東方深意伝   作:ただのみらの

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最近3000字書くのが苦じゃなくなってきたただのみらのでございます。、がないと読みにくいけどありすぎても読みづらいよね!と、自分の小説の悪いところをいってみる。
はい、昨日は3000字いかなかったので、今回は4000字近く書きました。どうかお楽しみください。
それでは第九話をどうぞ!


9,望んでない『未来』

 in言葉(ことは)の部屋

 

 言葉(ことは)「……。またやっちゃった……」

 

 今俺は久しぶりの睡眠を終えたところだった。

 そして能力を行使して寝ていた期間を調べたところ、

 

 言葉(ことは)「2日、か。どうしてこんな寝てるんだよー!」

 

 思わず叫んでしまうくらいに悔しい。この頃は何日も寝続けないように2日に一回は寝ていたのだが、今日は何でかこんなに寝てしまっていた。

 

(はぁ…やっぱ変なところで不便だ、この体。)

 

 お腹は空かず、睡眠も中々しなくていいが、たまに疲れをとるために寝れば、何日も寝てしまう。ホントに不便。

 

 言葉(ことは)「まあいいや、2日寝てた分今日は頑張ろうか。」

 

 身支度をして、いつもの場所へ向かう。

 

 in研究室

 

 永琳「も~やっときたのね、言葉(ことは)

 

 少し不機嫌な様子の永琳さん。今回は自分のせいでこうなっているので心が痛い。

 

 言葉(ことは)「すいません…、ついつい寝すぎてしまって…」

 永琳「ちゃんと体調管理しなさいよ!ずっと寝なくていい体ってわけではないでしょ?ほら、これ今日の課題よ。」

 言葉(ことは)「ホントすいません…。それじゃ準備してきます。」

 

 ここ2ヶ月の研究では、俺の体の情報も取っている。代償がもたらす体の変化を知りたいらしい。体がだるくなったり、腹が痛くなったりするだけなのに取る必要はあるのかは俺には分からない。

 

(はあ、寝起きでだるい。少しはだるさが『とれてほしい』ものだ。)

 

睡眠の割りに疲れのとれない体への不満をこぼす。すると体の中をまさぐられるような感覚が起こる。

 

(何だ今の感覚...。少し体が軽くなった?いや、気のせいだろう。)

 

 言葉(ことは)「永琳さん、機械つけましたよ。」

 

 機械は手首と頭に巻き付けるだけの簡易的なものだ。

 

 永琳「計測始めたから、やっていいわよ。」

 

 言葉(ことは)「ふぅーっ、」

 

 

(えっと、今日の課題はっと。)

 

 本日の課題。

 最近ある程度内容が掴めてきた『意味を操る能力』。その中でも新たに分かったこと、〝思いの強さ〟についての実験を行う。

 

 鉄の塊を温かくする。これだけに能力を行使して鉄の塊を熱くする。

 これが課題です。

 

(でも、思いの強さとか、操るの難しいんだよ…)

 

 言葉(ことは)「それじゃやってきます。」

 

「この鉄を『温める』」

 

 今回は『温める』だけの情報なので『与える』ことはしない。情報が多ければ多いほど能力も強化される。これも分かってきたことの一つだ。まあ限界があるからそこまでだけどね。

 

 

 実験を始めて数十分……

 

 言葉(ことは)「はぁ…疲れた…」

 永琳「お疲れ様。にしても体温と同じ熱さが限界だなんて、少し驚きだわ。」

 

 さっきの課題の際、500回くらい能力を行使していた。それでもこの結果だ。もちろん思いの強さに焦点をあわせている。

 

 言葉(ことは)「思いの強さとか、操るの難しいんですよ。それに連続で使うと代償関係なしにそれなりに疲れますから…」

 永琳「そうねぇ、100回越えた辺りから体に不調の反応があったし。回数もちゃんと考えないときつそうね。」

 

(100回からって…だから途中集中が切れそうだったんだ…)

 

