この調子だと、次は四月ですかね…(遠い目)
もう一年の六分の一が終わって、平成も後二ヶ月――ウソだろオイ。
ちなみに本日三月二日は、間桐桜ちゃん&BBちゃんの誕生日。
やったぜ(全く関係無いけど推しなので書き留めておく)
それと、ちょっと前に活動報告を更新しました。
新作の進捗状況についての報告です。
バエルとアガレスのデザイン画も先出ししていたり。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=208213&uid=169600
予定されていたギャラルホルン火星支部の監査は、全て滞り無く終了した。腐敗の可能性も指摘されていた火星支部だったが、ディジェ・バクラザン特務三佐とトリク・ファルク特務三佐が独自に収集した情報を迅速に精査し判断した結果、火星支部は清く正しく回っているコトが確認出来た。
「火星支部は腐敗してねぇようだな」
「ああ。とは言え、各所に腹に一物抱えているであろう人物が散見されるのも事実。後十年もすれば、火星の自治組織との癒着や、情報の隠蔽なども行われるようになるだろうが――それは最早、我々の権限ではどうしようも無いコトだ。その時の監査官に任せる他に無い」
火星支部の衛星基地「アーレス」内の廊下を歩きながら、ディジェとトリクはそう言葉を交わす。
まだ行われていない不正を裁くのは、誰にも出来ない。監査局の権限も及ばないし、そんなコトは例えギャラルホルン最高幕僚長アグニカ・カイエルであろうと、赦されるコトではないだろう。
「だが、我々の権限で未来を変えられる者はいる。そうだろう、ディジェ」
「―――ああ」
二人はアーレス内の独房エリアに入り、とある牢の前で足を止めた。そこには、先の「夜明けの地平線団」との戦闘で捕虜とした、ヒューマンデブリの子供達が収監されている。
ヒューマンデブリであり、望んでそうしていた訳では無いとは言え、彼らが行った行為は略奪と殺人だ。ギャラルホルンと言う絶対的な暴力装置が存在する世界では、決して看過されるモノではない。
だが、彼らはまだ十三歳にもならない子供だ。物心付く前から
それは彼らが、やりたくてやったコトなのか?
その状況からの打開は、彼らの力で出来たのか?
そもそも、打開しようと思う機会は有ったのか?
そう思えるほどの自由が、彼らに有ったのか?
否だ。
彼らはやらされた。やるしかなかった。やらなければ殺されるからだ。
打開など出来なかった。力は彼らを売買した者達の方が、圧倒的に上だからだ。
打開しようと思う機会など無かった。彼らに取っては、物心付いた時からそれが当たり前だったからだ。
思想の自由など無かった。彼らにとって、彼らを売買した者達の存在は絶対であり、逆らうコトなど赦されていなかったからだ。
彼らにはどうしようも無かった。彼らは何も持っていなかった。生まれた時から、彼らはひたすら奪われ続けて来た。
そんな彼らの境遇を考えず、ただ「ギャラルホルンに敵対し、略奪と殺人を行った」と言う事実だけを考えて死刑とするのは――流石に横暴であり、非人道的なのではなかろうか。
このように主張した上で、ディジェ・バクラザンはセブンスターズとしての権限を使って、彼らの処遇を自身の独断で決められるようにした。そうして彼らが収監されている独房の鍵と、彼らを縛る手枷の鍵を手に入れたディジェは、彼らを釈放する為にこの独房へとやって来たのである。
「セブンスターズとしての権力を使うとは――権力の濫用ではないのか?」
「失礼だなオイ。人道に則った権力の有効活用、と言いやがれ」
独房の鍵を開け、扉を開く。その中には、手枷で自由を奪われたヒューマンデブリの子供達が押し込められていた。
彼らはディジェとトリクの姿を見るや、凄まじい形相で睨み付けた。
「五人だったな。二人任せた」
「良いだろう」
威圧を意にも介さず、ディジェは五つ有る鍵の内の二つをトリクに渡し、手分けしてその手枷を外して行く。五人の子供達の身柄が自由になるまで、三十秒も掛からなかった。
手枷を外された子供達は喜ぶコトも無く、困惑したような表情を浮かべている。そんな子供達に、ディジェは座り込んで視線の高さを合わせて、言葉を掛ける。
「これで、お前達は自由だ。で、だ――行く所は有るか?」
ディジェの言葉に、五人はそれぞれ首を横に振った。
彼らは物心付く前にヒューマンデブリとなり、売りさばかれた。親や兄弟がいたとしても顔は分からないだろうし、無論住む場所も分からない。そもそも、肉親が今生きているのかも怪しいモノだ。
結論として、彼らに行き場所など無い。
