鉄華団のメンバーが1人増えました《完結》   作:アグニ会幹部

57 / 72
お久しぶりでございます。
半月も遅れた事につきまして――弁明など差し出がましいですので、この罪科はしっかり受け止めたいと思います。


やっと、やっと終わる…!
後半はダイジェストっぽくなりますが、出来事が多いので許して下さい。

ボツタイトルは「激戦の果て」だったりします。
これは「機動戦士Zガンダム」の神BGMと名前が被るのでボツとなりました。
三枝成彰さんの創る音楽、私は大好きです。


#53 厄祭戦、終結

上部より、白い光が降り注ぐ。

それは月の地下に存在する「四大天使」ガブリエルが築いた「百合の花園(ヘブンズフィア)」の最奥にまで届き、揺るがす程の光――人類が創ってしまった、最大の禁忌。

 

「『核爆弾』――水爆だか戦術核だか知らんが、やはり所有していたか。全く、矛盾してねェかガブリエル。人類の過ちって部分ではMA(お前ら)と同じだが、ああいうのを創った人類を滅ぼすのがMAの使命じゃなかったか?」

 

ガブリエルと相対するバエルから、アグニカはそう問いを投げる。

勿論答えなど返って来ないが、アグニカは言葉を続ける。

 

「責めてる訳じゃない。人類を滅ぼしたいなら、核戦争すんのが一番手っ取り早いからな。実際、それで何度か石器時代からやり直してても不思議じゃねェし。ただ、テメェらの誠実さは尊敬するよ。俺の爺さんとエイハブ・バーラエナが課した使命を全うすべく、こんな隠れ家(モン)まで造りやがった訳だ」

『         』

「だが、もう要らん。勝手に造っといて何だが、テメェらはスクラップにした上で粗大ゴミってコトで廃棄してやる。人間は(こちとら)天使(テメェら)に散々殺された。母として子の被害賠償はしろよ、ガブリエル。小便は済ませたな?」

 

ガブリエルは拡散ビーム砲を放ち、「百合の花園(ヘブンズフィア)」の最奥にある広大な地下空間を蹂躙する。

レアアロイとナノラミネートアーマーで造られているらしき壁が、白熱して溶かされて行く。

 

だが――バエルに、そんな攻撃は届かない。

 

悪魔と契約し、肉体どころか魂まで迷わず賭け皿に載せたアグニカ・カイエルが操るガンダム・バエルは文字通り「最速」であり「最強」。

戦闘力でガブリエルを軽々と凌駕する「四大天使」ミカエルを正面から破ったバエルを相手にしては、ガブリエルに勝機は無い。

 

『         』

 

ガブリエルはプルーマを量産し続けてバエルの速度を削りつつ、MA「ハニエル」をバエルへ差し向ける。

3機のハニエルと無数のプルーマ、ガブリエル本体を単騎で相手取るアグニカは。

 

「――()()()()

 

それだけを呟き、バエルの力を更に解放する。

バエルが余剰エネルギーの光に包まれ、その双眼が血よりも赤く輝く。

スラスターやバーニアが全開にされ、バエルはガブリエルに突撃した。

 

その光景は、流星のように。

残像を残し、音さえ越え――バエルは剣を振り、ハニエルとプルーマを一蹴する。

 

『         』

 

ガブリエルの翼と、ガブリエルの周囲に有るダインスレイヴから弾頭が一斉発射された。

それは全て、バエルに向けて放たれたが。

 

それでも、バエルは止まらない。

いや、ガブリエルには止められない。

 

バエルは弾頭を全て回避し、ガブリエルの懐へと飛び込んだ。

 

『          』

 

バエルが双剣で、ガブリエルの胸部を斬り裂く――直前。

 

「――!!」

 

バエルは突如、後方へ飛び去ってガブリエルから距離を取る。

その、一瞬後に。

 

 

百合の花園(ヘブンズフィア)」を守るシェルターシールドを容易く溶かして、黄色のビームがガブリエルを呑み込んだ。

 

 

『             』

 

ガブリエルのナノラミネートコートが、火を付けられた塵紙のように溶かされ消えて行く。

そのビームは右手のバエル・ソードの先端に当たり――そこを、一瞬で溶かした。

 

「バカな――特殊超硬合金を、こうも容易く溶かしただと!?」

 

そのビームは照射を終え、消える。

ビームの射線に在ったモノは全てが溶かされ、ガブリエルは頭部のみを残して体を蒸発させられた。

 

『        』

「何者――!」

 

