東方深意伝   作:ただのみらの

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どうも、こんばんは。ただのみらのです!
ようやくこの物語が動き出します。
伏線はるのが苦手なのでバレバレかもですが、色々と仕掛けていきますよー!
それじゃあ第六話どうぞ!


6,『無限』から『有限』に

 in 応接室

 

(やばい、、、今まで生きてきた中で一番やばい、、)

 えー、俺は今、ツクヨミ様と呼ばれる人の前に座っています。

 よく手入れされてるのが見てもわかるくらいに綺麗な長い黒髪に、パーツ一つ一つが整っている顔、見た目はものすんごく可愛いんだけど、何か威圧感がすごい…。まさしく『神』って感じ。

 

 言葉(ことは)「……」

 ツクヨミ「……。」

 永琳「……。」

 隣にいる八意さんも緊張している。

 

 ツクヨミ様っていう人は、この都市のトップ、しかも、この都市に住んでる全ての人の信仰対象だという。八意さんの話だとこの都市には大体五万人くらいの人が住んでるらしい。

 …そんなに信仰されればこんな威圧感も納得なんだが。

 

 言葉(ことは)「……。あの!」

 緊張しすぎて声が裏返ってしまう。

 ツクヨミ「…。」

 言葉(ことは)「えーっと、その、」

 あまりにも無反応なので、話始めていいのか分からず、戸惑ってしまう。

 言葉(ことは)「何でも、、ないです。」

(はぁ、何でこうなったんだろう……)

 

 

 数十分前……。

 

 in永琳の部屋

 

 言葉(ことは)「あのー、八意さん。」

 永琳「はい?なんでしょうか?」

 

 俺の能力や力について質問されてる中、俺は一つ疑問に思ったことがあった。

 

 言葉(ことは)「俺の中にある力って、その、『ツクヨミ』って人と同じ力なんですよね?」

 永琳「ええ、そうよ。ツクヨミ様と同じ『神』の力。あなたはそれを持ってるの。」

 言葉(ことは)「やっぱり、ツクヨミって人は神だったんだな……。」

 永琳「あなた、何でそう予測できていたの?」

 

 八意さんは少し険しい顔で俺を見る。

 恐らくまた妖怪のスパイなんじゃ?とか思ってるんだろう。

 

 言葉(ことは)「ここから俺の知ってる神様と同じ力を感じたもので。」

 永琳「あら、そうなの。」

 

 八意さんは興味を失ったのか、また俺の情報をまとめ始めた。

 永琳「あっ、そういえば今日、そのツクヨミ様のところに行くからね。」

 言葉(ことは)「分かりました。……ってえ!?何でですか!?」

 

(いきなりここの神様に会うとか、心の準備ができてない!もしかしたら、「私の都市に何故違う神が入ってきた!殺してやる!」みたいになるかも…)

 

 恐ろしい想像をしながら怯える俺を見て八意さんは笑っている。

 

 永琳「多分あなたが想像しているようにはならないわよ?ウフフッ。」

 言葉(ことは)「そ、それならいいですけど…」

(なんか不安になるなぁ…)

 永琳「情報もまとめ終わったし、行きましょうか。」

 言葉(ことは)「分かりました。」

 

 

 

 

 そして、応接室の様なところに通された途端、この威圧感。

(想像してた方が近かったじゃないか!何がそうならないわよ?だ!なりそうじゃんか!)

 

 俺は隣にいる八意さんに恨むような視線を送る。

 しかし、彼女も何が起こってるのか分からず、ずっと混乱している。

 

 ツクヨミ「座れ。」

 ビクッ(ひっ、ひぃ~っ!怖ぇよ、怖ぇよ!)

 言葉(ことは)「す、座らせていただきます。」

 

 自分でも意味の分からない言葉を発した後に、ビクビクしながら大きな革製の椅子に座る。

 

(座り心地はいいのに、居心地は良くない…)

 

 座ってからは、俺からもツクヨミさんからも、話始めることはなく、ずっとツクヨミさんに睨まれていた。

 

 

 そして今に至る。

 

(ううっ、もう家に帰りたいよぉ…)

 

 ホントに泣きそう。もう涙のダムが決壊しそうなその時。

 

「「プッ、アハハハハハッ!」」

 

 言葉(ことは)「え?」

 永琳「いやー、中々面白い顔してたわよ?あなた。」

 

(それより、これはなんだ?何かすごい疎外感。)

 

 ツクヨミ「いやーごめんねー。永琳が昨日『彼を少しおどかしてやりたいです!』と言ってきたもんで。」

 言葉(ことは)「はいぃ!?初対面の奴にそんな事しようとしたんですか!?何してるんですか!?八意さん!」

 永琳「ウフフッ、もうしたんだけどね。実はあなたに付いていた穢れがあなたのものじゃなかったから。安全ならもう何でもしていいやってなっちゃって。」

 言葉(ことは)「ひどいですよ!ツクヨミさんも!」

 ツクヨミ「いいじゃない、いいじゃない。楽しかったんだから。」

 

 ツクヨミさんはまだ笑っていた。

 

 言葉(ことは)「俺は怖かったんですよ、もう…」

 永琳「ごめんなさいね、それより、あなたここに住まない?」

 言葉(ことは)「えっ!?そんなまた急に…。どうしてですか?」

 永琳「何も害がなくて、しかも神と同じ力を持ってるなんて、都市にとっては手放したくない人材なのよ。」

 ツクヨミ「ということ!これからよろしくね!言葉(ことは)!」

 永琳「よろしく、言葉(ことは)。」

 言葉(ことは)「もういいや…。よろしくお願いします。二人とも。」

 