 言葉(ことは)「そうですねぇ、今日の課題はこれで終わりですかね?」

 永琳「終わりだけど、少し話があるわ。」

 

 さっきとは違う真剣な面持ちで彼女は言う。

 

 言葉(ことは)「話、ですか。」

 

 何となく内容は分かる。始めてツクヨミさんに会ってからもたまに部屋に呼んでもらって色々と話をしていた。何気ない会話や、例の月の話やら。

 最近、その月の話を実行するために動く。そうツクヨミさんから言われた。今から永琳さんが話すのもその類いだろう。

 

 永琳「多分ツクヨミ様から聞いてるだろうけど、月に行く計画を実行段階に移すことにしたの。それでそのために」

 言葉(ことは)「俺の能力を使う、と。まあそのためにやってきた研究でもありますしね。」

 永琳「まあそうね。それともうひとつ。あなたにやってもらいたいことがあるの。その計画のために。」

 言葉(ことは)「俺に?」

 永琳「ええ、ちょっと申し訳ないんだけど、能力を使えば格段に成功率は上がるから。」

 言葉(ことは)「また能力関係ですか…。まあいいですよ、色々とお世話になってますし。」

 永琳「ありがとう、早速だけど応接室に行ってくれる?研究の途中に連絡があって、今そこにさっきの件の責任者が来てるって。」

 言葉(ことは)「上の人って、緊張するなぁ…」

 永琳「緊張なんてしなくていいのに、一応親しみやすい人よ。」

 言葉(ことは)「…。またびっくりさせようとかは、」

 永琳「しないわよ、今回はホントに大事な話なんだから。それに疑いすぎ。」

 言葉(ことは)「疑われるくらいびっくりさせてきたのに…。まあ気張らずにやってきますよ。それじゃ行ってきます。」

 永琳「ええ、いってらっしゃい。」

 

 軽く会話を交わして応接室へ向かう。

 

 

 in応接室

 

 ツクヨミ「おっ来てくれたか、言葉(ことは)。」

 ?「はじめまして。言葉(ことは)殿。」

 

 部屋にはツクヨミさんと、金髪の男の人がいた。ちなみに耳は生えていない。

 

 言葉(ことは)「はじめまして。えっと、あなたの名前は?」

 ?「ああ、すまない。名乗るのを忘れていた。私の名は、刀華(とうか)。しがない武神だが、よろしく頼む。」

 

 言葉(ことは)「か、神様でしたか!すごいですね、ここの都市は二人も神様がいるなんて…」

 刀華「いえいえ。私はツクヨミ様の足元にすら及ばない小さな神です。戦いに勝ちたいと望む野心から生まれた。そんな神ですから。」

 

 刀華さんは少しうつむいて暗い表情を見せる。

 

(戦いとかそういうの苦手なのかな?それで軍隊のトップを任されてるなんて…)

 

 ここは安全といってもそれなりに妖怪はせめてくる。多分あの子達が願ったんだろう。『妖怪何かに負けたくない。勝ちたい』と。

 

 言葉(ことは)「それでも信仰の力は強いじゃないですか。そんなに信頼されてるなら、いい神様ですよ。」

 

 そっと刀華さんに微笑みかける。

 

 刀華「ありがとうございます、言葉(ことは)殿。励ましてもらうなんて、自分はまだ未熟ですね。」

 ツクヨミ「あのー、私のこと見えてる?さっきから空気なんだけど…」

 言葉(ことは)「あ、すいません!ツクヨミさん!」

 刀華「申し訳ございません!ツクヨミ様!」

 

 二人揃って謝る。

 

 ツクヨミ「ハハッ、二人とも何処か似てるね~、兄弟だったり?」

 言葉(ことは),刀華「「似てますかね?」」

 

 お互いに向き合って首をかしげる。

 

 ツクヨミ「似てる似てる、っく、アハハっ」

 

 ツクヨミさんはそこからずっと笑っていた。

 

 