「そうか――ならよ。お前達、オレの仲間になる気はねぇか?」
部下、と言う言葉は避けた。ディジェが、彼らと同等に接したいと思ったからだ。
その提案は、彼らに取って予想外のモノだった。目を丸くして、年相応の可愛げの有る表情を見せるヒューマンデブリ達に、ディジェは更に続ける。
「絶対に悪いようにはしねぇ。飯は三食出すし、一人一人にベッドも用意する。興味が有るなら字も習えるし、そうすりゃ本も読めるようになるだろ」
それは、彼らに取って実に魅力的な提案だろう。少なくとも、先に聞いたトリクはそう判断した。
(「今、ヒューマンデブリって言う存在をどうにかするコトは出来ねぇ。だが、あの五人に人らしい生き方を教えてやるコトなら出来る」――か)
まず、この五人の境遇から変えて見せる。将来的に「ヒューマンデブリ」と言う言葉を無くす為の第一歩として、ディジェはこの方法を選んだ。
(甘い。砂糖と生クリームをそれぞれ百グラムぶち込んだココアより甘い考えだ)
と、トリクは思う。けれど、同時にこうも思うのだ。
(だが、それでこそ――それでこそ、ディジェ・バクラザンだ)
微笑みを浮かべてトリクが見守る中、ディジェはヒューマンデブリ――否、子供達に選択を迫る。
「どうだ?」
子供達は、無言のまま頷いた。
それに頷きを返して、ディジェは最後に問う。
「名前は有るか? 有るなら教えてくれ。オレはディジェ、コイツはトリクだ」
この質問に、五人はそれぞれ呟くように答えた。
「…アシュリー」
「ジレッド」
「ガイ」
「デリック」
「プラド」
ディジェは再び頷きを返して、反復するように言った。
「ありがとよ。――アシュリー、ジレッド、ガイ、デリック、プラド。これから、オレ達は仲間だ。とりあえず地球に連れてくが、許してくれ」
「…地球?」
「そうさ。青くて綺麗な星だ」
その時、独房エリアに監査団の部下が入って来て、敬礼の後に報告をする。
「バクラザン特務三佐、ファルク特務三佐。監査団のハーフビーク級、出航準備が整いました。艦へお越し下さい」
「ご苦労。――ディジェ、時間だ。行くぞ」
―interlude―
痛い。苦しい。辛い。
入って来る。ボクじゃないモノが。ボクの中に。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌―――!!!
『心拍上昇、二百を突破!』
『脳波が乱れています! 思考混乱!』
『システム異常発生! これ以上は――!』
嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌いy
『神経切断!』
『出血過多です、生命活動を維持出来ません!』
『心肺停止――被験体、死亡しました』
「また失敗か。いつ成功するのかね?」
「は。次の被験体には、三つほど埋め込みました。確率は高いかと」
「三百年前は、当たり前に行われていたコトだ。成功しなければおかしいだろう」
「――恐れながら、あの大戦で人類の文明レベルは後退しました。使用されている機器も劣ります」
「だからこうして、技術を復活させようとしているのだろうが。私が欲しているのは、圏外圏に有るような出来損ないでは無いのだよ。
――まあ良い。次は期待しているよ」
―interlude out―
監査団が火星支部の衛星基地「アーレス」を発ってから、七日の時が過ぎた頃。
月、火星間のデブリ帯で、ギャラルホルンの月外縁軌道統制統合艦隊「アリアンロッド」の海賊討伐艦隊と、夜明けの地平線団の艦隊が衝突した。
夜明けの地平線団からの攻撃が発端である。
「第五艦隊が、夜明けの地平線団の砲撃に会っています! 敵艦隊のエイハブ・ウェーブを確認!」
「第五艦隊は何をしていた?」
「それが――突然、周囲に敵艦隊が現れたとのコトで…」
アリアンロッド司令のアビド・クジャンは、小さく舌打ちをした。夜明けの地平線団が良くやる、奇襲の為の手法を使ったと悟ったからだ。
「エイハブ・リアクターをスリープモードにして、通常動力だけでデブリに身を隠しながら接近した。奴が良くやる手だ、と前もって言っておいただろうに…!」
第五艦隊は優秀でこそあるが、夜明けの地平線団との戦闘経験が無い艦隊だった。優秀だからこそセオリーに囚われ、エイハブ・ウェーブの反応ばかりを気にして、目視索敵を怠ったのだろう。
「艦隊二時の方角より、敵艦隊接近! エイハブ・ウェーブの反応は十二!」
「第五艦隊、第二艦隊に応戦させろ。ラスタルのファフニールにも通達、MSを二十機出させろ。ダインスレイヴ隊は随時出撃、待機。全艦隊、目視による索敵も怠るなよ!」
