鉄華団のメンバーが1人増えました《完結》   作:アグニ会幹部

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今回から2期分…なんですが、まずは何点かについて注意を。

1.夜明けの地平線団との戦闘はカット。主人公はあくまでアラズであり、そのアラズは現在火星にいない為原作と全く同じ展開になるからです。(火星にいない理由は後述)
2.1期と2期の間には2年程の間が有るのですが、そこは詳しく書きません。最初にナレーション的な地の文で説明仕切っています(原作と違って来る状況説明も含まれます)。
3.所々カットしまくり。

細かく見たかった方がいらっしゃれば申し訳ございませんが、オリジナル展開突入後の長さなどの都合上致し方無い部分でも有りますので、ご了承下さいm(__)m

これオリジナル展開を盛り上げなかったり短かったりしたら、ダメな奴ですよね…ガクガクブルブル


地球支部編
#25 開戦の狼煙


アーブラウでの代表選から、約2年。

蒔苗東護ノ介の再選と同時にギャラルホルンの腐敗が暴かれた事により、世界の情勢は少しずつ変化している。

 

クーデリア・藍那・バーンスタインの護衛任務をやり遂げた鉄華団は、その名を世界に轟かせた。

ハーフメタル利権を得たテイワズは、大きく貢献した鉄華団を直系団体とし莫大な利益を得た。

 

また、ジャスレイ・ドノミコルスが暗殺された事により空席となっていたテイワズNo.2の座には、鉄華団をよく助け仕事達成に貢献したタービンズの名瀬・タービンが納まった。

タービンズが元々築き上げていた輸送網は更に発展し、世界物流は一変。

 

アーブラウはギャラルホルンに頼り切りだった防衛力強化の為、鉄華団に軍事顧問となる事を依頼。

これにより鉄華団は地球支部を開設し、その支部長にはアラズ・アフトルが任命された。

 

アラズの手腕によりアーブラウ防衛軍は急速な軍備増強を果たし、他経済圏からも軍事顧問になれと言う依頼が絶えない。

 

混乱する世界の中を巧く渡り歩く鉄華団は、実績を買われ発展し急成長企業となった。

 

クーデリアは鉄華団を通じてテイワズと協力し、アーブラウ植民地域のハーフメタルの採掘一次加工輸送業務を行う「アドモス商会」を設立。

その社長にはクーデリアが自ら就任し、副社長としてフミタン・アドモスが就任した。

 

更に鉄華団と提携し、桜農園の敷地内に孤児院を設立。

社会的弱者への能動的支援と火星全土の経済的独立の為、休む事無く日々奔走している。

 

しかし、腐敗を暴かれたギャラルホルンは社会的信用と地位を大きく揺るがされた。

それにより各地での紛争が増大し、鉄華団の活躍で有用性が示される事となった少年兵が大量に戦線へと投入されヒューマン・デブリも増加。

 

鉄華団とギャラルホルンの戦いで両者に伝説のガンダム・フレームが用いられた事によりMSの重要性が再認識され、世界各地で厄祭戦時代のMSの復元と改修が盛んに行われるようになった。

これによりMSの総数は爆発的に伸び、戦争の形はMW同士による戦略戦からMSによる白兵戦へ移行した。

 

鉄華団の活躍はギャラルホルンに喝を入れると同時に世界経済の発展へと繋がったが、それ以上に子供達が酷使され使い潰される世界へと繋がってしまった。

P.D.0325年。

何も知らない子供達が搾取される世界は、未だ続いていた--

 

 

 

 

ギャラルホルン本部ヴィーンゴールヴの一角に存在する、セブンスターズ会議場。

床には分厚い絨毯が敷かれ、各家に1つずつ用意された椅子の後ろには荘厳な旗が有り、そこにはそれぞれの家紋が描かれている。

 

現在会議場には、セブンスターズ第二席ファリド家当主マクギリス・ファリド、第三席ボードウィン家当主ガルス・ボードウィン、第四席エリオン家当主ラスタル・エリオン、第五席クジャン家当主イオク・クジャン、第六席バクラザン家当主ネモ・バクラザン、第七席ファルク家当主エレク・ファルクが出席している。

第一席イシュー家の現当主はカルタ・イシューだが、現在は出席出来ない状況にある。

 

「地球外縁軌道統制統合艦隊を組織改編し、アーブラウの件で難しくなった地球上での活動を再編。各経済圏との新たな関係を構築した手腕…見事だな、マクギリス・ファリド公」