アグニカは即座にビームが飛んできた方を見て開けられた穴を覗き込むが、そこには深淵なる宇宙しか無い。

そして、その穴も崩落して隠された。

 

「有り得ない――何が、起きたと言うのだ…」

 

ガブリエルにトドメを刺すコトも忘れ、アグニカは思案する。

 

ビームは、ガブリエルの横側から飛んできた。

即ち、仕込まれたミサイルポッドなどを除いて未開発のまま残された月の岩盤を削ってガブリエルを呑み込んだのだ。

 

時々小惑星などが落ちるとは言っても、衛星である月の表面と岩盤は断じて脆弱ではない。

あのように月を突き破るなど、人類に取っては夢のまた夢。

要するに、()()()()()()()()()()――つまり、何か別のモノが引き起こした。

 

この場合、まず上げられるのがMAだ。

だが、MAはガブリエルに逆らえない。

 

ならば、これは誰が何の為に引き起こした?

 

「――分からん」

 

バエルは転がっているガブリエルの頭を溶けたバエル・ソードで貫き、その剣を廃棄した。

大元たるガブリエルを倒した以上、もうこの「百合の花園(ヘブンズフィア)」に用は無い。

 

「さっさと離脱して、雑魚の掃討か。残っているかは知らんが――ん?」

 

百合の花園(ヘブンズフィア)」が、赤い光に包まれる。

そして、ナノラミネートアーマーとレアアロイで出来た壁が一斉に崩落した。

 

バエルは飛び上がって破片を回避しつつ、周囲を見回す。

そこで、アグニカは目を疑うコトになる。

 

 

壁の内側に、大量の核爆弾が仕込まれていたからである。

その数、肉眼確認による推定で1000以上。

 

 

「――オイオイ、何だよこれは。冗談だよな、幻覚だよな? 嘘だと言ってよ、天使(バーニィ)

 

半笑い…後半泣きかけで呟くアグニカだったが、この場にツッコミ役はいない。

とりあえず、アグニカが取るべき行動はただ1つ――

 

「――逃ーげるんだよぉおおおおおおおおおおあああああああああああ!!!!」

 

アグニカはマジで叫び、バエルを動かす。

超高速…下手すればガブリエルに肉薄した時よりも速く、バエルは上へと飛ぶ。

 

バエルが如何に高機動で速かろうと、大量の核爆弾の爆発に呑まれたら間違い無くエイハブ・リアクターを残して蒸発する。

勿論、パイロットをもろともに。

 

しかし、ガブリエルが仕込んだ「百合の花園(ヘブンズフィア)」の自爆シークエンスは抜かりない。

レアアロイと特殊超硬合金で出来た扉が、宇宙への道を閉ざした。

 

――ワタシだけで死ぬものか。

ワタシは、ワタシを殺したモノを道連れに死んでやる。

 

アグニカには、そんな幻聴さえ聞こえた。

 

「致命傷与えたの俺じゃないんだが!? 逆恨みやめろよ!!」と叫ぶアグニカだったが、そんな祈りが殺戮破壊兵器に通ずるハズもなく。

そもそも、伝えるべき相手はとっくに壊れている。

 

「――はあ」

 

緊急事態、人生最大のピンチ、絶対絶命の状況に追い込まれたアグニカは、ひとまず深呼吸をした。

そして、バエルの武装では決して破壊出来ぬだろう壁に背を向ける。

 

今まで、数多くの犠牲を払って来た。

多くの仲間を喪い、多くの戦友を喪い、唯一愛し守り抜きたいと思った女性を喪った。

それらを踏み台にし、悔いる自分から目を背け。

悪魔に魂を売り渡し、数多の天使を斬り捨て、ここへ辿り着いた。

 

そして、ガブリエルと相討ち――ただの科学者だった割には、よくここまで来たモノだ。

 

「――俺の役目は終わったな。後は頼んだぞ、バカ共。お前達なら、この世界を…」

 

核爆弾起爆までは、後10秒も無い。

このような膨大な数の核爆弾が爆発すれば、俺のあの世逝きは勿論の事、月への甚大な被害も免れないだろう。

 

かと言ってこれらを誘爆させずに停止させるなどは不可能だし、数が多すぎて処理も間に合わない。

止められない自分を不甲斐なく思いながら、アグニカ・カイエルはその意識を手放した。

 

 

 

 

「天使長」ハシュマルを含めたMAは、その全てが核爆弾によって誘爆し壊滅した。

しかし、100発を上回る数の核爆弾は艦隊とMS隊に大きな被害をもたらした。

爆心地に近かったガンダム・フレーム、ヴァルキュリア・フレームはほぼ全てが木っ端微塵に破壊されたのだ。

 