(とんでもないドッキリを受けた後にここに住まないか、という勧誘。たった一日でここまで環境が変わるとか…。)

 

 これからあんな事が起きるなんて、ここにいる誰も予想はできなかっただろう。神でさえも。

 

 

 Side ツクヨミ

 

 あの子、言葉(ことは)は自分の住む部屋へ部下と一緒に向かわせた。

 

 ツクヨミ「あの子は面白いねぇ~。色々と。」

 永琳「?」

 ツクヨミ「あ、何でもないよ~。」

 

(あの子の能力、永琳に聞かせてもらってけど、『アレ』に使える。必ず……成功させて見せる!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 青年は知ることがないだろう、この都市の向かう未来を。

 この都市を統べるものが持つ野望すらも。

 

 

 Side 言葉(ことは)

 in 新居

 

 言葉(ことは)「あのー、これ、おかしくないですか?」

 部下「おかしくはありませんよ。ツクヨミ様のご友人と聞いておりますので、これくらいは当たり前でございます。」

 

 今、耳が頭から生えてる不思議な女の子に、自分の部屋まで案内してもらった。

 

(でも、ちょっと大きすぎじゃないかな?)

 

 俺の部屋は、他の周りにある部屋と違い、 何かよさげな場所にあった。

 入ってみればあら不思議。此世界(このせかい)家にある部屋より豪華!

 言葉(ことは)「まあいいや、案内ありがとう。」

 部下「どういたしまして。それでは。」

 

 女の子はせっせと去っていく。

 

 言葉(ことは)「ん~、とりあえず部屋の中見てみるか。」

 

 何もやらないでいるのは時間の無駄なので、適当に時間を潰す。

 

 

 言葉(ことは)「ん?書き置き?」

 

 机の上にある花瓶の下に紙が挟まっていた。

 〝後でもう一回さっきの部屋に来てね~。

  ツクヨミ〟

 

 言葉(ことは)「?これならさっきここに来る前に言っとけば良かったのに。まあいいや。行くか。」

 

  近くにいたさっきとは違う子を呼び止めて、応接室まで案内してもらうことにした。

 

 in応接室

 

 ツクヨミ「おっ、きたきたー!さっきぶり、言葉(ことは)!」

 言葉(ことは)「は、はぁ、それで何の用ですか?書き置き何かで呼び出して。」

 ツクヨミ「ん?いやね、君に相談したいことがあってさ。」

 言葉(ことは)「新入りの俺に相談ですか…。まあいいや。で、相談って?」

 ツクヨミ「君は、空に浮かぶもう一つの星を知っているかい?地球のすぐそばにあるあの星を。」

 言葉(ことは)「ええ、知ってますよ。『月』ですよね?日によって満ち欠けがある。」

 ツクヨミ「そう、あの月。実はあの星はね、光が満ちた、満月の時に妖怪に力を与えるんだ。」

 言葉(ことは)「そうなんですか、初めて知りました。でも、それがどうしたんですか?」

 ツクヨミ「…。少し長いけど聞いてくれる?」

 

 そう言ったツクヨミさんの顔は、元気な時とは違い、とても暗い暗い表情だった。

 

 日によって満ち欠けする月。

 それが満ちて満月になるとき、さっきいったみたいに地上にいる妖怪達に力を与えるの。

 それが何回も続くと、知能持ち始めた妖怪は、その月を信仰し始めた。

 自分たちを強くしてくれるんだもの、もちろんそうなるわ。

 するとその信仰は『月』に与えられるはずなの。

 でも月自体が持つ何らかの『力』でその信仰を受けれなかった。

 届かない信仰は地上で形を成して、『神』となった。

 それが私。ツクヨミ。

 生まれたばかりで、何をしていいのか分からなかった。

 私はただ、私を生み出した妖怪からずっと逃げてきた。

 ある日突然現れたある人に救われた。

 それが誰かは分からない。でも、その誰かのおかげで、日に日に私の周りには妖怪じゃなく、あの耳の生えた子達が増えてきた。

 そして、その子達と誰かはこの都市を与えてくれた。

 その後に誰かさんはいなくなっちゃったけど、

 その代わりに、永琳が現れたの。

 永琳がどうやって現れたのか分からないけど、とにかく周りにいてくれた皆のおかげで、今のこの都市がある。

 

 ツクヨミ「でもね、今この都市は無くなろうとしているの。」

 言葉(ことは)「…っ!何ですか?ここは安全そのものじゃないか。」

 

(八意さんに教えてもらったけど、警備自体もものすごい厳しいし。何か危ない状況ってわけでもないのに。)

 

 ツクヨミ「あなたも聞いたことがある。『穢れ』。これがこの都市に不治の病をもたらし始めたの。」

 

『穢れ』

 

 妖怪の持つ気質のようなものらしい。

 その穢れに憑かれると、年を重ねるごとに衰弱し、消えてしまう。そんな病が流行っているようだ。

 

 言葉(ことは)「それで、どうするんですか?」

 ツクヨミ「私たちは、この穢れから離れるために」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『月』へ移り住む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、ようやく東方キャラが出ましたね。一人ですが。
後、ツクヨミさんの設定は少し適当です。また別の機会にプロフィールをまとめますが、よくわからなくなると思います。
それと第六話はまあまあ重要な話。という設定です。そこだけ覚えといてください。
それではまた次回に!

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