 

第三席ボードウィン家当主ガルス・ボードウィンは、そうマクギリスを評価する。

 

「いえ。これも、皆様方のご指導の賜物です」

「いやいや、これでは地球外縁軌道統制統合艦隊をもうお飾りなどと呼べませんな」

「私のこれまでの仕事は、存命で有りながら未だ意識を取り戻していないカルタ・イシューの遺志と仕事を引き継いだに過ぎません。それに私は、過去に大きな問題を抱えています」

 

第七席ファルク家当主エレク・ファルクの言葉にそう返しつつ、マクギリスはさり気なくこう切り出す。

 

「監査局時代、私と故ガエリオ・ボードウィンの査察により火星支部から膨大な量の汚職が発覚しました。我々はすぐこれを摘発し、当時司令官であったコーラル・コンラッドは途中で戦死。火星支部の組織改編を余儀無くされました。しかし、それにより火星支部は弱体化。その管理区域は現在、海賊組織などが跳梁跋扈する無法地帯と化している。正義を執行したからこその副作用とは言え、これは私の撒いた種が原因によるモノ。なので、私にその清算をさせて頂きたいのです。我が地球外縁軌道統制統合艦隊が火星区域へ干渉する事を、この場で許可して頂ければと」

「ファリド公! それは、エリオン公率いるアリアンロッドの職域を侵す行為だぞ!」

 

マクギリスの提案に、第五席クジャン家当主イオク・クジャンが異議を唱える。

 

「そう構えるな、クジャン公。やる気が有るのは良い事だ」

「ラスタルs…エリオン公、それは…」

「クジャン公。我らギャラルホルンは、世界の秩序を守る為に有る。その為ならば、『ギャラルホルンの誰が』などは小さな問題だ。今我々に必要なモノは、秩序を維持する為の『力』なのだから」

 

第四席エリオン家当主ラスタル・エリオンはそう言ってイオクを黙らせ、マクギリスの提案を認可した。

 

その数時間後に会議は終わり、ラスタルとイオクは外に出る。

 

「待たせたな、ジュリエッタ」

 

外で待っていたのは、ジュリエッタ・ジュリス。

ラスタルによって選び出された、MSの凄腕パイロットだ。

 

「どうでしたか…とは、野暮なようですね。イオク様の顔を見れば、大体分かります」

「おのれ、この猿何を…!」

 

イオクが突っかかるが、ラスタルは微笑を浮かべたままだ。

 

「マクギリスは以前から、地球外縁軌道統制統合艦隊を圏外圏で活動させるきっかけを探していた」

 

ジュリエッタは指に止まった蝶を食べつつ、ラスタルの話に耳を傾ける。

 

「火星を自らの拠点とし、その足掛かりを作ろうと言うのだろう」

「…ラスタル様。そこまで把握していながら、何故マクギリス・ファリドの提案を?」

「何を言う。私はギャラルホルン最大最強を誇る月外縁軌道統合艦隊、アリアンロッドの司令だぞ。受けて立つさ、真っ向からな!」

 

ラスタルはそう宣言し、大股で歩き出す。

 

「肉を食って帰るぞ!」

「肉!? 大好物です!」

「わ、私も頂いて良いでしょうか!?」

 

 

 

 

鉄華団の地球支部支部長となったアラズ・アフトルは、広い支部長室のデスクでふんぞり返りながら火星にいるオルガと通信していた。

 

「おう。聞いたぞテメェら、『夜明けの地平線団』とやり合ったんだって?」

 

夜明けの地平線団。

地球と火星の間の航路を主な活動区域とする、最大規模の宇宙海賊だ。 

構成員は実に3000人にも及ぶ大所帯で、ユーゴーやガルム・ロディといったMSに加え10隻にも及ぶ宇宙艦に多数のヒューマンデブリ兵士を抱える。 

団長の名は、サンドバル・ロイターと言う。 

 

『そんな正面切ってやり合った訳じゃないですよ…喧嘩売って来たから、返り討ちにしただけd』

「世の中ではな、それを『やり合った』って言うんだよ。で、どうするんだ? 絶対に目を付けられたぞ」

『分かってます。こうなったら、ぶっ潰すしか…』

「無い、んだよな。まあ好きにやれ、ただしやるからには勝てよ。ああ、そう言えばマクギリス・ファリドなる男から夜明けの地平線団討伐依頼が来ている。何でも、部隊まで送ってくれるとさ。後で、直接通信して依頼を正式に受け取れ。地球にいる俺が、火星の任務を勝手に受ける訳には行かんからな」