 ツクヨミ「ふぅ、お腹痛い…。さて!本題に入ろうか!」

 言葉(ことは)「やっとですか…。それで話っていうのは?」

 ツクヨミ「私たちがこの都市から月へ移り住むっていうことは知ってるよね?」

 刀華「ええ」

 言葉(ことは)「知ってますよ。」

 ツクヨミ「うん、それでね。私たちが移り住む前の日に妖怪の大群。それもこの都市の周りすべての妖怪がここに攻めてくるらしい。」

 いつもより真剣な表情でツクヨミさんは言う。

 

 言葉(ことは)「!!」

 刀華「…。それで、我々はどうすれば?」

 

 俺はだいぶ驚いたが、刀華さんは落ち着いてツクヨミさんに問う。

 

 ツクヨミ「君たちには出発の準備が済むまでこの都市を防衛してもらう。ただそれだけさ。でもね、言葉(ことは)は戦い慣れしてないから、刀華に稽古をつけてもらおうと思って。」

 言葉(ことは)「は、はぁ。でも何で稽古なんか?俺は能力だけで何とかできると思うんですけど?」

 ツクヨミ「君の能力は持久戦には向いてないだろう?その戦いは一日以上かかるかも知れないんだ。得物を使った戦い方を学ぶべきだ。刀華、いいかい?」

 刀華「ツクヨミ様の命令であれば。私はそれに従うまでです。」

 ツクヨミ「そうかい…。それじゃ頼む。言葉(ことは)も頑張るんだよ?」

 言葉(ことは)「分かりました。刀華さん、よろしくお願いします。」

 刀華「こちらこそよろしく頼む。」

 

 お互い礼をした後、ツクヨミさんと別れの言葉を交わしてそれぞれの部屋へ向かう。

 

 ちなみに上の位についてない人達は集団生活をしてるそうな。やっぱ俺って優遇されてるんだなぁと思った。それだけ。

 

 in言葉(ことは)の部屋

 

 言葉(ことは)「にしても、稽古かぁ。日課が増えたな。」

 

 ソファー(前にいってた革製の椅子)に寝転びながら振り返る。

 

(刀華さん戦い苦手そうだったのに。やっぱ武神としての力があるから任されてるのかな?責任感もあったし。)

 

 言葉(ことは)「妖怪の大群。都市を囲むすべての妖怪。それが攻めてくる、か。」

 

 近頃聞く妖怪は、怪力をもつ角の生えた妖怪。

 翼をもつ妖怪。素早い妖怪。皆独自の変化を遂げ、尚且つそれぞれに強力な能力を持つ「長」と呼ばれる者たちも出てきている。

 正直守りきれるか不安だが

 

(守って見せる、少しでも世話になったんだ。少しは恩を返さないと。)

 

 言葉(ことは)「そのためにも、また自分で能力を調べて見るか。」

 

 

 これから起こる戦いに向け、全てが動き出した。

 

 起こす側、妖怪と。

 

 守る側、都市。

 

(正直、争いは起きてほしくなかった。でも)

 

 妖怪、知性が未だに低いため、無差別に生命を襲う存在。時には同族で争うこともあるらしい。

 

(あいつらがいる限り、争いが消えることはないだろうな。仕方ないと割りきるしかないだろう。)

 

 自分の世界での争い。目を背けることは許されない世界の通る『道』。

 

(俺は一体、この世界をどうしたいんだろうな。)

 

 感情が次々に変わり、気分が落ちてきた。

 

 

(もういいや……やることもないし、寝てしまおう。)

 

 

 いつもよりだいぶ早めの就寝だった。

 能力を行使しすぎ、疲れたのもありすぐに意識は落ちていった。

 

 




えー、次の話で少し戦闘シーンだします!やっとです!
後、刀華についてですが、神様って設定ですけどそこまで凝ってはないです、言うならサブです。
まずこの話の神様の設定もそこまで作り込んでないので、ん?と思うところがあっても無視してください。気になるなら2章からちゃんとまとめますので。
長くなりましたが!それでは次回で!

追記、タイトル忘れてました……テヘペロっ!
色々と忘れてすいません。_(._.)_

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