東方深意伝   作:ただのみらの

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どうも、ただのみらのです。
ちょっと体調を崩しまして、連続投稿どころか、執筆自体あまり捗りませんでした。何とか書きましたが3000文字にも満たないくらい少ないです。
それでも楽しんでいただければ幸いです。
それでは第八話をどうぞ!


8,心に届く、幸せからの贈り物。

 in研究室

 

 永琳「じゃあ今日も6個にしましょうか。」

 言葉(ことは)「分かりました。」

 永琳「この水にここに書いてることを加えてみて。」

 紙を渡された後、息を、心を整え、能力を行使する。

 

「この水に『浮遊』と『発光』と『丸さ』と『制御』と『自在』を『与える』。」

 

 すると水は浮かび上がり、流れるように形を変えながら光り、綺麗な丸になった。

 

 言葉(ことは)「ってぇ~!」

 永琳「ん~、やっぱり5個が限界かしら?」

 言葉(ことは)「いてて…そうみたいですね。」

 

 俺は先程作った水球を操りながら答える。

 

 永琳「やっぱり何ともできないのね、代償については。」

 言葉(ことは)「ええ、能力使っても完璧には消せないですし。それに出来ることは全部やってしまったので……」

 

 都市に来てからもう半年がたった。俺は今永琳さんの部屋で能力についての情報を集めたりまとめたりしていた。ここ1ヶ月こういうことをやっている。

 主に代償について。

 その代償について新たに分かったことは、能力を反映させる言葉の数によって、代償を負う可能性も増えるということ。

 永琳さんの考察だと、能力自体が強力すぎて、言葉一つ一つに能力を使うと俺の中での何かが乱れて、その結果代償を負ってしまうのでは?とのこと。

 

 言葉(ことは)「自分でも能力の全容が把握できてないとか、ちょっと情けないです…」

 永琳「まあここまで複雑だとそれもできないわよ。むしろここまで分かったのはすごいわ。」

 

 研究の記録を残しながら、落ち込む俺を励ましてくれる。

 

(やっぱいい人だな、この人。)

 

 永琳「あっ、そういえば軍隊の方に顔出しに行くって言ってたわね?今から行くの?」

 

 本当は昼になるまでに行きたかったのだが、代償について色々とやってたら、もう日が昇りきりそうだった。

 

 

 言葉(ことは)「いや、夕方近くに挨拶だけしに行こうかと思います。話もそこまで長くはならないでしょうし。」

 永琳「あらそう。なら少し話し相手してくれない?今日は会議もないし暇なの。」

 

 ここ最近会議ばかりだったのか、研究の時間も時折疲れた表情を見せていた。研究は自分のためにもなってる。恩返しとまではいかないが、付き合うべきだろう。

 

 言葉(ことは)「別にいいですけど…まず昼飯でいいですかね?」

 永琳「そうね、そうしましょうか!私いいとこ知ってるから、行きましょ!」

 

 少しテンションが高くなっている永琳さん。

 

(何かいつもと違う雰囲気だけど、いいな。)

 

 ちょっと活気な彼女に思わずドキッとしてしまった。

 

 言葉(ことは)「てか、こんなところでそれはちょっと違うか」

 

 永琳「?どうかした?言葉(ことは)?」

 言葉(ことは)「いえ、何でも。行きましょうか!」

 

 彼女と過ごした少しの時間は、此世界(このせかい)家で過ごした時間とは違う楽しさがあった。

 時間を忘れてずっと話していたいくらいに。

 

 

 日がだいぶ傾いてきた頃……

 

 言葉(ことは)「もうこんな時間か」

 

 外で傾く日を見て焦ってしまう。話が盛り上がって話しすぎてしまっていた。

 

 永琳「あらほんと、今日はありがとね、言葉(ことは)

 言葉(ことは)「いえ、こちらこそありがとうございました。ではまた明日。」

 

 急いで軍隊の人達が集まっている区画の方に向かう。

 

 

 

 in訓練所

 

 訓練所につくと、耳の生えた子達が少数のグループを点々と作り、広場のような場所で談笑していた。恐らく訓練が終わったのだろう。

 

(普通訓練が終わっても、こんな気を抜かないと思うんだけど……)

 

 ここの軍隊は都市の防衛がメインなので、いつ襲ってくるか分からない外の妖怪に警戒してピリピリしてるものかと思ってたが、意外と和やかだ。

 

 言葉(ことは)「確か奥の方に教官の部屋があるって永琳さんが言ってたな。」

 

 前に案内された時の記憶を引き出してその部屋へ向かう。

 

 言葉(ことは)「すいませーん、誰かいますかー?」

 

 ドアをノックしながら呼び掛ける。

 

 言葉(ことは)「誰もいない?」

 

 教官室に誰もいないということは、指導者なしの訓練を行っていたということだ。

 

(あの様子じゃ大した訓練もしてないだろうけど…。誰もいないなら部屋に戻るか。)

 

 ちょっとした不安を抱えながらも部屋へ戻るため引き返す。

 

 in 廊下

 

 言葉(ことは)「にしても、あれで軍隊なのか?防衛どころか出撃すらできなさそうなのに…」

 永琳「さすがに出撃はできるわよ。」

 言葉(ことは)「そうですね、さすがに言い過ぎました……。あの、急に話しかけるのやめてください、びっくりします!」

 

 いつの間にか横にならんでいた永琳さん。気配が全く感じられなかった。

 

 永琳「別にいいじゃない。それにたまたま言葉(ことは)を見かければいじりたくもなるわ。」

 言葉(ことは)「見かけたら驚かす考えはしまってくださいよ…。永琳さんはどうしてここに?訓練所に用はなかったんじゃないんですか?」

 永琳「ちょっとした会議を開いてたのよ。まあ話を伝えておくだけだったから、いつもよりは楽だったわ。」

 

 ここの都市の会議は位はあまり関係しないらしい。誰でも平等に発言できるというモットーのもと行っているから、だそうだ。

 そのため会議は自分のやりたいことを無理矢理通そうとする輩ばかりで意味があまりないそうな。

 まあ形だけそうしておかないとそいつらがうるさいらしいから、仕方ないんだと。

 

 言葉(ことは)「毎回お疲れ様です。それより、訓練所にいる子達何もしてないように見えたんですけど、いいんですか?」

 永琳「まあ仕方ないわよ。さっきの会議には軍の方にも出席してもらってたし。一応話しておかないといけないことがあったから。でも普段は真面目に訓練してるわよ?」

 言葉(ことは)「そうなんですか、それでも何か不安です…」

 永琳「大丈夫よ、あの子達よりも強い上の人達がいるから。多分簡単にはここは落とされないわ。それもこの世が終わりそうなくらいの災害が来ない限り。」

 言葉(ことは)「それはすごいですね…。」

 

その後は、彼女と他愛もない話をしながら部屋向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




先に言っときます。ヒロインはまだ未定です。そういう描写がありますが、まだそうなるとは限りませんから!
後々話の流れで合わせていきますのでお待ち下さい!
それじゃまた次回で!

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