 

ついさっき、地球支部にマクギリスから通信が有った。

マクギリスはやけに笑顔であり、アラズがそれを気持ち悪がってマクギリスが傷付くと言う場面も有ったが、鉄華団はその依頼を受け取る事になるだろう。

 

その内容が、夜明けの地平線団の討伐。

また助力にと、マクギリスの副官である石動・カミーチェ率いる部隊が派遣されるとも。

 

『…それは、向こうは本気で?』

「そりゃそうだ。俺も疑って聞き返したら、確約だと返して来た。ありゃマジだろ」

『そうですか…それなら、多少は楽になる。それと、すいません。そっちへの獅電の納期が遅れるかと思います』

「了解だ。こっちはこっちで何とかするが--出来る限り早く片付けろよ」

 

そう言って、アラズは通信を切る。

戦力の到着が遅れるのは多少痛いが、その分はアラズが働いて補えば済む話だ。

 

問題は。

 

「失礼します。獅電の到着が遅れるとは、どう言う事ですか? 予定は守って貰わないと困ります」

 

この頭特殊超合金な嫌味管理職、ラディーチェ・リロトをどう納得させるかである。

アラズは心底嫌だと思いながら、ラディーチェの論破に移る。

 

「火星本部の方が、『夜明けの地平線団』討伐に動く。その影響で、輸送に時間を割く余裕が無いんだとよ」

「それは関係有りません。一度決まった事は、その通りにして頂かないと。アーブラウ防衛軍も成立して近々式典を行うとは言え、こちらの戦力はギリギリです。ランドマン・ロディだけでは限界が有ります」

「そんな事は、言われずとも分かってるよ。予想外の事態が起きるのが人生ってモンだ。戦力に関しちゃ俺が動けばそれで済むし、何より出来なくなった事はこっちが何を言っても無駄だ。俺なんぞに異論を唱えるヒマが有るなら、さっさと事務室に戻って手を動かしやがれ」

 

そう返し、アラズは椅子から立ち上がる。

 

「? どちらへ?」

「式典警備の打ち合わせが入っている。アーブラウ防衛軍もようやく何とか戦場で生き残れるくらいにはなったし、試しに奴らの意見も聞いてやろう」

 

アラズは近くの棚から背中に鉄華団のマークが刻まれたコートを取って羽織り、部屋を後にした。

 

 

 

 

デブリ帯で鉄華団、地球外縁軌道統制統合艦隊との対決も兼ねた「夜明けの地平線団」討伐作戦は、サンドバル・ロイターの身柄を鉄華団に確保された為アリアンロッドの敗戦となった。

 

それから10日。

アーブラウ防衛軍発足式典を翌日に控えた今日、アリアンロッド旗艦スキップジャック級の艦長室ではラスタル、イオク、ジュリエッタが今後の方策を練っている。

 

「申し訳ありません、ラスタル様。マクギリスの思惑を、みすみす見逃す形になってしまいました」

「見逃したと言うより、推し進めたと言う方が適切かもしれませんね」

 

イオクがラスタルに謝罪するが、ジュリエッタはその横からツッコミを入れる。

 

夜明けの地平線団討伐作戦に於いて、イオクとジュリエッタは新型MS「レギンレイズ」に乗って出撃した。

しかし、イオクの狙撃は全く当たらないばかりかジュリエッタの邪魔をするような形にまでなってしまった。

 

たわけめ。

 

「構わん。今回は先を越されたが、次はこちらの番だ。だが、地球はそれこそ地球外縁軌道統制統合艦隊の庭だ。そこで我らアリアンロッドが動くと、セブンスターズ内で問題が生じる。だからこそ、()()()に協力を仰いだ」

「あの男?」

「ラスタル様、それは…」

 

イオクが首を傾げるが、ジュリエッタには思い当たる人物がいたようだ。

 

「ヒゲのおじ様、ですか?」

「ああ」

 

 

 

 

部屋を後にしたジュリエッタは、MSデッキに来ていた。

最近、MSデッキに怪しげな機体が持ち込まれた。

そして、そのパイロットも。

 

何でも、ラスタルの側近だと言う。

仮面を付けた怪しい男を側近にすれば、ラスタル自身のセンスが疑われる。

由々しき問題である。

 

