれどうしたんだ?」

 

「...落ちてたの」

 

「落ちてた?」

 

まさか遊矢が落とすなんて考えられない。...いや、これは偽物か。しかし精巧に作られた偽物だ、テキストの違いを修正したら本物と勘違いしてしまうほどよくできている、感心する。

 

「よくできた偽物だな、これ」

 

「偽物?普通に使えるわよ、デュエルディスクにも反応したし」

 

「なんだって!?」

 

落ち着け!あくまでこちらの世界のデュエルディスクに反応しただけだ。確かにあちらのデュエルディスクの形は似ているがリアルソリッドビジョンがないから俺の今つけてるデュエルディスクとは別物だ。

 

「なんなら、あんたのデュエルディスクにも反応するか、やってみたら?」

 

「まさか、な」

 

ディスクを起動させる、そしてその上にオッドアイズを置いてみる。

 

「嘘だろ」

 

目の前に現れたのは、紛れもないオッドアイズペンデュラムドラゴンだった。

 

「確かめられたらいいでしょ、早く返して」

 

いつの間にか近くまで来ていた巫女はディスクに置いていたペンデュラムドラゴンのカードを奪い取る。

 

「あのドラゴン、何かあるのか?」

 

金髪少女が覗き込んで質問してくるが、それに答えることができないほど、俺は呆気にとられていた。

オッドアイズだった、間違いない。2色の眼を持つ美しき竜。

 

「なんで、だよ」

 

「知らないわよ」

 

巫女はあっけらかんと言い放つ

混乱する俺をよそに独り言みたく呟いた。

 

「ペンデュラムは実在する、それだけ知れたらもういいの」

 

そういえばペンデュラムの存在をあのチルノとかいうやつは知らなかった。だがオッドアイズは偽物か本物かわからないが存在する。どういうことだ?疑問をぶつける

 

「ペンデュラムはこの世界じゃ存在しないのか?」

 

「まぁね」

 

だったら一つの疑問が浮かび上がる、それをすぐさまぶつける。

 

「なんでお前はペンデュラムの存在を知っているんだ?」

 

「まぁ、そう聞くのが普通よね」

 

そう言って巫女はどこからともなくデッキを出してきた

 

「これが私のペンデュラムデッキ、ペンデュラムについてはこの幻想郷のある人物から聞いた。ただそれだけよ」

 

「へぇ、お前もペンデュラムを使うのか」

 

巫女は俺が返した言葉に少し反応する。

 

「も?」

 

「あ?俺もペンデュラム使いだ、それもかなり初期からのな」

 

実際嘘はついていない。遊矢、赤馬零児、の次に俺が使った....と思う。流石はランサーズ次期リーダーだった俺、というべきかペンデュラムの歴は長い方だ。巫女は目を細めて疑ったそぶりを見せる。

 

「へぇ、そうに見えないけど」

 

「見た目で判断するなよ!って見た目から既に稀代のペンデュラムデュエリストのオーラが出ているだろ!ちゃんと隈なく見ろ!」

 

巫女は俺の勢いに押されたのか少々押し黙ったあと言った。

 

「....まぁ、いいの。約束通り返してあげる」

 

「マジか!ったく、早くしろよ!」

 

「だけど私にデュエルで勝てたら、だけど」

 

「デュエルに勝ったら、だと?」

 

は、上等じゃねーか。その勝負受けてやろう...というか受けて勝たないと帰れないからな。

 

「どうやら選択肢はないみたいだな」

 

デュエルディスクを起動させる、あちらも準備はできたようだ。

 

「なんかよくわからないけど、デュエルか?ならギャラリーでも呼んでくるかな」

 

金髪少女は呟くと箒に跨りどこかに行った。なんなんだ、あいつ?

 

「ならいきましょうか」

 

「いいぜ、こいよ」

 

「「デュエル!」」


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