迅速に指示を出し終え、アビドは正面モニターを見据える。
夜明けの地平線団首領ゾレイ・サルガタナスは、この程度の策しか弄しない男ではない。事実、二時の方角に現れた艦隊のエイハブ・ウェーブは十二のみ。
アビドのこの予測は、すぐに的中した。
「十二時のデブリの陰に、敵艦の姿を視認! 敵艦隊の本命と目されます!」
「正面にエイハブ・ウェーブの反応は有りません! 視認時間は一秒未満ですが――」
「ダインスレイヴ隊、正面デブリ帯に向けて発射せよ!」
エイハブ・リアクターを起動していないと言うコトは、デブリ帯に潜む夜明けの地平線団の艦隊は、ナノラミネートアーマーを使えないと言うコトだ。
ダインスレイヴの威力なら、ナノラミネートアーマーの無い戦艦など、一撃で風穴を開けられる。
旧式のゲイレールタイプに装備されたダインスレイヴが、一斉に撃ち放たれる。その数、実に五十以上。
かくして、アビドの読み通り――ダインスレイヴは射線を遮るデブリを粉砕し、その陰に隠れていた艦隊に突き刺さった。
「三、四、七、十一番艦轟沈! 二、五、六、八、九、十、十二、十三、十四番艦中破!」
「全艦、エイハブ・リアクターを起動しろ。奇襲は失敗だ、早急にナノラミネートアーマーによる防備を固めろ」
「第二波攻撃、来ます!」
ダインスレイヴ隊による第二波攻撃が、エイハブ・リアクターを起動して間もない夜明けの地平線団艦隊に襲い掛かる。この攻撃により、被害は更に広がった。
「アビド・クジャンめ――ダインスレイヴを持ち出して来たか」
「ゾレイ様、如何致しますか!?」
「残った艦の全ては砲撃を開始しろ。デブリ帯に隠したMS隊の全ては私に続き、白兵戦を仕掛ける」
一番艦に座乗するゾレイがそう指示を出すと、残存艦の全てがデブリ帯の陰から出て、アリアンロッド艦隊に対し砲撃戦を開始した。
それ以前に出撃させてデブリ帯に隠れさせていたMS部隊が、阿頼耶識特有の軽やかな機動をしながら、アリアンロッド艦隊に近付いて行く。
「私が出撃し次第、チャフをバラ撒け。
――ゾレイ・サルガタナス、ガンダム・レラージェ。出撃する」
「レラージェ出ます! レラージェ発進!」
一番艦のカタパルトが滑り、ゾレイ・サルガタナスのガンダム・レラージェが宇宙へと飛び出した。ゾレイの言葉通り、ナノミラーチャフが宙域に解放される。
「ダインスレイヴ隊、放て!」
それと同時に、ダインスレイヴ隊の第三波攻撃がチャフの煙幕を斬り、デブリ帯を裂いた。しかし、ブースターによる超機動能力を獲得しているレラージェは、ダインスレイヴを華麗に避ける。
「当たらなければどうと言うコトは無い!」
その様子を、現アリアンロッドの旗艦にしてクジャン家のハーフビーク級宇宙戦艦「フギンムニン」のブリッジから見ていたアビドは、オペレーター達が驚愕する中でこう呟いた。
「
「アビド様、敵機が接近しています!」
「MS隊を出撃させ、応戦しろ。ファフニールにも応援要請。――私も出る。後の指揮は前線で行う」
そう言ってから、アビドはフギンムニンのブリッジを後にした。
◇
火星からの帰還途中にある監査団のハーフビーク級宇宙戦艦は、索敵範囲内にアリアンロッド艦隊と夜明けの地平線団艦隊の戦闘を捉えた。
監査団のハーフビーク級は、戦闘宙域から二百キロほど離れた宙域、夜明けの地平線団艦隊の後方に位置している。アリアンロッドとの挟み撃ちを掛けるには、絶好のポジションだ。
「私としては、MS隊を出してアビド様の援護をしたい所なのですが」
こう主張するのは、艦長のキュル・ミュンヘン一佐だ。アビド・クジャンの右腕とも言われる彼が、アビドの力になりたいと思うのは当然のコトだ。
「ふむ――艦隊戦でのアリアンロッドの勝利は揺るがないだろうが…」
「オレは艦長の意見に賛成だ。あの野郎は、仲間を傷つけやがった。ブッた斬らねぇと、オレの気が収まらねぇ」
「――だと思ったよ。ならば、私が出ない訳には行かないな」
拳と掌を打ち合わせて、ディジェはそう言う。そして、それを想定していたトリクも、珍しくやる気満々である。
『あの男を放置しておけば、我が家の仕事の障害にもなり得る。私も行きましょう』
とは、随伴するもう一隻のハーフビーク級に乗るジルト・ザルムフォートの言葉だ。これを以て、監査団全員の意見は揃った形となる。
「今回は私もMSで出る。MS隊出撃後、艦は戦闘宙域を避けるようにして周り、アリアンロッドの後方に持って行け」
「は」
「貴方も出るのか、艦長」
そう聞いたトリクに、キュルは頷く。