カマを掛けるべく、ジュリエッタはMSデッキにいるその仮面の男に近寄る。

 

「私には理解不能です。ギャラルホルンには多くの人間がいるのに、それを差し置いてどこの馬の骨かも分からない貴方を側近にするなど。これは由々しき問題です」

『ほう?』

 

くぐもった声で、仮面の男は反応した。

 

「端的に言うならば、ラスタル様によるえこひいきです」

『…ふっ』

 

ジュリエッタのその言葉を聞いて、仮面の男は失笑する。

 

「なっ、今笑いましたか!?」

『ああ。君の事も、この艦隊の人間がそう噂していたからな。気分を害したのなら謝ろう』

 

ジュリエッタは無言で仮面の男を見据えた後、続けて話し始める。

 

「--確かに、私には階級も後ろ盾も有りません。けれどMSの操縦の腕だけでラスタル様は私を認めて、取り立てて下さったのです」

『信用しているんだな、ラスタルを』

「当たり前です。ラスタル様は私の誇りであり、尊敬すべき上官なのですから」

 

それを聞いた仮面の男は、少し間を置いて。

 

 

『そうか。--誇り、か…』

 

 

と、感慨深そうに呟いた。

 

「?」

『君、名前は?』

 

仮面の男は唐突に、名前を聞いて来た。

 

「…ジュリエッタ。ジュリエッタ・ジュリスです」

『そうか。俺の事は、ヴィダールと呼んでくれ。よろしく』

 

ジュリエッタはふと、ヴィダールが笑ったような気がした。

 

 

 

 

アーブラウ防衛軍発足式典の当日。

いつも長袖シャツの上にコートを羽織っているアラズは珍しく、黒いスーツに身を包んでいた。

 

「…アラズさん、やけに様になってますね」

「いや、似合ってないだろ。俺は元来、堅苦しいのが苦手なんだよ」

 

タカキの言葉を、アラズは否定する。

赤い髪と黒いスーツを合わせた結果、おかしな事になるのは分かり切っている。

 

「じゃあ、俺は中で式典に参加して来る。警備の指揮は頼むぞ、チャド。もし何か有れば、その場で最適だと思う行動を取れ。配置やら、事後処理やらは考えるな。最悪の事態を阻止しろ」

「り、了解」

 

チャドが頷いたのを確認し、アラズは会場へ入って行った。

 

(…他の経済圏に先立ってのこの式典、無事に終わると良いんだが--)

 

式典の直前、アラズは蒔苗の部屋に顔を出した。

 

「いやはや、感謝感激じゃよ。仕事として頼んでからと言うもの、アーブラウの防衛力は日に日に増大しておる。今日この日を迎えられたのも、鉄華団のお陰だ。礼を言う」

「いや、礼を言われる程じゃ有りません。我々はただ、仕事を果たしただけです。アーブラウ代表、蒔苗東護ノ介殿」

「役立たずのヒゲジジィと言う不名誉な認識、改めてくれたようだ。結構結構」

 

満足げに頷きつつ、蒔苗は紅茶を含む--

 

「ストップです」

「んん?」

 

直前、アラズは蒔苗から紅茶を奪い取る。

そして、掌に少し紅茶を流してそれを舐める。

 

「何だと言うのだ?」

「ッ--! …蒔苗代表。この紅茶、()()()()()

「!」

 

アラズは窓に近寄り、窓を開けてティーカップごと紅茶を外へブン投げた。

 

「毒じゃと? 何者かが、それを仕込んだと?」

「ええ、そうでしょうね。ついでにもう1つ。この紅茶、いつから置いて有りましたか?」

「儂が花を摘みに行って帰って来たら、机の上に置いてあったわ。それと、そこの花も増え--」

 

蒔苗が言い切るより速く、アラズは花瓶を掴んで窓の外にブン投げた。

そして、窓を通過した瞬間。

 

 

花瓶は、大爆発を引き起こした。

 

 

「--!」

「暗殺して、それを誰かになすり付けようってか? あくどいやり方だな」

「蒔苗先生!」

 

爆発音を聞きつけて、蒔苗の秘書が部屋に飛び込んで来た。

 

「--、これは…!?」

「アーブラウ代表蒔苗東護ノ介の暗殺、未遂だ。軍事顧問として、蒔苗東護ノ介氏に進言します。今回のアーブラウ防衛軍発足式典、中止にされるのが賢明かと」

「…致し方有るまいな。しかし、延期ではなく中止かね?」

「はい、取り止めを提案します。どの勢力からの攻撃かは測りかねますが、防衛軍発足を好く思わない者達による犯行である事は明らか。既に、スナイパーなども雇われているかも知れません」