そして――「百合の花園(ヘブンズフィア)」が強固な隔壁によって封鎖され、その中から膨大な数の核反応が確認されたと来た。

 

『アグニカは…!?』

『あの中に決まってるだろう! あんな隔壁、バエルの装備じゃ破れない…!』

『助けに行くべきだ! みすみす、アグニカを死なせろって言うのか!?』

『この宙域に留まれば、私達も爆発に巻き込まれる! 撤退するぞ、残った艦隊で行動不能な場合は艦を放棄しろ!』

 

大天使殺し(オペレーション・ラグナロク)」に参加した艦隊の内、残存しているのは僅か25%。

もう既に、壊滅と言っても過言ではない被害を被ったのだ。

1000発を超える核爆弾の爆発に巻き込まれれば、間違い無くこの場で全滅する。

 

せっかくMAを全滅へと追いやったと言うのに、ヤケになった敵の自爆で痛み分けとなったら目も当てられない。

 

しかし。

 

『――ピラール。付き合え』

『…Boss? Whatするつもり?』

 

残ったガンダムの内、撤退行動に移らない者が2機。

ガンダム・アンドロマリウスと、ガンダム・カイムである。

 

『決まっている。()()()()()()()()()()()。奴は、これからの世界に必要な存在となりうるだろう』

『――ロブ、貴様』

『生憎、オレは自分勝手でね。命令に背かせてもらうぞ!』

 

アンドロマリウスとカイムは、隔壁へ向かって突撃する。

それぞれ剣を構え、隔壁へと衝突した。

 

『ッ、硬えな!』

『まだ…!』

 

隔壁へと打ち付けられた剣がへし折れ、破片が飛び散る。

だが、隔壁は大きくヘコんだ。

 

『らァ!』

 

そこへ、ガンダム・オセがかじり付く。

隔壁はオセの歯によって貫かれ、歪む。

 

『ナイスアシストだ…おらァあああ!!』

 

アンドロマリウスはビームマントで右手を覆い、オセと同じ所を殴りつける。

カイムは隔壁を固定する一部の部分を攻撃し、隔壁を歪ませて隙間を作り出す。

 

『放て!』

 

更に、ダインスレイヴの援護射撃が隔壁にぶち当たる。

隔壁は完全に破壊され、アンドロマリウスは手を伸ばしてバエルの翼を掴み取る。

 

『反応がNothingですよBoss!』

『知るか!』

 

アンドロマリウスはバエルを引き上げ、カイムが蹴り飛ばす。

飛ばされたバエルを、キマリスが回収して飛び去る。

その時――

 

 

――世界が、白く染まった。

 

 

言わずもがな、核爆発が起きたのだ。

1000発以上の核爆弾が一斉に起爆し、月を揺るがした。

この爆発により、月は数百年後も歪んで見える程の大被害を被る事となったのである。

 

 

 

 

ヘイムダル――いや、人類が行った史上最大規模のMA討伐作戦「大天使殺し(オペレーション・ラグナロク)」は、結果だけを見るなら成功した。

待ち構えていた全MAの掃討、マザーMAにして「四大天使」の一角たるガブリエルの討伐。

その両方を成し遂げた事となるのだから。

 

しかし、被害を見るならば頭ごなしに喜ぶ事も出来ない。

今回の場合、落とされたモノを数えるより帰還したモノを数えた方が早いだろう。

 

作戦に参加した戦艦は47隻、帰還したのは6隻。

作戦に参加したMSは473機、帰還したのは42機。

作戦に使用されたダインスレイヴは212基、残存するダインスレイヴは36基。

 

MSの中から、一部を細かく見る。

参加したガンダム・フレーム41機の内、回収されたのがバエル、パイモン、アスモデウス、キマリス、ベリアル、プルソン、ヴィネ、アモン、バルバトス、フラウロス、ダンタリオン、グレモリーの12機。

ガンダムパイロットは42人中、アグニカ・カイエルとセブンスターズなど16人が帰投した。

参加したヴァルキュリア・フレームが9機、戻ったのがオルトリンデとグリムゲルデの2機。

 

未曽有の大損害を被ったが、作戦は終了した。

 

 

作戦より数ヶ月。

その間、世界のどこでもMAは確認されなかった。

これを以て、ヘイムダルを原型として設立された新組織「ギャラルホルン」は声明を発表した。

 

