はい、昨日は3000字いかなかったので、今回は4000字近く書きました。どうかお楽しみください。
それでは第九話をどうぞ!
in
今俺は久しぶりの睡眠を終えたところだった。
そして能力を行使して寝ていた期間を調べたところ、
思わず叫んでしまうくらいに悔しい。この頃は何日も寝続けないように2日に一回は寝ていたのだが、今日は何でかこんなに寝てしまっていた。
(はぁ…やっぱ変なところで不便だ、この体。)
お腹は空かず、睡眠も中々しなくていいが、たまに疲れをとるために寝れば、何日も寝てしまう。ホントに不便。
身支度をして、いつもの場所へ向かう。
in研究室
永琳「も~やっときたのね、
少し不機嫌な様子の永琳さん。今回は自分のせいでこうなっているので心が痛い。
永琳「ちゃんと体調管理しなさいよ!ずっと寝なくていい体ってわけではないでしょ?ほら、これ今日の課題よ。」
ここ2ヶ月の研究では、俺の体の情報も取っている。代償がもたらす体の変化を知りたいらしい。体がだるくなったり、腹が痛くなったりするだけなのに取る必要はあるのかは俺には分からない。
(はあ、寝起きでだるい。少しはだるさが『とれてほしい』ものだ。)
睡眠の割りに疲れのとれない体への不満をこぼす。すると体の中をまさぐられるような感覚が起こる。
(何だ今の感覚...。少し体が軽くなった?いや、気のせいだろう。)
機械は手首と頭に巻き付けるだけの簡易的なものだ。
永琳「計測始めたから、やっていいわよ。」
(えっと、今日の課題はっと。)
本日の課題。
最近ある程度内容が掴めてきた『意味を操る能力』。その中でも新たに分かったこと、〝思いの強さ〟についての実験を行う。
鉄の塊を温かくする。これだけに能力を行使して鉄の塊を熱くする。
これが課題です。
(でも、思いの強さとか、操るの難しいんだよ…)
「この鉄を『温める』」
今回は『温める』だけの情報なので『与える』ことはしない。情報が多ければ多いほど能力も強化される。これも分かってきたことの一つだ。まあ限界があるからそこまでだけどね。
実験を始めて数十分……
永琳「お疲れ様。にしても体温と同じ熱さが限界だなんて、少し驚きだわ。」
さっきの課題の際、500回くらい能力を行使していた。それでもこの結果だ。もちろん思いの強さに焦点をあわせている。
永琳「そうねぇ、100回越えた辺りから体に不調の反応があったし。回数もちゃんと考えないときつそうね。」
(100回からって…だから途中集中が切れそうだったんだ…)
永琳「終わりだけど、少し話があるわ。」
さっきとは違う真剣な面持ちで彼女は言う。
何となく内容は分かる。始めてツクヨミさんに会ってからもたまに部屋に呼んでもらって色々と話をしていた。何気ない会話や、例の月の話やら。
最近、その月の話を実行するために動く。そうツクヨミさんから言われた。今から永琳さんが話すのもその類いだろう。
永琳「多分ツクヨミ様から聞いてるだろうけど、月に行く計画を実行段階に移すことにしたの。それでそのために」
永琳「まあそうね。それともうひとつ。あなたにやってもらいたいことがあるの。その計画のために。」
永琳「ええ、ちょっと申し訳ないんだけど、能力を使えば格段に成功率は上がるから。」
永琳「ありがとう、早速だけど応接室に行ってくれる?研究の途中に連絡があって、今そこにさっきの件の責任者が来てるって。」
永琳「緊張なんてしなくていいのに、一応親しみやすい人よ。」
永琳「しないわよ、今回はホントに大事な話なんだから。それに疑いすぎ。」
永琳「ええ、いってらっしゃい。」
軽く会話を交わして応接室へ向かう。
in応接室
ツクヨミ「おっ来てくれたか、
?「はじめまして。
部屋にはツクヨミさんと、金髪の男の人がいた。ちなみに耳は生えていない。
