スーパーロボット大戦V~次元を渡る者達~   作:ジンオウガ

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設定上、三日月の身体はリミッター解除前に治っています。更にはリミッター解除によるデメリットもある程度緩和しています。



第1話~復活の悪魔を冠するガンダム達~

突然の爆発音に二人は驚愕し始める。竜牙はガンダムバエルから降りて機体の側にあった端末を操作する。

 

「この爆発音は……地上の方か!」

 

「どうなってるの?」

 

「どうやら地上で戦闘が起きているみたいだ。てか、此処って火星だったのかよ」

 

「……ねぇ、どうすれば良い竜牙?」

 

そう言って三日月は竜牙に聞く。三日月は竜牙を見てかつて自分に進むべき道を教えてくれた男『オルガ・イツカ』と重ねていた。

 

「そうだな、とりあえず……この戦闘に介入するぞ。ちょうど、機体もあるんだしだ!」

 

「うん、竜牙がそう言うなら俺もそうするよ」

 

「とにもかくにも、使える武装を持っていくぜ。こんなに有るんだしな」

 

そう言って竜牙は、バエルに乗り込み機体を立ち上げて右腕の義手を通して神経リンクをし、使える武装を装備されていく。三日月も着ていたジャケットを脱ぎ、背中にある戦闘用インターフェース《阿頼耶識》のコネクターをコックピットの端子に接続して乗り込み、三日月もまた慣れ親しんだ武装を装備されていく。

 

「んじゃ、行こうかバルバトス!」

 

「よろしく頼むぜ、バエル!」

 

そう言って二人は機体のレバーを握った。それに答えるかのように二機のツインアイが強く光輝いた。

 

「とりあえず、どうやって地上に出ますかね……」

 

ドガァン!!

 

「……はい?」

 

竜牙がどうやって地上に出るか考えようとしていたその後、三日月の乗るガンダムバルバトスルプスは飛び上がり、格納庫の天井を手に持ったソードメイスでぶち抜いて外に出ていく。

 

「ちょっ!?普通格納庫の天井ぶち抜いて行くかよ!?」

 

竜牙は慌ててガンダムバエルを動かして三日月の開けた穴から地上に出る。そして先に出ていた三日月の隣に降り立つと目の前に巨大な戦艦が飛んでいた。

 

『うわぁ……イサリビ以外にもあんな船があるんだ』

 

「アレって戦艦大和?いや、普通大和ってあんな飛ばねぇよな?」

 

そう言っていると、向こうから10機のゴーグルのような顔をしたモビルスーツが手に持ったビームライフルを撃ちながら向かって来た。

 

「とりあえずあいつらを片付けるぞ!」

 

『了解!』

 

そう言って二人は動き出す。竜牙は背部の翼状のスラスターに内蔵されている電磁砲で牽制し、三日月が人外染みた軌道で近づき、ソードメイスで一機目を叩き潰す。一機目が倒された事に戸惑って止まっていた三機を竜牙はバエル・ソードで切り裂き、更には電磁砲を連射して更に二機撃ち落とす。三日月も両腕の200㎜砲を撃ちながら近づきコックピットに腕を突き刺して捩じ込む。後ろから二機目が近付いてきた。

 

『あ、そういえば背中の奴無いんだった』

 

そう言って三日月はバックパックのサブアームを起動してコックピットを潰し、更にはソードメイスでまとめてに二機を叩き潰す。

 

「凄い機動力だなこのガンダムバエルって奴。反応速度が段違いだ。てか、三日月の戦い方は結構えげつないな」

 

『終わったよ竜牙』

 

「そうみたいだな。さて、この後どうするかね」

 

そう言ってコックピットの中で腕を組んで考えているとガンダムバエルに大和似の戦艦から通信が掛かってきた。

 

「ん?あの戦艦からか?」

 

『そちらのモビルスーツ二機、協力感謝します。出来れば事情を聞きたいのでこちらに来ていただけませんか?』

 

「こっちも聞きたい事があるから手間が省ける。了解した。三日月も良いな?」

 

『うん、分かった。けど……』

 

「ん?」

 

『何かバルバトスが動かなくなったみたい』

 

「……ハァーー!?」

 

 

 

 

あの後、動かなくなったバルバトスルプスを戦艦に運び終えて降りた二人は応接室にて責任者と話していた。そこでは宇宙海賊クロスボーン・バンガードのトビア・アロナクスから現状を宇宙戦争ヤマトの戦術長の古代進に話しているところだった。

 

(しかし、まさか此処が火星だったとはな。現在の地球がガミラスっていう奴等のせいで滅亡の危機になってるわ、更にはトビアって奴が壊滅させた筈の木星帝国って奴等がまた動き出すとか、完全に目茶苦茶な世界だぜ)

 

「さて、確か流竜牙君と三日月・オーガス君だったか?君達の事について聞きたいんだが」

 

「そうだな、まず最初に言うと俺と三日月はこの世界の人間じゃない」

 

「何?この世界だって?どういう事なんだ?」

 

「平行世界、似ているようで似て非なる世界の事だ。俺と三日月はそれぞれ別世界からこの世界にやって来たんだ。俺は…とあるイカれ研究者の実験に巻き込まれてしまったんだがなυ」

 

「そ、そうなのか。じゃあ三日月君も竜牙君と同じか?」

 

「俺はよく分からないんだ。最後にコックピットを破壊されて外が見えた瞬間、目の前が真っ黒になって気が付いたらあの施設に寝てた」

 

三日月はそう言って火星ヤシを食べながら言う。三日月も自分が何故生きていてあの施設に寝ていて尚且つ、身体が元に戻っているのかが分からないでいた。

 

「そうなのか。にわかには信じ難い話だな」

 

「かもな。だが、実際俺の世界じゃ平行世界の行き来は出来ていたからな」

 

「そうなのか」

 

「なぁ、ちょっと良いかな?君達の乗っていたあのモビルスーツはいったい何なんだ?あんなタイプのモビルスーツは初めてなんだけど?」

 

「ガンダム・バルバトスルプス」

 

「ガンダム・バルバトスルプス?」

 

「三日月の乗ってたモビルスーツの名前みたいだ。ちなみに俺が乗ってたのはガンダム・バエルって名前だ。詳しい事はあの施設から抜き取ったデータを見ないと分からないな」

 

「そうか、それじゃ二人はどうする?もし、俺達の旅に同行するなら艦長には俺から進言するが?」

 

「ならお願いする。どうせ簡単に帰れそうにないしな。三日月は?」

 

「俺も協力する。行く宛もないし」

 

「そうか、ならよろしく頼む」

 

「こちらこそ頼むぜ」

 

そう言って竜牙は古代と握手するのだった……これが二人の長い旅の始まりでもあったのだ……

 

 

次回に続く!




オリ主の搭乗するガンダム・バエルのコックピット通常のコックピットになっていますが、義眼の機能で阿頼耶識システムモドキのような事が出来ます。

では、次回もお楽しみ!

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