全身の血の気が引いた。
ピッコロ大魔王の乗る飛行船は俺がさっき気を探った時にはなかった威圧感を纏っている。
「ピッコロ大魔王様、目的地上空に到着しました」
三人が力を合わせれば……無理かな…。
アナウンスが聞こえて、ヤジロベーが顔色を変えてドラゴンボール、悟空に預け森のなかに消えていった。
あ、あいつ!言いたくにいけど二人じゃ勝てない。
で、でも出来るだけの事はやる。
本当は、一回死んでるはずの命なんだ。
後悔したくない。
ピッコロ大魔王が降りてきた。
威圧感だけで押し潰されそうだ。
「悟空っ!!行くぞ!!」
「あぁ!!」
俺と悟空は一気にスピードを上げてピッコロ大魔王に飛びかかる。
「そりゃーっ!」
「とりゃーっ!!」
「ぬぅ!」
相手は油断している。
油断しているうちに畳み掛けるんだ!!!
「ハァーッ!!!」
「てりゃーっ!」
「くっ!調子にのりおって!!!」
悟空と俺で連打したがあまり堪えていない。
これは参ったな。
もう、相手は手加減する気無さそうだ。
「ピッコロ大魔王様の恐ろしさを見せてやろう!」
ピッコロ大魔王はターバンを脱ぎ捨てて攻撃を仕掛けてきた。
「ふんっ!それぐら、なっ!?」
「く、クリリンっ!」
嘘だろっ!!!?見えていたのに、気の動きを把握していたのに…!…わからなかった。
くそっ!これが実力の差かっ!!
「はっ!!」
ご、悟空!!あいつ容赦なく攻撃をしてやがる!!くそっ!!
「クリリン!合わせてくれ!」
悟空が地面にぶつけられて俺の横に来た。
よし、二人で同時に撃つぞ!
それなら、ダメージを与えれるはずだ!!
「行くぞ!クリリンっ!」
「「かめはめっ!!!?」」
どう言うことだ!?ピッコロ大魔王はかめはめ波が恐ろしいのか?後退りをしたぞ!
「波ーーーっ!!!」
かめはめ波は確かにピッコロ大魔王にぶつかり辺りに爆音と爆風をもたらした。
やったのか……?
「…何かしたか?」
「!!」
「うそ……だろ…」
あれを受けて立っていられるなんて思わず唖然としてしまう。
「そろそろ、死ぬか?」
絶望…。
その言葉で絶望に落とされた。
必死の攻撃も効かない全力の二人のかめはめ波も効かない。
俺は立ち止まっていた。
悟空もこっちを見た。
悟空…流石のお前もお手上げ──「諦めるんじゃねぇ!!!クリリンっ!!」
「ご、悟空?」
悟空を見るとまだ目は死んでいなかった。
悟空、やっぱお前すごいをこんな絶望でさぁ本当尊敬するぜ。
「ありがとうよ!悟空!目が覚めたぜ!」
「来るぞ!クリリン!」
悟空が話を切って敵の方を向くと手に二つ気功波を持っていた。それで俺達を始末するつもりか!
「はっ!!」
1つ目の気功波を悟空の方に飛ばしてもう2つ目はこっちに……こないだと!?
ま、まさか!
「ガッ!?」
「ご、悟空ッーーーー!!!」
あいつ二個とも悟空の方に撃ちやがった。
汚いてを!!
「フハハハ、次は貴様だ!!」
「……さねぇ」
「…なにか言ったか?」
「許さねぇ!!!」
▽ピッコロ大魔王△
バカめ!俺が同時に片付けると思ったかっ!!
お前たちの実力を考えると1つの気功波で、倒せまい。
ならば、強い方から倒した方がリスクは少ない。
まぁ、どっちにしても殺せたんだがなぁ!!
「フハハハ、次は貴様だ!!」
そう次は貴様だ。簡単に葬ってやろう。
「……さねぇ」
?…なにか言ったが聞き取れなかったな。
歳をとったせいか、昔はもっと聞こえたんだがな。
「なにか言ったか?」
「許さねぇ!!!」
!
このピッコロ大魔王様を睨み付けるとはいい度胸だ。
なぶり殺しにしてやろう。
「はっ!!」
ふ、今の衝撃波で消し去ってしまったかな?手加減とは難しいものだな。
「かめはめ波ーっ!!」
「!?」
生きておったか…!?
これはさっきの気功波だな避けるまでもない。
これが実力の差だ。
「ぐぬっ!!?」
なにっ!?どう言うことだ!?この俺がダメージを受けた!?
パワーが上昇しているのかっ!
「貴様、何者だ!!」
「ウオオォォォ!!」
なんというスピードだっ!?
こやつ本当に何者だっ!?
瞬間的なパワーやスピードならさっきの小僧を簡単に上回るぞ!?
「てりゃーっ!!!」
殺してくれる!
俺の攻撃が命中すればさすがにキツいだろう。
やつは崖に命中して瓦礫に埋もれた貴様は強い方だったな。
まぁ、俺からしたら邪魔者に過ぎないが。
「とりゃーっ!!」
気を解放して瓦礫どけたかこれは面白くなりそうだ。
良いだろう。今度は手加減せんぞ。
「う、ガバッ!?」
血を吐いて倒れよった。
ピクリとも動きもせんな。
もっと戦えると思ったんだかな、人間とは脆いものだ。
ドラゴンボールは貰っていくぞ。
残りのドラゴンボールを集めいている連中から奪いにいくか。
このピッコロ大魔王様が若返るのも時間の問題だ!!
▽ヤジロベー△
何てやつだピッコロ大魔王ってやつはよぉ。
クリリンの野郎も、途中で異常に強くなったけど、ピッコロ大魔王のやつは強すぎる。
孫の野郎も死んじまった。
一応、墓でもつくってやるか…食ってもあんまりうまそうじゃねえし…。
「……う……」
!?、今動いたよな!?孫!
「み、水」
「よし、きたっ!」
孫の野郎生きてやがった、心配させやがって!
「ぶはっ!」
水飲んで生き返ったな、クリリンの野郎はどうだ。
一応、確めて見ねぇとな、孫の野郎も、生きてやがったたんだ、あいつも生きてるに決まってる。
「おい、クリリンっ!」
「…」
「おい!生きてるんだろっ!」
返事しろよ!死んじまったらこっちが胸くそ悪いんだぞ!
「ご、悟空は」
やっぱり、生きてたぜ!心配させやがって!人の心配より、先に自分の心配をしやがれってんだ!
「孫の野郎も生きてたぜ、お前もとりあえず水飲め」
こいつにも水を飲ませてやんねぇとな!
____
「カリン塔ってしってるか?」
なんだそれ?ウデのいい医者でもいるのか?
別に連れて行ってやってもいいか。
その代わり、たらふくご馳走を食わせてくれると約束させとくか。
▽クリリン△
死にかけた気では分からない。
パワーやスピードで圧倒された。
あの時は無意識に気功拳を使って戦っていた。
でも、ボロボロの体に対する負担が大き過ぎて血を吐いて倒れた。
倒れたのは防衛本能だな。
死ななくてすんだんだんだけど…悔しい。
俺にもう少し力があれば……いや、過ぎたことは仕方ない。
次は勝つ!
俺と悟空はヤジロベーの車に乗ってカリン塔に向かった。