?「ああ、すまない。名乗るのを忘れていた。私の名は、
刀華「いえいえ。私はツクヨミ様の足元にすら及ばない小さな神です。戦いに勝ちたいと望む野心から生まれた。そんな神ですから。」
刀華さんは少しうつむいて暗い表情を見せる。
(戦いとかそういうの苦手なのかな?それで軍隊のトップを任されてるなんて…)
ここは安全といってもそれなりに妖怪はせめてくる。多分あの子達が願ったんだろう。『妖怪何かに負けたくない。勝ちたい』と。
そっと刀華さんに微笑みかける。
刀華「ありがとうございます、
ツクヨミ「あのー、私のこと見えてる?さっきから空気なんだけど…」
刀華「申し訳ございません!ツクヨミ様!」
二人揃って謝る。
ツクヨミ「ハハッ、二人とも何処か似てるね~、兄弟だったり?」
お互いに向き合って首をかしげる。
ツクヨミ「似てる似てる、っく、アハハっ」
ツクヨミさんはそこからずっと笑っていた。
ツクヨミ「ふぅ、お腹痛い…。さて!本題に入ろうか!」
ツクヨミ「私たちがこの都市から月へ移り住むっていうことは知ってるよね?」
刀華「ええ」
ツクヨミ「うん、それでね。私たちが移り住む前の日に妖怪の大群。それもこの都市の周りすべての妖怪がここに攻めてくるらしい。」
いつもより真剣な表情でツクヨミさんは言う。
刀華「…。それで、我々はどうすれば?」
俺はだいぶ驚いたが、刀華さんは落ち着いてツクヨミさんに問う。
ツクヨミ「君たちには出発の準備が済むまでこの都市を防衛してもらう。ただそれだけさ。でもね、
ツクヨミ「君の能力は持久戦には向いてないだろう?その戦いは一日以上かかるかも知れないんだ。得物を使った戦い方を学ぶべきだ。刀華、いいかい?」
刀華「ツクヨミ様の命令であれば。私はそれに従うまでです。」
ツクヨミ「そうかい…。それじゃ頼む。
刀華「こちらこそよろしく頼む。」
お互い礼をした後、ツクヨミさんと別れの言葉を交わしてそれぞれの部屋へ向かう。
ちなみに上の位についてない人達は集団生活をしてるそうな。やっぱ俺って優遇されてるんだなぁと思った。それだけ。
in
ソファー(前にいってた革製の椅子)に寝転びながら振り返る。
(刀華さん戦い苦手そうだったのに。やっぱ武神としての力があるから任されてるのかな?責任感もあったし。)
近頃聞く妖怪は、怪力をもつ角の生えた妖怪。
翼をもつ妖怪。素早い妖怪。皆独自の変化を遂げ、尚且つそれぞれに強力な能力を持つ「長」と呼ばれる者たちも出てきている。
正直守りきれるか不安だが
(守って見せる、少しでも世話になったんだ。少しは恩を返さないと。)
これから起こる戦いに向け、全てが動き出した。
起こす側、妖怪と。
守る側、都市。
(正直、争いは起きてほしくなかった。でも)
妖怪、知性が未だに低いため、無差別に生命を襲う存在。時には同族で争うこともあるらしい。
(あいつらがいる限り、争いが消えることはないだろうな。仕方ないと割りきるしかないだろう。)
自分の世界での争い。目を背けることは許されない世界の通る『道』。
(俺は一体、この世界をどうしたいんだろうな。)
感情が次々に変わり、気分が落ちてきた。
(もういいや……やることもないし、寝てしまおう。)
いつもよりだいぶ早めの就寝だった。
能力を行使しすぎ、疲れたのもありすぐに意識は落ちていった。
えー、次の話で少し戦闘シーンだします!やっとです!
後、刀華についてですが、神様って設定ですけどそこまで凝ってはないです、言うならサブです。
まずこの話の神様の設定もそこまで作り込んでないので、ん?と思うところがあっても無視してください。気になるなら2章からちゃんとまとめますので。
長くなりましたが!それでは次回で!
追記、タイトル忘れてました……テヘペロっ!
色々と忘れてすいません。_(._.)_