幼女戦記が酷いことになる   作:へっぽこ鉛筆

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ミリシャ大尉「ほーら、可愛いここに、挿入してあげるからね」

ターニャちゃん「いや、そんなもの、入らない・・・やめ・・・ッ、ら、らめぇー」

な話、あくまでもいちごミルク味です。なんか、気が向いたら続き書きます。

御大曰く「7月に出る本は、7月に書き始める」らしいです。



ターニャちゃんを捕虜にしてみよう 【いちごミルク味】

「クソッ、この作戦を考えた奴は収容所送りだ。」

 

 極寒の凍土を目下に、ターニャ・デグレチャフ少佐は呪いの言葉を吐く。

 

 白い肌を撫でるブリザードに、魔力量の低下した身体から体力を奪われ、猛烈な眠気を催す。暖かいコーヒーが飲みたい。熱湯の風呂やシャワーでもよいが、補給状況の絶望的な東部戦線では、どちらも望むことが罪なほどの贅沢だった。

 

 参謀本部が乾坤一擲の望みをかけて実行した攻勢作戦は、ルーシー連邦の物量と防御陣地に押し止められ、逆に彼らの人肉のスチームローラーに押しつぶされそうになっている。時間だけが虚しく過ぎ、あと1ヶ月程で偉大な連邦国の将軍・・・冬将軍が到着してしまう。

 

「前線統制航空官に通信、『我、弾薬、魔力トモニ残量僅カ、防空任務ノ続行ハ不可能、後退ヲ望ム』平文でもかまわん。」

 

「少佐、返信『要請ハ却下、魔導方位表示装置によると3時方向より大編隊が接近中、高度5000、防空戦闘を続行せよ――』」

 

「大編隊じゃわからんッ、クソッ、それに我々の任務は対地任務だ。制空任務ではない」

 

 ヴィクトーリヤ中尉を叱責するも意味がなかった。しかし、ここで攻撃機の侵入を許せば、友軍の防衛戦がめちゃくちゃになる。せめて、前線指揮官が優秀で素早く散開してくれれば良いのだが――

 

「ヴァイス中尉、残存兵力をまとめ、前線より離脱、補給に戻れ。」

 

 しばらくの沈黙、大隊集合の信号弾が打ち上げられた。

 

「中尉、復唱はどうした。」

 

「しかし、少佐・・・戦線の維持は・・・」

 

「隷下の1個飛行中隊で迎撃をする。大丈夫だ。ひとあたりしたらすぐにそちらを追う。それでは、いつもの店で会おう」

 

「ええ、1杯奢ってくださいよ。」

 

 あの店では、未成年に酒は出ないのだがな。どちらにしろ、生き残らない事には何も話が進まない。ターニャは爆装を破棄、愛銃のチェンバーを引けば、素早くバンクし身体を傾け揚力と空気抵抗を魔法でコントロールし素早く右に旋回する。他の魔道士達も、先導機に続き雁行陣形を作れば高度を十分に取る。

 

 まずは、頭を押さえる。敵の十分に高度を取り、三機編成を組み直せば、そのまま一気に急降下を繰り返す。まだ、相手も気づいていない。

 

 まず、指揮官機を喰ってやる。餓狼のように歪めた唇から犬歯を覗かせつつ、銃眼に相手を捉えた。鹵獲したSIGの短機関銃が小気味いリズムで相手の頭上に弾丸の雨を降らせた。余程混乱しているのか、まだ、こちらの存在に気づいていない。ならば・・・

 

 運動速度をそのままに、そのままチャージをかける。銃床が敵の頭蓋を粉砕する感触がたまらなかった。が、その頃にはやっと、相手もこちらの存在に気づいたらしい、応射が防御幕をかすめ始めた。

 

「全兵後退、誘導弾に気をつけろ。」

 

 うなじがチリチリと逆立つような感覚、誘導魔術(ロックオン)に引っかかった。寄り代をばら撒きながら、激しく旋回を繰り返す。

 

 目の前が真っ赤レッドアウトした。誘導魔術(ロックオン)がいくつか逸れる。いや、呪禁の何体かはまだこちらを狙っている。

 

