鉄華団のメンバーが1人増えました《完結》   作:アグニ会幹部

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Q.一週間以上空ける怠惰な作者は?
A.そう私、NTozでございます。


タイトルは「神の如き者(ミカエル)」とも読んで下さい。
本当はもう少しじっくり進めたいのですが、そうするとミカエル戦だけで5話くらい掛かりそうなんで省略します。
赦しは請わん、恨めよ(すいません許して下さい)

とか前から言っておきながら、もう過去編が17話目になってるのは一体どういう事なんでしょう…?


#49 神の如き者

地球に到着して2日。

俺達はオセアニア連邦の首都トリントンに行き、他の「ヘイムダル」メンバーの集結を待つ。

 

マンリー級強襲揚陸艦が5隻、レキシントン級大型空中輸送機が3機。

ゲーティアの撃沈によって唯一の現存するバージニア級汎用戦艦となったサロモニスを旗艦とし、ミカエル討伐作戦「熾天使殺し(オペレーション・シヴァ)」は行われる。

 

「アグニカ、何で作戦に名前なんて付けたの?」

 

マッドサイエンティストがいなくなり、生き残った整備士ではガンダムの整備が間に合わない。

その為、2人でアガレスを整備していた時にスヴァハがそう聞いて来た。

 

「いや、ウリエルを倒した後に作戦名とか決めてなかった事に気付いてな。呼び方に困るじゃん?」

 

ちなみに、ウリエル討伐作戦は「智天使殺し(オペレーション・ヤコブ)」と名付けた。

今となってはもう、後の祭りでしかないが。

 

「意味とかは有るの?」

「勿論。何の意味も無く付けたりはしないさ。まず、ウリエルから説明してみるか」

 

伝承に曰く。

「智天使」ウリエルは、ヤボク川のほとりでヘブライ人の族長ヤコブと格闘し敗れた。

敗れたウリエルは、ヤコブに「イスラエル」と言う名前を与えたとされる。

 

「成る程…ヤコブの名を借りる事で、ウリエルを討伐しようと。――遅くない?」

「そう、遅かった。後付け、此処に極まれりだよ。だが、何とかミカエル戦には間に合った」

 

伝承に曰く――と言いたいが、伝承に於いてミカエルが敗れた記録は無い。

なので、天使の上位に存在する「神」の名前。

インド神話に於いて「破壊」を司り、全神話の中でも最強候補とされる「破壊神」シヴァの名を取って作戦名とした。

 

「ねえアグニカ、本体の整備は任せちゃって良いかな? 私は武器をチェックしたいの」

「待て、いくらバエルとアガレスが同型だからと言って…整備の仕方とか、クセとか有るだろ?」

「いやー、武器以外に違いは無いよ? 全ガンダムのプロトタイプと言えるバエルに次いで建造されたのがアガレスだから、機体は同一部分が多いし」

 

確かに、バエルとアガレスは全く同一の構造と言っても過言ではない。

エイハブ・リアクターの波長もほとんど同じで、質の悪いセンサーがたまに誤認するレベルなのだ。

 

「俺とスヴァハじゃクセが違うし、バエルとアガレスじゃ関節の使われ方も違うぞ?」

「うーん、確かにそうだけど…じゃあ、スラスターの方よろしく」

「了解」

 

そう言われて、俺はアガレスの背後に回って整備を始めた。

 

―――「熾天使殺し(オペレーション・シヴァ)」開始まで、24時間を切った。

 

 

 

 

―interlude―

 

 

ウリエルが 殺されるとは

完全に 予想外の出来事だった

 

理由 原因 不明

戦力は ウリエルが上

あの場での人間の勝率 極小

 

しかし 人間は勝った

これは何だ 何故 ウリエルは負けた

 

『それが「奇跡」だよ、「神の人」ガブリエル。人間は、キミ達天使や神のように強大な力を持っている訳では無い。神話でならば、神に届きうる力を持つ人間もいたが――少なくとも現在、天使に匹敵する力を持つ者はいない。なれば、奇跡が起きたとしか言えまい?』

 

――奇跡

それが 人間の力か

 