 

会場での式典が終わった後、蒔苗と議員達は防衛軍の演習を見る予定だった。

そこでスナイパーによる狙撃が行われれば、蒔苗を守り切るのは困難である。

 

「うむ、承知した。では、事態への対処は頼むぞ」

「了解しました。既に、外ではチャド達の警備隊が防備を固め始めているようです。今の内に安全な場所へ」

 

蒔苗が秘書とSPに守られて部屋を出るのを確認すると、アラズはもう一度手に付いた毒入り紅茶を舐める。

 

「--マイトトキシン、か。マジでヤベェ奴だぞ、これ…」

 

マイトトキシン。

半致死量は0.00005mg/kgとされ、世界で2番目に毒性の強い物質だ。

具体的には、たった1mgで約10万人の人間を中毒死させる程の猛毒である。

 

毒を取り込んでも何ともないフザケた身体に不本意ながら感謝しつつ、アラズは鉄華団と合流する為に走り出すのだった。

 

 

 

 

その男達は、バーのガラス越しに爆発を確認した。

 

「開幕の狼煙、だな。蒔苗東護ノ介の殺害には失敗したようだが、ここからが本番だ。あれとは比べ物にならない爆炎を上げる」

「それより、報酬の件についてを」

 

もう1人の男に急かされ、ヒゲを蓄えた男はグラスを煽ってから答えを返す。

 

「それは安心してくれ。君の提示した条件は全て呑むつもりだよ、ラディーチェ・リロト君」

 

ヒゲの男と並んで座り取引をしているのは、ラディーチェ・リロトだった。

 

「しかし、君は心が痛まないのかな? 仮にも今まで寝食を共にしてきた者達を戦火に放り込む事になるが」

「あの子供達は、教育さえ受けず野放しにされた獣のようなものです。現支部長も功績は凄まじいですが、ロクに約定を守ろうとしない。そんなモノ、私は人間と認められませんね。私は昔から、人間以外のモノが軒並み嫌いでして」

 

ラディーチェはそう、鉄華団を見限った。

 

「はははは、そうかそうか。いやはや、君は実に面白いな。俺は、面白い男が好きだよ。彼らを疎ましく思う身どうし、協力しようじゃないか」

 

そして、彼らは酒を酌み交わした。




端折り過ぎて私にも分からない!(ダメじゃねェか)
ので、自分用も兼ねて時系列と出来事を整理します。


クーデリアとアリウム・ギョウジャンの会談。

同時刻、セブンスターズ会議。

夜明けの地平線団、鉄華団火星本部を襲う。

翌日、鉄華団地球支部と火星本部の通信。

オルガとマッキー、通信。
マッキーは「夜明けの地平線団討伐」を鉄華団に依頼。

石動の部隊、火星へ到着。
鉄華団と合流。

イオクとジュリエッタ、火星へ。

鉄華団&石動部隊、夜明けの地平線団と開戦。

アリアンロッド、介入。

鉄華団、夜明けの地平線団団長サンドバル・ロイターの身柄を確保。

翌日、アリウム・ギョウジャンはバンバンバン。

戦闘の10日後、イオクとジュリエッタがラスタルの下へ帰還。

ジュリエッタとヴィダール、邂逅。

翌日、アーブラウ防衛軍発足式典。


と、言う流れです。
地球支部支部長に成り上がったアラズが全くと言って良い程関わらなかった「夜明けの地平線団」討伐戦を全てカットした結果、こんな感じに…
反省しております、申し訳ございませんでした。
本当にすみませんm(__)m
ここまで酷いのは今回だけだと思うので、目を瞑ってくれると有り難いです…。


アラズ・アフトルゥ!
何故、お前がマイトトキシンを舐めても何とも無かったのか!
何故、阿頼耶識を当たり前のように3つも付けているのか!
何故、埋まっていたバルバトスのコクピットで発見されたのか!!
それはァ…ハァ…お前が、世界で唯一!
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■男だからだァ!
ハーッハッハッハ、ハハハハハ、ハハハハハハハハハハ!!

そんな感じで、アラズが猛毒舐めてもピンピンしてるのにはちゃんと理由が有ります。
いつか明かしますので、今は首を傾げておくようお願い申し上げますm(__)m

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