 ダメ元でSIG MKMS短機関銃の弾をばらまいた。1体が被弾し空中で四散したが、目の前にどす黒い呪術弾が迫るのが見えた。

 

(クソッ、存在Xめッ・・・)

 

 呪いの言葉も間に合わずに、被弾したターニャ・デグレチャフ少佐は空中で意識を失う。

 

 その日から彼女は軍の広報に戦闘中行方不明(MIA)と記された。

 

 

 

 

 寒さと痛みに目を覚ませば、完全な板張りの粗末な天井が見えた。

 

 どうやら、防殻が効果を表したらしい、いくつか身体にガタは来ていたが、生きているだけでも儲け物だ。

 

「ここは・・・どこだ?」

 

 薄いシーツにシャツと下着を通して寒気が伝わってくる。しばらく生を謳歌すれば、いくつかの男の声が聞こえる。

 

(・・・レガドニア協商連合?)

 

 つまり、捕虜となった訳だ。いや、ルーシー連邦の捕虜でないだけましか・・・しかし、いつ引き渡されるか、しかし、その前に

 

(尋問による、情報聴取が先・・・か・・・)

 

 協商連合と連邦は、この戦争で共闘している。いや、明らかに協商連合は連邦の旗下に置かれているだろう。が、それゆえに情報の重要性に気づいている。つまりは――

 

 そこで、ターニャは身震いをした。捕虜の尋問・・・確かに国際法令では捕虜への拷問、さらに取り扱い条例は存在するが抜け道などいくらでもある。そして、自分は可憐といっていい少女だ。そこで、少女性愛者の誰かの顔を思い出す。

 

 ベットから逃げ出そうとするが利き手には手錠をされていた。手首にわずかに痛みを感じ、スチールのベットと手錠が擦れた

 

音に見張りの兵士がこちらに気づいた。

 

 ターニャは小さく舌打ちした。願わくば、尋問官はノーマルな性癖な持ち主である確率を、頭の中で計算するしかなかった。

 

 

 

「あらあら、ターニャ・デグレチャフ少佐・・・ラインの悪魔にお目にかかれるなんて光栄だわ」

 

 手錠をかけられ通された部屋に居たのは、意外にも女性の尋問官だった。ミリシャ・ミハリチッチ特務大尉と名乗った女性は、女性尋問官を体現したような女性だった。赤いルージュに濃いメイク、さらには軍服に押し込めた女性らしい身体にコートを羽織っている。昔、新入社員の時に頭が上がらなかった女性上司を思い出す。そんな女性だった。

 

「こちらも、光栄だな大尉どの、しかし、忠告として言いたいのだが、貴官は少し国際法に不勉強のようだな。」

 

 座らされたパイプ椅子、部屋の格子からすきま風が吹き込む、猛烈な寒気に顔色を変えないのに苦労しながら、彼女の飲む熱いコーヒーの湯気が鼻腔をくすぐる。

 

 ベットから無理やり連れてこられたターニャ、空腹を自覚する。さらには、シャツとドロワーズ以外の衣服は全て取り上げられている。全裸でないだけましだが・・・寒気はどうにもならない。

 

「『捕虜への拘束時は武装以外の私物の略取を禁止する。』私の軍服と制帽、さらには靴下と軍靴を返してもらうとありがたいのだが・・・これは、お願いではない。捕虜条約の正当な行使だ。」

 

「あらあら、捕虜条約には『捕虜には清潔で文化的な取り扱いを義務とする。』と書かれてたわね。少し、服装が汚れていたので、洗濯させてもらったは・・・いつ、返すかはわからないけど、で、ごめんなさい。この部屋、冷房が効きすぎて――」

 

 紅いルージュの唇がニンマリと引き上げられた。従兵を呼べば、隣室で何かを準備している。

 

 そこで、別の部屋から出されたものは鍋だった。まだ、煮立っている。なにか懐かしい匂いが、部屋の中に充満した。

 

「PXで珍しいものを買ったの、秋津島皇国の伝統料理らしいわ。」

 

 鍋の中で煮立っているものに、ターニャは見覚えが有る。出汁の匂いから言えば関東風なのか、思わず唾を飲み込んでしまった。

 

「ODENって言うの、熱々でおいしいわよ。」

 

「まさか・・・おいッ」

 

