スーパーロボット大戦V~次元を渡る者達~   作:ジンオウガ

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あけましておめでとうございます!新年最初の投稿です。
今回はある男が従えている機体二機が登場、そして主人公と三日月とシノ、そしてヒロインが跳ばされます。


第8話~黒き機械天使~

あの後、落ちついた少女は竜牙達と共に格納デッキに来ていた。

 

「改めて自己紹介するね。私はイオナサル・ククルル・プリシェール。竜牙君と同じ部隊に所属してるの。イオンって呼んでね」

 

「俺は三日月・オーガス。よろしく」

 

「うん、よろしくね三日月君」

 

「それにしてもよくこっちの世界に来れたな。いくら次元カタパルトでもオービタル・フレームで行けないんじゃ?」

 

「それに関しては新型のスタビライザーを装備させて……そうだった!?た、大変なの竜牙君!ドロレスが動かなくなったの!」

 

「動かなくなったぁ~?……はぁ……」

 

竜牙はため息を吐くとドロレスと呼ばれる機体の頭部に近付く。

 

「竜牙?」

 

「何する気なんだあいつ?」

 

「スゥ……ハァ………起きろドロレス!!」

 

ガァン!!

 

「ちょっ!?」

 

そう叫んで竜牙はドロレスの頭部を思いっきりぶん殴った。突然ぶん殴った竜牙に名瀬達は驚いた。

 

『い、痛ったぁい!お兄様!いくらなんでも殴る事はないじゃないですかぁ!』

 

「やかましい!こうでもしないと起きねぇだろうが!唯でさえお前はイオン用の特殊な機体なのに……」

 

「……なぁお前ら……あの機体……誰も乗ってないのに勝手に動いてないか?」

 

「動いてるねぇ……」

 

「動いてるよな」

 

「へぇー、何か凄いね」

 

「いや、そこじゃないだろ」

 

名瀬達は勝手に動き出したドロレスに驚いていた。動いてくれたドロレスにイオンは心配した顔で近付く。

 

「良かったぁ!心配したんだよドロレス!」

 

『ご心配をお掛けしましたイオンお姉様。そして無事だったんですねお兄様!心配していたんですよ』

 

「心配かけたな二人共。まぁ原因のあの馬鹿爺のせいなんだがな」

 

『あ!その敷島博士ですが、竜馬おじ様と千冬おば様達がお仕置きされてましたよ』

 

「親父と母さん、ナイス!」

 

ドロレスがそう言うと竜牙は元の世界にいる父親達に感謝した。

 

「なぁ、その機体どうなってるだ?なんで誰も乗ってないのに動ける上に喋っているんだよ?」

 

「ん?あぁ、こいつはオービタル・フレーム《ドロレス》。イオン用に作られた試作機でまぁ…あれだ……動く理由は俺にも分かんない」

 

「「「……はぁ!?」」」

 

「だって、完成間近でエイダと同型のAIを積んだらどういう訳か勝手に色んなネットワークやデータとかで学習するし自己進化して自立化するのわって意味分かんない事になってたんだよ。一体何が原因なんだか……」

 

そう言って竜牙は顎に手を添えて回想で組み立て作業を思い出す。コックピットにAIを組み込み作業をしている傍らに敷島博士が何か妙なプログラムを不気味な笑みを浮かべながら入れていた。

 

「「「イヤイヤイヤ!?100%そこの爺さんが原因だろ!?」」」

 

「あ、やっぱり?」

 

「私もそう思うかも……」

 

三人が竜牙にツッコミを入れてイオンは否定できないのか苦笑いをした。そんな時だった。

 

「「っ!」」

 

「竜牙君?三日月君?」

 

「三日月……感じたか?」

 

「うん、何か妙な気配がする」

 

ビー!ビー!ビー!