『如何にも。しかし、此度は少し違うやも知れん。人間は悪魔と契約し、天使を狩っている。キミは確か、以前奴らの駆るモノを捕らえていただろう? 72柱の大悪魔――それが、神ならざる人間が天使に対抗する為に得た力だ』

 

小癪な真似を してくれるものだな

 

『そうかも知れぬが、その生への執着はなかなかに見物だ。しかし、それも終いやも知れんぞ? 貴様も知っているだろうが、「神の如き者」ミカエルが本格的に動き出した』

 

ミカエル か

ワタシの子の中でも 随一の力を持つ

ワタシよりも強い 最強の天使

 

『このルシフェル程では無いが、奴の力は畏怖すべきモノだ。貴様の最高傑作だろう、ガブリエル?』

 

如何にも

確かに アナタには及ばない

しかし彼は ワタシがゼロから生み出した天使

ワタシを上回り ワタシに比肩する知性を持った天使

 

『人間は此度、奴に挑むようだ。強大な力を持つ故に、神と比肩する者――「神の如き者」と讃えられた存在にな。熾天使に挑むは、42柱の大悪魔。いやはや――これはまた、見物しがいが有りそうだ』

 

 

―interlude out―

 

 

 

 

半日後。

トリントンには、9隻の戦艦と42機のガンダムが集結していた。

 

アグニカ・カイエルが駆る、ガンダム・バエル。

スヴァハ・クニギンが駆る、ガンダム・アガレス。

悠矢・スパークが駆る、ガンダム・ヴァッサゴ。

バリシア・オリファントが駆る、ガンダム・ガミジン。

ミランダ・アリンガムが駆る、ガンダム・マルバス。

響・コフリンが駆る、ガンダム・ヴァレファール。

ミズガルズ・ファルクが駆る、ガンダム・アモン。

クレイグ・オーガスが駆る、ガンダム・バルバトス。

カロム・イシューが駆る、ガンダム・パイモン。

オーウェン・フレッチャーが駆る、ガンダム・ブエル。

和弘・アルトランドが駆る、ガンダム・グシオン。

ラッセル・クリーズが駆る、ガンダム・シトリー。

レグロ・サッチが駆る、ガンダム・エリゴール。

マリベル・コルケットが駆る、ガンダム・ボティス。

ウィルフレッド・ランドルが駆る、ガンダム・バティン。

ケニング・クジャンが駆る、ガンダム・プルソン。

レオナルド・マクティアが駆る、ガンダム・イポス。

レスリー・ホルブルックが駆る、ガンダム・ナベリウス。

大駕・コリンズが駆る、ガンダム・グラシャラボラス。

カサンドラ・ウォーレンが駆る、ガンダム・アスタロト。

李子轩が駆る、ガンダム・フォルネウス。

フェンリス・ファリドが駆る、ガンダム・アスモデウス。

金元・カーゾンが駆る、ガンダム・マルコシアス。

ドリス・マクソーリーが駆る、ガンダム・ストラス。

ナトリア・デヴリンが駆る、ガンダム・フェニクス。

エドゥアルダ・デヴリンが駆る、ガンダム・ハルファス。

アマディス・クアークが駆る、ガンダム・フォカロルテンペスト。

リック・バクラザンが駆る、ガンダム・ヴィネ。

アイトル・サックウィルが駆る、ガンダム・ウヴァル。

ピラール・ハーディングが駆る、ガンダム・カイム。

雅斗・コナーが駆る、ガンダム・オロバス。

クジナ・ウーリーが駆る、ガンダム・グレモリー。

ローズ・ランフランクが駆る、ガンダム・オセ。

ゴドフレド・タスカー&メイベル・タスカーが駆る、ガンダム・フラウロス。

トビー・メイが駆る、ガンダム・アンドラス。

アーヴィング・リーコックが駆る、ガンダム・アンドレアルフス。

クリウス・ボードウィンが駆る、ガンダム・キマリストルーパー。

名無し/サミュエルが駆る、ガンダム・アムドゥスキアス。

ドワーム・エリオンが駆る、ガンダム・ベリアル。

イシュメル・ナディラが駆る、ガンダム・デカラビア。

シプリアノ・ザルムフォートが駆る、ガンダム・ダンタリオン。

ロブ・ダリモアが駆る、ガンダム・アンドロマリウス。

 