「アビド様が『バエルの祭壇』からガンダム・プルソンを持ち出されると言うコトは、プルソンを駆って前線にお出になられると言うコトだ。お供せずして何とするか。
――ディジェ特務三佐。悪いが、シュヴァルベ・グレイズを貸してくれないか」
「ああ」
ディジェにこう言ったのは、前回の戦闘での損傷が、トリクのシュヴァルベ・グレイズよりも小さかったからだ。その分、キッチリ修復されている。
「感謝する。――十分後、MS部隊は戦闘宙域に向けて出発する。準備にかかれ!」
◇
一方、高速機動しながらアリアンロッド艦隊との距離を詰めつつあるゾレイ・サルガタナスのガンダム・レラージェは、アリアンロッド所属のMS部隊との交戦に入っていた。
ロングライフルによる射撃で正面から迫るグレイズのメインカメラを破壊しつつ、左腕のワイヤーブレードを射出して背後のグレイズ二機のコクピットを破壊。それから高速で飛行して、ワイヤーブレードを縦横無尽に駆け巡らせ、次々とアリアンロッドの精鋭部隊を斬り捨てて行く。
しかし。
「――出て来たか」
ガンダム・フレーム特有の高速機動で、グレイズによって構成されたMS部隊を翻弄するゾレイのレラージェに、追随して来る機体が一機。
白、黒、赤の三色によって鮮やかに塗装され、漆黒の大剣を保持するMS――頭部の角とツインアイ、機体に登録されているエイハブ・ウェーブの固有周波数から、ゾレイにはそれが何か分かった。
「ようやく会えたな――」
ゾレイ・サルガタナスは、頬を吊り上げて歯を見せ、それまでの冷静沈着な態度とは打って変わり――凶悪に笑った。
「――『ガンダム・ベリアル』…!!」
ASW-G-68 ガンダム・ベリアル。
セブンスターズ第四席「エリオン家」が持つ、かつてアグニカ・カイエルのガンダム・バエルと並び戦ったガンダム・フレーム、その一機である。
レラージェは腰背部に接続されたガルム・ロディの物を流用したバスターソードを左手で抜き放ち、接近して来るベリアルをロングライフルで牽制した後、振り下ろされて来たレアアロイ製の大剣「グラム」をバスターソードで受け止めた。
「これ以上はやらせん…!」
ベリアルを操るラスタル・エリオンは、レラージェの超推力に押し負けないよう、全力でペダルを踏み込む。一方でゾレイは獰猛な笑みを浮かべ、ベリアルを背後からワイヤーブレードに襲わせる。
「ぐわっ!?」
ベリアルの背中に直撃したワイヤーブレードは、スラスターの破壊までは至らなかったものの、ベリアルの体勢を崩させた。
その隙を付いて、レラージェはグラムを打ち払ってロングライフルをベリアルのコクピットに向け、至近距離から撃ち放つ。射撃を受けたベリアルのコクピット付近のナノラミネートアーマーが焼け、ナノラミネート塗装が剥がされて行く。
「呪うなら、キミの生まれの不幸を呪うが良い。――そうとも、キミのお父上がいけないのだよ!」
「父上が、だと――ぐあっ!」
八発を食らった所で、ベリアルのコクピット付近のナノラミネート塗装は完全に剥がれ落ちた。後一発で、ベリアルのコクピットは三百ミリの弾丸によって破壊される。
「さらばだ、エリオン家の当主。その血脈は、絶対に絶やさねばならない。誇りとするガンダム共々、宇宙の塵となるが良い…!」
そして、ゾレイがレラージェに引き金を引かせようとした、その時。
レラージェの持つロングライフルの銃身が、半ばから吹き飛んだ。
「狙撃だと…!?」
レラージェは使い物にならなくなったロングライフルを放棄し、ワイヤーブレードでベリアルのコクピットを穿とうとする。しかし、そのワイヤーブレードはベリアルに到達する前、何者かにブン殴られて軌道を強制的に変更させられた。
「下がれ、ラスタル。お前は此処で死んで良い身ではない」
「――アビド様…! しかし…!」
高速機動するワイヤーブレードを側面からブン殴ったのは、アビド・クジャンが操る、セブンスターズ第五席「クジャン家」が所有するガンダム・フレーム――「ASW-G-20 ガンダム・プルソン」だ。
「監査団が戻って来て、奴らを後方から攻撃してくれた。ヴィネとアモン、ダンタリオンもこちらに来ている。お前が抜けようと、ガンダム四機でかかれば、敵のガンダムは落とせるだろう。
――戦闘は、我々の有利に運んでいる。お前はファフニールに戻り、艦隊を指揮しろ」
「――は」
帰投するベリアルを見届け、アビドは再度戦況の把握にかかる。
(先の狙撃は、アモンによるモノだな。カタログスペック上可能とは言え、デブリ帯の中、この距離で当てるとは良い腕をしている。
