でも少しでも更新しようと思った次第。申し訳ないです。
風鳴翼にメイスが迫る。
「っ!」
それを横にころがることで回避した。しかし顔を上げると既にメイスが先回りしていた。咄嗟にアームドギアである刀を巨大化して盾にした。
衝撃に備え踏ん張る……が、金属音と共に想像よりも軽い衝撃が来た。
困惑した刹那、上から落ちてくる気配を察知した翼は、ハッとして空を見上げる。そこには刀を携えたバルバトスが翼を串刺しにせんとせまる姿があった。
「邪魔を……するな!」
「あんたこそ邪魔だよ」
ぶつかり合うふたり、と言うよりも一方的に嬲られる翼と経験と技量で圧倒する三日月。それを呆然と眺めることしか出来ない響。なんで、どうしてこうなったのか、幾度も自身に問いかける。
事の発端は、響が翼にこう頼み込んだことからだ。「一緒に戦ってください!」と。しかしガングニールを纏う響に並々ならぬ複雑な思いを持つ翼はそれを認めるわけがなく、こう返した。「そうね……貴女と私、戦いましょうか」響は慌ててそう言う意味ではないと否定したが、それで止まる翼では無い。翼がアームドギアを響に向けた瞬間、別の場所にいたはずの三日月が割り込んで来た。そこからなし崩しに三日月と戦闘になった翼はこうして圧倒されているのだ。
「お願い……止まって……お願いだから……」
へたり込みながら、力なく懇願する響の声は、けして戦場の二人に届くことはない。
「何故!奏と同じはずの貴方が彼女の味方をするの!」
「……」
「貴方も奏のように力を求めたはず……なのに、貴方に他者を省みる時間があるの!?」
「ごちゃごちゃうるさいよアンタ」
翼は己の歪んでしまった思いをぶつけ、三日月はそれをただ煩いと一蹴する。あと数手で翼の死が確定するであろう時、唐突に二人を衝撃が襲った。
「はぁぁっ……ハッ!」
アスファルトが捲れ、消火栓が弾け、周りに大惨事を起こしながら、その衝撃波は三日月を数メートル後退させ、翼を戦闘不能に追い込んだ。そしてその衝撃波を生み出した張本人は、ため息をついた。
「はぁ……この靴、高かったんだぞ?こいつの金で何本の映画が借りれるやら」
先ほどの衝撃波を生み出すために犠牲となった靴は靴底をのこして大半が破れてしまっていた。
「なにするの?」
「喧嘩の仲裁も大人の役目だ。たく、翼もお前も、なにを考えてる。事後処理をする方にもなってくれ」
響は、なんとなくこの惨事を作り出した司令がいうのは違う気がすると考えたが、言わぬが花だろう。そんな司令に対して三日月はバルバトスを解除した。
「……」
「三日月くん、どこに行く?」
「帰る」
マイペースに戦闘後とは思えないほど気楽に、そう言った。
専用のボディスーツに身を包んだ三日月は響をちらりと見て、それから徒歩で基地の方に向かって行った。
そうして、この件は響に深い傷を残すこととなった。
全国の翼さんファンの皆さま……すいませんでした!
マッキーの言葉で拗らせちゃった結果、三日月に歪んだ感情を持つようになった。ということなのですが、それでも酷すぎますよね。誠に申し訳ありません。