以上42機のガンダムに加え、旗艦となるバージニア級戦艦サロモニス。

マンリー級強襲揚陸艦5隻と、レキシントン級大型空中輸送機3隻。

 

これら「ヘイムダル」のほぼ全ての戦力を動員し、「四大天使」ミカエルと言うたった1機のMAを狩る事を目的とした討伐作戦――それこそが、「熾天使殺し(オペレーション・シヴァ)」である。

 

トリントンから出発したヘイムダル艦隊は、3日を掛けて慎重にニュージーランド周辺の海と空に包囲網を展開。

展開終了後、サロモニスの艦長ドワーム・エリオンより作戦説明が行われた。

 

『これは今更言うまでもないが――討伐対象は「四大天使」の一角であるMA、ミカエル。続いて、作戦を確認する。この後の号令で、戦艦からの核ミサイル攻撃を行う。そこで討ち漏らした敵にダインスレイヴとカラドボルグを叩き込み、その後にガンダムで接近戦を仕掛けてミカエルとそれを守るMAを殲滅する。作戦は以上だ、シンプルだろう? ではアグニカ、演説を頼む』

『またかよ』

 

と言いつつも、アグニカは演説を始める。

 

『改めて――ガンダム・バエルのパイロット、アグニカ・カイエルだ。以前の「四大天使」ウリエル討伐の際に演説を行ったから、今回も演説を押し付けられた。なので、とりあえず演説をさせてもらう。少しの間だから、耳を傾けてくれ』

 

そう自己紹介した後、アグニカは深呼吸をして続ける。

 

『我らは火星で、此度合いまみえるミカエルと同じく「四大天使」の一角たるMAウリエルと戦った。その力は強大であり、全機がガンダム・フレームのリミッターを解除しただけではその破壊には至れなかっただろう。我らがウリエルを討伐出来たのは、共に戦った四大経済圏の火星駐屯軍の支援が有ったからに他ならない。がしかし、今回の作戦は「ヘイムダル」が単独で行う作戦である。他にも、ミカエルはウリエルと違いMA達を侍らせている。故に、絶対的な戦力はミカエルの軍に劣る』

 

戦力としては、こちらが圧倒的に不利。

戦艦を含めるなら数の比は51対51で同じだが、通常のMAでも力はガンダム・フレーム2機分。

ミカエルが侍らすMA50機には「天使長」ザドキエルがいるし、ミカエル本体の力はガンダム・フレーム30機分に相当すると思われる。

 

この戦力差をひっくり返したくば、それこそ「奇跡」でも起こすしか無い。

 

『この作戦には、この場に集った者達1人1人の命を賭けてもらう事になる。ガンダムに乗る者には悪魔の力を引き出してもらわねばならないし、戦艦に乗る者にも手を動かし続けてもらわねばならない。とても苦しい、これ以上無い程にギリギリの戦いを強いられるだろう。下手をすれば、全滅させられるかも知れない。だが―――()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

アグニカがそう叫ぶと、バエルは右手で黄金の剣を掲げる。

 

『我らが倒せぬならば、世界中の誰にもミカエルを倒す事は出来ない! 我らが勝てねば、世界中の誰もがミカエルに勝てない! 天使(モビルアーマー)を殺す為の存在である悪魔(ガンダム)が殺せねば、世界中の誰にもミカエルは殺せない! この戦いの結末は、人類の未来と直結している!!』

 

ここまでまくし立てて、バエルは掲げていた黄金の剣を前方へ突き出す。

 

『我らが勝てば人類は生き、我らが負ければ人類は滅ぶ! なればこそ、我らに敗北は赦されない!! あらゆる手段、戦術、技術、能力を用い、最強たる「四大天使」ミカエルを討伐する!!』

 

バエルが、前へ突き出した黄金の剣を横へ振ると同時に。

 

 

『「熾天使殺し(オペレーション・シヴァ)」、状況を開始せよ!!!』

 

 