ヴィネとダンタリオンもこちらに来ているし、絶対数と性能では我が方のMS部隊が上回っている。ダインスレイヴ隊も、発射準備を整えて待機中だ)
普通に考えれば、アリアンロッドの勝利は確約されたようなモノだ。
ゾレイ・サルガタナスの戦闘能力は恐ろしいモノだが、ガンダム・レラージェと同じガンダム・フレームであるガンダム・アモン、ガンダム・プルソン、ガンダム・ヴィネ、ガンダム・ダンタリオンの四機を上回る程のモノではない。
夜明けの地平線団のMS部隊は、アリアンロッドのMS部隊による数の暴力によって、そう時間も掛からずに制圧されるだろう。
(後は私がゾレイ・サルガタナスを足止めし、ヴィネとアモン、ダンタリオンが到着し次第、袋叩きとすれば良い)
アモンの狙撃による援護が期待出来るし、アビド自身の操縦技術はアリアンロッド一とまで言われている。それならば、一機で一個艦隊を沈めるようなゾレイ・サルガタナスに対しても、撃破は出来ずとも押し留めるコトが出来るだろう。
(そうすれば――)
「我々の勝ちだ、とでも?」
「!」
思考を読まれたアビドは、プルソンに手持ち武器であるハンマー「レイヴン」を両手で構えさせ、眼前のレラージェを注視する。
対するレラージェは、左手に持っていたバスターソードを右手に持ち替え、左腕に放出していたワイヤーブレードを戻し――構えるコト無く、バスターソードをだらんと垂れさせた。
(――何のつもりだ…?)
「ハァー……」
ゾレイは、コクピットの中で大きく息を吐き――叫んだ。
「
ガンダム・レラージェが、呻り声のような駆動音を響かせ―――
その双眸を、真紅に輝かせた。
今回はここまでです。
ゾレイ・サルガタナスとは、何者なのか。
先代エリオン公は、一体何をやらかしたのか。
そして――ディジェ・バクラザンとトリク・ファルクが、ここから本編にどう繋がるのか。
それらは、また次回(最終話)にと言うコトで。
と言うかゾレイ、お前はシャアなのかフロンタルなのかゾルタンなのかハッキリしろよ(書いた奴の言い分がこれである)
以下、オリキャラ解説。
とは言え、個人の名はそんな重要ではないですが。
アシュリー・ニューマン
ジレッド・マクニース
ガイ・ボーフォート
デリック・ハウイット
プラド・ワインバーグ
男性
ディジェ・バクラザンとトリク・ファルクが保護した、ヒューマンデブリの子供達。
以下、ふと思い立って書いたアグスヴァのバレンタイン短編です。
遅いって? 思いついたのが当日の夜だったのさ…。
あ、糖尿病注意です。
The Sweetest Valentine's Day
P.D.0002年、二月四日。
殺戮の天使「モビルアーマー」と人類の大戦争の終結が宣言されてから、半年が過ぎ去っていた。いつしか「厄祭戦」と名付けられたこの戦いで、戦況をひっくり返して人類に勝利をもたらした民営組織「ヘイムダル」は、世界秩序を維持する軍事組織「ギャラルホルン」となり――四大経済圏を外側から監視する、独立した抑止力として機能している。
ギャラルホルンは厄祭戦で最も活躍したパイロットであるアグニカ・カイエルを「最高幕僚長」とし、権威の象徴として君臨させながら、実際の組織運営はカロム・イシューを初めとする「セブンスターズ」によって行われる体制が確立された。――尤も、当のアグニカ自身はこの体制に納得が行っていないようだが、そこはそれとして。
最初は多少なり荒れたが、戦後体制はこの半年である程度安定したと言えるだろう。――実質的な組織運営を行っているセブンスターズの皆は、今となってもなお激務の真っ只中だが。
一方、権威の象徴としての意味合いが強い最高幕僚長アグニカ・カイエルは、セブンスターズほど多くの仕事が無く――ここ三ヶ月、暇な時の方が多くなってきた。その分セブンスターズの仕事の幾ばくかを請け負ったりもしているが、目の下にクマが出来るほどではない様子。
かく言う私、ギャラルホルン副幕僚長に就任したスヴァハ・クニギンは、アグニカ以上に仕事が無く。逆に仕事を見つける為、ギャラルホルン本部施設「ヴィーンゴールヴ」の中を駆けずり回る始末だ。――しかしそれでも、やはり仕事は見つからないのだが。
「暇だなぁ…」
と、セブンスターズに聞かれれば殴り合いにもなりかねない台詞を吐きながら、やるコトも無いままにトボトボと廊下を歩いていると。
「バレンタインが来るわよ、スヴァハちゃんッ!!」
「うわあああ!?」
唐突に、大きな声を後ろから掛けられた。そればかりか、何者かが背中に勢い良く抱きついて来たではないか。
しかし私は知っている――この声の主は、即ちッ!