『私達が実行したマザーMA「ガブリエル」の討伐作戦「大天使殺し(オペレーション・ラグナロク)」は成功し、全てのMAは破壊されました。ギャラルホルンはここに、長きに渡る戦争の終結を宣言致します!』

 

P.D.0001年。

ギャラルホルンは、後に「厄祭戦」と言われる人類と天使の戦争が終結した事を宣言した。

この宣言は「ヴィーンゴールヴ宣言」と名付けられ、後世に伝えられる。

世界は、治安維持組織「ギャラルホルン」の下で平穏を享受する事となった。

 

ガンダム・フレームは、戦争を終わらせた伝説のMSとして。

アグニカ・カイエルは、戦争を終わらせた伝説の英雄として――それぞれ、伝えられる。

 

 

 

 

「――終わりか?」

 

一区切りが付いた所で、ディジェ・バクラザンはアグニカ・カイエルにそう問う。

 

「いや? まだ続くさ」

 

そして、アグニカは即答した。

当然――何故アグニカが生き延びているのか、語られていないのだから。

 

「後しばし、付き合って貰おう。ヴィーンゴールヴ宣言で示されたのは、厄祭戦の終結だけではない。ギャラルホルンの方針は勿論だが、ここではもう2つ宣言された事が有る」

 

ラスタルやガエリオ、マクギリスなども察したようだ。

気にせず、アグニカは次の言葉を発する。

 

「――身体改造の禁止。阿頼耶織については、特に厳重にな。もう1つはアグニカ・カイエルの駆ったガンダム・バエルの封印。目的は別に、『偉業を伝える』だけではない。『アグニカ・カイエルの再構築』を行う為、式典とかに出せなくなったからだ」

 

 

 

 

アグニカ・カイエルの再構築。

具体的には、ガンダム・バエルからアグニカの魂を救い出すコト。

 

アグニカは「四大天使」達の戦いでバエルのリミッターを解除し、悪魔の力を引き出して来た。

ウリエル戦で左半身、ミカエル戦で右半身、ガブリエル戦で魂を供物として。

 

アグニカは魂までバエルに取り込まれており、肉体は放棄せざるを得なかった。

義眼、義手、義足に変えられていたアグニカの身体は腐敗する前に速やかに焼却され、セブンスターズ共同墓地の一角へと埋められた。

 

だが、アグニカの蘇生は可能だ。

バエルから魂を取り出し、新しい身体にそれを移せばアグニカは復活する。

 

スリーヤ・カイエル主導の下、ギャラルホルンの技術を総動員し、アグニカの肉体(いれもの)は完成した。

 

その肉体は、全身が機械だ。

厄祭戦で培ったオーバーテクノロジーで造られており、建造コストも相まって1体限りで代えが効かない。

動力源は腹部に内蔵される原子炉で、食べた物の全てを分子レベルで分解してエネルギーに変え稼働する。

まずフレームがあり、その上に腐敗しない人工肉がコーティングされている為に見た目では機械だと判断する事は不可能。

中のフレームはMSのフレームと同じくレアアロイで造られており、高い強度を誇る。

表面の人工肉は切れるが、中のフレームは破壊出来ない。

全身に組み込まれた百数十億もの電気的装置により、人体の電子信号を再現したアンドロイド。

 

はっきり言って、ターミネーターみたいな物である。

 

後はバエルの中でデータ化され保存されているアグニカの魂を吸い出し、入力するのみ。

ここで「バエル」を殺す事も想定していたが、バエルは幸いにもアグニカの魂をあっさりと解放した。

 

曰く――「私は魂をあまり好まない」とか。

その真意は定かで無いものの、元々用意していた悪魔を殺す手をスリーヤはあまり信用していなかったコトも有る。

とりあえず、上手く行く事に越した事は無い。

 

アグニカの魂を取り出されたバエルは、MAの討伐数と本人達の認可により設定された「セブンスターズ」のガンダム・フレームが動態保存されている場所の中心に封印された。

この場所は、後にアグニカの発言から「バエル宮殿」と名付けられる事となる。

 

かくして、アグニカ・カイエルは復活。

ギャラルホルンの統制者たる「最高幕僚長」として、組織に君臨した。

ヴィーンゴールヴ宣言違反スレスレの行為だが、禁止されたのは「身体改造」であって一から機械で身体を造るコトは禁止していない――と言うのが、セブンスターズの言い訳である。

後のアグニカは、「こういう所から腐敗したのか」と推測を立てたりもしているが。

この事実により、アグニカが復活した事は世間に公表されなかった。

 