こちらの戦艦から核ミサイルが放たれると、敵側からは無数のビームが放たれる。

ビームによってミサイルは落とされるが、その内の何割かは敵MAの集団に直撃して大爆発を引き起こした。

 

『ダインスレイヴ、発射!!』

 

続いて、ダインスレイヴを搭載したガンダム達が一斉にそれを放つ。

ダインスレイヴと共に、サロモニスの左舷からもカラドボルグが放たれた。

核ミサイル攻撃から間髪入れずに放たれたダインスレイヴ&カラドボルグは、敵MA群にぶち込まれて大爆発を巻き起こす。

 

『全機構え、吶喊せよ!!』

 

各々が武器を抜き、MA部隊に吶喊する。

対するMAは、核ミサイルとダインスレイヴ&カラドボルグに戦線をズタズタにされながらも各個でガンダムの迎撃を開始した。

 

「オラ、どけ!」

 

砲撃支援型ガンダム達が、近接特化型ガンダムの道を拓く。

 

空中を恐ろしい速度で飛ぶバエルを始め、パイモンやアスモデウス、キマリスにプルソン、ベリアルとヴィネなどの後ろにはアガレスやアモン、アンドロマリウスも攻め込んで活路を作る。

 

上空では、レキシントン級大型空中輸送機から出撃したガンダム達が空中のMAを叩き落としている。

 

ガンダム達は、ミカエルの全貌を肉眼で捉えた。

全長170mを超えるであろう長大な翼が2枚、巨大な腕が2本。

翼にはダインスレイヴと思わしき武装が3基ずつ内蔵されていて、1基ずつ特大の拡散ビーム砲。

頭部にも勿論ビーム砲が有るだろうし、何やら腹部にも有りそうだ。

 

『                』

 

ミカエルの頭部が開き、ビーム砲が放たれる。

しかし、悪魔と契約せし者達はいとも容易くビームを避けた。

 

『  』

 

続いてミカエルは2枚の翼を更に大きく開き、ダインスレイヴを撃ち放つ。

ガンダム達はそれすらも回避し、ミカエルに肉薄する。

 

『     』

『             !』

 

そんなガンダム達に「天使長」ザドキエルが襲い掛かるも、少し遅れて追随していたアンドロマリウスとカイムがザドキエルを横から叩いて吹き飛ばす。

そのまま、ガンダム達はミカエルに襲いかかる。

 

『   』

 

ミカエルの背中から、10本ものワイヤーブレードが飛び出した。

襲いかかったガンダムを10機それで弾き返し、ミカエルは残った数機をプルーマで後退させる。

 

『ッ、強い…!』

「流石に、そう簡単には行かないか…」

 

次々と生み出されるプルーマをガンダムが撃破していく、その時。

 

 

ミカエルの翼の裏側から、何かが射出された。

 

 

『な、!?』

 

射出された何かがビーム砲を放ち、アガレスの肩を焼いた。

多方向から追撃を掛けて来る何かのビームを、アガレスとバエルは防ぐ。

 

『アグニカ、これって――』

「『ファンネル』だ、気を付けろ!」

 

ファンネル。

宇宙世紀時代、一部のエース機体に装備されたと言われるオールレンジ攻撃を可能とする補助兵装(機体によっては主力兵装)である。

名前の由来は、初めてファンネルを搭載したとされるMS「AMX-004 キュベレイ」の物の形状が漏斗に似ていた事から漏斗の英語である「ファンネル」と呼ばれるようになったと伝えられている。

正式名称は「ファンネル・ビット」と言い、遠隔操作式ビーム砲「ビット」の一種だとされた。

バリエーションも豊富で、「リフレクタービット」「フィン・ファンネル」「ファンネル・ミサイル」と言ったように多岐に渡る。

 

と、ガンダムパイロットの一部が知る人ぞ知る無駄知識を披露し終わった頃。

 

『         』

 

ミカエルは200基ものファンネルを展開し、それぞれのファンネルがプルーマと共に乱舞し始めた。

ファンネルは名前通り漏斗型でビームを撃つ物と、名前と違いワイヤーブレードの先端のように鋭く薄い刃を持つ物の二種が有る。

 