「カロムちゃん、驚かせないでよ!!」
「あら、見られもせずバレちゃった」
セブンスターズ第一席「イシュー家」が初代当主、カロム・イシューちゃん。刀を携帯する日本かぶれの銀髪赤目の美女さんにして、ガンダム・パイモンのパイロットちゃんでもある。
昨日は「今日は日本の伝統行事『節分』よ! 豆と鬼と恵方巻きを用意なさい!」とか言って騒いでいたが、今度は一体何なのだろうか。
「こんな絡み方してくる人は少ないからね――ってカロムちゃん、仕事は?」
「フフフ、この時期に仕事なんてやってられないわ。全部親衛隊に押し付k――信頼して任せて来たわ!」
「いや、それはどうなの?」
カロムちゃんは最近、自らの親衛隊を結成した。カロムちゃん自らが訓練し育てているコトもあって、非常に優秀で忠実な精鋭部隊と化しているのだが――仕事を押し付けちゃダメでしょ。
「――って、何でこの時期に仕事をやってられないの? 何か有ったっけ?」
「言ったじゃないの、バレンタインよヴァレンタイン。一年に一度、乙女の神聖にして高潔なる仁義なき戦いの日が近づいているのよ? 仕事なんてしてる場合じゃないわ」
「…なんで、バレンタインデーが乙女の戦いの日なの? 後、何であれ仕事はしようよ…」
私の記憶だと、バレンタインデーとは男の人が女の人に花をプレゼントしたりして、愛やら友情やらを伝える日だった気がする。実際、これまで二月十四日には、アグニカが花を欠かさず贈ってくれているし。
「あら、スヴァハちゃんは日本のバレンタインの素晴らしい、
「お菓子会社の陰謀って…また、身も蓋も無いね…」
「面白ければ起源なんて関係無いわよ。良い? 日本のバレンタインデーは乙女の晴れ舞台なのよ、スヴァハちゃん。日本のバレンタインには、こういう風習が有ってね…」
ゴニョゴニョヒソヒソ。
「――ふむふむ、成る程成る程。女の子が好きな男の子や友人にチョコを贈る日…つまり、女の子にとっては好きな男の子にアピールするチャンス、ってコト?」
「そう言うコトよ。すっかり世界規模で有名な話かと思ってたけど、スヴァハちゃんが知らないとは意外だったわ」
最近、ヴィーンゴールヴの売店付近にお菓子の店が出店していたのはそのせいだったのか。美味しそうだったから買って帰ったりしてたけど、まさかそんな裏事情が有ったとは。
…よくよく思い返してみれば、何か材料から売られてた気もする。だとしても、カカオ豆をそのまま売るのはやりすぎだと思うけど。
「で、何でそれを私にピンポイントで言いに来てくれたの?」
「甘い! 甘いわスヴァハちゃん! 砂糖を五百グラムぶち込んだミルクココアより甘い考えよ!!」
「いや、流石にそこまで甘くはないでしょ…」
「――何か最近、スヴァハちゃんと話してるとアグニカと話してるような感覚に陥るわね…って、そんなコトはともかく」
えっ、何その謎感覚…ひょっとして、アグニカ特有のツッコミスキルが身に付いて来たのだろうか?
しかしカロムちゃんは私の疑問を意にも介さず、私の首に右腕を絡ませて耳打ちして来る。一体、私の考えの何が甘いのだろう。
「(恋人だからって油断してちゃダメよ、スヴァハちゃん。今やアグニカはヘイm…じゃない、ギャラルホルンの最高幕僚長。世界随一の権力者なのよ? 何とかアグニカに取り入ろうとして、こういう時にアピールしようとする子は、少なからずいるわ。加えて、アグニカ自身一般的に考えればイケメンの部類に入る――単純な憧れでチョコを贈る子もいるでしょう。
このバレンタインで、アグニカは決して少なくない量のチョコを貰うハズなのよ。少なくとも、私個人はそう睨んでるわ。
そんな中、スヴァハちゃんからチョコを貰えなかったら、アグニカはどう思うかしら? アグニカに限ってスヴァハちゃんから離れるコトは無いにせよ、ちょっとはショックを受けるかも知れない。大幅ではなくても、ちょっとくらいは好感度が下がるかも知れないわ)」
「(――!!?)」
…確かに。確かに、カロムちゃんの言う通り――これは、看過してはならぬ状況なのでは!?