「『ギャラルホルン』――光の神ヘイムダルが扱うとされる、『神々の黄昏(ラグナロク)』開幕を告げる角笛。世界の秩序を維持し、危機より守る暴力装置…ふむ。組織の体制は――ほうほう、成る程」

 

復活したアグニカは、早速世界の現状を確認し。

 

「パーフェクトだ、七星(ウォルター)――」

『感謝の極m』

「――とでも言うと思ったか?」

 

ダメ出しした。

バカではなくアホを見る、呆れ果てた顔で。

 

「何だこの体制、セブンスターズ一強じゃねェか。加えて、セブンスターズは世襲制? お相手がまだいない奴もいるのに? 敢えて言わせろ――()()()()()()。全く、俺はお前らをバカではあるがアホじゃねェと信じてたんだがなあ。俺の信頼を返せ」

「――酷い言い草だな。何が気に食わない?」

「権力集中に加え、そのトップは世襲制? 予言してやる、()()()()()()()()。100年後くらいにはギャラルホルンが腐り果てて汚職が蔓延してるってコトに、アヴドゥルの『魂』に加えて花京院の『魂』も賭けよう」

 

ボロクソである。

アグニカ、腐敗すると言うコトにアヴドゥルと花京院の魂を賭けた。

実際の300年後を見るに、この賭けにアグニカは勝ってしまったようだが。

 

「まあ、もう後の祭りだが。こんな短いペースで組織体制の大改変なんてしたら、各経済圏のジジイ共にナメられるからな」

「じゃあどうすりゃ良かったんだ」

「人の支配は失敗する。人は人でなく、法で支配されるべきだ」

 

などとアグニカは言うものの、もう手遅れだ。

そんな感じで、組織体制は300年経っても維持されるコトと相成った。




アグニ会結成まで その②

遅れた元凶。
これ作ってたら半月が経ってました。
あらかじめ作っておくべきだった、と反省中。
背景は描けないので超適当に流しております、ツッコミ禁止です。

【挿絵表示】


【挿絵表示】





オリジナル設定解説のコーナー。

ガブリエル
全長:223.6m
本体重量:不明
動力源:エイハブ・リアクター×5
武装:頭部ビーム砲×1
   腕部クロー×2
   ダインスレイヴ×2
   超硬ワイヤーブレード×3
   プルーマ×∞
特殊機能:個体増殖
概要
最初のMAで、全てのMAを生み出した存在。
2枚の翼と2本の腕を胴体から生やし、尻尾を3本持つ他、翼にはダインスレイヴを備える。
「個体増殖」の機能によって、多くのMAを生み出して来た。
護衛用MA「ハニエル」と、対ガンダム用MA「メタトロン」を侍らせている。
普段は月面都市が有った場所に造り上げたプラント「百合の花園(ヘブンズフィア)」にいて、MAを生み出す。
生み出されたMAは、基本的にガブリエルの命令は絶対遵守する。
ただし、「天使王」ルシフェルのみは意のままに出来ない模様。
エイハブ・リアクターの数は5基とオーバーパワーぎみだが、これはMA生産に膨大なエネルギーを使用する為。
要は、鉄血版デビルガンダム。
天使王がガンダムゴッドマスター、四大天使がデビルガンダム四天王、それ以外のMAがデスアーミー、それぞれのMAが生み出すプルーマがゾンビ兵みたいな感じである。
名前の由来は、旧約聖書にて語られる「四大天使」の一柱にして「神の言葉を伝える」とされる大天使「ガブリエル(ガウリイル、ジブリールとも)」から。
大天使ガブリエルはキリスト教の聖母マリアに「受胎告知」をした事で知られ、旧約/新約聖書では清らかな青年として描かれる。
また、イスラームでの大天使ジブリールは預言者マホメットに啓示を与えたとされ、ミカエルを差し置いて最重要な天使となる。
厄祭戦最後の戦いにおいて「百合の花園(ヘブンズフィア)」最奥でガンダム・バエルと戦い、ルシフェルの乱入により破壊された。


犠牲者とか被害とかはギャラルホルンが確認した分だけなので、生き残ってる奴とかは他にもいます。
公式記録と実際の記録に齟齬が生じるのは良くあるコトですし。


厄祭戦――人類と天使の殺し合いは、これにて一応の終結を迎えた。
多大なる犠牲の果てに、人類は天使を駆逐した。
だが、アグニカ・カイエルの物語は終わらない。
「ヴィーンゴールヴ宣言」より3年。
火星にてガブリエルの置き土産、天使の残党が目覚める――

過去編は、もう少しだけ続きます。
次回「天使の残党(予定)」。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。