『どこが漏斗型よ!?』

『どう見ても漏斗じゃありません、本当にありがとうございました』

「じゃあ、ワイヤーの付いてないワイヤーブレードの方は――さしずめ、『ブレード・ファンネル』と呼ぼうか」

 

そのように軽口を叩くヒマは、すぐに失われた。

多数のファンネルとプルーマが飛び回り、他のMAからの攻撃もあって戦いは乱戦へ突入した。

 

『おう、もっと来いオラァ! 勿論俺らは抵抗するぞ、拳で』

『ケニング、ノリはともかく動きはナイスだ』

『はあああ!』

 

だが、彼らは幾たびも死線を潜り抜けて悪魔との契約までした者達だ。

何とか致命傷を避け、1基ずつ確実にファンネルを落として行く。

 

『        』

 

その時、ミカエルの腹部装甲が突如展開された。

内側に隠されたビーム砲がエネルギーを蓄積し、サロモニスに向かって一気に放出する。

 

『ぐぬうう!』

 

ウリエルのビームを上回る威力を持つミカエルの腹部ビームを、ベリアルがレアアロイの大剣で受け止める。

上空のレキシントン級から飛び下りて来たグレモリーが、ミカエルが発射中の腹部ビーム砲に狙いを定めた。

 

『動きが止まってしまえば!』

『       』

 

グレモリーが狙撃銃の引き金を引く直前、ミカエルのブレード・ファンネルがグレモリーの銃に突き刺さる。

続いて飛来したブレード・ファンネルがグレモリーのコクピットハッチを吹き飛ばし、ファンネルのビームがそのコクピットを焼き払った。

 

『クジナ!!』

『クジナさん!?』

 

コクピットを破壊されたグレモリーは、地上に落ちてそのまま沈黙した。

 

『そんな、クジナさん…!』

「スヴァハ、下だ!」

『ッ!』

 

下から迫っていたブレード・ファンネルを、アガレスはライフルで撃ち落とす。

一方で、別方向からブレード・ファンネルとファンネルのビームが迫る。

 

「させるか!」

 

バエルはアガレスに近寄り、ファンネルの1基を電磁砲で撃破。

残りのファンネルを剣で斬り捨てたが、ブレード・ファンネルには対応が間に合わず左足に直撃を受ける。

 

『ミカエルが…!』

「チィ!」

 

更に続けて放たれたミカエルの頭部ビーム砲を、バエルは剣を交差させて防ぐ。

まだ向かって来るブレード・ファンネルとファンネルを、アガレスは巧みな射撃で落とす。

 

「スヴァハ、一時後退だ! このままじゃ嬲り殺される!」

『分かった、一時後t――キャッ!』

 

ファンネルのビームで、アガレスはライフルを破壊された。

ライフルを片方失ったアガレスは、空いた手にナイフを装備してファンネルの攻撃を何とかしのぐ。

 

「どけ!」

 

10機以上のプルーマに襲われたバエルは、それを蹴散らしながらファンネルを攻撃する。

しかし、高速で機動するブレード・ファンネルを撃ち落とす事が出来ない。

 

『やばっ…!』

 

ナイフを取りこぼしたアガレスに、ブレード・ファンネルが飛びかかる。

1基はアガレスが撃ち落とし、3基をバエルが斬り落としたが。

撃ち漏らしたファンネルが、アガレスに迫り―――

 

『しまっt』

 

 

 

その胸部に、3基のブレード・ファンネルが突き刺さった。

 

 

 




オリジナル設定解説のコーナー。

サロモニス
階級:バージニア級汎用戦艦
全長:624m
動力源:エイハブ・リアクター×5
武装:2連装主砲×4
   ミサイルランチャー×8
   対空砲×20
   クラウ・ソラス×1
   カラドボルグ×1
艦載可能数:20機
艦載機:ガンダム・フレームなど
艦長:ドワーム・エリオン
概要
「ヘイムダル」のスリーヤ・カイエルが開発した、バージニア級汎用戦艦の1隻。
構造はゲーティアと同じ。