「(分かったかしら? 理解したかしら? だから私は『仁義なき戦い』って言ったのよ。スヴァハちゃんは並み居る強敵達の中で、ブンタ・スガワラ並みの衝撃をアグニカに与える必要が有るわ。そして誰よりも早く、既成事実を作らねばならないのよ!)」
ブンタ・スガワラと言う人…? は知らないけど、とにかくアピールを欠かしてはならない状況だと分かった。とても良く理解しました。
しかし…しかし、だ――
「(…既成事実は何か、違くない?)」
「(あらそう? ――ひょっとして、もう既成事実出来てるのかしら? 既に構築済み、建設済みなのかしら!? いつの間にか、そこまで発展していたのかしら!? 全くもう隅に置けないわ、早く言いなさいよ水臭いわねぇ!!)」
「(違うよ!? 出来てないからね!? カロムちゃんは近所のオバサンか何かなの!?)」
唐突に近所のオバサンのような台詞を吐くカロムちゃん(二十七歳)。何か今日は、一段とテンションがおかしい気がする。仕事をし過ぎたのだろうか?
「(まあ、既成事実云々は置いておくにせよ――このバレンタインデー、アピールを欠かすコトは決して許されないと言うコトは分かったわよね?)」
「(分かったけど――どうすればいいの? 教えて、カロムちゃんせんせー!)」
教えを乞うた所、カロムちゃんはなかなかどうして豊かな胸を張って堂々とこう言った。
「フフフ、私に任せなさい。これからスヴァハちゃんにバレンタインとは何たるか、本命チョコとは何たるかを魂レベルで教えてあげるわ。貴女は今、
「――アレ? カロムちゃんって確か
◇
二月十四日。
世間では「バレンタインデー」とされる、リア充ウハウハ非リア死亡の日だ。
そんな日であろうとも、ギャラルホルン上層部は平常運転。俺こと最高幕僚長アグニカ・カイエルは、セブンスターズを手伝う為に自ら進んで出勤し、キッチリ仕事を八時間こなしてマイホームへ帰って来た。
帰って来た、のだが――
「――どうしてこうなってるんだ」
家のドアが見えない。何故かと言えば、何者かが大量に投下していったチョコが高々と積み上がっているからだ。
…大方、女性士官達が様々な思惑から置いて行ったのだろう。そう思いつつ小型タブレットを手にして、セブンスターズが集ったグループのトーク画面でそれぞれの家の様子を確認してみると、何処も似たような有様らしい。俺も含めて、皆様しばらくチョコからは逃げられなさそうだ。
良かった――チョコは家の方に全部置け、とカロムが指令を出してくれていて、本当に良かった。これが職場なぞに置かれていたら、持ち帰るだけでも一苦労どころか十苦労はするハメになっていただろう。
「…スヴァハは先に帰ってるハズなんだが――」
正面玄関を使うのは諦めて、裏口に向かう。正面玄関前に積み上げられたチョコは、まあ一旦落ち着いてから何とかしよう。スヴァハがある程度片付けてくれてる可能性も有る以上、ひょっとしたら家の中にもそれなりの数が積まれてるのか…? とか、深く考えるのはやめておくが。
「ただいまー」
スヴァハも裏口を使ったようで、鍵は開いていた。不用心と言えば不用心だが、そもそも家がヴィーンゴールヴ上に有るので、それほどの警戒をする必要は無い。
靴を脱いで手に持ち、リビングを通過して正面玄関に向か――
「…お、おかえり――アグニカ…」
――何だ、この女神は。
っ、いや待て落ち着けアグニカ・カイエル。バエルを思い浮かべて落ち着くんだアグニカ・カイエル。落ち着いて状況を把握するんだアグニカ・カイエル。お前なら出来る。俺にならそれが出来る。俺はあの地獄のような、いや地獄そのものだった厄祭戦を戦い抜いたんだ。状況把握すら出来ずにどうする。深呼吸、深呼吸。
「すぅー、はぁー。すぅー、はぁー」
「…ア、アグニカ…?」
よし落ち着いた、完璧に落ち着いた。では、状況を確認するとしよう。
場所はリビング・イン・マイホーム。半年ほど過ごしている、二人暮らしにしてはあまりにも広すぎる豪邸。正直金の無駄遣いだが、ギャラルホルンの最高権力者がちっぽけな家に住んでては示しが付かないと言う意見を受け、まあ何とか異論を堪えて暮らしている。今は幼なじみ兼恋人なスヴァハとの二人暮らし。