 従兵が顎を掴み、少女の口を無理やり開かせる。なにか、日本の芸人の3人組を思い出した。

 

「はい、あーん♪」

 

「おい、やめ・・・ろッ、ア、ガッ・・・」

 

 いやいやと首を振ろうにも、屈強の兵士に首を抑えられ顔を上げさせれば、煮立った卵が口の中でだし汁が口腔に広がる。

 

 

 

「―――ッッッ!!」

 

 

 

 敏感な子供の粘膜を熱すぎる卵と出汁が焼く、猛烈な痛み、思わず目頭に涙が浮かぶ

 

「―――ッ――ッン!!」

 

 唯一、自由に動く足をバタつかせながら、無理やり卵を飲み込んだ。火傷した唇と舌が痛い。そんな口で、なんとか言葉を出す。

 

「ほ、捕虜の拷問は・・・国際法、い、違反だぞ、大尉、ど、の・・・」

 

「あら、人聞きが悪い。ターニャ・デグレチャフ少佐殿」

 

 悪びれもなく、フォークに次の具材を突き刺した。さらに、鼻を突くマスタードの匂い

 

「私はただ、美味しいODENを食べさせている。だけじゃない――」

 

 マスタードをたっぷりとつけた大根が唇に近づく、やめろ・・・この身体は、辛いものが苦手、なんだ――

 

「はーい、あーーん♪」

 

 口の中に、さらに熱いODENを食べさせられる。舌を焼く熱とマスタードの辛さに、彼女は声のない絶叫を上げた。

 

 

 

 

「クソ、あの大尉、魔女の婆さんに誓って、必ず殺してやる。」

 

 ヒリヒリと腫れ上がった唇と舌、火傷で粘膜が荒れた口でなんとか呪いの言葉を吐いた。病室で看病をするセレブリャコーフ少尉が呆れた顔で引きつった笑顔を浮かべる。

 

「あの、少佐殿・・・なにか欲しいものは・・・」

 

「コーヒーが飲みたい。もちろん、キンキンに冷えたアイスコーヒーだ。なんなら、クリームを乗せてもいいぞ」

 

「無茶を言わないでください少尉・・・軍医に叱られますよ。」

 

 あれから、攻勢に転じた帝国と、それに伴う第二〇三魔導大隊の捕虜救出作戦にり、収容所から脱出することができたターニャ、簡単な出頭と報告の後、すぐに野戦病院に運ばれた。普通なら簡単な診察ですぐに軍務に復帰させられるが、戦争に余裕が出来たのか、後送され丁寧な治療を受けさせてもらっている。

 

 口内に痛みと痺れを感じながらも、しゃべるのはやめようとしない。とにかく、コーヒーが飲みたかったが、病院で出るものは、グニャグニャと味のしない麦粥くらいだ。

 

「まぁ、あと1週間くらいで退院ですから、大隊で復帰祝いをするんですよ。少佐殿」

 

「ふん、貴官の事だ、以前のように、私だけ追い出されなければいいがな。」

 

 そんなことはない。とニッコリとセレブリャコーフ少尉が笑ってみせる。

 

「最近、秋津島皇国の民族料理を出す。美味しいお店ができたんです。お酒も出ますけど、少佐殿も楽しめますよ・・・たしか・・・」

 

「おい、セレブリャコーフ少尉・・・まさか・・・ッ!?」

 

「はい、確かODENという煮物を出すお店なんです。マスタードを付けて食べるんですけど・・・あれ、少佐、どの?」

 

 ターニャ・デグレチャフ少佐の絶叫が病室に響く、これも存在Xの呪いなのか、火傷した口からさらに呪詛いの言葉は止まる事はなく、セレブリャコーフ少尉は黙って頷くしかなかった。

 

 

 

 

 

 




ターニャ「よかった。NKVDの彼でなくて本当によかった」

ヴィーシャ「あれ、でも、作者は、彼のこと大好きらしいですよ。」

ターニャ「バカを言うな。これは健全図書だぞ、奴を出せるはずが・・・」

ヴィーシャ「(無言で首を振って)作者、そういう薄い本が大好きですから」

 がんばれターニャちゃん、敵前逃亡は銃殺だぞw


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