鉄血絶無オルフェンズ   作:東雲兎

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ちょっとこの後の展開に詰まったので、それまでに書いていたやつを切りのいいところで投稿。

なので短いです。


悪魔の戦い

いきなり現れたのは、全身を装甲で包まれたツインアイの機械の人間。

 

それはメイスを使って一撃で巨大ノイズを吹き飛ばした。

ノイズは攻撃のあたった胴体を消失させながら倒れこむ。

 

「うぇっ!?た、助けてくれたの……?」

「無事?ヒビキ」

 

呆然とする響に向かってその機械、三日月はマイペースに問いかける

 

「そ、その声!ミカ!?なにそのロボット!?」

「ん?バルバトスのこと?」

「バル、バトス……?」

 

どこかで聞いたような気がする名前に少し首をかしげる。けれどもどうしても思い出せずに頭を抱える。

 

「装備は昔に戻ってるけど、バルバトスだよ。それより、ノイズ?だったっけ?は俺が倒すから、隠れといて」

「え?ミカ!?」

 

呼び止めた響だったが、その制止も届かずに三日月はノイズの集団へと突っ込んでいった。

 

一度ノイズの波に消えるバルバトスと三日月であったが、次の瞬間にその中心で爆発のような音とともにノイズ達が吹き飛んだ。

 

バルバトスの武器、メイスを一振りした結果である。たった一振りでノイズが十数体吹き飛んだのだ。

 

更に一振り、もう一振りとすると面白いようにノイズが吹き飛んでいく。

 

「すご……い」

 

呆然とそれを見届ける響。圧倒的な力を振るってノイズを、悪を蹴散らす其の姿はまるで御伽噺の英雄のようで、響はただただ見とれた。

 

ものの数秒で巨大ノイズを除くすべてのノイズを屠ったバルバトスはツインアイを輝かせ、残った巨大ノイズ達に向かう。

 

その中で巨大ノイズの一体が響の元へと向かおうとした。

 

三日月はバルバトスのメイスをそのノイズに投げつけて消滅させる。が、無手となったバルバトス。そこへ巨大ノイズは殺到する。

 

そしてそのうちの一体の腕が斬り刻まれた。

 

バルバトスはもう一つの武器を顕現させていたのだ。

 

その武器は刀。三日月は使い方を前に理解したので問題なく扱えた。

その刀で腕のなくなったノイズの中心部を抉り刺す。そして炭素化する前に他のノイズへと放り投げた。仰向けに倒れたノイズの上に乗って、バルバトスは柄の部分でノイズを殴り殺す。

 

その間に無防備な背中を晒すバルバトス。そこへと最後のノイズは強襲する。

 

「あ、そっか、尻尾ないんだった」

 

忘れてたと呟いて回避する。別段、慌てた様子はない。その勢いで響の近くまで飛んでいたメイスを回収し、代わりに刀をノイズに投げつけた。

ノイズに突き刺さる刀。その勢いでぐらつくノイズ。そしてその隙に一気にメイスでノイズを頭からかち割った。

 

「……少し鈍った」

 

ここまでものの1分以内。たったそれだけの時間ですべてのノイズは殲滅されたのだ。

 

「ミカ!」

「ヒビキ?なに?」

「だ、大丈夫?怪我とかない?」

「別にない。ヒビキこそ、なにその格好」

「えっ!こ、これ?実は私にもわかんないんだ」

 

あははは、と響は頭を掻いた。

三日月はメイスを担いで、ゆっくりと響の元へと近づく。その時、巨大ノイズが遠距離から飛んできた。

 

「あ、まだ残ってたんだ」

「うぇぇっっ!?」

 

三日月、バルバトスはマイペースに武器を構え、響は少女を抱きしめながら慌てたように周りをキョロキョロする。

 

その時、天から降ってきた剣が巨大ノイズを串刺しにした。

それに響は驚き、バルバトスは戦闘態勢に入った。

剣の上には誰かが乗っていた。そして響はその人物に覚えがあった。

 

「……翼さん……?」

 

その少女の名を風鳴翼といった。




タイトルをバルバトス無双としようか迷いました。

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