さて、そんなリビングには俺の他にスヴァハのみ。したがって、先ほど俺が見た女神はスヴァハであるハズだ。大丈夫、目の前にいるのはスヴァハだ。出会って既に十数年、見慣れたスヴァハだ。オッケーオッケー、ノープロブレムエブリデー、オールゼクターコンバイン。いざ――
「おお…貴様、よもや…そこまで――」
「えっ何そのあむっ、と行かれそうな台詞」
…まさかのハイパーキャストオフでした、お見逸れ致しました。具体的に言うとアレだ、全人類全男子の希望にして永遠永劫悠久不朽の夢――裸エプロン。
薄いピンクのフリルがあしらわれたスヴァハ愛用のエプロンの下にはしかし、いつものような部屋着が無い。そこには真っ白な柔肌が直に触れており、赤く染まった頬に同調するかのように火照っている。全身を隠すにはあまりにも頼りないエプロンの隙間や端からは、その柔らかでなかなかに大きな胸が垣間見える。
端的に言うならば――
ああ――可愛い。俺の幼なじみがこんなに可愛いハズが無いとか言えんわやっぱ可愛いわ。しかし一体いつの間に、こんな色気と可愛げを持つ子に育ったのだろう?
「――その…」
石化したように呆然と見つめるしかない俺の無遠慮な視線を気にしてか、スヴァハはエプロンの裾を下に引っ張る。しかしそれによって、胸とエプロンの密着度が更に上がると言うコトには気付いていらっしゃらないご様子。
「あんまり見られると、恥ずかしい…」
「――っ、うわああ!? すまん、つい…!」
自分でもどうしたと思うほど情けない声を上げて、思わず五歩ほど後ずさる。ついでに弁解するが、目の前の
多分、今俺の顔は熟れた林檎よりも赤くなっている。しかし、赤くなっているのはスヴァハもまた同じである。
「「―――」」
しばらく膠着状態が誕生したが、それを破ったのはスヴァハだった。どこからか小さな箱を取り出し、俺に向かって突き出して来た。
「…これって――」
「――ハッピー、バレンタイン」
考えるまでもなく、バレンタインのチョコレートである。スヴァハらしいピンクの包装に、相反する青いリボンが巻かれている。玄関前に積まれたチョコの山を見た時は正直に言って辟易したが、この時ばかりはそんなコト思えるハズも無かった。
顔を真っ赤に染め、エプロンの裾を引っ張りながらチョコレートを渡すべく片手を差し出して来るスヴァハの姿は、その…凄く、メチャクチャ、とっても、可愛く――
「アグニカ…? ――んっ…」
気付いた時には、スヴァハの両肩を掴んで、その唇を自分の唇で塞いでいた。五秒ほど経った後、ゆっくりと唇を離れさせる。
「――あっ」
思わず素っ頓狂な声を漏らした俺に対し、スヴァハはこれ以上なく美しい笑みを浮かべ、俺の頭の後ろに手を回して自分の顔に近付けさせ――唇が、再び触れ合った。
それが限界だ。俺はスヴァハの両肩を掴んだまま、体重を少しずつ掛けるようにして前へと倒れ込み。
スヴァハを、後ろのソファーへと押し倒した――
◇
《おまけ》
※バレンタイン翌日のセブンスターズ会議
アグニカ「スヴァハに
カロム「私だ(CV:中田譲治)」
アグニカ「クサムカァ!! クサムガスヴァハウォォ!!」
カロム「そうよ。でもアグニカ? 私は感謝こそされ、怨まれるコトは無いと思うわよ?」
アグニカ「――ハイ、誠にありがとうございましたカロム様」
カロム「オホホホ。そうよ、もっと泣き咽びながら平伏しなさい?」
クリウス「何だカロム、スヴァハに何を仕込んだんだ?」
カロム「大したコトはしてないわ。私はスヴァハちゃんに本命手作りチョコとは何たるかを叩き込んだ後、『裸エプロン』と言う概念をもたらしただけよ」
フェンリス「ほほう――アグニカ、お前…」
リック「そうか、製造したか」
ケニング「ヤってしまったのか」
ミズガルズ「昨夜はお楽しみでしたね」
ドワーム「その話、詳しく聞かせて貰おう。今日のセブンスターズ会議の時間を丸々使ってでも聞き出さねばならない。異議は?」
セブンスターズ『
アグニカ「もうやだコイツら」
次回「ゼロの未来」(最終話)
※ゼロシステムは関係有りません。