 

《この空間に転移する反応を探知》

 

「やっぱりか!出るぞ三日月!」

 

「分かった!」

 

そう言って二人は自身の愛機に乗り込み出撃する。今回は三日月のバルバトスルプスⅡにはランサーメイスを装備し、竜牙のバエルスターダストはストライクカノンとシールドは外し何時ものバエルソードを両手に装備させていた。

 

「ヤマトとハンマーヘッドは先に行ってくれ!」

 

『だが、そうしたら君達が!?』

 

「いざとなったらガミラスの船を直して追い掛ける!良いから行け!」

 

『……分かった!気を付けろよ二人共!』

 

『私も残るよ!』

 

そう言ってハンマーヘッドからドロレスに乗ったイオンが出てきた。

 

『イオナサル君!?』

 

『ドロレスには新型のスタビライザーが装備させています。それを使えば二機と共にワープで追い掛ける事が可能です!』

 

『俺も残るぜ!』

 

更には、ハンマーヘッドからシュヴァルベグレイズ改に乗ったシノが出てきた。

 

『シノ!?』

 

『四代目流星号じゃねぇが、ダチを見捨ててなんてできないからよ!』

 

『竜牙君!』

 

「心配するなチトセ。ちゃんと生きて戻って来るからよ」

 

そう竜牙はチトセに安心させるように言う。そして、少し不安そうにするが決意した。

 

『分かった……必ず……帰って来てね!』

 

「あぁ!」

 

(あのチトセって人……もしかして……?)

 

そう言ってヤマトとハンマーヘッドを見送った後、気を引き締める。そして、空間に穴が空きそこから二機の黒い天使を思わせる見たことのない機体が現れた。

 

「なんだあの機体……エイダ?」

 

『該当するデータ無し。見たことのない機種です』

 

『どうする?』

 

そう言って三日月は聞いた瞬間、二機の黒い機体は手に持ったビームライフルで竜牙達に攻撃してきた。

 

「攻撃してきたから敵だ!俺とイオンは片方を、もう片方は三日月とシノだ!」

 

『『『了解!』』』

 

 

 

 

~竜牙&イオン視点~

 

黒い機体はビームライフルで牽制しながら剣で竜牙に切りかかるが竜牙は持ち前の機動力で避け、そしてイオンがホーミング・レーザーで黒い機体を牽制する。

 

『私達が動きを止める!』

 

《お任せください!》

 

「任せる!」

 

イオンはもう一度ホーミング・レーザーを放ち黒い機体を牽制し、そして腕をブレードに変えて黒い機体を切る。

 

『竜牙君!』

 

「サンキューイオン!トドメは俺が!」

 

そう言って驚異的な加速で黒い機体に近づき、バエルソードでコックピット部分を突き刺した。

 

「ん?何か妙な違和感が……」

 

そう言って竜牙は動きが止まった黒い機体のコックピット部分の装甲を引き剥がした。

 

「ッ!?なんだと!?」

 

 

 

 

~三日月&シノ視点~

 

一方、三日月&シノペアはというと黒い機体を一方的に攻撃しまくっていた。

 

『オラオラぁ!!足が止まってんぜ!』

 

「フッ!」

 

シノの乗ったシュヴァルベグレイズ改が二本のバトルアックスで黒い機体を切り、三日月のバルバトスルプスⅡがランサーメイスを巧みに使い黒い機体に叩き付ける。そして、トドメにランサーメイスを投げ、それが黒い機体を貫く。

 

『意外と苦戦しなかったな三日月』

 

「……なんだろう」

 

『あん?どうした?』

 

「手応えが無さすぎる」

 

そう言って三日月は突き刺したまんま黒い機体を竜牙達の所に運び始めたのだった。

 

 

 

 

合流した二人は竜牙から驚きの事実を聞いた。竜牙達が倒した機体には誰も乗っていない事が分かったのだった。

 

『マジかよ。まさか誰も乗っていない機体だったのかよ』

 

『通りで手応えが無さすぎたんだ』

 

『これって一体……?』

 

「さぁな。俺にも何が何だ……ッ!?」

 

その時、突然回りの空間が歪み始めた。竜牙はこの感覚に見覚えがあった。

 

「これは、次元転移現象!?」

 

『な、何だこりゃ!?』

 

『ッ!?』

 

『ま、まさか……跳ばされる!?』

 

キュイィィィン!!

 

『『『『うわぁぁぁ(キャアァァァ)!?』』』』

 

そして、その瞬間……四人は次元の渦に呑まれてしまうのだった………

 

 

 

 

~???視点~

 

「フフフ……一応お膳立てはしたよ」

 

「あぁ、感謝するぜ……これで……アイツを……」

 

「では、私の計画に協力してもらうよ……」

 

「分かった……さぁ……早く来やがれ……流竜牙!!」

 

 

次回に続く!


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