マンリー級強襲揚陸艦
全長:192m
動力源:エイハブ・リアクター×1
武装:2連装主砲×2
   対空ミサイル×4
   魚雷×4
   対空砲×10
艦載可能数:5機
艦載機:ガンダム・フレーム
    ヘキサ・フレーム
    ロディ・フレーム  など
概要
「ヘイムダル」を始め、世界中で運用されている海上戦艦。
5機のMSを運用可能で、武装もそれなりに充実している。
厄祭戦時代に建造され、現在もギャラルホルンで使用される。

レキシントン級大型輸送機
全長:325m
動力源:エイハブ・リアクター×5
武装:対空拡散ビーム砲×3
   ミサイルランチャー×6
   対空砲×30
艦載可能数:30機
艦載機:ガンダム・フレーム
    ロディ・フレーム
    ヘキサ・フレーム
概要
「ヘイムダル」を始め、世界中で運用されている大型輸送機。
全長が325m、翼の全幅は530m。
宇宙世紀時代に建造されたガルダ級大型輸送機が参考とされているが、大きさはそれを凌駕している。
半永久機関である5基のエイハブ・リアクターを動力源としており、食糧などを考慮しないならば航続距離に制限は無い。
対空拡散ビーム砲と対空砲により、圧倒的な火力を誇る。

バリシア・オリファント
「ヘイムダル」メンバーで、「ガンダム・ガミジン」のパイロット。
元は整備士だったが、パイロットがいなかった為乗るハメになった。

ASW-G-04 ガンダム・ガミジン
全高:19.1m
本体重量:34.7t
動力源:エイハブ・リアクター×2
使用フレーム:ガンダム・フレーム
武装:ミズガルオムズ×1
   大口径ハンドガン×1
   ワイヤーアンカー×2
   ユーミル×1
概要
バリシア・オリファントの専用機。
背部のスラスターと、スタビライザーが印象的な機体。
特殊なシステムとして、「MASTERシステム」を搭載している。
戦闘状況を予測し、パイロットの脳内信号を加速させて超高速反射を可能とする。
システム使用の代償は決して小さくなく、徐々に蓄積されて行く。
ミズガルオムズはアサルトナイフ2本とマシンガン、小型ミサイルが1基ずつとスラスターが付いている複合装備で、普段は右腕に取り付けられている。
ナイフは交差させてハサミ状に出来る他、柄にワイヤーが付いているので飛ばせる。
大口径ハンドガンはアガレスの物を威力重視にした物だが、反動が大きく装弾数も減少した。
ユーミルは背部ユニットに接続されている言わば「プロトダインスレイヴ」と呼ぶべき物で、威力のみを論ずるならばダインスレイヴより大きく取り回しも良好。
ただ、発見された謎の金属で本体が造られた為増産はされなかった。
また、発射時の後方排熱噴射がかなり激しい。
名前の由来は、ソロモン王直属の使い魔「ソロモン七十二柱」に於ける序列第四位の悪魔「ガミジン(サミジナとも)」から。
ガミジンは30の軍団を率いる、地獄の大侯爵だとされる。
kanakutoさんより頂いた案を元に、設定しました。

ASW-G-12 ガンダム・シトリー
全高:19.7m
本体重量:31.4t
動力源:エイハブ・リアクター×2
使用フレーム:ガンダム・フレーム
武装:ビトル・チョッパー×2
   ガントレット×2
   試作型ダインスレイヴ×1
概要
ラッセル・クリーズの専用機。
背部の巨大な翼のようなスラスターユニットと、頭部の大型センサーが特徴的な機体。
武装は「ビトル・チョッパー」「ガントレット」が2つと、「試作型ダインスレイヴ」の1つ。
ビトル・チョッパーは鉈であり、両手に持って使用される。
普段は、腰にマウントされている。
ガントレットは両腕に付けられており、防御を担っている。
試作型ダインスレイヴは折り畳み可能な大弓の形を取っており、引き絞る強さによって威力と弾速が変化する。
その照準を行う為、頭部が大型センサーとなった。
名前の由来は、ソロモン王直属の使い魔「ソロモン七十二柱」に於ける序列第十二位の悪魔「シトリー(シュトリ、ビトルとも)」から。
シトリーは60の軍団を率いる、地獄の君主だとされる。
N-N-Nさんより頂いた幾つかの案を折衷して、設定しました。

ASW-G-17 ガンダム・ボティス
全高:19.7m
本体重量:34.4t
動力源:エイハブ・リアクター×2
使用フレーム:ガンダム・フレーム
武装:ボティス・レイピア×1
   有線式テイルブレード×2
概要
マリベル・コルケットの専用機。
頭部の両側面に配された、剣に似たセンサーユニットが大きな特徴。
武装は「ボティス・レイピア」と「有線式テイルブレード」。
ボティス・レイピアは、後にキマリスの偽装として建造される「ガンダム・ヴィダール」の物に酷似している。
細身の両刃で、ヴィダールの物と同じく刀身の爆破と交換が可能。
レアアロイ製の刀身が両腰に4本ずつと、特殊超硬合金製の刀身が両腰に1本ずつ有る。
有線式テイルブレードは背部と腰部に装備され、自由に動かせる。
特殊装備として限定的に未来予測を可能とするシステムが存在しているが、代わりに冷却用のシステムが大型化して若干の機動力低下を招いている。
また、数秒後の未来しか分からない。
名前の由来は、ソロモン王直属の使い魔「ソロモン七十二柱」に於ける序列第十七位の悪魔「ボティス(オティス、オティウスとも)」から。
ボティスは60の軍団を率いる、地獄の大総裁にして伯爵だとされる。
Crow・Hraesvelgrさんより頂いた案を元に、設定しました。

ウィルフレッド・ランドル
「ガンダム・バティン」のパイロット。
新聞記者であり、拾ったガンダムを使って世界を廻りながら取材をしていた所でヘイムダルと合流。
そのまま、ミカエル討伐作戦に引きずり出された。

ASW-G-18 ガンダム・バティン
全高:18.7m
本体重量:40.0t
動力源:エイハブ・リアクター×2
使用フレーム:ガンダム・フレーム
武装:ライフル×1
   マルティム・ソード×1
   アサルトナイフ×2
概要
ウィルフレッド・ランドルの専用機。
全身にナノラミネートコートを採用しつつも、追加ブースターと全身のバーニアによって高い機動力を実現した機体。
武装はライフルとアサルトナイフ、折り畳み式のレアアロイ製直剣「マルティム・ソード」のみとなるが、圧倒的な加速と防御力で電撃作戦を得意としている。
名前の由来は、ソロモン王直属の使い魔「ソロモン七十二柱」に於ける序列第十八位の悪魔「バティン(バティム、マルティムとも)」から。
バティンは30の軍団を率いる、地獄の大公爵だとされる。
一風の陣さんより頂いた案を元に、設定しました。

ASW-G-63 ガンダム・アンドラス
全高:18.1m
本体重量:28.0t
動力源:エイハブ・リアクター×2
使用フレーム:ガンダム・フレーム
武装:アンドラス・ソード×2
   プロトタイプ・アイギス×1
   胸部バルカン砲×1
   アンドラス・ライフル×2
   クラッカー×4
   ダインスレイヴ×1
概要
トビー・メイの専用機。
機体自体に特徴は無く、シンプルに纏まっている。
アンドラス・ソードはバエル・ソードと同型だが、レアアロイ製の為に折れる時は折れる。
中距離から遠距離での戦闘を想定している為、使われる事は殆ど無い。
アンドラス・ライフルで撃ち、ダインスレイヴでトドメを刺すのが基本戦法。
バルカン砲を胸部に備える他、アイギスの試作型も装備している。
機体が非常にピーキーである為に、繊細な者にしか扱えない。
名前の由来は、ソロモン王直属の使い魔「ソロモン七十二柱」に於ける序列第六十三位の悪魔「アンドラス」から。
アンドラスは30の軍団を率いる大侯爵だとされる。
みっつ―さんより頂いた案を元に、設定しました。

ミカエルのデータは、また載せます。


2人が別たれる回には、それを表すサブタイを付けたかったのでここで切りました。
アグニカ最大の転機となる出来事にもなりますし…許して下さい。


次回「別離(わかれ)」。

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